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建設業許可の行政書士報酬|見積書のどこで金額が変わるのか【岡山】

建設業許可の行政書士報酬|見積書のどこで金額が変わるのか【岡山】

岡山県知事許可・法人の新規申請なら、当事務所の行政書士報酬は132,000円(税込の目安)、これに岡山県へ納める法定手数料90,000円を加えて222,000円です。ただし、同じ「建設業許可 新規一式」という見出しでも、含まれている業務は事務所ごとに違います。この金額単体では、他の見積書と比較できません

比べるべきは金額ではなく、①報酬に含まれる業務の範囲、②報酬とは別に動く法定手数料・実費の扱い、③追加料金が発生する条件が書面に書かれているか、の3点です。そして法定手数料は岡山県知事許可で新規90,000円・更新/業種追加50,000円と決まっており、どの事務所に依頼しても同額です(岡山県「建設業許可の手引」令和7年9月1日改訂・PDF通しp.14〈冊子p.10〉。以下、本記事の出典は「手引 PDF p.○」と略します)。つまり見積書に現れる差額は、そのほぼ全部が行政書士報酬に含まれる業務範囲の差です。

本記事では、報酬に含まれる業務/別料金になりやすい業務の切り分け、実務経験の年数で報酬が動く理由、そして見積書のどこを読めば後から金額が増えないと分かるのかを整理します。総額(法定手数料+実費+報酬)の全体像と実費の積算は建設業許可の費用はいくら?岡山県知事許可の総額目安と法定費用の内訳に、そもそも自社が要件を満たすかは建設業許可の6つの要件(取れるか診断)にまとめています。

※ 掲載している報酬額・実費・期間は税込の目安であり、案件の内容・時点・岡山県の運用によって変動します。また許可の可否や要件の充足は個別の実態で判断が分かれます。最終判断は有資格者(行政書士)にご確認ください。

1. 報酬と法定手数料は「別のお金」——見積の差はどこで生まれるのか

1-1. 「(A)報酬」「(B)法定手数料」「(C)実費」の3層に分けて読む

建設業許可の取得にかかるお金は、性質の違う3層に分かれます。見積書を読むときは、まずこの3層のどこの話をしているのかを見分けてください。

中身誰に払うか事務所によって変わるか
(A) 行政書士報酬要件の診断、書類の作成、証明書類の段取り、申請手続きの代理などの作業対価行政書士事務所変わる(=見積の差はほぼここ)
(B) 法定手数料岡山県に納める許可申請手数料岡山県(POS納付連絡票により収納専用窓口で納付)変わらない
(C) 実費登記事項証明書・納税証明書・身分証明書などの取得費用、郵送費法務局・県民局税務部・市区町村役場・郵便局など案件の構成で変わる(事務所では変わらない)

このうち (B) 法定手数料は岡山県の定めた額で固定です(手引 PDF p.14)。

許可申請の種類岡山県知事許可の法定手数料
新規(許可換え含む)・般特新規90,000円
更新・追加50,000円

手引には、見積を読むうえで効いてくる前提が3つ明記されています(いずれも手引 PDF p.14)。

  • 「手数料の額は申請する業種の数とは関係ありません」——1業種でも3業種まとめてでも、法定手数料は同額です。
  • 複数の申請を同時に行う場合は合算——手引は「一般許可更新5万円+一般許可追加5万円=10万円」「一般許可追加5万円+特定許可新規9万円=14万円」を例示しています。
  • 変更届出書の提出には手数料が不要——毎年の事業年度終了報告(決算変更届)などは、県に納める法定手数料はゼロで、かかるのは行政書士報酬だけ、という構造です。

なお岡山県では、法定手数料の納付は「岡山県手数料等(POS)納付連絡票」をホームページから印刷し、収納専用窓口に持参して支払い、受け取った納付済証を様式第1号 別紙三に貼り付けて提出する方式です(手引 PDF p.14)。岡山県は現在この納付方式を採っており、旧来の納付方法を前提にした古い呼び方が残っている見積書や解説を見かけた場合は、その情報がいつ時点のものかを確認したほうがよいでしょう。本記事では一貫して「法定手数料」と表記します。

1-2. 「相場」を1つの数字で示すことの危うさ

インターネット上には行政書士報酬の「相場」を示した情報が多数ありますが、比較の土台になる業務範囲が揃っていないため、単純な数字比較はあまり意味を持ちません。実際に見積書に現れる差は、たとえば次のような違いから生まれます。

  • 要件を満たせるかどうかの事前診断を含むか、「要件は満たしている前提」で書類作成だけを引き受けるか
  • 登記事項証明書・納税証明書・身分証明書などの証明書類の段取りを引き受けるか、依頼者が揃えたものを受け取るだけか
  • 実務経験による営業所技術者(旧:専任技術者)の証明まで組み立てるか、資格者がいる前提の申請だけか
  • 営業所調査への準備・立ち会いを含むか
  • 許可取得後の期限管理まで見るか、申請1回きりの受託か

そのため本記事では、「相場は◯◯円です」という言い方をあえて避け、当事務所の報酬額を実額で開示したうえで、その金額が何をカバーしているのかを示す構成にしています(料金表は8章)。他事務所との金額の高低を論じるものではなく、ご自身が受け取った見積書を読み解くための物差しとしてお使いください。

