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倉敷市の建設業許可|提出先・業種の選び方・備中県民局の調査

倉敷市の建設業許可|提出先・業種の選び方・備中県民局の調査

水島の構内工事で、元請から「建設業許可の写しを出してほしい」と言われた——倉敷市の事業者が建設業許可を検討し始める、典型的なきっかけの一つです。結論を先にお伝えします。倉敷市内には建設業許可の申請窓口はありません。 岡山県知事許可の申請書・変更届の提出先は県庁6階の土木部監理課建設業班に一元化されており、県民局や市役所では受け付けていません(岡山県『建設業許可の手引』令和7年9月1日改訂・PDF p.16/p.168)。ただし、行政書士に依頼された場合、県庁への提出は代理人が行いますので、事業者様が倉敷市から県庁へ足を運ばれる必要はありません

そしてもう一点、プラント構内工事の下請で許可を取るときに最大の分岐になるのは「どの業種で、何業種取るか」です。水島のような石油化学・鉄鋼のプラント構内では、機械器具設置・管・電気・鋼構造物・塗装・熱絶縁といった業種が一つの現場に同居します。取る業種を誤ると、許可は下りたのに肝心の工事が請けられないという事態が起こります。本記事では、岡山で建設業に特化する行政書士が、倉敷市の事業者に固有の論点だけを絞って解説します。

※ 業種区分の該当・要件充足は、個別の工事内容や契約の実態によって判断が分かれます。本記事の記載がすべての案件に当てはまるとは限りません。最終判断は取引先および有資格者(行政書士)にご確認ください。

1. 倉敷市の事業者がまず押さえる3つのこと

倉敷市で建設業許可を検討するとき、地域固有の論点は次の3点に集約されます。要件そのもの(経営業務の管理責任者・営業所技術者(旧:専任技術者)・財産的基礎など)は市町村によって変わりませんので、全体像は建設業許可の6つの要件|自社が取れるか診断【岡山】をご覧ください。

論点倉敷市の事業者にとっての意味
申請書の提出先県庁(岡山市北区内山下)の本庁一元。倉敷市内・備中県民局では受け付けない。行政書士に依頼された場合は代理人が提出する
営業所調査の担当倉敷市は備中県民局 建設部 管理課の担当区域。申請受付後、ここから調査の連絡が来る
業種の選定水島の構内工事は複数業種が同居するため、取る業種の判断が受注可否に直結する

3つ目の「業種の選定」が、倉敷市——とりわけ水島の構内工事を請ける事業者にとって、他地域には無い難所です。本記事はここに最も紙幅を割きます。

なお、申請窓口の制度そのものや営業所の実体要件の詳細は、岡山市の事業者向けの記事岡山市で建設業許可を取るには|申請の流れ・要件・費用の目安に集約しています。本記事では、倉敷市の事業者にとっての差分だけを扱います。

2. なぜ水島の構内工事で許可の提示を求められるのか

「500万円未満の工事しかしていないのに、なぜ許可を求められるのか」——理由はシンプルで、元請側の法令リスクです。

岡山県の監督処分基準は、建設業者が、建設業法第3条第1項の規定に違反して許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したときは、7日以上の営業停止処分を行うこととしています(ただし、建設業者に酌量すべき情状があるときは、必要な減軽を行うこととされています。手引 PDF p.206)。つまり、無許可の業者に軽微な工事を超える範囲を発注してしまうと、発注した元請自身が営業停止処分の対象になり得るわけです。取引先にとって許可は「あれば望ましい条件」ではなく、自社を守るための線引きだとご理解ください。

すでに取引のある元請から許可を求められている状況の整理は元請から建設業許可を求められたら|下請が取る手順、これから新規に協力会社登録・取引口座開設を目指す場合はゼネコンの協力会社になるには|取引口座開設と建設業許可【岡山】をご覧ください。なお、許可を取ると小規模な工事にも技術者の配置義務が生じます。この点は8章で扱います。

3. 【最重要】どの業種で取るか——プラント工事で迷いやすい業種区分

ここが本記事の核心です。水島のプラント構内工事では、同じ「構内工事」という呼び名の下に、建設業法上はまったく別の業種に分かれる作業が同居しています。手引の業種区分表(PDF p.160)から、プラント構内で登場しやすい業種の定義と例示を整理します。

業種建設工事の内容(告示)例示(建設業許可事務ガイドライン)
機械器具設置工事機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事
管工事冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事
鋼構造物工事形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事
塗装工事塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事
熱絶縁工事工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事

※ 出典はいずれも手引 PDF p.160。電気工事については電気工事業の建設業許可|電気工事士との違い・要件【岡山】、管工事については管工事業の建設業許可|要件・対応資格【岡山】で詳しく解説しています。

3-1. 「プラント設備工事」は機械器具設置工事の例示に挙げられている

手引の業種区分表を見ると、「プラント設備工事」は機械器具設置工事の例示として挙げられています(PDF p.160)。水島の構内で機械設備の据付けを請けている事業者にとって、機械器具設置工事は候補の一つになります。

ただし、この例示だけを見て「機械器具設置工事で取ればよい」と即断はできません。手引は、機械器具設置工事を「他の専門工事に該当しないものの受け皿」として位置づけています。実際にどの業種で取るべきかは、次項で見る判断の順序に沿って個別にご確認いただく必要があります

