建設業法【第7章:雑則】逐条解説

建設業を営むうえで建設業法をはとても重要な法律です。

建設業法は建設業を営む方にとって大切な法律ですが、とっても読みにくいんです。

ポイント

・建設業法を確認したいけど、読みにくくて断念してしまう・・・
・建設業法をわかりやすく解説してほしい・・・
・建設業法の大切な部分だけでも解説してほしい・・・

このような思いの方へ向けて、
わかりにくい建設業法について建設業許可を取扱う行政書士が建設業法についてわかりやすく解説します。

行政書士

この記事を読むと
「建設業法 第7章 雑則」
について確実に理解が深まります。

まず、「建設業法 第7章 雑則」は次のような構成になっています。

  • 第7章 雑則
    • 電子計算機による処理に係る手続の特例等
    • 標識の掲示
    • 表示の制限
    • 帳簿の備付け等
    • 建設業を営む者及び建設業者団体に対する指導、助言及び勧告
    • 建設資材製造業者等に対する勧告及び命令等
    • 公正取引委員会への措置請求等
    • 都道府県の費用負担
    • 参考人の費用請求権
    • 経過措置
    • 権限の委任

「建設業法 第7章 雑則」は、
「1章から6章までの内容に属さないその他の事項」について書かれています。

行政書士

「建設業法 第7章 雑則」は章立てするほどまとまりのない個別の事項について明記されています。

「建設業法 第7章 雑則」は雑則といっても重要でないという意味ではなく、1章から6章の内容に含まれない内容を明記しています。

標識の掲示」や「帳簿の備付け」など実際の業務で必須となる事柄も明記されています。

それでは具体的な中身を見ていきましょう。

建設業法 第7章 雑則

第7章 雑則
建設業法を行政書士がわかりやすく解説!【最新の改正にも対応】

建設業を営むうえで建設業法をは重要な法律です。 建設業法は建設業を営む方にとって大切な法律ですが、とっても読みにくいんです。 このような思いの方へ向けて、わかり…

雑則

建設業法 第39条の4(電子計算機による処理に係る手続の特例等)

建設業法 第39条の4

第三十九条の四 許可申請書の提出その他のこの法律の規定による国土交通大臣又は都道府県知事(登録経営状況分析機関を含む。)に対する手続であつて国土交通省令で定めるもの(次項において「特定手続」という。)については、国土交通省令で定めるところにより、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。同項において同じ。)の提出により行うことができる。
2 前項の規定により行われた特定手続については、当該特定手続を書面の提出により行うものとして規定したこの法律の規定に規定する書面の提出により行われたものとみなして、この法律の規定(これに係る罰則を含む。)を適用する。この場合においては、磁気ディスクへの記録をもつて書面への記載とみなす。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第39条の4では「電子計算機による処理に係る手続の特例等」について明記されています。

電子計算機による処理に係る手続の特例等

国土交通省令で定められた特定手続は文書での申請にかえて磁気ディスクで申請できます。

そして、磁気ディスクで申請した場合、文書で申請したとみなして法律が適用されます。

もぐらくん

特定手続は磁気ディスクでの申請ができる。

建設業法 第40条(標識の掲示)

建設業法 第40条

第四十条 建設業者は、その店舗及び建設工事(発注者から直接請け負つたものに限る。)の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第一の下欄の区分による建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第40条では「標識の掲示」について明記されています。

標識の掲示

掲示場所

  • 事務所
  • 工事現場

掲示場所の指定

  • 公衆の見やすい場所

掲示する内容

  • 建設業の名称
  • 一般建設業または特定建設業の別
  • その他国土交通省令で定める事項
もぐらくん

事務所と現場には標識の掲示が必要。

建設業法 第40条の2(表示の制限)

建設業法 第40条の2

第四十条の二 建設業を営む者は、当該建設業について、第三条第一項の許可を受けていないのに、その許可を受けた建設業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をしてはならない。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第40条の2では「表示の制限」について明記されています。

表示の制限

建設業許可を受けていない業者は、建設業許可を受けた建設業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をしてはいけません。

もぐらくん

間違われるような表示はダメ。

建設業法 第40条の3(帳簿の備付け等)

建設業法 第40条の3

第四十条の三 建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、かつ、当該帳簿及びその営業に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第40条の3では「帳簿の備付け等」について明記されています。

帳簿の備付け等

営業所ごとに帳簿を備え、定められた文書を保管しなければいけません。

もぐらくん

営業に必要な帳簿と必要な文書の保管義務。

建設業法 第41条(建設業を営む者及び建設業者団体に対する指導、助言及び勧告)