2. 報酬に「含まれるもの」「別料金になりがちなもの」の切り分け

ここが本記事の中心です。見積書を比べるときは、次の6つの業務が含まれているのか/別料金なのか/そもそも守備範囲外なのかを確認してください。

#業務一般に含まれることが多い別料金・オプションになりやすい確認したい聞き方
要件診断(許可が取れるかの事前判定)初回相談の範囲での見通しの確認資料を精査したうえでの要件設計、要件を満たせない場合の代替案の組み立て「診断の結果、今は要件を満たさないと分かった場合はどうなりますか」
証明書類の取得サポート(登記事項証明書・身分証明書等の取得代行/納税証明書は取得のご案内・段取り)依頼者から受け取って点検すること取得そのものの代行、本籍地が県外の場合の郵送取得、役員が複数いる場合の人数分の取得「証明書は誰が取りに行きますか。実費は別立てですか」
実務経験証明の組み立て(様式第9号)資格者がいる場合の資格確認実務経験で営業所技術者を証明する場合の工事実績の抽出・時系列の組み立て・裏付け資料の突合(3章で詳述)「実務経験での証明が必要になったら、いくら加算されますか」
営業所調査の準備・同席調査があることの案内事前の準備確認(看板・机・電話・FAX・賃貸借契約書等)、当日の同席、追加で求められた書類の対応「県民局の営業所調査には対応してもらえますか」
申請手続きの代理(電子申請を含む)書類作成の代行行政書士の責任における代理申請、補正対応、取下げ・再申請時の対応「作成代行だけですか、代理申請までですか」
許可後の期限管理許可通知が届いた時点で終了事業年度終了報告・更新・変更届の期限管理と実行(7章で詳述)「取った後の更新はどう管理されますか」

なお、上表のうち④営業所調査の準備・同席⑤申請手続きの代理は、一般には別料金・オプションになりやすい項目ですが、当事務所ではいずれも申請の報酬に含めてお引き受けしています(④は事前の準備確認と当日の同席まで、⑤は書類作成の代行にとどまらず委任状に基づく代理申請まで)。詳細は各項および5章・8章をご覧ください。

以下、それぞれ実務の中身を補足します。

①要件診断——「作れる書類」ではなく「取れる許可」かを先に見る

建設業許可は、経営業務の管理責任者(経管)・営業所技術者・財産的基礎・誠実性・欠格要件・適切な社会保険への加入といった要件をすべて満たして初めて許可されます。手引にも、営業所調査における確認事項について「※いずれも確認できるものがなければ、許可を受けることができません。」と明記されています(手引 PDF p.17)。

つまり、書類の体裁だけを整えても、裏付けとなる原本が出てこなければ許可には至りません。要件診断とは「書類が書けるか」ではなく「裏付け資料まで含めて要件を立証しきれるか」を先に見る作業です。当事務所では、無料相談の段階でいただいた情報の範囲で要件の見通しをお伝えし、資料を精査したうえでの本格的な要件設計は受任後に行います。要件そのものの全体像は建設業許可の6つの要件(取れるか診断)、経管が見当たらない場合の選択肢は経営業務の管理責任者がいない場合はどうする?をご覧ください。

②証明書類の取得サポート——「実費が安い」ことと「報酬に含まれる」ことは別

見積書で読み違えが起きやすいのがここです。証明書の実費(1通あたりの手数料)は誰が取りに行っても同じですが、取りに行く作業そのものを報酬に含めるかどうかは事務所によって異なります。しかも岡山県の建設業許可では、取得先が分散します。商業登記事項証明書は法務局、登記されていないことの証明書は岡山地方法務局(郵送なら東京法務局)、身分証明書は本籍地の市区町村役場、県税の納税証明書は各県民局税務部・各地域事務所、という具合です(手引 PDF p.149-150)。

実務上の分かれ道は身分証明書です。本籍地でしか取れないため、役員の本籍が県外にあれば郵送請求になり、往復の日数と手間が発生します。しかも「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」は、個人事業主(代表者)と法人の役員について両方の提出が必要とされています(手引 PDF p.150。顧問・相談役、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主、出資総額の100分の5以上を出資している出資者、その他の役員と同等以上の支配力を有する方については不要とされています)。役員が5人いれば単純に人数分です。「役員が何人か」と「本籍がどこか」で、実費も作業量も動く——これが、同じ「法人・新規」でも見積が動く典型的な要因です。

なお、原本の要否にも例外があります。手引は各種証明書について正本に原本・副本にコピーを添付するとしたうえで、「なお、納税証明書(事業税納付済額証明書)については、正本にコピーしたものを添付しても構いません」と明記しています(手引 PDF p.15、p.149)。納税証明書だけは原本の追加取得が不要になり得るということです。必要通数と証明書の有効期限のルールは建設業許可の費用はいくら?岡山県知事許可の総額目安と法定費用の内訳にまとめていますので、総額を積算したい方はそちらをご覧ください。なお、証明書1通あたりの交付手数料は、交付する窓口(法務局・市区町村役場・県民局など)がそれぞれ定めています。岡山県の手引・審査要領には定めがないため、正確な単価は各交付窓口の最新の料金でご確認ください。

