特殊車両通行許可に関する車両制限令の解説

車両制限令の解説特殊車両通行許可ガイド

特殊車両に関する法令はご存じですか?

特殊車両を走行させるなら車両制限令の知識は必須です。
いきなり条文を読み始めると混乱するかもしれません。

そこで・・・

  • 特殊車両に関する法令を知りたい!
  • 特殊車両の規制にはどのようなものがあるかを知りたい!
  • 条文はわからないのでかみ砕いて教えてほしい・・・

なんて悩んでいませんか?

このようなお悩みをお持ちの方へ特殊車両通行許可申請を担う行政書士が特殊車両をとりまく手続きを徹底解説します。

 

行政書士
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この記事を読むと

「特殊車両に関する法令(車両制限令)」
がよくわかります。

 

この記事でお伝えしたい大切なこと

  1. 車両制限令の特殊車両に関する点について解説します。
  2. 特殊車両の走行規制の根拠法がわかります。

 

それでは具体的な中身を見ていきましょう。

車両制限令(特殊車両)について

車両制限令は、「道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限」について定めた政令です。

道路法で定められた法律に関連する細かい規定を定めたものになります。

特殊車両通行許可に関する内容でいうと、わかりやすいのが、一般的制限値の具体的な数値を決めています。

それでは、車両制限令について条文を見ていきましょう。

 

車両制限令(特殊車両)の条文を読んでみよう!

車両制限令は全20条と短いので全文掲載しています。

(趣旨)
第一条 道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限は、道路法(以下「法」という。)に定めるもののほか、この政令の定めるところによる。

(定義)
第二条 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 車両 法第二条第五項に規定する車両(人が乗車し、又は貨物が積載されている場合にあつてはその状態におけるものをいい、他の車両をけん引している場合にあつては当該けん引されている車両を含む。)をいう。
二 自動車 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車(二輪のものを除く。)及び無軌条電車をいう。
三 歩道 専ら歩行者の通行の用に供されている道路の部分をいう。
四 自転車道 専ら自転車の通行の用に供されている道路の部分をいう。
五 自転車歩行者道 専ら自転車及び歩行者の通行の用に供されている道路の部分をいう。
六 車道 専ら車両及び無軌条電車以外の軌道車の通行の用に供されている道路の部分(自転車道を除く。)又は歩道、自転車道若しくは自転車歩行者道のいずれをも有しない道路(自動車のみの一般交通の用に供されている道路を除く。)の一般通行の用に供されている部分をいう。
七 路肩 道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために、車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられている帯状の道路の部分をいう。

(車両の幅等の最高限度)
第三条 法第四十七条第一項の車両の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、次のとおりとする。
一 幅 二・五メートル
二 重量 次に掲げる値
イ 総重量 高速自動車国道又は道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては二十五トン以下で車両の長さ及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値、その他の道路を通行する車両にあつては二十トン
ロ 軸重 十トン
ハ 隣り合う車軸に係る軸重の合計 隣り合う車軸に係る軸距が一・八メートル未満である場合にあつては十八トン(隣り合う車軸に係る軸距が一・三メートル以上であり、かつ、当該隣り合う車軸に係る軸重がいずれも九・五トン以下である場合にあつては、十九トン)、一・八メートル以上である場合にあつては二十トン
ニ 輪荷重 五トン
三 高さ 道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては四・一メートル、その他の道路を通行する車両にあつては三・八メートル
四 長さ 十二メートル
五 最小回転半径 車両の最外側のわだちについて十二メートル
2 バン型のセミトレーラ連結車(自動車と前車軸を有しない被けん引車との結合体であつて、被けん引車の一部が自動車に載せられ、かつ、被けん引車及びその積載物の重量の相当の部分が自動車によつて支えられるものをいう。以下同じ。)、タンク型のセミトレーラ連結車、幌ほろ枠型のセミトレーラ連結車及びコンテナ又は自動車の運搬用のセミトレーラ連結車並びにフルトレーラ連結車(自動車と一の被けん引車との結合体であつて、被けん引車及びその積載物の重量が自動車によつて支えられないものをいう。以下同じ。)で自動車及び被けん引車がバン型の車両、タンク型の車両、幌ほろ枠型の車両又はコンテナ若しくは自動車の運搬用の車両であるものの総重量の最高限度は、前項の規定にかかわらず、高速自動車国道を通行するものにあつては三十六トン以下、その他の道路を通行するものにあつては二十七トン以下で、車両の軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値とする。

