【ドローン】無人航空機に係る規制の運用における解釈についての解説
無人航空機に係る規制の運用における解釈をご存じですか?
ドローン飛行規制の解釈を知っておくと申請時のポイントがよくわかります。
基本的には役所は「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」を元に判断するので非常に重要です。
そこで・・・
チェック
- ドローン飛行規制の解釈基準を教えてほしい!
- 解釈基準の資料ををみたけどよくわからないのでわかりやすく説明してほしい。
なんて悩んでいませんか?
このようなお悩みをお持ちの方へドローン飛行許可申請を担う行政書士がドローンをとりまく手続きを徹底解説します。
この記事を読むと
「無人航空機に係る規制の運用における解釈」
がよくわかります。
皆様のこのような疑問を解決します。
無人航空機に係る規制の運用における解釈について
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000043.html
1.航空法第2条第 22 項関係
無人航空機
無人航空機
航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器(※)であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。
構造上人が乗ることができないものとは
- 当該機器の概括的な大きさや潜在的な能力を含めた構造、性能等を確認することにより、これに該当すると判断されたものをいうとされています。
遠隔操作とは
- プロポ等の操縦装置を活用し、空中での上昇、ホバリング、水平飛行、下降等の操作を行うことをいうとされています。
自動操縦とは
- 当該機器に組み込まれたプログラムにより自動的に操縦を行うことをいうとされており、具体的には、事前に設定した飛行経路に沿って飛行させることができるものや、飛行途中に人が操作介入することができず離陸から着陸まで完全に自律的に飛行するものが存在します。
無人航空機から除かれるもの
航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして、航空法施行規則第5条の2により、重量が 100 グラム未満のものは無人航空機の対象からは除外される。
重量が 100 グラム未満の無人航空機は、飛行可能時間等の機能・性能が限定されており、墜落等により人や物件に衝突した場合であっても、その被害はきわめて限定的であると考えられるとともに、主に屋内等の狭い範囲内での飛行となることによるものである。
ここで、「重量」とは、無人航空機本体の重量及びバッテリーの重量の合計を指しており、バッテリー以外の取り外し可能な付属品の重量は含まないものとする。
ポイント
- 重量100g未満(重量=本体の重量+バッテリーの重量)
2022年6月20日以降は、機体登録している場合であっても、航空法上の許可・承認が必要となる飛行を行う場合は、重量100g以上の無人航空機は許可・承認を得る必要があります。
2.航空法第 132 条の 85 関係【飛行の禁止空域】
人口集中地区内であっても、地域の実情や無人航空機に対する様々なニーズがあることを踏まえ、地上及び水上の人や物件の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合には、国土交通大臣が告示で定める地域(※)については、人又は家屋の密集している地域から除外されます。
(※ 現在、人又は家屋の密集している地域から除外する地域として告示で定める地域はない。)
人口集中地区内の私有地内における飛行であっても、強風等により予期せぬ場所に飛ばされることも想定されるため、人口集中地区内である限り、飛行の禁止空域に該当します。
つまり、人口集中地区内である場合は、自宅の庭だからといっても許可なしに飛行することはできないということです。
3.航空法第 132 条の 85 関係【飛行の方法】
(1)アルコール等の影響により正常な飛行ができないおそれがある間の飛行禁止
アルコール
- アルコール飲料やアルコールを含む食べ物をいう。
- 体内に保有するアルコール濃度の程度にかかわらず体内にアルコールを保有する状態では無人航空機の飛行を行わないこと
違反
- 公共の場所において無人航空機を飛行させた場合には1年以下の懲役又は 30 万円以下の罰金が科される
公共の場所
- 公衆すなわち不特定多数の者が自由に利用し又は出入りすることができる場所をいい、道路、公園、広場、駅等がこれに含まれる。
(2)飛行に必要な準備が整っていることを確認した後の飛行
飛行前の確認事項
- 当該無人航空機の状況について外部点検及び作動点検を行うこと
- 当該無人航空機を飛行させる空域及びその周囲の状況を確認すること
- 当該飛行に必要な気象情報を確認すること
- 燃料の搭載量又はバッテリーの残量を確認すること
(3)航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するための方法による飛行
安全飛行のために守るべきこと
- 無人航空機を飛行させる者は、無人航空機の飛行経路上及びその周辺の空域において飛行中の航空機を確認し、衝突のおそれがあると判断される場合は、当該無人航空機を地上に降下させることその他適当な方法を講じることとする。