※ 納税証明書(県税)については、委任状に基づく受領のお手伝いと、取得先・請求方法のご案内までを行い、交付請求そのものはお客様名義で行っていただいています。

③実務経験証明の組み立て——報酬が最も動くポイント

営業所技術者を資格で立てるのか実務経験で立てるのかで、作業量が大きく変わります。ここは3章で単独に扱います。

④営業所調査の準備・同席

岡山県では、申請受付後、半月程度で所轄の県民局から営業所調査実施の連絡があります(手引 PDF p.17)。確認されるのは、営業所の所在確認のための看板(容易に確認できるもの)・机・電話およびファクシミリ・営業所の賃貸借契約書(原本)等で、手引には「営業所は居住部分と共用することはできません」「賃貸借契約を締結している場合には、契約書上で営業活動に利用することが認められていることが必要です」と明記されています(同)。

調査ではこのほか、経管の経験、営業所技術者の資格・実務経験、常勤性、財務内容の確認書類などについて原本の提示を求められ、さらに「その他確認すべき事項のために必要と認めた書類(個別に指示します)」という項目もあります(手引 PDF p.17-19)。事前に想定しきれない追加要求が生じ得るということです。

つまり営業所調査は「申請書を出したら終わり」ではなく、申請から半月ほど遅れてやってくる第2ラウンドです。ここを報酬の範囲に含めているかどうかは見積書の文面だけでは分からないことが多いので、必ず確認してください。当事務所では、この営業所調査の事前準備の確認(看板・机・電話・FAX・賃貸借契約書の原本などがそろっているかの確認)と当日の同席を、申請の報酬に含めてお引き受けしています。地域ごとの担当県民局については岡山市で建設業許可を取るには倉敷市で建設業許可を取るにはでも触れています。なお申請書・変更届の提出先そのものは県民局ではなく、岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)に一元化されています(6章)。

⑤申請手続きの代理(電子申請を含む)

手引は、行政書士への委託を2段階で説明しています(手引 PDF p.19)。

行政書士には申請書類の作成を委託するほか、申請手続きそのものを委託し、行政書士の責任において代理申請をすることもできます。この場合は委任を行う申請者による委任状が必要なほか、いくつかの条件があります。

つまり「書類作成の代行」と「代理申請」は別物であり、後者には委任状が必要です。この違いは事務上の実利にも直結します。手引は、正式に代理申請を行った場合には県から申請書類等を代理人宛てに発送できるが、そうでない場合は代理人宛てに送付することはできないと明記しています(同)。代理人への返送を希望する場合は、返送先を記載し切手を貼付した封筒等の提出が必要で、簡易書留など追跡できる郵送方法に限られます(同)。

当事務所は、書類作成の代行にとどまらず、委任状に基づく行政書士の責任における代理申請までお引き受けします(補正が生じた場合の対応を含みます)。正式に代理申請を行えば、県からの申請書類等を当事務所(代理人)宛てに受け取ることができ、補正や進捗の把握を速やかに行えます。

なお岡山県では、許可申請や変更届出を電子申請で行うことができます(手引 PDF p.20)。ただし電子申請では事業承継等の認可申請を行うことはできず、これらは書面での申請となります(同)。個人事業から法人へ移行する場合の選択肢は法人成りで建設業許可は引き継げる?をご覧ください。

⑥許可後の期限管理

許可は取得して終わりではなく、毎年の事業年度終了報告5年ごとの更新、そして事由が生じたときの各種変更届が続きます。ここを申請報酬に含めるのか、別途の顧問・スポットにするのかも事務所ごとの設計次第です(7章で詳述)。

3. 実務経験で報酬が動く理由と、加算条件の書かれ方

「同じ新規申請なのに、なぜ事務所によって見積の金額がこれほど違うのか」。その最大の要因が、営業所技術者を実務経験で証明するかどうか、そして証明すべき年数です。当事務所でも、営業所技術者に関する変更届の報酬を年数別に設定しています(資格要件22,000円/実務経験3年44,000円/5年55,000円/10年77,000円・いずれも税込。全体の料金表は8章)。

資格で証明する場合の22,000円に対し、実務経験10年の証明は77,000円と3.5倍です。これは「年数が長いから割増」という単純な話ではなく、証明のために動かす資料の量と検証の密度が年数に比例して増えるからです。岡山県の手引が定める実務経験証明の要求水準を見ると、その理由がはっきりします。

3-1. 空白期間3か月ルール——工期を時系列に並べて隙間を潰す作業

手引は、様式第9号(実務経験証明書)の期間計算方法について次のように定めています(手引 PDF p.83)。

実務経験期間は、記載された工事の工期と次の工期の間の空白期間が3か月以内であれば、実務経験は継続しているとみなします。一方、空白期間が4か月以上の場合、当該期間を控除して指定年数を計算します

これは実務上、非常に重たい要件です。10年分を証明するには、10年間の工事を工期の順に並べ、隣り合う工期の間に4か月以上の空白が生じないよう工事を拾い出す必要があります。手引の記載例では、途中に4か月の空きがあったため、通算10年5か月から4か月を差し引いて10年1か月と算出しています(手引 PDF p.81-83)。つまり、「10年働いていた」ことと「10年の実務経験として通算できる」ことは別であり、控除が生じれば追加で工事を拾い直し、場合によってはさらに前の年度まで遡ることになります。