3 高速自動車国道を通行するセミトレーラ連結車又はフルトレーラ連結車で、その積載する貨物が被けん引車の車体の前方又は後方にはみ出していないものの長さの最高限度は、第一項の規定にかかわらず、セミトレーラ連結車にあつては十六・五メートル、フルトレーラ連結車にあつては十八メートルとする。

4 道路管理者が道路の強度、線形その他の道路の構造を勘案して国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車の通行による道路の構造の保全及び交通の危険の防止上の支障がないと認めて指定した道路を通行する国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車の重量及び長さの最高限度は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、次のとおりとする。
一 重量 次に掲げる値
イ 総重量 四十四トン以下で車両の車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
ロ 軸重 十一・五トン以下で車両の総重量、車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
ハ 輪荷重 五・七五トン以下で車両の総重量、車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
二 長さ 十六・五メートル

(車両についての制限の基準)
第四条 法第四十七条第四項の車両についての制限に関する基準は、次条から第十二条までに定めるとおりとする。

(幅の制限)
第五条 市街地を形成している区域(以下「市街地区域」という。)内の道路で、道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したもの又は一方通行とされているものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員(歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路で、その路肩の幅員が明らかでないもの又はその路肩の幅員の合計が一メートル未満(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、〇・五メートル未満)のものにあつては、当該道路の路面の幅員から一メートル(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、〇・五メートル)を減じたものとする。以下同じ。)から〇・五メートルを減じたものをこえないものでなければならない。

2 市街地区域内の道路で前項に規定するもの以外のものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員から〇・五メートルを減じたものの二分の一をこえないものでなければならない。

3 市街地区域内の駅前、繁華街等にある歩行者の多い道路で道路管理者が指定したものの歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない区間を道路管理者が指定した時間内に通行する車両についての前二項の規定の適用については、第一項中「〇・五メートルを減じたもの」とあるのは「一メートルを減じたもの」と、第二項中「〇・五メートル」とあるのは「一・五メートル」とする。

第六条 市街地区域外の道路(道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したものを除く。以下次項において同じ。)で、一方通行とされているもの又はその道路におおむね三百メートル以内の区間ごとに待避所があるもの(道路管理者が自動車の交通量が多いため当該待避所のみでは車両のすれ違いに支障があると認めて指定したものを除く。)を通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員から〇・五メートルを減じたものをこえないものでなければならない。

2 市街地区域外の道路で前項に規定するもの以外のものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員の二分の一をこえないものでなければならない。

(総重量、軸重及び輪荷重の制限)
第七条 道路構造令(昭和四十五年政令第三百二十号)第二十三条第二項の基準(強度に係るものに限る。)を参酌して法第三十条第三項の条例で定める基準に適合している舗装がされていない都道府県道又は市町村道で、これに代わるべき他の道路があるものについて、道路管理者が路面の破損を防止するため必要と認められる車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めたときは、当該道路を通行する車両の総重量、軸重又は輪荷重は、当該限度を超えないものでなければならない。ただし、当該道路を通行しなければ目的地に到達することができない車両については、この限りでない。

2 融雪、冠水等のため支持力が著しく低下している道路について、道路管理者が路盤又は路床の破損を防止するため必要と認められる車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めたときは、当該道路を通行する車両の総重量、軸重又は輪荷重は、当該限度をこえないものでなければならない。

3 前項の規定により道路管理者が車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めようとするときは、国土交通省令で定める構造計算又は試験の方法に基づいてしなければならない。

(カタピラを有する自動車の制限)
第八条 舗装道を通行する自動車は、次の各号の一に該当する場合を除き、カタピラを有しないものでなければならない。
一 その自動車のカタピラの構造が路面を損傷するおそれのないものである場合
二 その自動車が当該道路の除雪のために使用される場合
三 その自動車のカタピラが路面を損傷しないように当該道路について必要な措置がとられている場合

(路肩通行の制限)
第九条 歩道、自転車道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路を通行する自動車は、その車輪が路肩(路肩が明らかでない道路にあつては、路端から車道寄りの〇・五メートル(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、〇・二五メートル)の幅の道路の部分)にはみ出してはならない。

(通行方法の制限)
第十条 第三条第一項第三号の規定による指定を受けた道路について、高さが三・八メートルを超え四・一メートル以下の車両に関し、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる路肩の通行の禁止その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する当該車両は、当該通行方法によらなければならない。

2 第三条第四項の規定による指定を受けた道路について、国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車に関し、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる徐行その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車は、当該通行方法によらなければならない。

