

建設業許可にかかるお金は、①岡山県に納める法定手数料 ②役所で証明書を取る実費 ③行政書士に依頼する場合の報酬 の3つに分かれます。このうち①は金額が決まっていて、岡山県知事許可の新規申請は90,000円、更新と業種追加は50,000円です。この額は申請する業種の数と関係がなく、1業種でも5業種でも同じです(岡山県「建設業許可の手引」PDF p.14)。当事務所に法人の新規申請をご依頼いただく場合は、報酬132,000円+法定手数料90,000円で 合計222,000円(税込目安) が出発点になり、ここに証明書の取得実費が加わる、という組み立てです。
本記事では、この3層の内訳を岡山県の一次資料(令和7年9月1日改訂の手引・審査要領)に沿って分解し、さらに 「その費用がいつ出ていくのか」(許可までの期間からの逆算)と、「許可を取った後の5年間で、いくら払い続けることになるのか」(総保有コスト)まで示します。許可を取れるかどうかの要件そのものは建設業許可の6つの要件(自社が取れるか診断)を、行政書士報酬の中身(どこまで含まれるか・変更届の報酬体系)は行政書士報酬に含まれる業務と追加実費をご覧ください。
※ 本記事の金額はいずれも記事作成時点の目安です。法定手数料は制度改正で変わることがあり、証明書の取得実費は交付する役所・通数・取得方法によって異なります。個別の申請にいくらかかるかは事案ごとの実態で判断が分かれますので、最終判断は有資格者(行政書士)にご確認ください。
1. 結論:岡山県知事許可の費用は「3つの層」でできている
「建設業許可はいくらですか」というご質問に一言でお答えできない理由は、性質のまったく違う3種類の支出が混ざっているからです。まずこの3層を切り分けてください。
| 層 | 内容 | 金額の決まり方 | 誰に払うか |
|---|---|---|---|
| 第1層:法定手数料 | 許可申請の審査手数料 | 国・県の規定で固定(新規90,000円/更新・追加50,000円) | 岡山県(POS納付連絡票による収納) |
| 第2層:取得実費 | 登記事項証明書・納税証明書・身分証明書・登記されていないことの証明書・残高証明書などの発行手数料 | 必要な通数×各窓口の交付手数料(人数・法人形態で変動) | 法務局・市区町村役場・県民局税務部・金融機関 など |
| 第3層:行政書士報酬 | 要件の判断・書類作成・申請代理 | 事務所ごとの料金設定(内容により変動) | 依頼する行政書士事務所 |
ここで最も誤解が多いのが、第1層と第3層を足し忘れるか、逆に第3層だけを見て「高い」と判断してしまうパターンです。ネット上で「建設業許可は9万円」と書かれているのは第1層だけの話で、実際にはどの申請でも第2層の証明書実費が発生します。逆に「20万円」と書かれていれば、それは第1層+第3層の合計であることが多く、比較する土俵が違うのです。
費用を比較するときは、必ず「法定手数料込みかどうか」を確認してください。 当事務所の料金表は、この誤解を避けるために(A)報酬と(B)手数料を分けて表示し、合計額も併記しています(詳細は5章)。
なお、本記事は 岡山県知事許可(岡山県内のみに営業所がある場合)を前提とします。2つ以上の都道府県に営業所を置く国土交通大臣許可は管轄も費用体系も異なりますので、該当する場合は建設業許可の6つの要件(自社が取れるか診断)をご覧のうえ、個別にご相談ください。
2. 第1層|法定手数料(90,000円・50,000円)と、業種数が関係しない理由
岡山県知事許可の申請手数料は、次の2区分だけです。
| 許可申請の種類 | 岡山県知事許可の法定手数料 |
|---|---|
| 新規(許可換え新規を含む)・般特新規 | 90,000円 |
| 更新・業種追加 | 50,000円 |
出典:岡山県「建設業許可の手引」(令和7年9月1日改訂)PDF p.14
この表から読み取るべき、費用計算に直結する3つのルールがあります。
ルール①:手数料の額は、申請する業種の数と関係がない
手引に「手数料の額は申請する業種の数とは関係ありません」と明記されています(PDF p.14)。つまり、新規申請で「とび・土工工事業」1業種だけを取っても、「とび・土工」「解体」「塗装」「内装仕上」の4業種を同時に取っても、法定手数料はどちらも90,000円です。
これは費用対効果の観点で大きな意味を持ちます。将来的に手掛ける可能性がある業種で、すでに要件(営業所技術者(旧:専任技術者)など)を満たせているものがあるなら、新規申請のタイミングでまとめて申請するほうが、法定手数料の面では有利になります(後から1業種を追加するごとに50,000円の業種追加手数料が発生するためです)。
ただし、業種を増やせばその分の要件確認・書類(工事経歴書など)が必要になり、行政書士報酬の側は変動します。「法定手数料は増えないが、報酬と手間は増える」——この非対称性を理解したうえで、取得する業種の組み合わせを設計するのが実務です。
ルール②:変更届の提出に手数料はかからない
手引 PDF p.22 に「変更届には手数料は必要ありません」と明記されています(PDF p.14 の手数料の項にも同旨の記載があります)。役員が変わった、営業所を移転した、商号を変えた、そして毎年の事業年度終了報告——これらはすべて県に納める法定手数料はゼロです。
つまり、許可取得後の届出で発生するお金は、原則として行政書士報酬と証明書の取得実費だけということになります。「毎年の決算変更届にも県への手数料がかかるのでは」というご心配は不要です。
ルール③:更新と新規では40,000円の差がある