3-2. 機械器具設置工事は「専門工事に該当しないものの受け皿」——判断の順序に注意

区分を考えるうえで押さえておきたいのが、手引が機械器具設置工事について掲げている次の考え方です。プラント工事でとりわけ誤認されやすいポイントです。

『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。(手引 PDF p.160)

※ 同趣旨の記載は業種区分表の複数の業種の行に繰り返し掲げられています(PDF p.159〜p.161)。上記引用は機械器具設置工事の行(PDF p.160)からのものです。

したがって、どの業種に区分されるかを判断する順序は、次のように整理できます。

  1. まず、その機械器具が電気・管・電気通信・消防施設などの専門工事に該当しないかを検討する
  2. 該当するなら、その専門工事の業種に区分する
  3. いずれにも該当しない機械器具、または複合的な機械器具の設置が、機械器具設置工事に該当する

「機械を据え付ける工事だから機械器具設置工事」と工事の外形だけで決めてしまうと、この順序を飛ばすことになりかねません。たとえば配管の据付けが中心の工事で機械器具設置工事業の許可だけを取得した場合、その工事が管工事に区分されるべきものであれば、許可を持っていない業種の工事を税込500万円以上で請け負っている状態になりかねません。どの業種に区分されるかは契約単位の工事内容によって変わりますので、実際の契約書・注文書をもとに個別にご確認ください。500万円ラインの数え方(税込・支給材料・契約分割の扱い)は軽微な工事(500万円未満)とは?建設業許可が不要になる範囲【岡山】に整理しています。

手引が具体的に示している区分の例も確認しておきます(いずれも PDF p.160)。

  • 給排気機器設置工事とはトンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事であり、建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は『機械器具設置工事』ではなく『管工事』に該当する
  • 公害防止施設を単体で設置する工事については、『清掃施設工事』ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに、例えば排水処理設備であれば『管工事』、集塵設備であれば『機械器具設置工事』等に区分すべきものである
  • 「運搬機器設置工事」には「昇降機設置工事」も含まれる

排水処理設備は管工事、集塵設備は機械器具設置工事——同じ「公害防止施設」でも設備ごとに業種が割れるという、この粒度の判断が求められます。「公害防止設備一式」という現場の呼び名のまま許可業種を決めてしまうと、片方の設備だけ無許可の状態になりかねません。

3-3. タンク・鉄骨とその塗装は別業種

プラント構内でもう一つ混同されやすいのが、タンク本体の設置と、その塗装です。

  • 石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事は、鋼構造物工事の例示に明記されています(PDF p.160)
  • 一方、鋼構造物塗装工事は、塗装工事の例示に明記されています(PDF p.160)

つまり、タンクや鉄骨構造物を「造る・据える」のが鋼構造物工事、それに「塗る」のが塗装工事であり、別々の業種です。両方を継続的に請けるなら、業種追加も含めた設計が必要になります(5章で詳しく述べます)。塗装工事業については塗装工事業の建設業許可|要件・実務経験の証明【岡山】で詳しく解説しています。

なお塗装工事については、下地調整工事及びブラスト工事は、通常、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれているとされています(PDF p.160)。ブラスト作業を単体で切り出して別業種と考える必要はない、ということです。

3-4. 保温工事は「熱絶縁工事」

プラント構内で配管・機器の保温を請けている事業者は、熱絶縁工事の該当を検討してください。手引は熱絶縁工事の例示に「動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事」を明記しています(PDF p.160)。石油化学プラントの設備保温は、この例示にまさに対応する類型です。

3-5. 判断に迷ったら——手引が示す正規のルート

ここまで見てきたとおり、プラント構内工事の業種区分は、現場の呼び名ではなく契約単位の工事内容で判断する必要があります。そして手引自身が、この判断の重さと相談ルートを明示しています。

県は、業種の区分を誤ることが無許可営業・技術者配置義務違反・一括下請負といった法令違反にそのままつながるものと位置づけ、関係法令等に基づいて適切に整理するよう求めています(手引 PDF p.162)。そのうえで、工事ごとに内容が様々で関係者も多数に上ることを踏まえ、区分に疑義があるときは、工事台帳・現場写真・施工体制台帳・施工体系図など工事内容や施工体制の詳細が分かる資料を示して、監理課建設業班へ個別に相談するという正規のルートを用意しています(同 PDF p.162)。29業種の全体像と、この相談ルートの使いどころは建設業許可29業種の一覧と選び方にまとめています。

区分を誤れば法令違反に直結する以上、自社の実際の契約書・注文書・工事台帳を並べて判断することが不可欠です。当事務所の無料相談では、この資料の読み解きから承っています。

4. 定期修理(定修)の落とし穴——「兼業事業」とその売上の計上先

水島の構内工事に固有の、もう一つの重要論点です。プラントの定期修理(定修)では、その作業がそもそも建設業法上の「建設工事」に当たるのかという整理が必要になる場面があります。

手引は、次に例示するようなものは「建設工事」には該当せず、「兼業事業」に当たるとして、具体的な項目を列挙しています(PDF p.162)。プラント関連で関係しうるものを抜き出します。