3 第七条第二項の規定により車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度が定められている道路について、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる徐行その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する車両は、当該通行方法によらなければならない。

(幅の制限の特例)
第十一条 道路が次の各号の一に該当し、車両の通行に支障のある場合において、道路管理者が交通の円滑を図るためやむを得ない必要があると認めて他の道路を指定したときは、当該他の道路を通行する車両については、第五条及び第六条の規定は、適用しない。
一 道路が破損し、又は欠壊している場合
二 道路に関する工事が行なわれている場合
三 車両の通行が著しく停滞している場合

2 道路管理者は、前項に規定する指定をしようとするときは、あらかじめ都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面にあつては、方面公安委員会)の意見をきかなければならない。

(特殊な車両の特例)
第十二条 幅、総重量、軸重又は輪荷重が第三条に規定する最高限度をこえず、かつ、第五条から第七条までに規定する基準に適合しない車両で、当該車両を通行させようとする者の申請により、道路管理者がその基準に適合しないことが車両の構造又は車両に積載する貨物が特殊であるためやむを得ないと認定したものは、当該認定に係る事項については、第五条から第七条までに規定する基準に適合するものとみなす。ただし、道路管理者が運転経路又は運転時間の指定等道路の構造の保全又は交通の安全を図るため必要な条件を附したときは、当該条件に従つて通行する場合に限る。

(無軌条電車の特例)
第十三条 道路を通行する無軌条電車の高さについては、第三条の規定にかかわらず、軌道法(大正十年法律第七十六号)第三十一条第一項において準用する同法第十四条の規定に基づく命令の定めるところによる。

(緊急自動車等の特例)
第十四条 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第三十九条第一項に規定する緊急自動車及び災害救助、水防活動等の緊急の用務又はその他の公共の利害に重大な関係がある公の用務のために通行する国土交通省令で定める車両並びに日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国内にあるアメリカ合衆国の軍隊の任務の遂行に必要な用務のために通行する当該軍隊の車両で、道路の構造の保全のための必要な措置を講じて通行するものについては、この政令の規定は、適用しない。

2 前項に規定するもののほか、公益上緊要な用務のために通行する国土交通省令で定める車両で、道路の構造の保全のための必要な措置を講じて通行するものについては、第五条から第七条まで、第九条及び第十条第三項の規定は、適用しない。

(道路管理者を異にする二以上の道路の通行の許可)
第十五条 道路管理者を異にする二以上の道路についての法第四十七条の二第一項の許可に関する権限は、当該二以上の道路の全部又は一部が市町村道(指定市の市道及び道路法施行令(昭和二十七年政令第四百七十九号)第三十四条第一項又は第三項の規定により国土交通大臣が新設若しくは改築又は維持を行なう道路を除く。以下この条において同じ。)以外の道路であるときは当該市町村道以外の道路の道路管理者(当該市町村道以外の道路の道路管理者が二以上あるときは、最初に申請を受けた道路管理者)が、当該二以上の道路が市町村道のみであるときは国土交通省令で定める道路管理者が行なうものとする。

(国土交通大臣が許可に関する権限を行う場合の手数料)
第十六条 法第四十七条の二第二項の規定により国土交通大臣が同条第一項の許可に関する権限を行う場合における同条第三項の手数料の額は、当該受けようとする許可に係る一通行経路ごとに二百円とする。

(国土交通大臣が許可に関する権限を行う申請)
第十七条 法第四十七条の三第六項の政令で定める申請は、国土交通大臣に対してされた申請とする。

(限度超過車両の通行を誘導すべき道路に係る許可の手数料)
第十八条 法第四十七条の三第七項の手数料の額は、当該受けようとする許可に係る一通行経路ごとに百六十円とする。

(事務の区分)
第十九条 この政令の規定により都道府県、指定市又は法第十七条第二項の規定により都道府県の同意を得た市が指定区間外の国道の道路管理者として処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(国土交通省令への委任)
第二十条 この政令で定めるもののほか、この政令を実施するために必要な事項は、国土交通省令で定める。

引用元:車両制限令

如何でしょうか。短いといってもかなり読み応えがある内容ですね。

これだけでわかる方はあまりいないように思います。

これからかなりかみ砕いた内容で説明していきますので、車両制限令の重要箇所を随時解説していきます。

 

車両制限令(特殊車両)の条文をわかりやすく解説します!

