ドローン飛行に関係する民法(他人の土地など)をポイント解説!
ドローンに関する法律、民法の他人の土地などに関する注意点はご存じですか?
ドローンを飛行させるなら航空法の知識はもちろんのこと民法の理解も必須です。
いきなり条文を読み始めると混乱するかもしれません。
そこで・・・
チェック
- ドローン飛行に関する法律、民法の影響部分を知りたい!
- ドローン飛行に関する民法の内容は?
- 条文はわからないのでかみ砕いて教えてほしい・・・
なんて思いませんか?
このようなお悩みをお持ちの方へドローン飛行許可申請を担う行政書士がドローンをとりまく手続きを徹底解説します。
この記事を読むと
「ドローンの飛行規制に関する法律(民法の影響する部分)
がよくわかります。
それでは具体的な中身を見ていきましょう。
ドローン飛行に関する法律、民法(他人の土地など)の影響部分について
ドローンを飛行させるために航空法の許可や承認を取得して、いよいよ飛行という段階に来たからといって、安易に住宅街で飛行させてはいけません。
人口集中地区(DID)上空飛行の許可を取得していても問題が起こる場合があります。
なぜなら、他人の土地の上空を飛行させる場合、民法による制限を受けることになるからです。
それでは、膨大にある民法の条文を全部読む時間がない方がほとんどですので、ドローン飛行に影響を及ぼす恐れのある条文を中心に解説していきます。
ドローン飛行に関する法律、民法の条文をわかりやすく解説します!
土地所有権の範囲
土地の所有権はどこまで影響が及ぶかという問題です。
(土地所有権の範囲)
第二百七条 土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。引用元:民法
民法で明確に「土地の所有権はその土地の上下に及ぶ」と書かれています。
土地の下(地中)はドローン飛行とは関係ないので無視していいとして、土地の上の範囲はどこまでかはこの条文だけでは明確ではありませんが、ドローンの飛行高度であれば対象になると思われます。
そうなると、すこしでも土地の上空を飛行してしまったら法律違反になるの?と思われるかもしれませんが、そこまで厳密に適用されないと思われますが、騒音やプライバシーに関する問題が生じる可能性が非常に高いです。
下図は法務省民事局の回答です。
ポイントは次の2点です。
- 土地を所有するものの「利益の存する限度」において所有権が及ぶ
- 常に土地所有者の同意を得る必要があるわけではない
つまり、個々の事案で判断するという、回答といえるかどうかよくわからないぼんやりしたものとなっています。
そのため、飛行経路の下に他人の土地がある場合は、事故などで落下する恐れもありますので、事前に了解を得ておいた方がいいです。
そもそもですが、他人の土地の上空を飛行することは避けましょう。
他人の所有する土地上空以外の問題点(プライバシー)
他人の土地の上空を飛行しなくても、土地の近郊を飛行させることによって生じる問題があります。
それは、
プライバシーの問題や肖像権の問題です。
他の記事の「ドローンに関係する個人情報保護法・肖像権・プライバシーをポイント解説!」で詳しく書いていますが、撮影を行う場合には特に注意が必要です。
他人の所有する土地上空以外の問題点(事故)
また、撮影していなくても、ドローンが風にあおられて他人の家の屋根に落ちた場合など、損害賠償責任を負うことになります。
屋根ならまだ修理できますが、人に当たり重大なけがを負わせた場合などは取り返しがつきません。
そのため、住宅地の上空を飛行する場合は、近隣の住人の方々に事前にドローン飛行の説明をして、了承を得ておく必要があります。
この点、今実用化されつつあるレベル4飛行ではどのように対処していく必要があるか検討結果を注視していく必要がありますね。
ドローン飛行に関する法律、民法(他人の土地など)の影響部分についてのまとめ
土地の所有権は上空にもおよぶため、ドローンで他人の土地の上空を飛行させるということは、他人の土地に無断で入ることと同じ。(ただし上空の範囲は状況による)
他人の土地の上空を飛行する可能性がある場合は、事前に土地の所有者の方に了承を得ておきましょう。
事故が起きた場合だけでなく、撮影によって、他人の土地の一部(窓から室内が見えるなど)を撮影していまうと、プライバシーの問題にもなり、最悪の場合、不法行為による損害賠償責任を負う可能性もあります。
とにかく、飛行前にドローン飛行に関して了承を得ておくことが大切です。