  • 機械・設備等の保守・点検、部品(電球、パッキン等の消耗品)の交換等
  • 産業廃棄物の運搬処分
  • 工事現場の清掃/路面清掃
  • 溝掃除(水路の堆積物の除却等)
  • 測量・コンサルタント業務/試掘
  • 委託管理業務/建設資材の販売・賃貸等

同趣旨の考え方は電気通信工事の行にも示されており、保守(電気通信施設の機能性能及び耐久性の確保を図るために実施する点検、整備及び修理)に関する役務の提供等の業務は『電気通信工事』に該当しないとされています(PDF p.160)。

つまり、定修の名目で受注している業務のなかには、建設工事に当たるもの(設備の据付け・更新・改造など)と、建設工事に当たらない保守・点検業務が混在している可能性があります。

4-1. 誤って完成工事高に入れるとどうなるか

この区別が実務上なぜ重要かというと、手引が次の注意を明記しているためです。

誤って完成工事高に含めて計上した場合は、事業年度終了報告書の訂正及び経営分析のやり直しが必要になりますので御注意ください。
☆なお、経営事項審査の虚偽申請となる場合には監督処分の対象となります。(手引 PDF p.162)

保守・点検の売上を完成工事高に計上してしまうと、毎年の事業年度終了報告(決算変更届)の訂正が必要になり、経営事項審査(経審)を受けている場合には虚偽申請として監督処分の対象になり得ます。

4-2. では、兼業事業の売上はどこに書くのか

「建設工事ではない」と整理した売上を、実際にどの様式へ計上するのかまで、手引は明記しています。ここまで押さえておくと、許可取得後の毎年の届出でつまずきません。

【兼業事業は除く】 建設工事ではなく、兼業事業に該当するものは、様式第2号(工事経歴書)と様式第3号(直前3年の各事業年度における工事施工金額)には記載せず、様式第16号(損益計算書)の兼業事業売上高に計上してください。(手引 PDF p.49)

整理すると次のようになります。

売上の性質記載する様式
建設工事(設備の据付け・更新・改造など)様式第2号 工事経歴書様式第3号 直前3年の各事業年度における工事施工金額(許可業種ごとに区分して記載)
兼業事業(保守・点検、消耗品交換、清掃、産廃運搬処分など)様式第16号 損益計算書の「兼業事業売上高」

工事経歴書についてはもう一点、各工事は許可業種の分類に従って29業種へ正確に区分したうえで、許可業種ごとに作成することとされています(手引 PDF p.49)。3章で見た業種区分の判断は、許可を取る段階だけの話ではなく、毎年の事業年度終了報告のたびに繰り返し問われるということです。定修と工事が混在する事業者ほど、社内の売上区分を許可の業種区分に合わせて設計しておく価値があります。

なお、完成日についても定義があり、完了検査を終えて注文者に目的物を引き渡した日であって、請負契約書上の工期末日や工事代金の入金日ではないとされています(同 PDF p.49)。定修のように工期が短く件数が多い工事では、この基準で年度をまたぐ整理が必要になります。

将来的に公共工事への参入を考えている事業者ほど、許可を取る段階から売上の区分けを整えておく価値が大きい論点です。経審の全体像は経審申請を岡山で依頼するなら、公共工事への参入手順は公共工事に入りたい|建設業許可が入札参加への第一歩【岡山】をご覧ください。すでに税込500万円以上を無許可で受注してしまった場合の対処は無許可で500万円以上を受注してしまったら|今すぐ取るべき対処【岡山】に整理しています。

5. 何業種をまとめて取るか——法定手数料の非対称と営業所技術者

3章で見たとおり、プラント構内では複数業種が同居します。では最初の新規申請で何業種まとめて取るべきか。ここには、費用面と要件面で正反対に働く2つの力があります。

5-1. 費用面:新規は業種数と無関係、後からの追加には別途かかる

法定手数料は次のとおりです(手引 PDF p.14)。

申請の種類法定手数料
新規(許可換え含む)・般特新規90,000円
更新・業種追加50,000円

手引は、「手数料の額は申請する業種の数とは関係ありません」と明記しています(PDF p.14)。1業種でも3業種でも、新規申請の法定手数料は90,000円で変わりません。一方、後から業種を足す「業種追加」には、そのつど50,000円がかかります。

  • 初回に機械器具設置・管・鋼構造物の3業種をまとめて申請 → 法定手数料 90,000円
  • 初回に機械器具設置のみ、後年に管・鋼構造物を追加 → 法定手数料 90,000円+50,000円+50,000円=190,000円(同時に追加すれば90,000円+50,000円=140,000円)

さらに、業種追加のたびに当事務所の報酬(業種追加55,000円)も発生します。費用面だけを見れば、初回にまとめる方が明確に有利です。なお、変更届出書の提出には手数料は不要です(同 PDF p.14)。

5-2. 要件面:業種ごとに営業所技術者が必要——ここが律速になる

ところが、業種を増やすにはその業種ごとに営業所技術者の要件を満たす人がいる必要があります。そしてここに、見落とされがちな制約があります。手引は、実務経験の年数は1つの業種について必要な年数であって、同じ期間を複数の業種へ重ねて数えることはできないと注意を促しています(手引 PDF p.165)。