更新(50,000円)と新規(90,000円)の差額は40,000円です。この差が効いてくるのが、更新期限を過ぎてしまったケースです。手引 PDF p.21 は「更新許可申請をすることなく許可の有効期間が満了した場合には改めて新規に許可を取得することになります」としています。
期限切れは、単に手続きをやり直すという話ではありません。法定手数料が50,000円から90,000円に跳ね上がり、加えて許可が切れている期間は、税込500万円以上の工事(建築一式工事は税込1,500万円以上の工事。ただし延べ面積150㎡未満の木造住宅工事は、請負代金にかかわらず軽微な建設工事に当たります)を請け負えなくなります(手引 PDF p.5)——費用と機会損失の両方が同時に発生します。この金額ラインの詳しい判定(税込での判断、支給材料の加算、分割契約の合算など)は軽微な工事(500万円未満)の判定をご覧ください。期限切れの費用インパクトは9章であらためて扱います。
3. 法定手数料はいつ・どこで払い、どこへ出すのか(POS納付連絡票と提出先)
費用の記事で意外と書かれていないのが、「いつ現金が出ていくのか」「どこへ出すのか」 です。岡山県の納付方法・提出先には特徴があります。
岡山県の納付は「印刷して、持参して、貼る」
手引 PDF p.14 に定められた手順は次のとおりです。
- 岡山県土木部監理課のホームページから 「岡山県手数料等(POS)納付連絡票」 を印刷する
- 連絡票を 収納専用窓口に持参して支払う
- 支払い後に受け取った 納付済証 を、許可申請書の正本非閲覧用「様式第1号 別紙三(手数料貼付用紙)」に貼り付ける
- その状態で申請書一式を提出する
⛔ ここで納付方法に注意点があります。 岡山県知事許可の法定手数料は、上記のとおりPOS納付連絡票で納付し、受け取った納付済証を様式第1号 別紙三(手数料貼付用紙)に貼り付ける方式です。古い解説記事やテンプレートには、これと異なる納付方法が書かれているものが残っていますので、必ず現行の手引(令和7年9月1日改訂)PDF p.14 の手順でご確認ください。方式を誤ると、窓口で書類が整っていない状態になります。
提出先は「県庁の監理課建設業班」——県民局では受け付けていません
提出先は 岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階/〒700-8570 岡山市北区内山下2-4-6) で、郵送での提出も受け付けています(送付先は同じ)。窓口受付時間は9:00〜11:30、13:00〜16:30(閉庁日を除く)です(手引 PDF p.16)。
建設業許可の申請書・変更届の受付は、出先機関ではなく本庁一元です。県民局では受け付けていません。 県民局が担うのは、受付後の営業所調査(7章・9章)と、許可証明書の交付(9章)です。ここを取り違えると、往復の交通費と日数を無駄にすることになります。
キャッシュフロー上のポイント:手数料は「申請前」に現金で出る
この方式が意味するのは、法定手数料は申請書を出す前に支払いを済ませている必要があるということです。許可が下りてから払うのでも、審査と同時に払うのでもありません。納付済証が貼られていない申請書は完成していないからです。
さらに手引 PDF p.16 は「事前審査は一切行いません」と明言しています。「とりあえず出して、直しながら仕上げる」ということができない運用のため、書類を完全に整えたうえで、手数料を先に納め、提出するという順序になります。支出のピークは申請時に前倒しで来る一方、売上(許可を前提とした受注)が立つのはその後——この時間差の具体的な逆算は7章で扱います。
なお、岡山県では電子申請も可能です(手引 PDF p.20)。ただし事業承継等の認可申請は電子申請では行えないとされていますので、法人成りや事業譲渡が絡む場合は方式の確認が必要です。
4. 第2層|見落とされがちな「証明書の取得実費」——何を、何通、どこで
見積書の金額と実際の出費がずれる最大の原因が、この第2層です。多くの解説では「実費数千円程度」とまとめられていますが、実費は「人数」と「法人か個人か」で動く変動費であり、一律ではありません。ここを構造で理解しておくと、総額の見通しが立ちます。
4-1. 主な証明書と取得先の一覧
| 証明書 | 取得先 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 商業登記事項証明書(履歴事項全部証明書) | 法務局(登記官が認証したものに限る) | 法人のみ |
| 納税証明書(法人事業税・個人事業税) | 各県民局税務部、各地域事務所 | 法人・個人 |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村役場 | 個人事業主(代表者)・法人の役員 ほか(4-2参照) |
| 登記されていないことの証明書 | 岡山地方法務局(郵送なら東京法務局) | 個人事業主(代表者)・法人の役員 ほか(4-2参照) |
| 残高証明書 | 取引金融機関 | 必要なときのみ(後述) |
| 卒業証明書 | 卒業した学校 | 指定学科での実務経験短縮を使う場合 |
出典:手引 PDF p.15、p.149〜151
⚠️ 各証明書の1通あたりの交付手数料は、岡山県の手引・審査要領には金額の定めがありません。 交付する役所(法務局・市区町村・金融機関)がそれぞれ定めているためです。本記事では単価を推測で書かず、実費が膨らむ「構造」をお示しします(正確な1通あたりの金額は、各交付窓口の最新の料金でご確認ください)。この構造さえ押さえておけば、ご自身のケースで実費がどのくらいのレンジに収まるかの見当がつきます。
