建設業を営む事業者にとって、建設業許可の維持は経営の根幹を支える重要な要素です。
特に公共工事の受注や金融機関からの信用確保を考えると、許可を安定的に保持し続けることは欠かせません。
その中で毎年必ず行わなければならないのが、「事業年度終了報告(決算変更届)」の提出です。
これは単なる事務手続きではなく、建設業法に基づく義務であり、提出を怠ると許可更新ができない、経営事項審査(経審)を受けられないといった重大なリスクにつながります。
岡山県においても、県知事許可を受けている建設業者は、事業年度終了後4か月以内に決算変更届を提出しなければなりません。しかし実際には、
- 「どの書類を揃えればよいのか分からない」
- 「税務申告は済ませたが、建設業用の様式が別に必要だと知らなかった」
といった声が多く聞かれます。
本記事では、岡山県での建設業許可における事業年度終了報告(決算変更届)の最新情報を、要件・申請書類・提出先・料金まで詳しく解説します。
さらに、行政書士に依頼するメリットや実務上の注意点も取り上げ、事業者の皆さまが安心して手続きを進められるようサポートします。
建設業許可の事業年度終了報告(決算変更届)について
建設業許可を受けている事業者は、毎事業年度終了後4か月以内に「事業年度終了報告書(決算変更届)」を提出する義務があります。
これは建設業法第11条に基づくもので、許可を維持するために欠かせない手続きです。
岡山県においても、県知事許可を受けている建設業者は必ず提出しなければなりません。
提出を怠ると、以下のようなリスクが生じます。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 許可更新不可 | 更新時に過去の決算変更届が未提出だと、許可が下りない可能性がある |
| 経営事項審査(経審)不可 | 公共工事を受注するための経審を受けられない |
| 信用低下 | 発注者や金融機関からの信用に影響 |
| 行政指導 | 岡山県からの指導対象となる |
重要ポイント:税務署への決算申告とは別に、建設業法に基づく専用様式での提出が必要です。
要件
岡山県での決算変更届提出要件は以下のとおりです。
| 区分 | 要件 |
|---|---|
| 法人 | 定款に基づく事業年度終了後4か月以内に提出 |
| 個人 | 確定申告に基づく事業年度終了後4か月以内に提出 |
補足:営業所技術者(旧:専任技術者)は、建設業許可の根幹を支える存在です。常勤性が確認できない場合、許可自体が危うくなるため注意が必要です。
申請書
岡山県の公式サイトから様式をダウンロード可能です。法人・個人で必要書類が異なります。
| 書類名 | 法人 | 個人 |
|---|---|---|
| 表紙 | 必要 | 必要 |
| 工事経歴書 | 必要 | 必要 |
| 直前3年の工事施工金額 | 必要 | 必要 |
| 貸借対照表 | 必要 | 必要 |
| 損益計算書 | 必要 | 必要 |
| 株主資本等変動計算書 | 必要 | ― |
| 個別注記表 | 必要 | ― |
| 納税証明書 | 法人事業税 | 個人事業税 |
注意点:岡山県独自の様式を使用する必要があります。他県の様式は不可です。
申請先
岡山県知事許可の場合、以下の窓口に提出します。
| 区分 | 提出先 |
|---|---|
| 岡山県内 | 岡山県庁 土木部建設業課 |
補足:郵送提出も可能ですが、書類不備があると受理されません。窓口での事前確認を推奨します。
申請料金
決算変更届自体には手数料は不要です。ただし、添付する納税証明書の取得に費用がかかります。
| 費用項目 | 金額(目安) |
|---|---|
| 決算変更届 | 無料 |
| 納税証明書(県税事務所) | 400円前後/1通 |
| 行政書士報酬(依頼時) | 44,000円(当事務所) |
行政書士を活用するメリット
事業者が自力で作成する場合、会計知識・建設業法知識・岡山県独自様式の理解が必要です。行政書士に依頼することで以下のメリットがあります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 正確性 | 書類不備による差戻しを防止 |
| 効率性 | 本業に専念できる |
| 継続性 | 翌年度以降もスムーズに対応可能 |
| 経審対策 | 経営事項審査を見据えた書類作成が可能 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 提出期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
A. 岡山県では遅延提出も受理されますが、更新や経審に影響するため速やかに提出してください。
Q2. 税理士が作成した決算書をそのまま提出できますか?
A. いいえ。建設業法に基づく専用様式に転記する必要があります。
Q3. 個人事業主も提出が必要ですか?
A. はい。法人・個人を問わず、岡山県知事許可を受けている場合は必須です。
不提出のリスク詳細
- 許可更新不可:更新時に過去の決算変更届が未提出だと、許可が下りない可能性がある
- 経審不可:公共工事を受注するための経営事項審査を受けられない
- 金融機関からの信用低下:融資審査で不利になる可能性がある
- 行政指導:岡山県からの指導対象となる
行政書士依頼の流れ(岡山県の場合)
- ヒアリング(事業年度・工事実績・営業所技術者の確認)
- 必要書類の収集(決算書・納税証明書など)
- 書類作成(岡山県様式に基づく)
- 提出代行(県庁)
- 受理確認・控え返却
まとめ
- 建設業許可の事業年度終了報告(決算変更届)は、岡山県知事許可業者に義務付けられた重要手続き
- 提出期限は事業年度終了後4か月以内
- 書類は岡山県独自様式を使用
- 提出先は岡山県庁
- 手数料は不要だが、納税証明書取得費用が必要
- 行政書士に依頼することで、正確・効率的・経審対策にも有効
決算変更届の作成・提出でお困りの事業者様は、ぜひ行政書士にご相談ください。

