建設業法【第2章:建設業の許可 第1節:通則】逐条解説

建設業を営むうえで建設業法をはとても重要な法律です。

建設業法は建設業を営む方にとって大切な法律ですが、とっても読みにくいんです。

ポイント

・建設業法を確認したいけど、読みにくくて断念してしまう・・・
・建設業法をわかりやすく解説してほしい・・・
・建設業法の大切な部分だけでも解説してほしい・・・

このような思いの方へ向けて、
わかりにくい建設業法について建設業許可を取扱う行政書士が建設業法についてわかりやすく解説します。

行政書士

この記事を読むと
「建設業法 第2章 建設業の許可 第1節 通則」
について確実に理解が深まります。

「建設業法 第2章 建設業の許可 第1節 通則」は次のような構成になっています。

  • 第2章 建設業の許可
    • 第1節 通則
      • 建設業の許可
      • 許可の条件
      • 付帯工事

「建設業法 第2章 建設業許可 第1節 通則」は、建設業許可に関する共通事項について書かれています。

行政書士

「建設業法 第2章 建設業の許可 第1節 通則」は建設業許可を取得しようとする事業者様にとっては必読の内容です。

「建設業法 第2章 建設業の許可 第1節 通則」の内容を理解していないと、次条以降に明記されている一般建設業許可や特定建設業許可の理解が難しくなりますので、確実に理解しておきましょう。

それでは具体的な中身を見ていきましょう。

建設業法 第2章 建設業の許可

第2章 建設業の許可
建設業法を行政書士がわかりやすく解説!【最新の改正にも対応】

建設業を営むうえで建設業法をは重要な法律です。 建設業法は建設業を営む方にとって大切な法律ですが、とっても読みにくいんです。 このような思いの方へ向けて、わかり…

第一節 通則

建設業法 第3条 1項(建設業の許可)

建設業法 第3条1項

第三条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
一 建設業を営もうとする者であつて、次号に掲げる者以外のもの
二 建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

建設業法第3条では、建設業許可の種類(大臣許可と知事許可)について明記されています。

建設業許可の種類

  • 知事許可・・・一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合
  • 大臣許可・・・二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合

建設業許可が不要な要件

  • 政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者

政令で定める軽微な建設工事とは

「政令で定める軽微な建設工事」とは下記の「建設業法施行令 第一条の二」のことです。

第一条の二 法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が建築一式工事にあつては千五百万円に満たない工事又は延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅工事、建築一式工事以外の建設工事にあつては五百万円に満たない工事とする。

【引用元:建設業法施行令

よりわかりやすく説明すると次のようになります。

工事1件の請負代金の額が下記に該当する工事となります。

  • 建築一式工事では1500万円に満たない工事又は延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅工事
  • 建築一式工事以外の建設工事では500万円に満たない工事

請負代金の額には1つの工事を複数の下請け工事に分割しても総額での計算になります。

もぐらくん

建設業許可は大臣許可と知事許可にわかれていて、軽微な建設工事のみ請負う場合は建設業許可は不要ということだね。

建設業法 第3条 2項(建設業の許可)

建設業法 第3条2項

2 前項の許可は、別表第一の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとする。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

建設業法第3条2項では、建設業許可は2つの一式工事27の専門工事の種類毎ごとに取得する必要があることを明記しています。

建設業法で定義されている工事の種類

<一式工事>

土木一式工事
土木工事業
建築一式工事
建築工事業

<専門工事>

大工工事
大工工事業
左官工事
左官工事業
とび・土工・コンクリート工事
とび・土工工事業
石工事
石工事業
屋根工事
屋根工事業
電気工事
電気工事業
管工事
管工事業
タイル・れんが・ブロツク工事
タイル・れんが・ブロツク工事業
鋼構造物工事
鋼構造物工事業
鉄筋工事
鉄筋工事業
舗装工事
舗装工事業
しゆんせつ工事
しゆんせつ工事業
板金工事
板金工事業
ガラス工事
ガラス工事業
塗装工事
塗装工事業
防水工事
防水工事業
内装仕上工事
内装仕上工事業
機械器具設置工事
機械器具設置工事業
熱絶縁工事
熱絶縁工事業
電気通信工事
電気通信工事業
造園工事
造園工事業
さく井工事
さく井工事業
建具工事
建具工事業
水道施設工事
水道施設工事業
消防施設工事
消防施設工事業
清掃施設工事
清掃施設工事業
解体工事
解体工事業
もぐらくん

建設業許可は工事種類ごとに取得する必要があるよ。

建設業法 第3条 3項(建設業の許可)

建設業法 第3条3項

3 第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

建設業法第3条3項では、建設業許可の更新期間を明記しています。
5年毎の更新が必要です。

建設業許可の更新期間

建設業許可は5年毎に更新しなければいけません。

更新を忘れて更新期限を経過してしまうと、建設業許可は効力が無くなります。

もぐらくん

建設業許可の更新は5年毎!