3年・5年・10年で報酬が段階的に上がるのは、この「並べて・数えて・空白を埋める」作業の対象範囲が、年数にほぼ比例して広がるためです。

3-2. 記載した工事は、後日すべて原本で確認される

様式第9号に書いた工事は、書いて終わりではありません。手引は「【『実務経験の内容』欄】工事請負契約書原本又は注文書原本及び請書の写し等に基づき、工事ごとに記載してください。後日行う県民局調査で原本等を確認します」と定めています(手引 PDF p.83)。営業所調査の項でも、実務経験による場合は「様式第9号に記入された工事の請負契約書(原本)又は注文書(原本)及び請書(写し)等」を確認するとされ、事案によっては工事台帳・賃金台帳でも確認するとされています(手引 PDF p.18)。

したがって、原本が残っていない工事は記載できません。10年分ともなれば、契約書が抜けている、注文書はあるが請書の控えがない、といったことが必ず起きます。「書ける工事」ではなく「原本で裏が取れる工事」だけを選んで年数を積み上げる——この突合が、実務経験証明の作業量の実体です。

3-3. 証明できる人が限られると、工程が増える

証明は原則として実務経験を積んでいた時期の使用者が行いますが、倒産・死亡等でそれができない場合や、個人事業主が自分自身を証明しようとする場合(法人成り前の期間を含む)には、当時から営業を行っている同業他者2者からの証明が必要になります(手引 PDF p.82)。他社2社に依頼して回る手配工程が丸ごと増えるため、加算の対象になりやすい典型です。証明の立て方そのものは営業所技術者(旧:専任技術者)の実務経験10年を証明する方法に譲ります。

3-4. 業種ごとに作成——2業種なら年数も2倍

手引は「【作成枚数】申請業種ごとに分けて作成してください。一人が複数の業種をいずれも実務経験で担当する場合、担当する期間の重複は認められません。例えば、資格を有しない者が2業種を担当する場合、業種ごとに10年間、合計20年間の経験を証明する必要があります」としています(手引 PDF p.82)。

「法定手数料は業種数に関係なく同額」なのに「実務経験による証明の工数は業種数に比例する」——この非対称が、業種を増やしたときに報酬だけが動く理由です。業種ごとの要件は、たとえば塗装工事業の建設業許可|要件・実務経験の証明とび・土工工事業の建設業許可をご覧ください。

3-5. 工事側と雇用側の2系統を同時に成立させる

実務経験年数は原則として社会保険加入期間で記入し、未加入期間があればその期間の雇用を示す書類(出勤簿・賃金台帳・源泉徴収票・所得証明書の写し)を提示することとされています(手引 PDF p.82)。つまり工事側(契約書・注文書・請書)と雇用側(社会保険・賃金台帳等)の2系統を、同じ期間について同時に成立させる必要があり、確認する資料が単純に倍になります。片方が欠ければ、その期間は使えません。

3-6. 見積書に「加算条件」がどう書かれていれば安全か

ここが、報酬の見積書を読むうえでもっとも実利のある部分です。実務経験による証明は受任後に資料を見て初めて要否・年数が確定することが多いため、見積書の側では「加算が発生する条件」を先に固定しておくのが安全です。次の4点が書面にあるかを確認してください。

  1. 年数区分ごとの金額(3年/5年/10年で金額が分かれているか、一律なのか)
  2. 業種数の扱い(2業種を実務経験で立てる場合に、1業種分の加算で済むのか、業種ごとに加算されるのか)
  3. 証明者が不在の場合の扱い(同業他者2者の手配が必要になったときに加算されるのか、含みなのか)
  4. 加算の確定タイミング(資料を見た時点で金額を確定して書面化するのか、着手後に随時追加されるのか)

加算条件が書面にない場合、実務経験での証明が必要と分かった段階で見積が変わる可能性があります。着手前にこの4点を確認しておくと、後から金額が動く余地をあらかじめ潰せます

3-7. まとめ——証明の立て方別・作業量のイメージ

証明の立て方主な作業
資格で証明免状・合格証明書の原本確認、様式への反映
実務経験3年3年分の工期の並べ替え・空白確認、対象工事の原本突合、雇用側資料との照合
実務経験5年上記を5年分。工事の拾い直しが生じる確率が上がる
実務経験10年上記を10年分。証明者が不在なら同業他者2者の手配も加わる

※ 対応する報酬額(22,000円〜77,000円)は8章の料金表をご覧ください。税込の目安であり、案件の内容により変動します。正確な金額は、内容をお伺いしたうえで事前にお見積りします。

4. 見積書で(A)報酬と(B)法定手数料・実費が分離されているか

報酬と混同されやすいのが「実費」です。実費は事務所の取り分ではなく、外部に支払うお金——法務局・市区町村役場・県民局税務部・金融機関・郵便局などに支払う費用です。見積書では次の3点を確認してください。

  1. (A)報酬と(B)法定手数料・実費が、金額として分離されているか。 「一式◯◯円」とだけ書かれている見積書は、法定手数料90,000円を含んだ総額なのか、報酬だけなのかで印象が逆転します。総額同士なのか報酬同士なのかを揃えないと、そもそも比較になりません。
  2. 実費が立替請求なのか、実費精算なのか。 事務所が立て替えて後日精算するのか、依頼者が直接支払うのかで、請求書の枚数も支払時期も変わります。
  3. 概算の提示があるか。 実費は案件で動くため確定額は出せませんが、概算のレンジすら提示されない見積書は、後から膨らむ余地を残しています。