- 無人航空機を飛行させる者は、無人航空機の飛行経路上及びその周辺の空域において飛行中の他の無人航空機を確認したときは、他の無人航空機との間に安全な間隔を確保して飛行させること、又は衝突のおそれがあると判断される場合は、無人航空機を地上に降下させることその他適当な方法を講じることとする。
回避させること
- 衝突する可能性のある方向とは別の方向に無人航空機を飛行させることをいい、空中で停止することも含まれ得る。
(4)他人に迷惑を及ぼすような方法での飛行禁止
危険な飛行により航空機の航行の安全や地上の人や物件の安全が損なわれること防止することが趣旨であることから、「他人に迷惑を及ぼすような方法」とは、人に向かって無人航空機を急接近させることなどをいう
(5)日中における飛行
日中のみ(日出から日没までの間)の飛行に限定することとしている。
日出から日没までの間
- 国立天文台が発表する日の出の時刻から日の入りの時刻までの間をいうものとする。したがって、「日出」及び「日没」については、地域に応じて異なる時刻を表す。
(6)目視の範囲内での飛行
目視により常時監視を行いながらの飛行に限定することとしている。
目視
- 無人航空機を飛行させる者本人が自分の目で見ることをいうものとする。このため、補助者による目視は該当せず、また、モニターを活用して見ること、双眼鏡やカメラ等を用いて見ることは、視野が限定されるため「目視」にはあたらない。
(7)地上又は水上の人又は物件との間に一定の距離を確保した飛行
飛行する無人航空機の衝突から人又は物件を保護することが趣旨であることから、一定の距離(30m)を保つべき人又は物件とは、次のとおりと解釈される。
人
- 無人航空機を飛行させる者及びその関係者(無人航空機の飛行に直接的又は間接的に関与している者)以外の者をいう。
物件
- 次に掲げるもののうち、無人航空機を飛行させる者及びその関係者(無人航空機の飛行に直接的又は間接的に関与している者)が所有又は管理する物件以外のものをいう。
- 中に人が存在することが想定される機器(車両等)
- 建築物その他の相当の大きさを有する工作物
車両等
- 自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン 等
工作物
- ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯 等
距離を保つべき物件には該当しないもの
- 土地(田畑用地及び舗装された土地(道路の路面等)、堤防、鉄道の線路等であって土地と一体となっているものを含む。)
- 自然物(樹木、雑草 等) 等
(8)多数の者の集合する催し場所上空以外の空域での飛行
一時的に多数の者が集まるような催し場所上空以外の空域での飛行に限定することとしている。
多数の者の集合する催し
- 催し場所上空において無人航空機が落下することにより地上の人に危害を及ぼすことを防止するという趣旨に照らし、集合する者の人数や密度だけでなく、特定の場所や日時に開催されるものかどうか、また、主催者の意図等も勘案して総合的に判断される。
該当する例
- 祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサート、町内会の盆踊り大会、デモ(示威行為) 等
該当しない例
- 自然発生的なもの(例えば、混雑による人混み、信号待ち 等)
なお、上記に該当しない場合であっても、特定の時間、特定の場所に数十人が集合している場合には「多数の者の集合する催し」に該当する可能性がある。
(9)危険物の輸送の禁止
当該飛行に必要不可欠であり、飛行中、常に機体と一体となって輸送される等の物件は、航空法施行規則第 236 条の7第2項における無人航空機の飛行のために輸送する物件として、輸送が禁止される物件に含まれないものとする。
輸送が禁止される物件に含まれないもの
- 無人航空機の飛行のために必要な燃料や電池
- 業務用機器(カメラ等)に用いられる電池
- 安全装備としてのパラシュートを開傘するために必要な火薬類や高圧ガス 等
(10)物件投下の禁止
水や農薬等の液体を散布する行為は物件投下に該当し、輸送した物件を地表に置く行為は物件投下には該当しない。
4.捜索、救助等のための特例
本特例については、航空法施行規則第 236 条の 88 により、以下の者に対して適用される。
- 国又は地方公共団体
- 国又は地方公共団体の依頼により捜索又は救助を行う者
捜索又は救助
- 事故や災害の発生等に際して人命や財産に急迫した危難のおそれがある場合において、人命の危機又は財産の損傷を回避するための措置(調査・点検、捜査等の実施を含む。)を指しており、当該措置を目的として無人航空機を飛行させる場合については、本特例が適用されることとなる。
5.屋内での無人航空機の飛行
網等で四方・上部が囲まれた空間等については屋内として扱うものとする。
無人航空機に係る規制の運用における解釈についてのまとめ
無人航空機の規制に関する用語の解釈に当たっては、間違った解釈をしないために、「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」を確認しておきましょう。
すべての要件の基本となる文言ですので、確実に理解しておく必要があります。
解釈基準を理解することで、どのような飛行が許可・承認の対象となるかがわかるようになります。