ドローンで農薬散布をするには許可が必要なの?
ドローン飛行許可を取得したら農薬散布はできるの?
農薬散布に適した飛行許可や承認を受けることが前提で農薬散布ができるようになります。
そこで・・・
チェック
- ドローンを農薬散布で飛ばしたい場合どうすればいいの?
- ドローンで農薬散布したい!
なんて悩んでいませんか?
このようなお悩みをお持ちの方へドローン飛行許可申請を担う行政書士がドローンをとりまく手続きを徹底解説します。
この記事を読むと
「ドローンで農薬散布する場合の手続き」
がよくわかります。
それでは具体的な中身を見ていきましょう。
ドローンの農薬散布飛行について
ドローンを使った農薬散布の実施は近年拡大していっています。
農村地などで広大な面積を有する農地においてはドローンでの農薬散布はコスト面や人員面においてもとてもメリットのある農薬散布の方法となります。
まず、ドローンで農薬散布できる農薬に制限があることをご存じでしょうか。
ドローンで使用可能な農薬
ドローンは積載重量が少なく、薬剤タンクの容量が小さいため、高濃度・少量での散布が可能な”ドローンに適した農薬”数の拡大が求められています。
”ドローンに適した農薬”は、「使用方法」が、『無人航空機による散布』、『無人ヘリコプターによる散布』、『無人航空機による滴下』又は『無人ヘリコプターによる滴下』とされている農薬です。
なお、使用方法において、散布機器が指定されていない『散布』、『全面土壌散布』などとなっている農薬についても、その使用方法を始め、希釈倍率、使用量等を遵守できる範囲であれば、ドローンで使用可能です。
農林水産省では、平成31年3月に、”ドローンに適した農薬”について、新たに200剤の登録を推進する目標を立て、登録数の少ない露地野菜や果樹用の農薬を中心に、”ドローンに適した農薬”の登録数の拡大を図っています。引用元:農林水産省HP
使用方法が下記に該当する農薬がドローンに適した農薬
- 無人航空機による散布
- 無人ヘリコプターによる散布
- 無人航空機による滴下
- 無人ヘリコプターによる滴下
ドローンを農薬散布で飛行させる場合の手続き
ドローンで農薬散布をするにあたりどのような手続きが必要かを見ていきましょう。
ドローンで農薬散布を行うために必要な資格はありますか?
必須となる特定団体の資格(免許・ライセンス)はありません。
ただし、技術的に未熟な操縦者の場合、他人の土地まで散布してしまったり、農薬が一定量に定まらず、不均一に散布してしまうなどという問題が発生します。
そのため、専門的な訓練を受けるか、専門技術を持った業者に依頼することが大切です。
農薬散布を行う際、補助者は必ず配置しなければならないのですか?
国土交通省HPに掲載されている「航空局標準マニュアル(空中散布)」に即して、立入管理区画を設ける等の一定の条件を満たせば補助者なしでも散布が可能です。
現実的な問題としては、農薬散布するような比較的広い農地の場合、反対側の道路などを立入管理区画に設定しても立ち入りを防ぐことが難しいと思うので、補助者はできるだけ適切に配置しておく必要があると思います。
農薬の空中散布に係る安全ガイドライン
農林水産省のホームページに「農薬の空中散布に係る安全ガイドライン」が掲載されています。
無人ヘリコプター
ドローン
ドローンの農薬散布での飛行に関する規制法令
ドローンを使った農薬散布を行う上で関連する法令を見ていきましょう。
航空法
航空法の承認を得る場合に農薬散布を行う場合に必ず必要な承認が次の2つです。
- 危険物の輸送
- 物件投下
また、農薬散布を行うための操縦者の技能として次の2つも必須です。
- 10時間以上の飛行経験
- 5回以上の農薬散布経験
農薬散布を行う農地の場所や飛行方法によっては次の3つも承認が必要となります。
- 目視外飛行
- 夜間飛行
- 人や建物との距離が30メートル未満での飛行
とくに「人や建物との距離が30メートル未満での飛行」は現実的に考えるとほぼ必須です。
ドローンの農薬散布飛行についてのまとめ
ドローンを活用した農薬散布は農家の方にとっては、非常にメリットの大きい農薬散布の手段といえます。
ですが、周りに農地しかなく、人もほとんどいないからといって、航空法の許可や承認を受けることなく農薬散布を行えば、航空法違反となります。
ドローンでの農薬散布に必要な航空法上の許可や承認は要件さえクリアできれば取得できますので、必ず、取得しておく必要があります。
幸い、農薬散布は1年間(厳密には3か月が基本)の包括申請ができますので農薬散布用のドローンを購入し飛行経験が要件に達した段階で申請しておくことをお勧めします。