4-2. 実費が増える最大のドライバーは「証明書が必要な人の数」
費用計算で決定的に効くのがここです。手引 PDF p.150〜151 によれば、「登記されていないことの証明書」(証明書(ア))と「身分証明書」(証明書(イ))の2点は、次の方について両方の提出が必要とされています。
- 個人事業主(代表者)
- 法人の役員
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である役員の法定代理人
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人、支店又は営業所の代表者)
つまり、対象となる方1人あたり2通が必要になる計算です。役員が1人の会社と、役員が5人の会社では、取得する証明書の通数が2通と10通で5倍の差になります。さらに、支店や従たる営業所があり令3条使用人(支店・営業所の代表者)を置いている場合は、役員の人数に加えてその方の分も通数に乗ります。「うちは法人だから」ではなく「うちは証明書が必要な人が何人いるか」で実費が決まる、というのが正確な理解です。
なお、外国籍の方については証明書(イ)(身分証明書)の提出は不要ですが、生年月日および外国籍が分かる住民票等の写し(3か月以内に発行されたもの・国籍が記載されたものに限る)の提示が必要とされています(手引 PDF p.150)。
さらに、この2通は取得先がまったく別です。
- 「登記されていないことの証明書」= 岡山地方法務局(郵送で請求するなら東京法務局)
- 「身分証明書」= 本籍地の市区町村役場
ここに実務上の落とし穴があります。本籍地が県外・遠方にある役員がいる場合、その方の身分証明書は本籍地の役場から郵送で取り寄せることになり、定額小為替の手配・往復の郵送日数が発生します。役員のうち1人でも本籍地が遠方なら、書類収集期間はその方に律速されます。
字体についての誤解にも触れておきます。 手引 PDF p.38 は、役員等の氏名の漢字は「普段使いの字体(日常的に使用している字体)」を用い、申請書・変更届の各種様式では字体を必ず統一するよう求めています。「登記されていないことの証明書」も普段使いの字体で取得します。一方で「身分証明書」には戸籍上の漢字が表記されるため、両証明書の字体が結果的に一致しないことがありますが、手引は「結果的に字体の相違が生じても差し支えありません」と明記しています。したがって、両者の字体が違うことを理由に取り直しになることはありません(取り直しの実費が発生するのは、次項の有効期限切れのケースです)。
ちなみに、顧問・相談役、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主、出資総額の100分の5以上を出資している出資者、その他の役員と同等以上の支配力を有する方などについては、この2通は不要とされています(手引 PDF p.150)。誰の分が要って誰の分が要らないかの線引きは、実費を無駄にしないうえで重要な判断です。
4-3. 「原本は正本だけ、副本はコピー」——通数を増やさないルール
岡山県の申請書は、閲覧用3部(正1・副2)+非閲覧用3部(正1・副2)=計6部を提出します(手引 PDF p.15)。6部と聞くと「証明書も6通ずつ要るのか」と身構えるところですが、そうではありません。
手引 PDF p.15・p.149 は、商業登記事項証明書・身分証明書・登記されていないことの証明書(又は医師の診断書)・残高証明書・卒業証明書等について、「正本に原本を、副本にコピーしたものを添付してください」としています。つまり 原本は1通で足り、残りはコピーでよいという運用です。
さらに、納税証明書については「原本を提出する必要はありません(正本にコピーしたものを添付しても構いません)」と明記されています(手引 PDF p.15、p.149)。
この2点を知らずに「6部だから6通取ろう」と考えると、証明書の実費が単純に数倍に膨らみます。実費を抑えるうえで最初に押さえるべきポイントです。
4-4. 有効期限=「取り直しコスト」の発生源
証明書には有効期限があり、これが実費の二重払いを生みます。
| 書類 | 期限のルール | 出典 |
|---|---|---|
| 各種証明書(特に指定がない場合) | 受付日において発行から3か月以内のもの | 手引 PDF p.149 |
| 残高証明書 | 受付日から1か月以内の時点の残高を証明したもの | 手引 PDF p.149〜150 |
| 外国籍の方の住民票等の写し | 3か月以内に発行されたもの(国籍記載のあるものに限る) | 手引 PDF p.150 |
とくに厳しいのが残高証明書の1か月です。手引 PDF p.150 には、2以上の金融機関の残高証明書を合計して500万円以上とする場合は「証明日を必ず同日付」とすること(発行日ではありません)、そして「1か月を経過した場合及び2以上の金融機関の証明日が異なる場合は、再取得する必要が生じます」とはっきり書かれています。
書類収集に手間取って1か月を超えれば、金融機関の発行手数料をもう一度払うことになります。「証明書は、書類が揃う目処が立ってから取る」——これが実費を二重に払わないための実務の鉄則です(取得の着手タイミングの逆算は7章)。