つまり、実務経験10年で営業所技術者を証明する場合、同じ10年間を2業種分としてカウントすることはできません。機械器具設置と管の2業種を1人の実務経験だけで取ろうとすると、原則として合計20年分の経験が必要になる計算です。「現場は同じなのだから2業種いけるはずだ」という感覚は、ここで通りません(この制約が業種選定全体に及ぼす影響は、前述の29業種の一覧と選び方の記事で整理しています)。

5-3. 期間を短くする2つの正規ルート

手引は、この年数を短縮する制度も明記しています。

① 指定学科の修了による短縮

高等学校・中等教育学校の指定学科修了なら5年、高等専門学校・短大・大学の指定学科修了なら3年の実務経験で営業所技術者になれます(手引 PDF p.165)。指定学科は業種ごとに定められており、機械器具設置工事・熱絶縁工事・鋼構造物工事にもそれぞれ対象学科が定められています(同 PDF p.166)。プラント系の業種は機械・電気・土木・建築系の学科出身者が多い分野ですので、社内の履歴を洗い直す価値は大きい論点です。

② 業種間での実務経験の振替え

10年以上の実務経験(建設業法第7条第2号ロ該当)については、技術的な共通性がある他業種の経験を一定範囲で振り替えられる制度があります(手引 PDF p.167)。振替えが認められる組み合わせは限定列挙で、次のとおりです。

振替えの型認められる組み合わせ
一式工事 → 専門工事(一方向のみ)土木一式 → とび・土工、しゅんせつ、水道施設、解体/建築一式 → 大工、屋根、内装仕上、ガラス、防水、熱絶縁、解体
専門工事間(双方向)大工 ←→ 内装仕上/とび・土工 ←→ 解体

プラント関連で目を引くのは、建築一式工事の経験を熱絶縁工事へ振り替えられる点です。この振替えを使える場合は、必要な実務経験の年数について一定の短縮が認められる場合があります(短縮できる年数は業種の組み合わせによって異なりますので、詳細は要件確認のうえ個別にご判断ください。手引 PDF p.167)。

一方で、機械器具設置工事・管工事・鋼構造物工事・塗装工事はこの振替えの対象に挙げられていません。プラント構内の主要業種の多くは振替えが使えない、というのが実務上の結論です。だからこそ、資格者による証明ルートの有無を先に確認する意味があります。国家資格等による営業所技術者の資格一覧は手引 PDF p.163〜p.164 に業種別の一覧表として掲載されていますので、お手元の資格が該当するかは個別にご確認ください。

実務経験による証明の進め方は営業所技術者(旧:専任技術者)の実務経験10年証明【岡山】で詳しく解説しています。

5-4. 結論:手数料ではなく技術者で決まる

まとめると、「何業種まとめるか」の答えは、法定手数料ではなく営業所技術者の充足状況で決まります。費用面では初回にまとめるほど有利ですが、要件を満たさない業種を無理に載せることはできません。当事務所では、社内の資格保有状況と過去の工事実績を先に棚卸ししたうえで、初回に取る業種と、追加で取る業種の順序を設計します。

6. 提出先は倉敷市内にない——代理提出という前提

ここから手続の話に移ります。倉敷市の事業者にとって最初の実務的な差分が、提出先の所在です。

岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)
〒700-8570 岡山市北区内山下2-4-6/直通電話 086-226-7463
窓口受付時間 9:00〜11:30、13:00〜16:30(閉庁日を除く)
(手引 PDF p.16)

手引は、「建設業許可申請及び変更届の受付については出先機関ではなく、本庁の土木部監理課建設業班で行っています」と明記しています(PDF p.168)。倉敷市役所でも、備中県民局でも、申請書は受け付けてもらえません。

6-1. 県庁へ出向く必要はありません

行政書士に依頼された場合、申請書の提出は代理人が行います。当事務所では持参・郵送のいずれかを案件ごとに選択して提出しますので、倉敷市の事業者様が県庁6階の窓口へ出向かれる必要はありません。行政書士による代理申請を正式に行った場合、県から申請書類等を代理人宛てに発送を受けることもできます(手引 PDF p.19)。

なお、許可されると許可通知書及び申請書副本が郵送されます。再発行はできませんので、大切に保存してください(同 PDF p.19)。取引先に「申請中であること」を示す必要がある場面では、申請が受付され審査中であることを証明する受領票の発行を受けることもできます(同 PDF p.15)。

6-2. なぜ「書類の完全性」が倉敷市の事業者にとって重いのか

県は「事前審査は一切行いません」と明記しています(手引 PDF p.16)。窓口で相談しながら書類を整えていくという進め方は、制度上想定されていません。しかも審査は窓口閉鎖の時刻(11:30/16:30)をもって打ち切られます(同)。

県庁から距離のある倉敷市の事業者にとって、書類を一度で完全に整えられるかどうかは、そのまま許可取得までの日数に跳ね返ります。ここが、代理申請にお任せいただく実務上の意味です。必要書類の全体像は建設業許可の必要書類一覧|新規・一般【岡山】にまとめています。

7. 備中県民局が担当する営業所調査と許可証明書

申請先は本庁一元ですが、倉敷市の事業者にとって唯一「地域」が関係する工程があります。営業所調査です。

申請受付後、許可要件の確認のため県民局による営業所調査があります。それとは別に本庁の土木部監理課でも所要の調査を行い、全ての許可要件を充足していると認められると許可されます。(手引 PDF p.16)

