【飛行マニュアル】空中散布をポイント解説!
飛行マニュアルをご存じですか?
飛行マニュアルは標準で用意されているものがあります。
独自で飛行マニュアルを作成しても構いません。
そこで・・・
チェック
- 飛行マニュアルの具体例を教えてほしい。
- 飛行マニュアルの空中散布マニュアルについて教えてほしい。
なんて悩んでいませんか?
このようなお悩みをお持ちの方へドローン飛行許可申請を担う行政書士がドローンをとりまく手続きを徹底解説します。
この記事を読むと
「空中散布マニュアル」
がよくわかります。
それでは具体的な中身を見ていきましょう。
空中散布マニュアルについて
「DID・夜間・目視外・30m・危険物・物件投下」を
「空中散布を目的とした申請」で申請する場合に適用可能なマニュアルです。
空中散布マニュアルは
「DID・夜間・目視外・30m・危険物・物件投下」で
「空中散布を目的とした」で申請する場合に必ず使用しなければいけないわけではなく、空中散布マニュアルに記載されている内容を遵守できるのであれば使用できるマニュアルというわけです。
空中散布マニュアルは標準マニュアル2がベースになっています。
申請を通す面から言うと、国土交通省が作成したマニュアルなので、マニュアル不備で許可が下りないことはないのですが、かなり厳しい内容になっているので、運用面で使用できるかどうかを慎重に考える必要があります。
空中散布マニュアルの重要ポイント
2.無人航空機を飛行させる者の訓練及び遵守事項
2-4 空中散布のための操縦練習
空中散布等の前後及び最中で機体重量が変化する状況下においても、2-2に掲げる操作又は自動操縦が安定して行えるよう、また、飛行操作を行いながらの散布を円滑に実施できるよう5回以上の空中散布の実績を積むため、訓練のために許可等を受けた場所又は屋内にて練習を行う。(空中散布の訓練は実際の農薬ではなく危険物に該当しない水などを散布する。)
3.安全を確保するために必要な体制
3-1 無人航空機による空中散布を行う際の基本的な体制
- 補助者は、飛行範囲及び散布範囲に第三者が立ち入らないよう注意喚起を行う。
- 補助者は、飛行経路及び散布範囲全体を見渡せる位置において、無人航空機の飛行状況、散布状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視し、操縦者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行う。
- 飛行場所に第三者の立ち入り等が生じた場合には、直ちに散布を中止しかつ速やかに飛行を中止する。
- 農薬の空中散布にあたっては、その安全な使用のため、農薬取締法等関連法令に基づくとともに、「農薬の空中散布に係る安全ガイドラインの制定について」(令和元年7月30 日付け元消安第1388 号)等関連通知に留意して実施する。
- 操縦者は、空中散布のための操縦訓練を修了した者に限る。
3-6 補助者を配置せずに空中散布を行う際の基本的な体制
各飛行形態において補助者を配置しない場合には、以下に記載された必要な体制を追加して適切に行う。
- 飛行高度は空中散布の対象物上4m以下とする。
- 3-3及び3-4の場合には、自動操縦による飛行のみにより行い、飛行範囲を制限する機能(ジオ・フェンス機能)及び不具合発生時に危機回避機能(フェールセーフ機能)が作動するよう設定して飛行させる。
- 飛行場所に接近する可能性のある人や車両への衝突リスクを回避するため、飛行の精度に由来する「位置誤差」と、物体としての危険性に由来する「落下距離」を合算して、飛行範囲の外側に立入管理区画を設定する
- 製造者等が保証した「位置誤差」、「落下距離」(飛行の高度及び使用する機体に基づき、当該使用する機体が飛行する地点から当該機体が落下するまでの距離として算定されるもの)に応じて、立入管理区画を設定する。
- 製造者等が保証した「位置誤差」等が示されていない場合には、飛行マニュアル別添に基づき、飛行範囲の外周に立入管理区画を設定する。
- 立入管理区画では、人や車両の接近の可能性がある場合に、飛行場所の状況に即した注意を求める対応を行う。
- (注意喚起措置の例)
- 看板等の設置
- 空中散布の実施区域及びその周辺への事前周知の徹底
- 空中散布の実施前、合間の見回り
- (注意喚起措置の例)
- 「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(平成27 年11 月17 日付け国空航第684 号、国空機第923 号)5-4(3)c)キ)に規定された航空機の確認のための措置は、農用地での空中散布等の際には飛行高度を制限(飛行高度は空中散布の対象物上4m以下とする。)することで不要とする。
空中散布マニュアルの具体的な解説
立入管理区画の設定
立入管理区画の設定の考え方
立入管理区画の幅= ①位置誤差+ ②落下距離
①位置誤差
<自動操縦の場合>
- メーカーが位置誤差を保証する場合: メーカー保証値(数cm~(補強情報活用時))
- メーカーが位置誤差を保証しない場合: 10m
<手動操縦の場合>
- 操縦者が目視で確実に機体の位置を把握できれば、位置誤差を考慮する必要はない。
②落下距離
- メーカーが算出し保証する落下距離に由来する「落下距離」。
- メーカーが保証しない場合には、右表により設定。
立入管理区画の設定例
(1)① 農地、山林、原野等が隣接
- 第三者への注意喚起不要
- 立入管理区画を飛行予定農地の外側に設置
(2)① 第三者の立ち入りが予想される農道に隣接
- 第三者への注意喚起が必要
- 立入管理区画を飛行予定農地の外側に設置
(2)② 第三者の立ち入りが制限できない公道に隣接
- 第三者への注意喚起が必要
- 立入管理区画を飛行予定農地の内側に設置
空中散布マニュアルについてのまとめ
このように空中散布マニュアルを使用すると飛行条件が細かく制限されます。
制限される内容で問題ない場合は、そのまま「空中散布マニュアル」を使用します。
ただし、制限される内容だと業務に支障が出る場合は、「空中散布マニュアル」をベースに改良した「独自マニュアル」を作成する必要があります。