ドローン飛行に関係する海上交通3法についてポイント解説!
ドローンを海上飛行する際に影響する法律、海上交通3法はご存じですか?
ドローンを海上で飛行させるなら航空法の知識はもちろんのこと海上交通3法の理解も必要になるかもしれません。
しかし、いきなり条文を読み始めると混乱するかもしれませんね。
そこで・・・
チェック
- ドローンを海上飛行する場合に関係する法律、海上交通3法を知りたい!
- 海上交通3法の内容は?
- 条文はわからないのでかみ砕いて教えてほしい・・・
なんて悩んでいませんか?
このようなお悩みをお持ちの方へドローン飛行許可申請を担う行政書士がドローンをとりまく手続きを徹底解説します。
この記事を読むと
「ドローンの海上飛行に関する法律(海上交通3法)
がよくわかります。
皆様のこのような疑問を解決します。
海上交通3法について
「ドローン飛行に海上交通3法って関係あるの?」と疑問に思うかもしれません。
ドローンの飛行経路が海上や港湾上空である場合は密接に関係してきます。
ここでは「海上交通3法」の関係について説明していきます。
そもそも、「海上交通3法」とはなんでしょうか。
海上交通3法をわかりやすく解説します!
海上交通三法
海上保安庁のホームページを見ると海上交通三法に関する記載があります。
海上交通三法
海上衝突予防法(昭和52年法律第62号)
海上衝突予防法は、国際的な海上交通ルールである「1972年の海上における衝突の予防のための国際規則」(COLREG)に準拠して制定された法律で、(イ)船舶の遵守すべき航法、(ロ)船舶の表示すべき灯火・形象物、(ハ)船舶の行うべき信号について定めることにより、船舶の衝突を予防して船舶交通の安全を図ることを目的としています。
引用元:海上保安庁ホームページ
「海上衝突予防法」は国際規則に準拠しているため、世界中の海上で守らなくてはいけないルールが明記されています。
そのため、海上交通において「海上衝突予防法」が基本法の位置付けとなります。
海上交通安全法(昭和47年法律第115号)
海上交通安全法は、海上衝突予防法の特別法として船舶交通がふくそうしている東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海の三海域について特別の海上交通ルールを定めることにより船舶交通の安全を図ることを目的としています。
同法は、狭水道でしかも船舶交通が集中する浦賀水道等11ヶ所に航路を設定し、(イ)航路航行義務、航路出入船等の避航義務等特別の交通ルールを定めるとともに、(ロ)航路を航行する巨大船等に対して航行管制を行うこととし、また、(ハ)工事・作業等に対する規制を定めています。引用元:海上保安庁ホームページ
「海上交通安全法」は「東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海の三海域」に限定して適用される法律です。
「海上交通安全法」は「海上衝突予防法」の特別法の位置づけです。
港則法(昭和23年法律第174号)
港則法は、海上衝突予防法の特別法として港内における海上交通ルールを定めることにより船舶交通の安全及び港内の整とんを図ることを目的としています。同法は平成22年4月現在、入出港の多い500港を適用港とし、(イ)防波堤付近の航法等港内における特別の交通ルールを定め、(ロ)港内の交通管制を行うとともに、(ハ)工事・作業、漁ろう等についての規制を定めています。また、特に船舶交通がふくそうする京浜、名古屋、大阪、神戸、関門等86港を特定港に指定して港長を任命し、上記に加えて、(ニ)入出港届の提出、(ホ)錨地の指定、(ヘ)危険物荷役の規制等により港内の安全と整頓を図っています。
引用元:海上保安庁ホームページ
「港則法」は「入出港の多い500港を適用港」とされる海上での交通ルールを定めています。
「港則法」は「海上衝突予防法」の特別法の位置づけです。
海上交通三法の適用例
「海上交通安全法」と「港則法」の関係についてみていきましょう。
海上保安庁のホームページにわかりやすく図で説明されていたので引用しています。
引用元:海上保安庁ホームページ
事例1
無人航空機(ドローン等)を海上で飛行させる場合の申請について(徳島県)
次のような場合には「海上保安庁」への申請が必要になります。
- ドローン等の操縦や離発着等のため、操縦者が乗船する船舶等が一定の水域を占有し、船舶交通に影響を及ぼす場合。
- 撮影等により船舶が一定の水域を占有し船舶交通に影響を及ぼす場合。
- 競技又は曲技等の飛行に必要な工作物を設置することにより、一定の水域を占有し船舶交通に影響を及ぼす場合。
- ドローン等の飛行イベントにおいて、観覧船舶による混雑が見込まれ船舶交通に影響を及ぼす場合。
徳島県の事例をみると、ドローンを飛行させることにより、船舶の交通に影響を及ぼす恐れがある場合は、「海上保安庁」への申請が必要になりますね。
事例2
京浜港東京区でドローンを使用しようとするときは、京浜港長へ申請が必要です。
この場合の注意点として「飛行予定日の30日前」までに申請したほうが良いという点です。
航空法の許可や承認の場合は「飛行予定日の10営業日前」が最短の目安ですが、港湾の場合は30日もかかります。
その理由は根拠となる法律が違うので、航空法=10日、行政手続法=30日となり、航空法上の飛行許可や承認を取得してから港湾の許可を取るというスケジュールでは間に合わない場合がありますので注意が必要です。
京浜港東京区の場合だと、港湾周辺での飛行の際は、京浜港長へ申請が必要となり、この申請は何g以上の機体が対象というわけではなく、何gであっても申請が必要となります。航空法上の無人航空機は機体重量により対象有無が分かれますが、港湾の場合は機体重量に関係なく申請が必要となります。
なお、港湾外の海上交通安全法適用海域を飛行する場合は最寄りの海上保安部を通じて第三管区海上保安本部へ届出が必要です。
海上交通3法についてのまとめ
海上交通三法
海上交通三法の注意点
- 海上交通三法は海の安全を守るための法律であり、航空法の許可とは関係がない。
- 海上や港湾でドローン飛行する場合、許可が必要になる場合がある。
- 急ぎの場合は、海上や港湾の許可申請の審査期間と航空法の許可や承認の審査期間が異なる。