岡山県は所在地に応じて3つの県民局建設部ごとに担当区域を設けており(手引 PDF p.168)、倉敷市は備中県民局 建設部 管理課の担当区域です。

県民局担当区域
備中県民局 建設部 管理課倉敷市/笠岡市/井原市/総社市/高梁市/新見市/浅口市/早島町/里庄町/矢掛町

(参考:岡山市の4区・玉野市・備前市・瀬戸内市・赤磐市・和気町・吉備中央町は備前県民局、津山市・真庭市・美作市ほか県北は美作県民局の担当区域です。出典:手引 PDF p.168)

許可申請受付後、半月程度で所轄の県民局から調査実施の連絡があります(手引 PDF p.17)。ただし、次の点は誤解されやすいので注意してください。

営業所調査が終わったからといって本庁における調査が終わっているとは限りませんので、仮に営業所調査が申請受付後から間もなく実施されたとしても、許可が早く取得できるということはありません。(手引 PDF p.16)

7-1. 営業所の実体要件は事前に整えておく

営業所調査では、看板・机・電話及びファクシミリ・賃貸借契約書(原本)等により営業所の実体が確認され、いずれも確認できるものがなければ許可を受けることができないとされています(手引 PDF p.17)。公営住宅の可否、賃貸マンションでの同意書、電話回線の共有の可否、住居兼用の場合の区分といった営業所の実体要件の詳細は、岡山市で建設業許可を取るにはで岡山県『審査要領』の規定まで踏み込んで解説していますので、そちらをご覧ください。要件そのものは県内共通です。

倉敷市の事業者に固有の差分は、その調査を行うのが備中県民局であるという一点です。なお、営業所を移転する場合も確認は必要とされており(同 PDF p.17)、上表の10市町の外へ営業所を移すと、担当する県民局そのものが変わります。備中県民局の担当区域内での移転か、区域を跨ぐ移転かで、その後の窓口が変わる点は押さえておいてください。

7-2. 許可証明書は備中県民局で受け取れる

許可証明書の交付は、県庁土木部監理課(持参又は郵送)と、主たる営業所所在地を所管する県民局建設部管理課(持参のみ)の2ルートがあり、倉敷市の事業者であれば備中県民局建設部管理課で持参受取が可能です。手数料は1通750円で、県民局に交付を求める場合は当該県民局のホームページから証明願をダウンロードします(県民局によって様式が異なります)(手引 PDF p.23〜p.24)。

なお手引は、「県内ほとんどの自治体で、許可証明書が入札参加資格審査申請の添付書類から除かれていますので、真に必要か、申請先の自治体のホームページ等で確認して下さい」と注意喚起しています(PDF p.23)。取得前に要否の確認をおすすめします。

※ 備中県民局の住所・電話番号・受付時間は、手引・審査要領のいずれにも記載がありません。訪問前に岡山県のホームページでご確認ください。

7-3. 費用と期間の目安

項目目安
法定手数料(新規)90,000円(業種数と無関係・手引 PDF p.14)
標準的な所要期間申請が受け付けられてから概ね2か月程度(特に問題がないケース・手引 PDF p.16。手引に「標準処理期間◯日」という日数規定はありません)
営業所調査の連絡受付後半月程度(手引 PDF p.17)

ここで倉敷市の事業者に強調したいのは、この2か月は「申請が受け付けられてから」の期間だという点です。取引先から許可を求められてから逆算する場合、この前段に書類の収集・実務経験の証明資料の整理・営業所の整備という期間が乗ります。詳しくは9章で述べます。

当事務所の報酬(税込目安)は次のとおりです。

業務内容報酬(A)法定手数料(B)合計
建設業許可申請(法人・新規)132,000円90,000円222,000円
建設業許可申請(個人・新規)110,000円90,000円200,000円
建設業許可申請(業種追加)55,000円50,000円105,000円
建設業許可申請(法人・更新)66,000円50,000円116,000円

※ 上記は主な業務の抜粋です。般・特新規、許可換え新規、個人・更新、各種変更届を含む全料金は建設業許可サービスページをご覧ください。税込の目安であり、案件内容により変動しますので、正確な金額は事前にお見積りします。

費用の全体像(実費・行政書士報酬を含む総額の目安)は建設業許可の費用はいくら?岡山県知事許可の総額目安と法定費用の内訳、報酬の内訳は建設業許可を行政書士に依頼する費用相場|報酬に含まれる業務と追加実費【岡山】で詳しく解説しています。許可取得後は毎年の事業年度終了報告、5年ごとの更新、役員・技術者の変更のたびの変更届が発生します。これらをまとめてお任せいただける顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)もご用意しています。

8. 許可取得後、水島の現場で発生する義務

許可は取って終わりではありません。プラント構内工事に特有の、取得後の義務を整理します。

8-1. 主任技術者の配置義務——請負金額の多寡を問わない

手引は、許可を受けた業種の工事であれば、元請か下請かの別も請負金額の大小も問わず技術者を配置する義務があるとし、本来は許可が要らない規模の小さな工事についても、それぞれきちんと配置しなければならないとしています(手引 PDF p.180)。許可を取った後の技術者配置義務を、監理技術者を置くべき金額基準まで含めて整理した記事として土木一式工事の建設業許可もあわせてご覧ください。