ここでは、少し特殊車両通行許可と関連する内容に絞って要点整理していきましょう。

趣旨

(趣旨)
第一条 道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限は、道路法(以下「法」という。)に定めるもののほか、この政令の定めるところによる。

引用元:車両制限令

目的

  • 道路の構造を保全する
  • 交通の危険を防止する

車両の制限の根拠

  • 道路法
  • 車両制限令

 

車両の幅等の最高限度

(車両の幅等の最高限度)
第三条 法第四十七条第一項の車両の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、次のとおりとする。
一 幅 二・五メートル
二 重量 次に掲げる値
イ 総重量 高速自動車国道又は道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては二十五トン以下で車両の長さ及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値、その他の道路を通行する車両にあつては二十トン
ロ 軸重 十トン
ハ 隣り合う車軸に係る軸重の合計 隣り合う車軸に係る軸距が一・八メートル未満である場合にあつては十八トン(隣り合う車軸に係る軸距が一・三メートル以上であり、かつ、当該隣り合う車軸に係る軸重がいずれも九・五トン以下である場合にあつては、十九トン)、一・八メートル以上である場合にあつては二十トン
ニ 輪荷重 五トン
三 高さ 道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあつては四・一メートル、その他の道路を通行する車両にあつては三・八メートル
四 長さ 十二メートル
五 最小回転半径 車両の最外側のわだちについて十二メートル

2 バン型のセミトレーラ連結車(自動車と前車軸を有しない被けん引車との結合体であつて、被けん引車の一部が自動車に載せられ、かつ、被けん引車及びその積載物の重量の相当の部分が自動車によつて支えられるものをいう。以下同じ。)、タンク型のセミトレーラ連結車、幌ほろ枠型のセミトレーラ連結車及びコンテナ又は自動車の運搬用のセミトレーラ連結車並びにフルトレーラ連結車(自動車と一の被けん引車との結合体であつて、被けん引車及びその積載物の重量が自動車によつて支えられないものをいう。以下同じ。)で自動車及び被けん引車がバン型の車両、タンク型の車両、幌ほろ枠型の車両又はコンテナ若しくは自動車の運搬用の車両であるものの総重量の最高限度は、前項の規定にかかわらず、高速自動車国道を通行するものにあつては三十六トン以下、その他の道路を通行するものにあつては二十七トン以下で、車両の軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値とする。

3 高速自動車国道を通行するセミトレーラ連結車又はフルトレーラ連結車で、その積載する貨物が被けん引車の車体の前方又は後方にはみ出していないものの長さの最高限度は、第一項の規定にかかわらず、セミトレーラ連結車にあつては十六・五メートル、フルトレーラ連結車にあつては十八メートルとする。

4 道路管理者が道路の強度、線形その他の道路の構造を勘案して国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車の通行による道路の構造の保全及び交通の危険の防止上の支障がないと認めて指定した道路を通行する国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車の重量及び長さの最高限度は、第一項及び第二項の規定にかかわらず、次のとおりとする。
一 重量 次に掲げる値
イ 総重量 四十四トン以下で車両の車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
ロ 軸重 十一・五トン以下で車両の総重量、車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
ハ 輪荷重 五・七五トン以下で車両の総重量、車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
二 長さ 十六・五メートル

引用元:車両制限令

(参考)道路法 第47条1項

第四十七条
道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両(人が乗車し、又は貨物が積載されている場合にあつてはその状態におけるものをいい、他の車両を牽けん引している場合にあつては当該牽けん引されている車両を含む。以下本節及び第八章中同じ。)の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、政令で定める。

道路法 第47条1項の定めによって車両制限令で具体的な数値を指定しています。

いわゆる一般的制限と呼ばれるものです。

 

一般的制限

幅   :2.5m

長さ  :12m

高さ  :3.8m(高さ指定道路は4.1m)

総重量 :20t(高速自動車国道または重さ指定道路は25t)

軸重  :10t

最小回転半径:12m

車両制限令 第3条1項で一般的制限値に関する内容を指定しています。

 

車両についての制限の基準

(車両についての制限の基準)
第四条 法第四十七条第四項の車両についての制限に関する基準は、次条から第十二条までに定めるとおりとする。

道路法の第47条4項の車両についての制限に関する基準が車両制限令の第5条から12条に定められいます。

(参考)道路法 第47条4項

第四十七条
4 前三項に規定するもののほか、道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限に関する基準は、政令で定める。

 