なお、残高証明書がそもそも不要になるケースもあります。直近の財務諸表により500万円以上の自己資本を有することが確認できる場合、また更新・追加・般特新規申請で許可申請直前の過去5年間継続して許可を受けて営業した実績を有する場合は、改めての添付が不要とされています(手引 PDF p.149)。財産的基礎の要件そのものについては建設業許可の財産的要件|500万円・残高証明の準備で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
4-5. 納税証明書は「何年分か」で取得先が変わる
手引 PDF p.149 には、費用に直結する運用が書かれています。
岡山県知事許可の場合、法人事業税又は個人事業税の納税証明書が必要です。過去3年分は、各県民局税務部又は各地域事務所で取得可能ですが、それ以前のものについては、各県民局税務部でしか取得することができず、請求方法や手数料も異なりますので、あらかじめ、各県民局税務部へ確認の上、請求してください。(手引 PDF p.149・要約)
つまり、3年より前の納税証明書が必要になるケースでは、取得できる窓口が県民局税務部に限られ、しかも手数料の体系が異なると手引自身が述べています。実費の見積りが立てにくくなる典型的な場面なので、該当しそうな場合は事前確認が必須です。
また、最初の決算を終えていない新設法人でも省略はできず、「決算未到来につき課税なし」等と記載した証明書を添付する必要があります(個人事業主で課税がない場合は「課税なし」等と記載したもの)。「まだ決算していないから不要」ではなく、「課税なし」と書かれた証明書を取りに行く費用が発生するということです。
必要書類の全体像は建設業許可の必要書類一覧|新規・一般にまとめています。
5. 第3層|行政書士報酬と、当事務所の実額(総額のどこに乗るか)
第3層が行政書士報酬です。報酬は事務所ごとに自由に設定されているため相場に幅がありますが、判断材料になるのは「何が含まれているか」です。要件判断(そもそも取れるかの見立て)、営業所技術者の設計、実務経験の証明資料の棚卸し、書類作成、申請代理、営業所調査への対応——どこまでが報酬に含まれるかで、同じ金額でも中身がまったく違います。報酬に含まれる業務と別料金になりやすい業務の切り分け、見積書の見方は行政書士報酬に含まれる業務と追加実費で詳しく扱っていますので、本記事では総額のどこに乗るかという位置づけの説明にとどめます。
当事務所の料金(許可申請系・税込目安)
(A)=行政書士報酬/(B)=法定手数料
| 業務内容 | (A)報酬 | (B)手数料 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 建設業許可申請(個人・新規) | 110,000円 | 90,000円 | 200,000円 |
| 建設業許可申請(法人・新規) | 132,000円 | 90,000円 | 222,000円 |
| 建設業許可申請(般・特新規) | 110,000円 | 90,000円 | 200,000円 |
| 建設業許可申請(許可換え新規) | 110,000円 | 90,000円 | 200,000円 |
| 建設業許可申請(業種追加) | 55,000円 | 50,000円 | 105,000円 |
| 建設業許可申請(更新・個人/法人) | 66,000円 | 50,000円 | 116,000円 |
| 建設業変更届出(事業年度終了報告) | 44,000円 | ― | 44,000円 |
※ 表示はすべて税込の目安です。案件の内容(役員数・業種数・実務経験の証明の難易度・営業所数など)により変動しますので、正確な金額は事前にお見積りします。上記に加えて、4章でご説明した証明書の取得実費(証明書が必要な人の数・法人形態により変動)が別途必要です。
当事務所は、書類の作成代行にとどまりません。 要件の確認と充足の見立てから、営業所技術者・経営業務の管理責任者の設計、実務経験の証明資料の棚卸し、申請書類一式の作成、そして岡山県土木部監理課建設業班への申請の代理(提出の代行)まで一貫してお引き受けします。ご依頼者ご自身が県庁の窓口へ出向く必要はありません(提出先・受付の詳細は3章のとおりです)。この報酬には、申請後に所轄の県民局から実施される営業所調査への対応(何を確認されるか・何を備えておくべきかのご案内)も含みます。
変更届(経営業務の管理責任者・営業所技術者・役員等)の報酬は、上の表とは別体系です。 とくに営業所技術者を実務経験で証明する場合は、証明する年数が長いほど報酬が上がります。年数別の金額と、なぜ年数で変わるのかの理由は行政書士報酬に含まれる業務と追加実費にまとめていますので、そちらをご覧ください。
費用を抑える観点で先回りして申し上げると、「資格で営業所技術者の要件を満たせる人がいるか」を最初に確認することが、結果的にいちばん総額を下げます。 実務経験10年の証明資料が揃わずに時間だけが過ぎるのは、金銭コスト以上に機会損失が大きいためです(証明の実務は営業所技術者(旧:専任技術者)の実務経験10年証明をご覧ください)。
6. 条件別・総額の分岐(法人/個人・業種数・同時申請の合算)
ここまでの3層を、実際のケースに当てはめて総額の分岐を見ていきます。
6-1. 新規申請の総額イメージ
| ケース | 法定手数料 | 当事務所報酬 | 小計 | 別途 |
|---|---|---|---|---|
| 個人事業主・新規(1業種) | 90,000円 | 110,000円 | 200,000円 | 証明書実費(代表者1名分の身分証明書・登記されていないことの証明書、納税証明書ほか) |
| 法人・新規(1業種) | 90,000円 | 132,000円 | 222,000円 | 証明書実費(役員全員分+履歴事項全部証明書ほか) |