実費が案件で動く要因は、実務上ほぼ次の4つに集約されます。①役員が何人いるか(人数分の証明書が必要)、②役員の本籍地がどこか(県外なら郵送請求)、③納税証明書を何年分さかのぼるか(過去3年分を超える年度は各県民局税務部でしか取得できず、請求方法も手数料も異なります/手引 PDF p.149)、④残高証明で財産的基礎を立てるか。逆にいえば、この4点を最初にヒアリングしていない見積書は、まだ実費の見当がついていない状態だということです。

必要通数・条件別の総額の積算は、親記事の建設業許可の費用はいくら?岡山県知事許可の総額目安と法定費用の内訳にまとめています(1通あたりの交付手数料は窓口ごとに異なるため、各交付窓口でご確認ください)。財産的基礎の考え方は建設業許可の財産的要件|500万円・残高証明の準備、公共工事へ進む場合の全体像は公共工事に入りたい|建設業許可が入札参加への第一歩をご覧ください。

5. 見積書で確認すべき12のチェックリスト

複数の事務所から見積を取っている方向けに、そのまま使えるチェックリストにしました。金額欄ではなく、金額の左側にある「業務名」と、脚注の但し書きを読むのがコツです。

  1. 税込か税別か。士業報酬は税別表記も多く、税込か税別かの違いがそのまま数万円の差になります。
  2. 法定手数料(新規90,000円/更新・追加50,000円)が報酬に含まれているか、別立てか
  3. 証明書の実費が含まれるか。含まれない場合、概算でいくら見ておけばよいかの提示があるか。
  4. 証明書の取得を代行してもらえるか。特に本籍地が県外の役員がいる場合の郵送請求を誰がやるか。
  5. 役員数・営業所数で金額が変わる条件が書かれているか。役員が増えれば「登記されていないことの証明書」「身分証明書」が人数分必要になります(手引 PDF p.150)。
  6. 実務経験で営業所技術者を証明する場合の加算額と、その条件が明示されているか(3-6の4点)。
  7. 業種を追加する場合の金額。法定手数料は業種数で変わりませんが、実務経験による証明は業種ごとに年数が必要です(手引 PDF p.82)。
  8. 営業所調査への対応が含まれるか。申請受付後、半月程度で所轄県民局から連絡が来ます(手引 PDF p.17)。
  9. 代理申請まで含むのか、書類作成の代行までか。代理申請には委任状が必要で、県からの書類を代理人宛に送付できるのは正式に代理申請を行った場合に限られます(手引 PDF p.19)。
  10. 補正が生じた場合・取下げになった場合の費用の扱い(6章参照)。
  11. 許可が下りなかった場合の報酬の扱い(着手金・成功報酬の区分と返金の有無/8-1参照)。
  12. 支払いのタイミング(着手時/許可時/分割)と、法定手数料をいつ用意する必要があるか(8-2参照)。

5-1. 金額以前に確認すべき、たった1つのこと

手引には、金額の話より前に確認すべき事項が明記されています(手引 PDF p.19、見出しは「申請書の作成を第三者に委託するときの注意点」)。

官公署に提出する書類の作成代行を業務として行うことは、行政書士にのみ認められています(別途法律で定めのある場合を除きます。)。公認会計士・税理士等の資格を有する者でも、別途行政書士会への登録を経なければ行政書士として活動することは禁じられています。第三者に申請作業を委託する場合には相手方が行政書士として登録されている者であることを確認してからにしましょう。

つまり、依頼先を比較検討する前に、そもそも官公署提出書類の作成を業として受託できる立場かを確認する、ということです。登録の有無は岡山県行政書士会に照会できます(手引 PDF p.19)。

確認方法はもう1つあります。申請書の様式そのものに、作成した行政書士の氏名と登録番号を記載する欄があるためです。手引は様式第1号の記入要領で「【行政書士が書類作成を代行した場合】本様式下部に氏名及び登録番号(行政書士証票の番号)を記載の上、必要に応じて押印してください」と定めています(手引 PDF p.35)。自分の申請書に誰の名前と登録番号が入るのかは、見積の段階で確認してよい事項です。当事務所は、書類作成の代行にとどまらず、委任状に基づく代理申請までお引き受けしており、書類作成を代行する場合はこの欄に事務所名・氏名・登録番号(第20300974号)を記載します。

6. 依頼価値の実体——岡山県の運用が「やり直し」を高くつくものにしている

報酬の妥当性は「作業を肩代わりしてもらえる」ことだけでは説明しきれません。岡山県の建設業許可には、やり直しが発生したときのコストを構造的に高くしている運用がいくつもあります。ここが依頼価値の実体です。

6-1. 事前審査は一切行われない

手引は、提出時の注意として次のように明記しています(手引 PDF p.16)。

事前審査は一切行いません。 正本と副本を必要部数作成し、日付の記入、納付済証の貼付等の遺漏がないことを確認し、書類を完全に整えた上で提出(送付)してください。

「窓口で相談しながら少しずつ整えていく」という進め方が、制度上できないということです。手引が求める提出形態は閲覧用3部(正1、副2)+非閲覧用3部(正1、副2)=計6部(手引 PDF p.15)で、この完成品を一度で持ち込む前提の窓口である以上、その完成品を作れるかどうかが最初の分岐点になります。