許可を取ると、下請として入る小規模な工事にも主任技術者の配置義務が生じます。主任技術者になるには、一般建設業の営業所技術者になることができる資格・経験が必要です(同 PDF p.180)。「小口の工事だから不要」という扱いはできません。許可を取ったら現場の人繰りが変わるという点は、取得前に必ず織り込んでおくべき論点です。

8-2. 【要注意】工場は「公共性のある施設」——専任義務が生じ得る

倉敷市の事業者、とりわけプラント構内工事を請ける事業者に最も注意していただきたい論点です。

工事一件の請負代金が税込4,500万円(建築一式工事については9,000万円)以上の公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物の建設工事については、主任技術者及び監理技術者は、その工事現場ごとに専任でなければならないこととされています(建設業法第26条第3項)。(手引 PDF p.180〜p.181)

そして手引は、「公共性のある工事」の範囲を次のように例示しています。

次のような多数の人が利用する施設又は工作物のことであり、個人住宅以外の工事についてはほとんどのものが該当する
・国、地方公共団体発注の施設又は工作物
・鉄道、索道、道路、上下水道などの公共性のある施設又は工作物
電気事業用施設、ガス事業用施設
・学校、図書館、寺院、工場、病院、デパート、事務所、ホテル、共同住宅など(手引 PDF p.181)

「工場」が明示的に列挙されています。 プラント構内の工事で請負代金が税込4,500万円以上になる案件では、主任技術者の現場専任が求められる可能性が高いということです。専任とは、その工期が終了するまでの間、現場を離れることが認められず、他の工事と掛け持ちして配置することはできないことを意味します(ただし、監理技術者に関し、これを補佐する者(1級技士補等)を置いたときなど、技術者が2現場まで兼務できる場合があります。同 PDF p.181)。

さらに重要な帰結があります。許可上の営業所技術者等は営業所に常勤していることが前提ですので、いま見たような専任性を求められる工事へ充てることは原則としてできない、と手引は整理しています(手引 PDF p.181)。

つまり、営業所技術者が1名しかいない会社が、その人を大型案件の専任主任技術者として現場に張り付けることは原則できません。許可を取った後に受注規模を伸ばそうとすると、技術者の人数がボトルネックになる——この構造は、許可取得の設計段階から見据えておくべきです(誰を営業所技術者に置くかが経営判断になる点は、前述の土木一式工事の記事でも扱っています)。

手引は違反の実例にも触れています。

事業年度終了報告時に、大きな工事と掛け持ちしていることが分かる例が散見されます。掛け持ちをしているということは、適正な技術力レベルを欠いたままでの施工が行われているということになり、建設業法に基づく監督処分等を受けることになります。(手引 PDF p.181)

毎年提出する事業年度終了報告の内容から掛け持ちが発覚する、という点にご注意ください。

8-3. 一括下請負(丸投げ)の禁止

構内工事では、受けた工事を関係会社へそのまま流す形になっていないか、という点も確認が必要です。手引は、手段のいかんを問わず、建設業者が受注した建設工事をまるごと他人に請け負わせること、および建設業を営む者が他の建設業者の請け負った建設工事をまるごと請け負うことを禁止しています(手引 PDF p.21)。しかも、契約を複数に分けたり他人の名義を用いたりしていても、実態として一括下請負に当たるものは一切認められません(同 PDF p.21)。一式工事の許可を持つ事業者がこの禁止に触れやすい理由は一式工事と専門工事の違いで解説しています。

下請の立場でも、自社が請け負った範囲について「実質的に関与」していることが必要です。手引は元請以外の建設業者について、施工要領書等の作成、請け負った範囲の進捗管理、立会確認と元請への施工報告、協議組織への参加や現場巡回への協力、作業員の配置等の法令遵守と実地の技術指導などを主として行うことが必要としています(手引 PDF p.186〜p.187)。

単に現場に技術者を置いているだけでは上記の事項を行ったことにはならず、また、現場に元請負人との間に直接的かつ恒常的な雇用関係を有する的確な技術者が置かれない場合には、「実質的に関与」しているとはいえないことになりますので注意してください。(手引 PDF p.187)

8-4. 自社が「元請」になるときは特定建設業の検討が必要

プラント構内で規模が大きくなると、自社が発注者から直接工事を請け負い、それを下請へ出す立場になることがあります。この場合、次の基準に該当すると特定建設業の許可が必要です。

発注者から直接請け負う建設工事につき、下請代金の額(その工事に係る下請契約が2以上あるときは、その総額)が、建築工事業は8,000万円以上、その他の工事業は5,000万円以上となる下請契約を締結して施工する場合は、特に適正な建設工事の施工を確保し、併せて下請業者の保護を図るため、特定建設業の許可が必要です(金額はいずれも消費税及び地方消費税を含む額。また、元請負人が提供する材料等の価格は含めない。)。(手引 PDF p.10〜p.11)

基準になるのは「発注者から直接請け負う」工事である点にご注意ください。プラント事業者から直接請け負っているのが元請で、その下に入る一次下請が二次下請へ出す場合は、この基準の対象ではありません。判断が微妙な体制については、契約関係を図に起こして確認する必要があります。