幅の制限

(幅の制限)
第五条 市街地を形成している区域(以下「市街地区域」という。)内の道路で、道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したもの又は一方通行とされているものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員(歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路で、その路肩の幅員が明らかでないもの又はその路肩の幅員の合計が一メートル未満(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、〇・五メートル未満)のものにあつては、当該道路の路面の幅員から一メートル(トンネル、橋又は高架の道路にあつては、〇・五メートル)を減じたものとする。以下同じ。)から〇・五メートルを減じたものをこえないものでなければならない。

2 市街地区域内の道路で前項に規定するもの以外のものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員から〇・五メートルを減じたものの二分の一をこえないものでなければならない。

3 市街地区域内の駅前、繁華街等にある歩行者の多い道路で道路管理者が指定したものの歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない区間を道路管理者が指定した時間内に通行する車両についての前二項の規定の適用については、第一項中「〇・五メートルを減じたもの」とあるのは「一メートルを減じたもの」と、第二項中「〇・五メートル」とあるのは「一・五メートル」とする。

引用元:車両制限令

車両制限令の第5条では車両の幅に関する制限について定められています。

 

総重量、軸重及び輪荷重の制限

(総重量、軸重及び輪荷重の制限)
第七条 道路構造令(昭和四十五年政令第三百二十号)第二十三条第二項の基準(強度に係るものに限る。)を参酌して法第三十条第三項の条例で定める基準に適合している舗装がされていない都道府県道又は市町村道で、これに代わるべき他の道路があるものについて、道路管理者が路面の破損を防止するため必要と認められる車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めたときは、当該道路を通行する車両の総重量、軸重又は輪荷重は、当該限度を超えないものでなければならない。ただし、当該道路を通行しなければ目的地に到達することができない車両については、この限りでない。

2 融雪、冠水等のため支持力が著しく低下している道路について、道路管理者が路盤又は路床の破損を防止するため必要と認められる車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めたときは、当該道路を通行する車両の総重量、軸重又は輪荷重は、当該限度をこえないものでなければならない。

3 前項の規定により道路管理者が車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めようとするときは、国土交通省令で定める構造計算又は試験の方法に基づいてしなければならない。

引用元:車両制限令

車両制限令の第7条では車両の総重量、軸重、輪荷重に関する制限について定められています。

 

通行方法の制限

(通行方法の制限)
第十条 第三条第一項第三号の規定による指定を受けた道路について、高さが三・八メートルを超え四・一メートル以下の車両に関し、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる路肩の通行の禁止その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する当該車両は、当該通行方法によらなければならない。

2 第三条第四項の規定による指定を受けた道路について、国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車に関し、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる徐行その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車は、当該通行方法によらなければならない。

3 第七条第二項の規定により車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度が定められている道路について、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる徐行その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する車両は、当該通行方法によらなければならない。

引用元:車両制限令

車両制限令の第10条では車両の通行方法に関する制限について定められています。

 

道路管理者を異にする二以上の道路の通行の許可

(道路管理者を異にする二以上の道路の通行の許可)
第十五条 道路管理者を異にする二以上の道路についての法第四十七条の二第一項の許可に関する権限は、当該二以上の道路の全部又は一部が市町村道(指定市の市道及び道路法施行令(昭和二十七年政令第四百七十九号)第三十四条第一項又は第三項の規定により国土交通大臣が新設若しくは改築又は維持を行なう道路を除く。以下この条において同じ。)以外の道路であるときは当該市町村道以外の道路の道路管理者(当該市町村道以外の道路の道路管理者が二以上あるときは、最初に申請を受けた道路管理者)が、当該二以上の道路が市町村道のみであるときは国土交通省令で定める道路管理者が行なうものとする。

引用元:車両制限令

車両制限令の第15条では道路管理者が異なる場合の通行許可について定められています。

 

国土交通大臣が許可に関する権限を行う場合の手数料

(国土交通大臣が許可に関する権限を行う場合の手数料)
第十六条 法第四十七条の二第二項の規定により国土交通大臣が同条第一項の許可に関する権限を行う場合における同条第三項の手数料の額は、当該受けようとする許可に係る一通行経路ごとに二百円とする。

引用元:車両制限令

車両制限令の第16条では国土交通大臣の許可を受ける手数料について定められています。

 

車両制限令(特殊車両)についてのまとめ

車両制限令は、「道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限」について定めた政令です。

道路法で定められた法律に関連する細かい規定を定めたものになります。

法改正等によって数値が変更になる場合は、インターネットで調べてもいいのですが、一番確実なのは車両制限令自体の数字をみて確認することです。

間違った情報に惑わされないように、車両制限令自体を確認できるようにしておくことをお勧めします。