

岡山で障害福祉サービスや障害児通所支援の事業所を開くには、①どのサービス種別をやるかを決める ②人員・設備・運営の基準を満たす体制をつくる ③指定権者(岡山県/岡山市/倉敷市のいずれか)へ「指定申請」をして指定を受ける——この3ステップが基本です。指定を受けてはじめて、報酬(給付費)を請求して運営できます。準備から指定までは、物件・人員の状況にもよりますがおおむね2~4ヵ月程度を見込む方が多いサービスです。本記事では、対象となるサービス種別の全体像、岡山での指定権者の分かれ方、開設準備から指定・運営・更新までの流れ、費用と期間の目安、そして地場の行政書士に依頼する利点までを、障害福祉に特化する行政書士がやさしく解説します。各サービス別の詳しい記事へも、本記事からたどれます。
※ 個別の指定の可否・要件は事業者や物件・自治体の取扱いで変わります。最終判断は有資格者(行政書士)にご確認ください。
障害福祉サービスの「指定」とは何か
障害福祉サービス(障害者総合支援法)・障害児通所支援(児童福祉法)の事業を行うには、サービス種別ごとに、都道府県・指定都市・中核市などの指定権者から「指定(事業者指定)」を受ける必要があります。指定は「この事業所は基準を満たしているので、給付費(公費)の対象として運営してよい」というお墨付きです。指定を受けずにサービスを提供しても給付費は請求できません。
指定は法人であることが前提です(個人事業では原則指定を受けられません)。これから開業する方は、まず法人格(株式会社・合同会社・NPO法人・社会福祉法人など)と、定款の事業目的を整えるところからスタートします。
どんなサービス種別があるか(全体像)
障害福祉の事業所には多くの種別があります。岡山でご相談の多い主な種別を整理します。
- 就労継続支援A型:雇用契約を結び、働く場を提供(障害者総合支援法)
- 就労継続支援B型:雇用契約によらず、就労や生産活動の機会を提供
- 就労移行支援:一般就労への移行を支援
- 生活介護:常時介護が必要な方への介護・活動支援(日中活動系)
- 共同生活援助(グループホーム/GH):住まいの場での支援
- 放課後等デイサービス(放デイ):就学児童への放課後・休日の発達支援(児童福祉法)
- 児童発達支援:未就学児への発達支援(児童福祉法)
- 居宅介護・重度訪問介護など(訪問系)
「就労系」「日中活動系」「居住系」「訪問系」「障害児通所系」と性格が分かれ、種別ごとに人員・設備・運営の基準が異なります。どの種別が地域のニーズに合い、自社の体制で実現しやすいかは、開業相談の最初の論点です。
このうち、特にご相談の多い種別は個別記事で詳しく解説しています。
岡山での指定権者は3つに分かれる(県・岡山市・倉敷市)
岡山で見落とされがちなのが、事業所の所在地によって申請先(指定権者)が変わることです。おおまかには次のように分かれます。
| 事業所の所在地 | 主な指定権者(申請先の目安) |
|---|---|
| 岡山市内 | 岡山市(政令指定都市) |
| 倉敷市内 | 倉敷市(中核市) |
| 上記以外の岡山県内(津山市・総社市・玉野市など) | 岡山県 |
※ 障害児通所支援(放デイ・児童発達支援など)の権限の所在や、サービス種別ごとの取扱いは、自治体・制度改正で変わることがあります。上表は一般的な目安です。申請先・様式・事前協議の要否は、必ず該当自治体の最新の取扱いでご確認ください。
同じ「障害福祉の指定」でも、自治体ごとに様式・添付書類・事前協議のルール・受付スケジュール(締切日)が異なります。岡山市と倉敷市と県では運用が違う、というのが実務感覚です。ここを取り違えると、申請のやり直しや開設の遅れにつながります。
【重要】種別・時期によっては新規指定が止まることがある(総量規制)
障害福祉サービスは、市町村・都道府県が定める障害福祉計画に基づいてサービス量がコントロールされています。計画で見込んだ量に達している種別・地域では、新規指定をいったん止めたり、事前協議を求めたりする「総量規制」がかかることがあります。
