ドローンに関係する個人情報保護法・肖像権・プライバシーをポイント解説!
ドローンに関する法律など(個人情報保護法・肖像権・プライバシー権)はご存じですか?
ドローンを飛行させるなら航空法に関連する知識はもちろんのこと、個人情報保護法・肖像権・プライバシー権についての理解も必須です。
いきなり条文を読み始めると混乱するかもしれません。
そこで・・・
チェック
- ドローン飛行に関する個人情報保護法・肖像権・プライバシー権につて知りたい!
- 個人情報保護法、肖像権、プライバシー権についての内容は?
- 条文はわからないのでかみ砕いて教えてほしい・・・
なんて思っていませんか?
このようなお悩みをお持ちの方へドローン飛行許可申請を担う行政書士がドローンをとりまく手続きを徹底解説します。
この記事を読むと
「ドローンの飛行規制に関する法律など(個人情報保護法・肖像権・プライバシー権)」
がよくわかります。
それでは具体的な中身を見ていきましょう。
ドローンに関係する個人情報保護法などの関連法令について
法律
個人情報保護法は正しくは「個人情報の保護に関する法律」といいます。
この辺の知識は重要ではありませんが、「個人情報の保護に関する法律」の中身の知識は重要です。
(目的)
第一条 この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。引用元:個人情報の保護に関する法律
目的条文からもわかるように「個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定める」とあります。
権利について
肖像権に関する注意点
市街地などでドローン撮影する場合、人が映り込むことは容易に考えられます。
この個人が映り込んだ空撮動画を編集することなく、インターネット上に上げると、肖像権やプライバシー権の問題になる場合があります。
極端な例かもしれませんが、たまたま映り込んだ方が、不慮の事故などにより外見に火傷や怪我などで大きな傷が残ってしまった方だとします。
その方は自分の容貌を、許可することなく第三者によってインターネット上に公開されたということになります。
さらに、撮影場所がその方のご自宅であった場合などは、個人の住居もある程度推測できる状態となり、このような状態で訴訟を起こされると、おそらくなんらかの罰則を受けることになる可能性が高いです。
事業をされている方であれば、罰則だけではなく取引先からの信頼はゼロになり、今後、仕事も受けることができなくなる可能性が高くなってしまいます。
ここまで極端な例はあまりないと思いますが、ドローンの空撮動画をインターネット上に公開する場合は、個人が特定されることのないように、必ず編集をおこなう必要があります。
編集する時間がないのであれば、撮影時に個人が映り込まないように撮影することや、公開前には厳密に動画のチェックをすることが大切です。
プライバシー権に関する注意点
ドローンの空撮で肖像権と合わせて問題になるのがプライバシー権です。
これは第三者の自宅の庭先が映り込み、洗濯物がそのまま動画に映り込んだときなどが問題になります。
また、天気がいい日などで、窓越しに室内が映り込んでしまったりする場合も問題になる可能性があります。
こちらの問題も、肖像権の問題と同様に、第1には空撮時に第三者を映さないように十分注意し、映ってしまった場合は再撮影をするか編集で削除する必要があります。
ドローンに関係する個人情報保護法など関連法令をわかりやすく解説します!
個人情報保護法は「個人情報の取扱いに関する事項」を中心に定められていますので、一見、ドローンとは関係ないように思われるかもしれません。
ところが、ドローンで撮影する場合には、個人宅の塀を超えて洗濯物や室内の住人、表札などの個人情報を撮影してしまう可能性があります。
その場合にまず、肖像権やプライバシー権の侵害が問題になります。
もし、肖像権やプライバシー権の侵害が認められてしまうと、不法行為による損害賠償という事態が発生する可能性があります。
損害賠償は賠償すれば法的には解決となるかもしれませんが、実際は発注者からは二度とお仕事は頂けないでしょうし、事業者としての信頼はゼロになります。一度失った信頼を回復することは非常に難しいという点は常に頭の片隅においておきましょう。
また、取得した個人情報をぼかし等で匿名化しないままに、動画配信をしてしまうと個人情報保護法にも抵触してしまいます。
ドローン飛行といえば航空法の許可・承認にばかり目が行きますが、実は、個人情報関係のルールに注意する事がとても大切なんです。
詳しくは総務省が平成27年9月に掲載した 「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン を一読ください。ドローンによる撮影を行うにあたり、どのような点に注意が必要かという点がわかりやすく、具体的に記載されています。
ドローンを使った空撮を行う方は比較的読みやすい文章ですので、一読しておいて損はないと思います。
ドローン飛行に関して個人情報保護法に違反しないような撮影
- 他人の民家を撮影しない。
- 住宅地で撮影する場合は、できれば事前に近隣住民に案内しておく。
- 他人の土地の上空を飛行させない。
ドローン飛行に関する肖像権に違反しないような撮影
- 他人を撮影しない。
- 他人を中心に撮影しない。
- 他人を撮影してしまった場合はぼかしなどの加工を行い、元の画像は削除する。(ただし撮影しないことが基本)
- 他人を撮影してしまった場合は許可を得る。
ドローン飛行に関するプライバシーに違反しないような撮影
- 他人の住宅にカメラを向けない。(撮影しない)
- 他人を撮影しない。
- 他人の住宅や表札、車のナンバープレートなどを撮影しない。
ドローンに関係する個人情報保護法などの関連法令についてのまとめ
人口集中地区上空の飛行許可を取得したからといっても民家の上空で自由に空撮できるわけではありません。
何も考えずに撮影してしまうと、あとから思わぬとことから、訴訟がふりかかってくるかもしれません。
まずは、自己防衛が大切です。
そう考えると、人口集中地区上空で飛行する場合の空撮ってかなり動画編集が大変になるような気がします。
海岸沿いが人口集中地区上空に該当していて、海に向けて飛行するとか、住宅の外壁点検で、対象の住宅の壁だけを撮影するとか、そういう場合は大丈夫かもしれませんが、それでも、近隣の住宅には案内等をしておいた方が、安心できますね。
肖像権やプライバシー権といわれるものや個人情報保護法関連で訴えられたときに、「航空法の飛行許可をとっています!」といっても「だから何?」と言われるだけで、まったく自己防衛にはなりませんので、ご注意ください。