特定建設業の許可要件は一般建設業より重く、1級の国家資格者等による特定営業所技術者の設置、および資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上・欠損の額が資本金の20%以内・流動比率75%以上という財務要件が加わります(手引 PDF p.11)。一般建設業の財産的要件との違いは建設業許可の財産的要件|500万円・残高証明の準備【岡山】もあわせてご覧ください。

なお岡山県の監督処分基準は、特定建設業者以外の建設業を営む者と、下請代金の額が政令で定める金額以上となる下請契約を締結したときは、当該建設業者および相手方の一般建設業者に対し7日以上の営業停止処分を行う(酌量すべき情状があるときは減軽)としています(手引 PDF p.206)。規模が伸びた局面で、一般許可のまま下請へ出してしまう——これが、成長した下請業者が踏みやすい落とし穴です。

8-5. 許可票の掲示・更新・変更届の期限

義務内容出典
許可票の掲示店舗及び建設工事の現場(元請工事のみ)ごとに標識を作成し、公衆の見やすい場所に掲示。下請として構内に入る場合、現場への掲示義務を負うのは元請。標識は許可を受けた者が自身で作成するもので、県から交付されるものではないPDF p.21/p.194
デジタルサイネージ令和4年1月から、デジタルサイネージ等ICT機器を活用した掲示も一定の要件を満たす場合には活用可PDF p.195
許可の有効期間許可日から5年間。更新許可申請は有効期間満了の日の30日前までに受付を済ませる必要(建設業法施行規則第5条)。満了の日の3か月前から提出可。更新せず満了すると改めて新規に許可を取得することになるPDF p.21
事業年度終了報告決算日から4か月以内PDF p.22
経営業務の管理責任者(経管)・営業所技術者が欠けた場合の変更届変更後2週間以内PDF p.22

取引先に提示している許可が失効すると、取引そのものに影響します。更新期限の管理は、顧問契約の対象業務としてお引き受けしています。

9. 期限からの逆算と、その先(倉敷市発注工事への参加)

9-1. 「来月から構内に入る」と言われたときの逆算

工程内容目安
① 要件の確認経営業務の管理責任者・営業所技術者の要件を満たす人がいるか、どの業種で何業種取るかの判断まずここ。ここが決まらないと先に進まない
② 資料の収集実務経験の証明資料(契約書・注文書+請書等)、確定申告書控え、社会保険関係書類、登記事項証明書等最も時間が読めない工程
③ 営業所の整備看板・机・電話/FAX・賃貸借契約書の確認、居住部分との区分契約書の巻き直しが必要なら要日数
④ 申請書の作成・提出書類を完全に整えて代理人が県庁へ提出(事前審査なし)
⑤ 審査受付後半月程度で備中県民局から営業所調査の連絡 → 本庁調査受付から概ね2か月程度

⑤だけで概ね2か月です。取引先の期限から逆算するとき、②の資料収集で想定外に時間がかかるケースが最も多く見られます。とくに実務経験で営業所技術者を証明する場合、契約書の原本または注文書の原本及び請書の写し等で請負工事実績があること、および現場での施工に従事した経験を立証する必要があります(手引 PDF p.8〜p.9、p.165)。過去の書類が揃わなければ、その期間は実務経験として認められません。

経営業務の管理責任者が社内に見当たらない場合の選択肢は経営業務の管理責任者がいない場合はどうする?外部招へい・常勤役員の確保【岡山】、要件そのものの詳細は経営業務の管理責任者とは|要件・経験年数・証明方法【岡山】をご覧ください。

9-2. 倉敷市発注の公共工事に出るには、岡山県の資格とは別に手続が要る

許可を取ったあとの展開として、倉敷市の事業者からよくいただくのが「市の仕事に出られるか」というご相談です。手引は、許可業者が公共工事の入札へ参加するには、経営事項審査を受けることと、その工事を発注する自治体の入札参加資格の2つが必要だと整理しています(手引 PDF p.24)。積み上げの全体像は、4章でご案内した「公共工事に入りたい」の記事もあわせてご覧ください。

ポイントは、入札参加資格が発注者ごとに別々に必要になるという点です。岡山県が発注する工事に出るための入札参加資格と、倉敷市が発注する工事に出るための入札参加資格は別のものであり、それぞれの発注者に対して手続が必要になります。倉敷市の事業者にとっては、県の資格を取っただけでは地元自治体の工事に出られない、ということです。

順序としては、建設業許可 → 経営事項審査の受審 → 各発注者への入札参加資格審査申請という積み上げになります。経審の完成工事高は4章で述べた工事経歴書の内容がそのまま効いてきますので、許可を取る段階から売上の区分けを整えておくことが、数年後の経審の評点に直結します。詳しくは経審申請を岡山で依頼するなら入札参加資格をご覧ください。