岡山でも、就労継続支援A/B型・生活介護などは、種別・時期・地域によって新規指定の可否や事前協議が必要になる場合があります。「やりたい種別が今その地域で新規指定を受けられるのか」は、物件を契約する前に確認すべき最重要ポイントです。
※ 新規指定の可否や事前協議の要否は、岡山市・倉敷市・岡山県それぞれの最新の取扱い・募集状況で変わります。物件契約や人員採用の前に、必ず最新情報をご確認ください。
開設から運営までの全体フロー
障害福祉事業の立ち上げは、おおむね次の流れで進みます。
- 構想・種別の決定:地域ニーズ・自社の強み・総量規制の状況をふまえ、やる種別を決める。
- 法人の準備:法人格の取得(または定款の事業目的の追加)。
- 物件の確保:用途・面積・消防・建築基準などサービス種別の設備基準を満たす物件か確認。
- 人員の確保:管理者・サービス管理責任者(サビ管)/児童発達支援管理責任者(児発管)・必要な配置職員の採用。
- 事前相談・事前協議:必要な自治体では、申請前に事前相談・協議を行う。
- 指定申請:指定権者の締切に合わせて申請書類一式を提出。
- 審査・指定:基準を満たせば指定(多くは翌月や指定月の1日付)。
- 運営開始:報酬請求(国保連請求)を含む運営をスタート。
- 運営後の継続手続き:変更届・更新(後述)。
特に ③物件 ④人員(サビ管・児発管) は確保に時間がかかりがちで、開設スケジュールのボトルネックになりやすい部分です。逆算して早めに動くのがコツです。
指定の3本柱:人員基準・設備基準・運営基準
指定を受けるには、サービス種別ごとに定められた3つの基準をすべて満たす必要があります。
- 人員基準:管理者、サービス管理責任者(サビ管)/児童発達支援管理責任者(児発管)、生活支援員・職業指導員・児童指導員などを、定員に応じた人数・常勤要件で配置する。
- 設備基準:訓練・作業室や指導訓練室、相談室、洗面所・トイレなどを備え、必要な面積を確保する(種別により目安が異なります)。
- 運営基準:運営規程、重要事項説明、サービス提供記録、個別支援計画、虐待防止・身体拘束適正化、衛生管理などの体制を整える。
定員・人数・面積などの数値はサービス種別と自治体の取扱いで異なる目安です。たとえば放デイの定員は10名を基本とする例が多いなど、種別ごとの考え方があります。具体的な数値は、種別別の記事と最新の基準でご確認ください(最終判断は有資格者にご確認ください)。
費用と期間の目安(岡山)
新規開設にかかる主な費用・期間の目安は次のとおりです(※あくまで目安・時点で変動)。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 法人設立費用(合同会社/株式会社の場合) | 種別・法人形態により異なる(登録免許税等の実費が別途必要) |
| 指定申請の手数料(行政庁へ) | 自治体・種別により異なる(不要・無料の自治体もあり、要確認) |
| 行政書士報酬(指定申請の代行) | 事務所・種別により異なる(当事務所は要件確認・書類作成・提出代理を含むサポート) |
| 物件改修・備品・人件費(開業前) | 物件と種別により大きく異なる |
| 準備開始~指定まで | おおむね2~4ヵ月程度(物件・人員・事前協議の状況による) |
※ 費用・期間は時点や個別事情で変わります。最新の手数料・必要書類・締切は自治体の取扱いにより、報酬は無料相談でお見積りします。岡山では指定の効力発生日が「申請月の翌月1日」などに区切られ、自治体ごとの締切に間に合わせることが開業時期を左右します。
運営が始まってからやること(更新・変更届・加算)
指定を受けたら終わり、ではありません。むしろ運営開始後の継続手続きが、安定運営の生命線です。
- 指定の更新:障害福祉サービス・障害児通所支援の指定は、原則として6年ごとの更新が必要です。