6-2. 窓口の時間が区切られており、審査は打ち切られる

提出先は岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階、〒700-8570 岡山市北区内山下2-4-6/直通 086-226-7463)で、窓口受付時間は9:00〜11:30、13:00〜16:30です(手引 PDF p.16)。建設業許可の申請書・変更届の受付は出先機関(県民局)ではなく本庁に一元化されている点も、あわせて押さえてください(同)。そして手引は、窓口閉鎖の時間帯は審査を休止するとしたうえで、「原則として、審査の途中であっても窓口閉鎖の時刻をもって審査は終了します」と定めています(同)。

16:30に間に合わなければ、審査の途中でもその日は終わる——現場を持ちながら申請を進める事業者にとって、この時間制約は小さくありません。なお、時間的な余裕がある申請等については郵送による提出も受け付けられており(同)、電子申請も可能です(手引 PDF p.20)。

6-3. 補正には「できる補正」と「できない補正」がある

もっとも見落とされているのがここです。手引は次のように定めています(手引 PDF p.20)。

補正指示を受けた場合や、自社で申請内容の誤りを発見した場合は、「補正書による補正」を行ってください。なお、誤りの内容が県ホームページで公開している「補正不可一覧表」に該当する場合は、「補正書による補正」ができませんので、「取下げ願による取下げ」を行ってください。

つまり、間違いの種類によっては補正で直せず、いったん取り下げるしかないということです。取下げになれば、申請からやり直しになります。加えて手引は、窓口での書面審査について「限られた時間で行うことから、受付後にも書類の訂正等について追加で連絡することがあります」とも記しています(手引 PDF p.16)。受け付けられた=安全、ではありません。

「取下げの可能性を減らす」ことに払う報酬——これが行政書士報酬の中核部分だと考えています。標準的なケースでも申請受付から許可まで概ね2か月程度かかるとされており(手引 PDF p.16。手引に「標準処理期間◯日」という日数規定はありません)、取下げ・再申請となれば、その2か月が最初からやり直しになります。元請から期限を切られている場合や、無許可のまま金額の大きい工事の話が進んでいる場合には、この時間的損失が実額の損失に変わります(該当する方は無許可で500万円以上を受注してしまったら|今すぐ取るべき対処、金額の線引きそのものは軽微な工事(500万円未満)とは?をご覧ください)。

6-4. 許可通知書と副本は再発行されない

手引は「許可されると、許可通知書及び申請書副本を郵送します。再発行はできませんので、大切に保存してください」と明記しています(手引 PDF p.19)。

この一文は、5年後の更新・その先の業種追加・経審・入札にまで影響します。副本は、次回以降の申請で自社の許可内容を確認する基礎資料になるからです。申請を代理した行政書士が控えを保管し、更新時期に手元の資料と突合できる体制があるかどうかは、長い目で見ると効いてきます。

6-5. 依頼価値のまとめ

以上を整理すると、報酬が対価としてカバーしているのは次の4つです。

  1. 一度で通す設計——事前審査が行われない窓口に、完成した6部を持ち込む。
  2. 取下げ・補正のリスク低減——補正不可事由に触れない書類構成にする。
  3. 第2ラウンドの準備——申請の半月後にやってくる県民局の営業所調査に、原本を揃えて臨む。
  4. 記録の保管と次回への接続——再発行されない副本を前提に、更新・追加・経審へつなぐ。

7. 見積書の第6項目=取得後の期限管理を誰が持つか

2章の切り分け表の第6項目、許可取得後の期限管理です。見積を比較する段階でほとんど話題にならないのに、5年間の総支出でいちばん差がつくのがこの領域です。

建設業許可には、事業年度終了報告(決算変更届)・更新・各種変更届という期限が続きます。期限の内容そのものと、落としたときのペナルティ(期限内の届出を怠ると更新・追加申請ができず監督処分や罰則の対象になること、更新をせずに有効期間が満了すると新規から取り直しになること)は、親記事の建設業許可の費用はいくら?岡山県知事許可の総額目安と法定費用の内訳に整理しています。ここでは「この期限管理を誰が持つのか」が見積書の上でどう見えるかだけを扱います。

7-1. 申請報酬に期限管理を「含む事務所」と「含まない事務所」の見え方の違い

同じ「新規一式」でも、次の2つは見積書の上ではほとんど区別がつきません。

  • A案:申請1回きりの受託。 許可通知が届いた時点で業務終了。翌期の事業年度終了報告も、5年後の更新も、依頼者側が自分で期限を管理し、その都度あらためて依頼する。
  • B案:期限管理を継続。 申請時の資料と副本の控えを事務所が保管し、決算期・更新期が近づいた時点で事務所側から連絡が来る。

見積書の金額欄だけを見るとA案のほうが安く見えます。しかし差が出るのは「忘れたとき」です。事業年度終了報告を出していないと更新・追加申請ができなくなり、更新を落とせば新規からの取り直しになります。「安いほうを選んだ結果、5年後に取り直しになった」場合の損失は、当初の見積差額をはるかに超えます。

したがって確認すべきは金額ではなく、次の3点です。

  1. 申請時の資料・副本の控えを事務所が保管するか(再発行されないため/6-4)
  2. 期限が近づいたときに事務所側から連絡が来るのか、依頼者からの依頼待ちなのか
  3. その連絡・管理は報酬に含まれるのか、顧問契約などの別契約なのか