建設業法 第41条

第四十一条 国土交通大臣又は都道府県知事は、建設業を営む者又は第二十七条の三十七の届出のあつた建設業者団体に対して、建設工事の適正な施工を確保し、又は建設業の健全な発達を図るため必要な指導、助言及び勧告を行うことができる。
2 特定建設業者が発注者から直接請け負つた建設工事の全部又は一部を施工している他の建設業を営む者が、当該建設工事の施工のために使用している労働者に対する賃金の支払を遅滞した場合において、必要があると認めるときは、当該特定建設業者の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事は、当該特定建設業者に対して、支払を遅滞した賃金のうち当該建設工事における労働の対価として適正と認められる賃金相当額を立替払することその他の適切な措置を講ずることを勧告することができる。
3 特定建設業者が発注者から直接請け負つた建設工事の全部又は一部を施工している他の建設業を営む者が、当該建設工事の施工に関し他人に損害を加えた場合において、必要があると認めるときは、当該特定建設業者の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事は、当該特定建設業者に対して、当該他人が受けた損害につき、適正と認められる金額を立替払することその他の適切な措置を講ずることを勧告することができる。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第41条では「建設業者等に対する指導、助言、勧告」について明記されています。

建設業者等に対する指導、助言、勧告

国土交通大臣または都道府県知事は、建設業者、建設業者団体に対して、建設工事の適正な施工を確保し、建設業の健全な発達を図るために必要な指導、助言及び勧告を行うことができます。

特定建設業者に対する勧告

  • 特定建設業許可をした国土交通大臣または都道府県知事は、特定建設業者の下請業者が労働者に賃金を支払わない場合特定建設業者が立替払いするように勧告できます。
  • 特定建設業許可をした国土交通大臣または都道府県知事は、特定建設業者の下請業者が他人に損害を与えた場合特定建設業者が立替払いするように勧告できます。
もぐらくん

特定建設業者の責任は重大だね。

建設業法 第41条の2(建設資材製造業者等に対する勧告及び命令等)

建設業法 第41条の2

第四十一条の二 国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が第二十八条第一項第一号若しくは第三号に該当することにより当該建設業者に対して同項の規定による指示をする場合又は当該都道府県知事の管轄する区域内で建設工事を施工している第三条第一項の許可を受けないで建設業を営む者が第二十八条第二項第一号に該当することにより当該建設業を営む者に対して同項の規定による指示をする場合において、当該指示に係る違反行為が建設資材(建設工事に使用された資材をいう。以下この条において同じ。)に起因するものであると認められ、かつ、当該建設業者又は建設業を営む者に対する指示のみによつては当該違反行為の再発を防止することが困難であると認められるときは、当該建設業者又は建設業を営む者に当該建設資材を引き渡した建設資材製造業者等(建設資材の製造、加工又は輸入を業として行う者をいう。以下この条において同じ。)に対しても、当該違反行為の再発の防止を図るため適当な措置をとるべきことを勧告することができる。
2 国土交通大臣又は都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた建設資材製造業者等がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
3 国土交通大臣又は都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた建設資材製造業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらない場合において、同項の建設資材と同一又は類似の建設資材が使用されることにより建設工事の適正な施工の確保が著しく阻害されるおそれがあると認めるときは、当該建設資材製造業者等に対して、相当の期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
4 国土交通大臣又は都道府県知事は、前三項の規定の施行に必要な限度において、その許可を受けた建設業者(都道府県知事にあつては、その許可を受けた建設業者又は当該都道府県の区域内で建設業を営む者)に建設資材を引き渡した建設資材製造業者等に対して、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、事務所、工場、倉庫その他の場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
5 第二十六条の二十一第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第41条の2では「建設資材製造業者等に対する勧告・命令等」について明記されています。

建設資材製造業者等に対する勧告・命令等

国土交通大臣又は都道府県知事が建設業者に次の要因による指示をしたときに、原因が「建設資材製造業者等」によるものである場合、「建設資材製造業者等」に対して、違反行為の再発の防止を図るため適当な措置をとるべきことを勧告することができます。

指示する要因

  • 建設業者が建設工事を適切に施工しなかつたために公衆に危害を及ぼしたとき、または、危害を及ぼすおそれが大であるとき。
  • 建設業者がその業務に関し他の法令に違反し、建設業者として不適当であると認められるとき。

建設資材製造業者等がその勧告に従わないとき

  • その旨を公表することができます。

建設資材製造業者等がその勧告に正当な理由がなく従わないとき

  • 相当の期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずる
    (建設工事の適正な施工の確保が著しく阻害されるおそれがあると認めるとき)