| 法人・新規(4業種同時) | 90,000円(変わらない) | 132,000円〜(業種数により変動) | 222,000円〜 | 同上 |
| 既存許可に1業種追加 | 50,000円 | 55,000円 | 105,000円 | 変更届の提出漏れがあると受付できない点に注意(手引 PDF p.153) |
法人と個人で総額が変わる理由は、報酬差(132,000円と110,000円)だけではありません。法人は履歴事項全部証明書が必要になり、さらに役員が複数いれば「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」が人数×2通必要になります。個人事業主は代表者ご本人(令3条使用人を置く場合はその方も)の分です。証明書が必要な人が多い事業者ほど、第2層の実費で差がつくというのが正確な整理です。個人と法人のどちらで取るべきかという判断軸は個人事業主の建設業許可|個人で取る?法人化してから取る?で扱っています。
6-2. 同時に申請するときは「合算」される
複数の申請を同時に行う場合、法定手数料はそれぞれの額の合計額になります。手引 PDF p.14 は具体例まで挙げています。
| 同時申請の組み合わせ | 計算 | 合計 |
|---|---|---|
| 一般許可の更新 + 一般許可の業種追加 | 50,000円+50,000円 | 100,000円 |
| 一般許可の更新 + 特定許可の更新 | 50,000円+50,000円 | 100,000円 |
| 一般許可の業種追加 + 特定許可の新規 | 50,000円+90,000円 | 140,000円 |
| 更新 + 般特新規 | 50,000円+90,000円 | 140,000円 |
出典:手引 PDF p.14、p.154/審査要領 PDF p.6(「一般・特定両方の申請がされている場合などは手数料が倍となる」)
組み合わせで申請する場合は、POS納付連絡票を複数組み合わせて利用することになります(手引 PDF p.14)。「1枚の連絡票に合計額を書く」のではない点にご注意ください。なお審査要領 PDF p.6 は、手数料貼付用紙(別紙三)について「当該帳票は他の帳票の裏面とせず、別葉とすること」とも定めています。
6-3. 法人成りは「更新」ではなく「新規」の費用がかかる
費用の見込み違いが起きやすいのが法人成り(個人事業主が法人化するケース)です。手引 PDF p.23 は、個人で許可を取得した後に組織変更して法人として営業する場合、法人として改めて新規申請を行う(法人の新規申請と同時に個人許可の廃業届を提出する)か、個人から法人への事業譲渡に係る認可申請を行う必要があるとしています。
つまり、すでに許可を持っていても、法人成りでは50,000円(更新)ではなく90,000円(新規)の法定手数料が必要になり得るということです。しかも手引は、法人の許可申請と個人の廃業届を同時提出する場合、法人としての建設業許可を受けるまでの間は無許可となる点にも注意を促しています。費用だけでなく、この空白期間の受注可否まで含めて設計する必要があります(詳しくは法人成りで建設業許可は引き継げる?)。
6-4. 一人親方・小規模事業者の場合
一人親方や役員が代表者お一人の会社は、第2層の実費がもっとも軽くなる類型です。証明書が必要な方が実質1名のため、通数が最小で済みます。一方で、経営業務の管理責任者と営業所技術者をご本人が兼ねるケースが多く、実務経験の証明資料が揃うかどうかが総額(報酬側)を左右します。一人親方が建設業許可を取るにはもあわせてご覧ください。
なお、そもそも自社の工事が許可の必要な規模なのかという判断は、費用の話に入る前段の論点です。この線引きは軽微な工事(500万円未満)の判定で扱っています。
7. 費用が発生する時期と、期間からの逆算カレンダー
費用の総額と同じくらい重要なのが、「いつ払うのか」「いつから受注できるのか」という時間軸です。建設業許可の費用は、期限と有効期限に挟まれて動きます。ここを逆算しておくと、支出の二重払いと機会損失をまとめて防げます。
7-1. 新規申請:受注可能になるのは「申請の約2か月後」
手引 PDF p.16 は、申請が受け付けられてから許可になるまで、特に問題がないケースで概ね2か月程度かかるとしています(手引に「標準処理期間◯日」という日数規定はありません)。また、申請受付後半月程度で所轄の県民局から営業所調査実施の連絡があります(手引 PDF p.17)。ただし手引は、営業所調査が早く終わっても本庁の調査が終わっているとは限らず、許可が早く取得できるわけではないとも明記しています(PDF p.16)。「調査が済んだからもうすぐ許可」ではない、という点は資金繰りの前提として重要です。
これを費用の時間軸に置き換えると、次のようになります。
| 時期 | 動くお金・出来事 |
|---|---|
| 申請の1〜2か月前 | 書類収集の着手(証明書の実費はまだ払わない。7-4参照) |
| 申請月 | 法定手数料90,000円(POS納付=申請前に支払済)+証明書の取得実費+(依頼する場合)行政書士報酬 → 支出のピーク |
| 申請から半月程度 | 県民局による営業所調査の連絡・実施(看板・電話・FAX等が未整備なら、その準備費用もここまでに発生) |
| 申請から概ね2か月 | 許可 → ここではじめて、許可を前提とした工事を受注できる |
| 許可後 | 許可票(標識)の作成費用 |