7-2. ランニングコストの実額と、顧問という選択肢

当事務所の場合、許可取得後に毎年・数年ごとに発生する業務の行政書士報酬は次のとおりです(税込)。

業務報酬頻度
建設業変更届出(事業年度終了報告44,000円毎年
経審 経営状況分析33,000円毎年(経審を受ける場合)
経審 経営規模等評価・総合評定値請求55,000円毎年(同上)
入札参加資格更新33,000円発注機関の定める周期ごと

※ 税込の目安です。案件の内容により変動します。正確な金額は着手前にお見積りします。

経審まで進んでいる会社であれば、毎年の更新業務だけで報酬132,000円(44,000+33,000+55,000)、これに入札参加資格の更新33,000円が発注機関の定める周期ごとに加わります(いずれも(A)報酬です。経営事項審査には、このほかに登録経営状況分析機関に支払う分析料金と、経営規模等評価・総合評定値請求の審査手数料が別途必要です——金額は機関・時点により異なるため、個別にご案内します。経審の費用構成の全体像は経審申請を岡山で依頼するならにまとめています)。

これに対し当事務所では、顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)をご用意しています。

プラン月額(税込)主な内容
ライト5,500円月次相談・期限管理(決算変更届・更新・変更届の期日管理)
フル15,000円事業年度終了報告(44,000円相当)+経審 経営状況分析(33,000円相当)+経審 経営規模等評価・総合評定値請求(55,000円相当)+入札参加資格更新(33,000円相当・発注機関の定める周期ごと)+月次相談・期限管理

※ ライト(5,500円)とフル(15,000円)の中間プラン(スタンダード 11,000円)もご用意しています。内容は個別にご案内します。
※ 上記はいずれも行政書士報酬(税込)です。経営状況分析機関に支払う分析料金、経営規模等評価・総合評定値請求の審査手数料、入札参加資格申請に伴う証明書取得実費等は顧問料に含まれず、別途実費のご負担となります。

フルプランは年額180,000円(月額15,000円)の定額です。上記のスポット報酬を都度お支払いいただく場合の年平均額(毎年132,000円+隔年33,000円=年平均およそ148,500円)と比べると、金額そのものは年間で3万円あまり上回ります。それでもフルをお選びいただく理由は、月次相談と期限管理(決算変更届・更新・変更届の期日管理)が含まれる点にあります。届出漏れによる更新不可・新規からの取り直しを避けたい会社様向けのプラン、という位置づけです。申請1回の報酬だけで比べるのか、5年分の総支出と期限管理の体制で比べるのか——どちらが適しているかは会社の状況によって変わりますので、無料相談でご案内します。プランの詳細は顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)、経審そのものについては経審(経営事項審査)、入札の手続面は入札参加資格にまとめています。

8. 契約条件の確認ポイントと、当事務所の料金表

金額と業務範囲が揃ったら、最後に契約条件です。ここは見積書の「金額欄」にも「業務名欄」にも現れないため、確認が漏れがちな領域です。

8-1. 着手金と成功報酬の区分、許可が下りなかった場合の扱い

行政書士報酬は作業の対価であり、許可という結果に対する対価ではありません。したがって、書類を作成し申請まで行った以上、結果にかかわらず作業分の報酬は発生するのが基本的な考え方です。そのうえで、事務所によって次のような設計の違いがあります。

  • 全額を着手時に受け取る/許可後に受け取る/着手金と残金に分ける
  • 不許可・取下げになった場合に、着手金を返金するのか、次回申請の報酬に充当するのか、返金しないのか
  • 要件を満たさないことが受任後に判明した場合に、どこまでを請求するのか

確認の仕方は簡単で、「許可が下りなかった場合、支払った金額はどうなりますか」と一言聞けば足ります。書面に書かれていないなら、その場で書き足してもらうべき項目です。なお、当事務所では受任前の段階で要件の見通しを確認したうえでお受けする方針をとっており、要件が整っていない場合は、何をどの順序で整えれば申請できる状態になるかをお伝えしています。当事務所の着手金の有無や、不許可・取下げとなった場合の報酬の取り扱いといった具体的な支払条件は、案件の内容によって異なるため、個別のお見積り・ご契約の際にご説明します(本記事では特定の金額・条件を前提とした記載はしていません)。

8-2. 支払時期と、法定手数料90,000円を用意するタイミング

見落とされやすいのが、(A)報酬と(B)法定手数料では、お金が必要になるタイミングが違うという点です。

法定手数料は、「岡山県手数料等(POS)納付連絡票」を印刷して収納専用窓口で支払い、受け取った納付済証を申請書(様式第1号 別紙三)に貼り付けて提出します(手引 PDF p.14)。つまり法定手数料90,000円は、申請書を提出する時点までに現金として動いている必要があります。書類が完成してから提出までの間に、必ずこの支払いが挟まるということです。

一方、報酬の支払時期は事務所ごとの契約次第です。資金繰りの観点では、①法定手数料を、いつ・誰が・どうやって納付するのか(依頼者が窓口へ行くのか、行政書士が立て替えるのか)、②報酬の支払時期(着手時/許可時/分割)——の2つを分けて確認してください。とくに元請から期限を切られている案件では、書類が揃ったのに手数料の納付が間に合わず提出日がずれる事態は避けたいところです。着手の段階で「いつ、いくら必要になるか」のスケジュールを共有しておくことをおすすめします。