国土交通大臣・都道府県知事の権限

  • 立入検査ができます。
    • 立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければいけません。
    • 立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはいけません。
もぐらくん

不正な製品を供給された場合は供給元を是正しないといけないね。

建設業法 第42条(公正取引委員会への措置請求等)

建設業法 第42条

第四十二条 国土交通大臣又は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が第十九条の三第十九条の四第二十四条の三第一項第二十四条の四第二十四条の五又は第二十四条の六第三項若しくは第四項の規定に違反している事実があり、その事実が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第十九条の規定に違反していると認めるときは、公正取引委員会に対し、同法の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができる。
2 国土交通大臣又は都道府県知事は、中小企業者(中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条第一項に規定する中小企業者をいう。次条において同じ。)である下請負人と下請契約を締結した元請負人について、前項の規定により措置をとるべきことを求めたときは、遅滞なく、中小企業庁長官にその旨を通知しなければならない。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第42条では「独占禁止法違反」について明記されています。

独占禁止法違反

国土交通大臣・都道府県知事は建設業者が独占禁止法に違反すると認めるときは、公正取引委員会に適当な措置をとるように求めることができます。

中小企業の下請負人が対象の場合

国土交通大臣・都道府県知事は中小企業庁長官に通知しなければいけません。

もぐらくん

独占禁止法に違反してはいけない。

建設業法 第42条の2(公正取引委員会への措置請求等)

建設業法 第42条の2

第四十二条の二 中小企業庁長官は、中小企業者である下請負人の利益を保護するため特に必要があると認めるときは、元請負人若しくは下請負人に対しその取引に関する報告をさせ、又はその職員に元請負人若しくは下請負人の営業所その他営業に関係のある場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第二十六条の二十一第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
3 中小企業庁長官は、第一項の規定による報告又は検査の結果中小企業者である下請負人と下請契約を締結した元請負人が第十九条の三第十九条の四第二十四条の三第一項第二十四条の四第二十四条の五又は第二十四条の六第三項若しくは第四項の規定に違反している事実があり、その事実が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第十九条の規定に違反していると認めるときは、公正取引委員会に対し、同法の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができる。
4 中小企業庁長官は、前項の規定により措置をとるべきことを求めたときは、遅滞なく、当該元請負人につき第三条第一項の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事に、その旨を通知しなければならない。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第42条の2では「中小企業の下請負人の利益保護」について明記されています。

中小企業の下請負人の利益保護

  • 中小企業庁長官は、中小企業者の下請負人の利益を保護するため、特に必要があると認めるときは立入検査ができます。
    • 立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければいけません。
    • 立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはいけません。
  • 中小企業庁長官は元請負人が違反している場合は、公正取引委員会に対し、適当な措置をとるべきことを求めることができます。
  • 中小企業庁長官は適当な措置をした場合、許可をした国土交通大臣又は都道府県知事に、その旨を通知しなければいけません。
もぐらくん

下請負人の保護規定。

建設業法 第43条(都道府県の費用負担)

建設業法 第43条

第四十三条 都道府県知事がこの法律を施行するために必要とする経費は、当該都道府県の負担とする。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第43条では「都道府県の費用負担」について明記されています。

都道府県の費用負担

都道府県知事がこの法律を施行するために必要とする経費は、当該都道府県の負担となります。

もぐらくん

施行に必要な経費は都道府県で負担する。

建設業法 第44条(参考人の費用請求権)

建設業法 第44条

第四十四条 第三十二条の規定により意見を求められて出頭した参考人は、政令の定めるところにより、旅費、日当その他の費用を請求することができる。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第44条では「参考人の費用請求権」について明記されています。

参考人の費用請求権

許可の取消しに係る聴聞の主宰者に招集された参考人は旅費、日当その他の費用を請求することができます。

もぐらくん

参考人の費用請求できる。

建設業法 第44条の2(経過措置)

建設業法 第44条の2

第四十四条の二 この法律の規定に基づき、命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第44条の2では「経過措置」について明記されています。

経過措置

この法律の規定に基づき、命令を制定し、又は改廃する場合は、合理的に必要と判断される範囲内で、所要の経過措置を定めることができます。

もぐらくん

経過措置期間を定めることができる。

建設業法 第44条の3(権限の委任)

建設業法 第44条の3

第四十四条の三 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

第44条の3では「権限の委任」について明記されています。

権限の委任

国土交通大臣の権限は、その一部を地方整備局長または、北海道開発局長に委任することができます。

もぐらくん

地方の役所へ委任できる。

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