支出は申請時に前倒しで来て、売上が立つのはその約2か月後という時間差が生じます。元請から「許可を取ってほしい」と言われて動く場合は、この2か月のずれを見込んで着手時期を決めてください(元請要求への対応は元請から建設業許可を求められたらで詳しく解説しています)。
7-2. 更新:提出できるのは3か月前から、受付は30日前まで
許可の有効期間は許可日から5年間です。更新許可申請は有効期間満了の日の30日前までに受付(書類上不備がなく受付印が押印された状態)を済ませておく必要があり(建設業法施行規則第5条)、満了の日の3か月前から提出することができます(手引 PDF p.21)。
つまり、更新費用(法定手数料50,000円+報酬)が動くのは満了の3か月前〜30日前の窓です。この2か月間に書類収集・作成・納付・提出をすべて収める必要があります。30日前を1日でも過ぎて受付に至らなければ、9章で述べる「新規扱い」のリスクに入ります。
7-3. 許可日の一本化:仕掛けられるのは「失効の3か月前まで」
5年以内に業種追加などを行うと許可年月日が2つ以上になりますが、追加申請(または般特新規申請)を更新申請と一冊で行うことで、複数の許可日を一本化(有効期間の調整)できます。この提出期限が既存の許可が失効する日の3か月前までです(手引 PDF p.153)。
更新の提出可能開始日(3か月前)と、一本化の提出期限(3か月前)は、ほぼ同じ地点にあります。 つまり一本化を狙うなら、「3か月前になったら動く」では遅く、その前に書類を完成させておく必要があるということです。費用面のインパクトは9章で扱います。
7-4. 証明書は「いつ取るか」で実費が変わる
4-4で見たとおり、証明書の有効期限は原則3か月、残高証明書は1か月です。逆算するとこうなります。
- 残高証明書:提出(受付)予定日から1か月以内の時点の残高であること。複数金融機関を合算する場合は証明日を同日付に揃える。→ 書類全体が完成間近になってから取得する
- その他の証明書:受付日において発行から3か月以内。→ 書類収集の初期に取ってよいが、申請が3か月以上ずれ込むと取り直し
- 本籍地が遠方の身分証明書:郵送の往復日数が読めないため、最も早く着手する
「早く動く=節約」ではなく、「有効期限の内側に申請日を収める段取りが節約」というのが、費用面での正確な理解です。書類の完成が読めないまま先に証明書を取ると、期限切れで再取得=実費の二重払いになります。
7-5. 毎年の期限も、費用の発生時期を決めている
事業年度終了報告は決算日から4か月以内(毎年)、経営業務の管理責任者等・営業所技術者等を欠いた場合の変更届は変更後2週間以内です(手引 PDF p.22)。前者を溜め込むと更新期に費用が集中し、後者を落とすと許可そのものを失います。この2つは8章で扱います。
8. 許可を取った後にかかり続ける費用(5年サイクルの総保有コスト)
建設業許可は「取って終わり」ではなく、維持費のかかる資産です。 費用を正しく判断するには、取得時の一時金ではなく、5年サイクルの総保有コストで見る必要があります。ここが本記事でもっともお伝えしたい視点です。
8-1. 毎年発生するもの:事業年度終了報告
手引 PDF p.22 は「決算日から4か月以内に、事業年度終了の変更届出書の提出が必要です」としています。これは毎年です。県に納める法定手数料は不要ですが、実務としての作成負担は毎年発生します(当事務所にご依頼の場合は44,000円・税込目安)。
そして重要なのが、手引 PDF p.22 の次の一文です。
期限内の提出を怠っている場合には許可の更新・追加申請等はできません。また、監督処分や罰則の対象にもなります。
つまり、毎年の事業年度終了報告を溜め込むと、5年後の更新でつまずきます。更新の直前になって「過去4年分の決算変更届が未提出」と判明すると、更新申請までに未提出分をすべて出す必要が生じ、費用も時間も一度に集中します。年44,000円の平準化された支出を避けた結果、更新期に数倍の支出が集中する——これが実務でもっともよく見る失敗パターンです。
8-2. 5年ごとに発生するもの:更新
- 更新の法定手数料:50,000円
- 当事務所の更新報酬:66,000円(合計116,000円・税込目安)
提出できる期間と受付期限は7-2のとおりです。
8-3. 変更が生じたときに発生するもの
役員の変更、営業所の移転、商号変更などのつど、変更届が必要です。県への手数料は不要ですが、作成の実務は発生します。とくに注意が必要なのは次の期限です。
常勤性を要する経営業務の管理責任者等や営業所技術者等を欠く状態になった場合……変更届は、変更後2週間以内に提出しなければなりません。(手引 PDF p.22)
しかも手引は、「欠く」状態には退職・死亡だけでなく、毎日出勤することができなくなった場合も含むとし、病気や事故等で長期入院されるような場合には、社会保険等の資格が継続されていても「欠く」状態とみなされると明記しています。この論点は費用の話を超えて、許可そのものを失うリスクに直結します。
8-4. 5年間の総保有コスト(当事務所にご依頼の場合の試算)
法人・1業種・岡山県知事許可・変更事項なしという単純なケースで、取得から最初の更新までの5年間を積み上げると次のようになります。
| 時期 | 内容 | 報酬 | 法定手数料 | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| 取得時 | 新規申請(法人) | 132,000円 | 90,000円 | 222,000円 |