- 変更届:管理者・サビ管/児発管の変更、定員・事業所の所在地・運営規程の変更など、変更が生じた都度の届出が必要です(提出期限が定められています)。
- 各種加算の届出:人員体制や取り組みに応じて算定できる加算(体制届・加算の届出)があります。届出を行わなければ算定できず、要件を満たさない算定は返還につながります。
これらの官公署への届出書類の作成・提出は、行政書士が継続してサポートできる領域です。期限管理を含めてまとめてお任せいただくことで、運営者本人は支援の現場に集中できます。
加算のなかでも特にご相談が多い「処遇改善加算」「実地指導(運営指導)対策」は個別記事で解説しています。
処遇改善加算と「労務の領域」の線引き
ここは大切なので明確にお伝えします。処遇改善加算は、職員の賃金改善を行ったうえで算定する加算ですが、その中身は2つの領域に分かれます。
- 労務の領域(賃金規程・就業規則・労働社会保険の手続きなど):これは社会保険労務士の専門領域です。賃金改善の計画や規程の整備は、事業者ご自身、または社会保険労務士が整える前提です。当事務所は就業規則・賃金規程の作成代行や労働社会保険の手続き代行は行いません(標榜しません)。
- 行政(届出)の領域(自治体への加算の届出書類):処遇改善加算の自治体への届出(計画書・実績報告などの官公署提出書類)の作成・提出は、行政書士が担える領域です。
つまり当事務所は、労務の枠組み(賃金規程等)は社労士・事業者が整え、その内容に基づく自治体への「届出書類」部分をサポートする、という線引きで対応します。労務面のご相談は、必要に応じて社会保険労務士をご案内します。
地場(岡山)の行政書士に依頼する利点
障害福祉の指定は、自治体ごとの運用差とこまめな継続手続きが特徴です。だからこそ、岡山に拠点を置く地場の行政書士に依頼する利点があります。
- 岡山市・倉敷市・県の運用差を踏まえて進められる:申請先・様式・締切・事前協議の作法を取り違えにくい。
- 顔を合わせて相談できる:物件や人員の悩みは、メールだけでは進みにくいもの。開設前から運営後まで、会って相談できる安心感があります。
- 開設後も伴走できる:更新・変更届・加算の届出まで、同じ専門家が継続して支えます。
当事務所は行政書士登録のうえ、行政書士賠償責任保険に加入し、障害福祉分野に特化して、開設準備から運営後の届出までを一貫してサポートしています。
よくある誤解
- 「個人事業でも指定が受けられる」→ 原則、指定は法人が前提です。まず法人と定款の事業目的を整える必要があります。
- 「物件を決めてから種別を考えればいい」→ 順序が逆になりがちです。総量規制・設備基準・人員確保を見てから物件を決めないと、契約後に開設できないリスクがあります。
- 「指定は一度受ければずっと有効」→ 原則6年ごとの更新が必要で、変更届や加算の届出も継続して発生します。
- 「処遇改善加算は行政書士に丸ごと任せられる」→ 賃金規程・就業規則など労務の枠組みは社労士・事業者の領域です。行政書士が担うのは自治体への届出書類部分です。
まとめ+ご相談
岡山で障害福祉サービスや障害児通所支援の事業所を開くには、種別の決定 → 総量規制と基準の確認 → 指定権者(県/岡山市/倉敷市)への指定申請 → 運営開始 → 6年ごとの更新・変更届・加算の届出という一連の流れを、自治体の運用差に合わせて進めることが鍵になります。
最初の一歩は「やりたい種別が、その地域で今、新規指定を受けられるか」の確認です。
「どの種別が向いているか」「うちの物件で基準を満たせるか」「申請先はどこか」——まずは整理から始めましょう。各サービス別の進め方は、就労継続支援B型、放課後等デイサービス、処遇改善加算、運営指導(実地指導)対応などの個別記事で詳しく解説しています。
開設後の更新・変更届・加算の届出といった運営サポート(運営伴走)にも対応していますので、開業前の構想段階からお気軽にご相談ください。岡山で会って相談できる、障害福祉特化の行政書士が伴走します。