「取引先から言われたその日」が動き出すべきタイミングです。まずは自社が要件を満たせるか、どの業種で取るべきかの見立てだけでも早めに立てておくことをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Qプラント構内の据付け工事は、機械器具設置工事と管工事のどちらで取ればよいですか?
A契約単位の工事内容によって異なります。手引の例示では「プラント設備工事」は機械器具設置工事に挙げられていますが、機械器具設置工事は「電気工事・管工事・電気通信工事・消防施設工事等と重複するものは原則としてそれぞれの専門の工事に区分し、いずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が該当する」とされています(手引 PDF p.160)。配管の据付けが中心であれば管工事に区分されるべき可能性があります。県は、業種区分に疑義がある場合は工事台帳・現場写真・施工体制台帳等を示して個別に相談するよう求めています(同 PDF p.162)。実際の契約書をもとにご相談ください。
Q水島のプラント構内では複数業種が同居します。新規申請で何業種まとめるべきですか?
A法定手数料の面では、まとめる方が有利です。新規申請の法定手数料90,000円は申請する業種の数と関係がなく、後から業種を足す業種追加には別途50,000円がかかります(手引 PDF p.14)。ただし業種ごとに営業所技術者が必要で、実務経験による証明では「同一期間に複数の業種を並行して計上することはできません」とされています(同 PDF p.165)。したがって実際に何業種取れるかは、資格保有者の有無・指定学科による期間短縮(同 PDF p.165〜p.166)・業種間の実務経験の振替え(同 PDF p.167)が使えるかで決まります。
Qプラントの定期修理(定修)の売上は、どこに計上すればよいですか?
A建設工事に当たるものと、兼業事業に当たるものを分けて計上します。手引は「機械・設備等の保守・点検、部品(電球、パッキン等の消耗品)の交換等」を建設工事ではなく兼業事業として例示しており(PDF p.162)、兼業事業に該当するものは様式第2号(工事経歴書)と様式第3号には記載せず、様式第16号(損益計算書)の兼業事業売上高に計上するとしています(同 PDF p.49)。誤って完成工事高に含めると事業年度終了報告書の訂正及び経営分析のやり直しが必要になり、経営事項審査の虚偽申請となる場合には監督処分の対象になるとも明記されています(同 PDF p.162)。
Q許可を取ると、小さな工事でも技術者を置く必要がありますか?
Aはい。手引は「許可を受けた業種については元請・下請の別や請負金額の多寡を問わず技術者配置の義務がありますので、元々は許可を要しない小規模の工事であっても、それぞれきちんと配置しなければなりません」と明記しています(PDF p.180)。さらに、税込4,500万円以上の公共性のある施設の工事では主任技術者は現場ごとに専任となり、「工場」もこの公共性のある施設に例示されています(同 PDF p.180〜p.181)。営業所技術者は営業所に常勤が必要なため、専任が求められる工事に配置することは原則できません(ただし監理技術者について、これを補佐する者(1級技士補等)を置いた場合など、2現場まで兼務できる例外があります)。
Q許可を取れば、倉敷市が発注する公共工事にも出られますか?
A許可だけでは出られません。手引は「許可を受けた業者が公共工事の入札に参加したい場合は、経営事項審査の受審及び公共事業を発注する自治体の入札参加資格が必要」としています(PDF p.24)。岡山県の入札参加資格と倉敷市の入札参加資格は別のものですので、出たい発注者ごとに手続が必要です。順序としては、建設業許可 → 経営事項審査の受審 → 各発注者への入札参加資格審査申請という積み上げになります。

まとめ

倉敷市で建設業許可を取るとき、地域固有の論点は3つです。①申請書の提出先は倉敷市内になく、県庁6階の土木部監理課建設業班に一元化されている(事前審査は一切行われないため書類の完全性が前提。行政書士に依頼された場合は代理人が提出します)、②営業所調査は備中県民局建設部管理課が担当し、受付後半月程度で連絡が来る(担当区域は倉敷市ほか10市町。区域を跨ぐ移転では担当県民局が変わります)、③許可証明書は備中県民局で持参受取が可能(1通750円・様式は県民局ごとに異なる)。

そして水島のプラント構内工事の下請という文脈では、どの業種で、何業種取るかの判断が最大の分岐になります。「機械を据え付けるから機械器具設置工事」ではなく、まず電気・管・電気通信・消防施設などの専門工事に該当しないかを検討し、いずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が機械器具設置工事に該当する——この順序が手引に明記されています。タンク設置は鋼構造物工事、その塗装は塗装工事、設備の保温は熱絶縁工事と、それぞれ別業種です。加えて定修の業務には、保守・点検のようにそもそも建設工事に当たらない「兼業事業」が混ざり得ます。その売上は工事経歴書ではなく損益計算書の兼業事業売上高へ計上します。

業種をまとめて取るかどうかは、法定手数料(新規は業種数と無関係の90,000円/後からの追加は50,000円)ではなく、営業所技術者の充足状況で決まります。同一期間を複数業種で並行計上することはできないため、資格・指定学科・実務経験の振替えのどれが使えるかを先に確認することが近道です。

業種区分の誤りは、県自身が法令違反に直結すると位置づけている論点です(手引 PDF p.162)。取引先から許可を求められた段階で、自社の契約書・注文書を手元に、まずは見立てだけでもご相談ください。

倉敷市・水島の建設業許可のご相談は無料相談から

水島の構内工事でどの業種の許可を取るべきか、何業種まとめられるか、自社が要件を満たせるかを、建設業特化の行政書士が診断します。倉敷市の事業者様も郵送・オンラインで対応可能です。LINEでは「元請にこう言われたが、どの業種が要るのか」だけでも構いません。お電話(070-8567-3197)・メール・LINE からお気軽にご相談ください。

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