| 1年目〜5年目 | 事業年度終了報告 ×5回 | 44,000円×5=220,000円 | ― | 220,000円 |
| 5年目 | 更新申請 | 66,000円 | 50,000円 | 116,000円 |
| 5年間合計 | 418,000円 | 140,000円 | 558,000円 |
※ この試算は、法人・1業種・岡山県知事許可・期間中の変更事項なし・すべて当事務所にご依頼いただいた場合の税込目安です。証明書の取得実費、変更届が生じた場合の費用は含みません。役員数・業種数・変更の有無により総額は変動し、料金・法定手数料は改定される場合があります。
法人・1業種の単純なケースでは、5年間でおよそ56万円、年あたりに均せば約11万円強という試算になります。 取得時の222,000円だけを見ていると、この全体像を見落とします。
同じ5年間を顧問契約でお預けいただく場合の目安も並べておきます。顧問プランは月額定額で、上表の個別依頼には含まれない月次相談と期限管理(さらにフルでは事業年度終了報告・経営事項審査・入札参加資格の更新まで)をまとめて預ける仕組みです。月額を単純に60か月分で計算すると、ライト(月額5,500円・税込)で330,000円、スタンダード(月額11,000円)で660,000円、フル(月額15,000円)で900,000円です。上表の558,000円は公共工事に進まず変更事項もない、最も単純なケースの個別依頼額なので、この条件だけを比べれば個別依頼のほうが安く収まります。一方で、経営事項審査・入札参加資格の更新・毎年の期限管理まで発生する事業者では、それらを都度個別に依頼して積み上げるよりも、フルなどの定額プランのほうが手間と費用の見通しを立てやすくなります。どちらが有利かは「公共工事に進むか」「毎年の維持業務がどれだけ発生するか」で決まる、というのが正確な整理です(各プランの内訳は顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)をご覧ください)。
8-5. 公共工事に進むとコストの構造が変わる
公共工事へ進む場合は、経営事項審査(経審)と入札参加資格が加わり、費用は毎年発生する構造に変わります。毎年の業務が積み上がるため、個別依頼のままにするか、定額の顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)で期限管理ごと預けるかが、コストの分かれ目になります。経審・入札まで含めた費用の内訳と顧問プランの比較は行政書士報酬に含まれる業務と追加実費および顧問契約のページをご覧ください。
⚠️ なお、経審そのものにかかる審査手数料・登録経営状況分析機関への分析料は、岡山県「建設業許可の手引」には金額の記載がありません。本記事では金額を断定せず、経審の費用は経審申請を岡山で依頼するならに委ねます(具体的な金額は同記事および無料相談でご案内します)。
公共工事への入り方そのものは公共工事に参加するには(建設業許可からの第一歩)と経審申請を岡山で依頼するならをご覧ください。
9. 払わなくてよい費用・二重に払ってしまう費用(岡山県固有の落とし穴)
最後に、岡山県の運用を知っているかどうかで支出が変わる論点をまとめます。ここが本記事のいちばん実利のある部分です。
9-1. 許可証明書(1通750円)は、本当に必要か確認する
岡山県知事許可業者の許可証明書は、1通につき750円の証明手数料がかかります(手引 PDF p.23)。交付場所は次のとおりです。
| 交付場所 | 受取方法 |
|---|---|
| 県庁 土木部監理課 | 持参または郵送 |
| 主たる営業所所在地を所管する県民局建設部管理課 | 持参のみ |
ここで見逃せないのが、手引 PDF p.23 自身の注意書きです。
なお、県内ほとんどの自治体で、許可証明書が入札参加資格審査申請の添付書類から除かれていますので、真に必要か、申請先の自治体のホームページ等で確認して下さい。(手引 PDF p.23・要約)
役所自身が「本当に必要か確認してから取ってください」と書いているわけです。慣例で複数通取得しているケースがありますが、まず添付書類として求められているかを確認するだけで、支出を減らせます。
なお、許可証明書の交付を県民局で受ける場合は、申請先の県民局のホームページから証明願をダウンロードする必要があり、県民局によって様式が異なります(手引 PDF p.24)。手引は県民局ごとに様式が異なるとしていますので、証明願は必ず提出先(土木部監理課か、当該県民局か)のホームページから取得してください。※ここでいう「申請」は許可証明書の交付申請のことで、建設業許可の申請書・変更届の提出先は3章のとおり県庁の監理課建設業班(本庁一元)です。
9-2. 申請書・届出書の閲覧は無料
受け付けられた書類のうち法令で閲覧対象となっているものは、受付後一定期間、県庁土木部監理課および所轄県民局で一般の方に無料で閲覧に供されることとなっています(手引 PDF p.24)。取引先の許可内容を確認したいといった場面で、証明書を取り寄せる必要がないケースがあります。
同時に、これは自社にとっての注意点でもあります。手引は「閲覧用の申請書類等は、顧客・取引先・同業者・調査会社等、多数の目に留まることになりますので、その点をあらかじめ承知おきの上、作成してください」と述べています。申請書を閲覧用・非閲覧用に分けて計6部提出するのは、この仕組みのためです。
9-3. 許可日の一本化——将来の更新手数料の回数が変わる
これは費用面で最も効果が大きく、しかも見落とされやすい論点です。