建設業法 第3条 4項(建設業の許可)

建設業法 第3条4項

4 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

建設業法第3条4項では、建設業許可の更新期限の猶予について明記されています。

建設業許可の更新期限の猶予

建設業許可の更新申請中に、現在取得している建設業許可の更新期限を経過しても、処分がされるまでは建設業許可は効力を有する明記されています。

つまり、申請中に期限が到来しても、申請中であれば建設業許可は失効しないという訳です。

もぐらくん

期限内に申請しておくことが大切、余裕を持った更新計画で進めましょう。

建設業法 第3条 5項(建設業の許可)

建設業法 第3条5項

5 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

建設業法第3条5項では、更新期限の猶予についての注意事項を明記しています。

建設業許可の更新期限の猶予に関する注意事項

更新申請中に建設業許可の期限が過ぎたとしても建設業許可は有効でした。

その後、更新が認められた場合は、認められた日ではなく、前の建設業許可の期限の最終日の翌日から新たな期限がスタートします。

もぐらくん

更新が認められた日から新たな期限がスタートすると、故意に遅らせることができてしまうからだね。

建設業法 第3条 6項(建設業の許可)

建設業法 第3条6項

6 第一項第一号に掲げる者に係る同項の許可(第三項の許可の更新を含む。以下「一般建設業の許可」という。)を受けた者が、当該許可に係る建設業について、第一項第二号に掲げる者に係る同項の許可(第三項の許可の更新を含む。以下「特定建設業の許可」という。)を受けたときは、その者に対する当該建設業に係る一般建設業の許可は、その効力を失う。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

建設業法第3条6項では、一般建設業許可と特定建設業許可のいづれかしか取得できないことを明文化しています。

一般建設業許可

特定建設業許可以外

特定建設業許可

その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの

政令で定める金額とは

第二条 法第三条第一項第二号の政令で定める金額は、四千万円とする。ただし、同項の許可を受けようとする建設業が建築工事業である場合においては、六千万円とする。

【引用元:建設業法施行令

  • 建築工事業・・・・・6000万円以上
  • 建築工事業以外・・・4000万円以上

一般建設業許可と特定建設業許可の併用

一般建設業許可と特定建設業許可はいづれか一方のみ有効となります。(併用不可)

もぐらくん

一般建設業許可と特定建設業許可の併用不可について明記されているね。

建設業法 第3条の2(許可の条件)

建設業法 第3条の2

第三条の二 国土交通大臣又は都道府県知事は、前条第一項の許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、建設工事の適正な施工の確保及び発注者の保護を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

建設業法第3条の2では、国土交通大臣又は都道府県知事が建設業許可に条件を付したり、変更したりすることができると明記されています。

建設業許可に条件を付し、及びこれを変更できる者

  • 国土交通大臣・・・大臣許可
  • 都道府県知事・・・知事許可

条件や変更に関する制限

※建設工事の適正な施工の確保及び発注者の保護を図るため必要な最小限度のものに限る
※許可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。

もぐらくん

いわゆるローカルルールのようなものかな?

建設業法 第4条(附帯工事)

建設業法 第4条

第四条 建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。

【引用元:建設業法

<逐条解説>

行政書士

建設業法第4条では、付帯工事についてのルール明文化しています。

付帯工事のルールとは

建設業許可を取得している業種の建設工事に関する付帯工事には建設業許可を取得していない業種であっても請け負う事ができるというものです。

付帯工事とみなされるのは次の2つの場合です。

  1. 主たる建設工事を施工するために必要な他の従たる建設工事
  2. 主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではない工事

1.主たる建設工事を施工するために必要な他の従たる建設工事の例

屋根工事における塗装工事、管工事における熱絶縁工事

2.主たる建設工事の施工により必要を生じた他の従たる建設工事であって、それ自体が独立の使用目的に供されるものではない工事の例

「電気工事の施工により生じた内装仕上工事」や「建具工事の施工により生じた左官工事」

付帯工事の制限

附帯工事の金額が主たる建設工事の金額を上回ることは原則ありません。

もぐらくん

付帯工事に関しては主たる建設工事の建設業許可をもっていれば付帯工事の業種の建設業許可は不要なんだね。

建設業法を行政書士がわかりやすく解説!【最新の改正にも対応】

建設業を営むうえで建設業法をは重要な法律です。 建設業法は建設業を営む方にとって大切な法律ですが、とっても読みにくいんです。 このような思いの方へ向けて、わかり…