5年以内に業種追加などを行うと、許可年月日が2つ以上ある状態になります。この状態を放置すると、許可日ごとに更新のタイミングが訪れ、そのたびに50,000円の更新手数料と報酬が発生します。
手引は、追加申請(または般特新規申請)を更新申請と一冊で行うことで、複数の許可日を一本化する(有効期間の調整を行う)方法を定めています(手引 PDF p.153、p.155〜156)。一本化しておけば、以後の更新は全業種まとめて1回で済みます。
ただし、期限があります。
提出期限:既存の許可が失効する日の3か月前までに受け付けられる必要があります。3か月を切っている場合には、更新とは別冊で申請書を作成してください(この場合、許可日は一本化できません)。(手引 PDF p.153・要約)
さらに、一本化する場合は「一般、特定を含め、全ての許可日を一本化することとなります。許可日が3つ以上ある場合、一部の許可日のみを一本化することはできません」とされています(手引 PDF p.156)。
費用に翻訳すると、こうなります。 3か月前という期限を1日でも過ぎれば、その回は別冊申請となり許可日は分かれたまま。以後5年ごとに、更新手数料50,000円と更新報酬を、許可日の数だけ払い続けることになります。「いつ業種を追加するか」は、要件の話であると同時に将来5年・10年の更新コストを決める判断なのです。
9-4. 「取り直し」を発生させないことが最大の節約
岡山県は事前審査を一切行いません(手引 PDF p.16)。書類が不完全なまま持ち込んで日を改めることになれば、その間に証明書の有効期限(原則3か月、残高証明書は1か月)が進みます。期限切れ=再取得=実費の二重払いです。とくに残高証明書は1か月という短さのため、書類全体の完成度が上がってから取得しないと取り直しになりやすい書類です(逆算は7-4)。
また、営業所調査で確認されるのは看板(容易に確認できるもの)・机・電話およびファクシミリ・営業所の賃貸借契約書(原本)などで、手引は「いずれも確認できるものがなければ、許可を受けることができません」と明記しています(手引 PDF p.17)。看板がない、電話が引かれていないという状態であれば、その準備費用も見込んでおく必要があります。なお営業所は居住部分と共用できず、賃貸借契約書上で営業活動に利用することが認められている必要があります。
9-5. 許可取得後にかかる「許可票」の費用
許可を受けたときは、店舗および建設工事の現場(元請工事のみ)ごとに標識(いわゆる建設業の許可票)を作成し、公衆の見やすい場所に掲示しなければなりません(手引 PDF p.21)。手引には様式が掲載されており(PDF p.194〜197)、色および材質に規定はなく、それを参考に各自で作成するとされています。
金額の定めがないぶん、既製品を購入するか看板業者に発注するかで支出は変わります。現場の数だけ必要になるという点も、複数現場を同時に動かす事業者にとっては見落とせないコストです。手引に金額の記載はないため、本記事では具体的な価格を示しません。
9-6. 期限切れによる「40,000円の損」
7-2で触れたとおり、更新期限を過ぎると新規扱いとなり、法定手数料は50,000円から90,000円へ。差額40,000円に加えて、報酬も更新(66,000円)ではなく新規(132,000円)の水準になり、同じ許可を維持するだけで10万円以上の差が生じます。さらに許可が切れている間は、税込500万円以上の工事(建築一式工事は税込1,500万円以上の工事。ただし延べ面積150㎡未満の木造住宅工事は、請負代金にかかわらず軽微な建設工事に当たります)を請け負えません(手引 PDF p.5)。
期限管理は、費用対策そのものです。 5年に1度の更新、毎年の事業年度終了報告(決算日から4か月以内)、経営業務の管理責任者(経管)・営業所技術者を欠いた場合の2週間以内の変更届——これらを自社のカレンダーに載せて運用するか、顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)で期限管理ごと預けるかは、コストの考え方の分かれ目になります。
よくある質問(FAQ)
まとめ
岡山県知事許可の建設業許可にかかる費用は、①法定手数料(新規90,000円/更新・追加50,000円・業種数に関係なく同額・変更届は不要)②証明書の取得実費(証明書が必要な人の数×2通が効く変動費)③行政書士報酬 の3層で決まります。当事務所の法人新規は報酬132,000円+法定手数料90,000円=222,000円(税込目安)、これに証明書実費が加わる形です。
そして費用は、時期に縛られて動きます。 法定手数料は申請前に納付し、許可は概ね2か月後。証明書は残高証明1か月・その他3か月の有効期限の内側に申請日を収める必要があり、更新は満了の3か月前から30日前までの窓、許可日の一本化は失効の3か月前が最終期限です。
さらに本当に見るべきは取得時の一時金ではなく、5年サイクルの総保有コストです。毎年の事業年度終了報告と5年ごとの更新を積み上げると、法人・1業種の単純ケースで5年間およそ558,000円(税込目安)。更新期限を過ぎれば新規扱いで10万円以上の差が生じ、業種追加のタイミングを誤って許可日を一本化できなければ、更新手数料を許可日の数だけ払い続けることになります。
費用を下げる最大の要素は値引きではなく、「取り直しを起こさない段取り」と「許可日・期限の設計」です。 御社の場合に総額でいくらかかるのか、まずは無料相談でお見積りをご確認ください。
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