8-3. 業種追加55,000円・般特新規110,000円が、新規132,000円と差がつく理由

当事務所の料金表では、法人・新規が132,000円、業種追加が55,000円、般特新規が110,000円です(8-5)。この差は、立証しなければならない要件の範囲の違いから来ています。

  • 新規は、経管・営業所技術者・財産的基礎・誠実性・欠格要件・社会保険という要件をすべて一から立証し、あわせて営業所調査にも臨みます。証明書類も役員全員分をゼロから揃えることになります。
  • 業種追加は、経管や財産的基礎などの土台がすでに許可を受けた時点で確認済みであり、追加する業種の営業所技術者を立てられるかが中心論点になります(実務経験で立てる場合は、業種ごとに年数の証明が必要です/手引 PDF p.82)。作業範囲が絞られるぶん、報酬も低くなります。
  • 般特新規(一般から特定へ、または特定から一般へ)は、業種追加とは事情が異なります。手引は、特定建設業の許可について一般建設業の基準に加えて「一級相当の特定営業所技術者の設置」と「より高度な財産的基礎(資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上・欠損の額が資本金の20%以内・流動比率75%以上)」を満たす必要があると定めています(手引 PDF p.11)。技術者要件と財務要件を新しい基準で立て直すため、既存の許可があっても作業は新規に近くなります。

見積書に「業種追加」「般特新規」という言葉が並んでいるとき、どちらの意味で使われているのかを取り違えると、金額の妥当性を判断できません。なお法定手数料の側は、業種追加が50,000円、般特新規は新規と同じ90,000円です(手引 PDF p.14)。報酬と法定手数料で高低の並びが逆になる点にも注意してください。

8-4. 他事務所で着手済みの案件を、途中から引き継ぐ場合

「他の事務所に依頼したが、途中で連絡が途絶えた」「資料は渡したが進んでいるのか分からない」というご相談も実際にあります。この場合の報酬は、どこまで完成しているかによって考え方が変わります。

  • 資料の収集だけが済んでいる段階——実質的に最初から組み立て直すことになるため、通常の申請と同等の作業量になります。
  • 書類がほぼ完成している段階——完成度を確認し、不足分を補って提出する形になりますが、他者が作成した書類は、原本の裏付けを一から確認し直す必要があります(記載した工事は後日の県民局調査で原本確認を受けるため/手引 PDF p.83)。「確認するだけ」では終わらないのが実情です。
  • すでに申請済みで補正・取下げの局面にある段階——補正で直せる誤りか、補正不可一覧表に該当して取下げが必要かの見極めが先になります(手引 PDF p.20)。

いずれの場合も、現時点の書類一式と、県からの連絡内容を見せていただければ、引き継いだ場合の作業範囲と報酬をお見積りできます。前の事務所との契約関係(支払済みの報酬の扱いなど)はお客様と当該事務所の間の問題になりますので、その点はご承知おきください。

8-5. 当事務所の料金表(建設業許可関連・税込)

(A)=行政書士報酬/(B)=法定手数料。いずれも税込の目安です。

業務内容(A) 報酬(B) 法定手数料合計
建設業許可申請(個人・新規)110,000円90,000円200,000円
建設業許可申請(法人・新規)132,000円90,000円222,000円
建設業許可申請(般・特新規)110,000円90,000円200,000円
建設業許可申請(許可換え新規)110,000円90,000円200,000円
建設業許可申請(業種追加)55,000円50,000円105,000円
建設業許可申請(個人・更新)66,000円50,000円116,000円
建設業許可申請(法人・更新)66,000円50,000円116,000円
建設業変更届出(事業年度終了報告)44,000円44,000円
変更届(経営業務の管理責任者)33,000円33,000円
変更届(営業所技術者〈旧:専任技術者〉)資格要件22,000円22,000円
変更届(営業所技術者)実務経験3年44,000円44,000円
変更届(営業所技術者)実務経験5年55,000円55,000円
変更届(営業所技術者)実務経験10年77,000円77,000円
変更届(役員・その他)22,000円22,000円

顧問契約(税込・月額):ライト 5,500円/スタンダード 11,000円/フル 15,000円(7-2参照)

※ 経審(経営状況分析33,000円/経営規模等評価・総合評定値請求55,000円)・入札参加資格更新(33,000円)の報酬は7-2のとおりです。
※ 上記は税込の目安です。案件の内容(実務経験による証明の要否、役員数、営業所数、書類の揃い方、証明者の状況など)により変動します。上表の(B)法定手数料のほか、証明書の取得実費が別途必要です。正確な金額は、内容をお伺いしたうえで事前にお見積りします。
※ 総額の内訳(実費の必要通数)と5年間の総保有コストは建設業許可の費用はいくら?岡山県知事許可の総額目安と法定費用の内訳をご覧ください(証明書1通あたりの交付手数料は各交付窓口でご確認ください)。

当事務所は建設業に特化し、許可の取得だけでなく、事業年度終了報告・更新・経審・入札参加資格まで一貫してお引き受けしています。ご依頼にあたっては、書類作成の代行にとどまらず、委任状に基づく代理申請までお引き受けします。書類作成を代行する場合、申請書の下部には行政書士の氏名と登録番号(行政書士証票の番号)が記載されます(手引 PDF p.35)。当事務所の行政書士登録番号は第20300974号です。ゼネコンや元請から許可・登録の提示を求められている場合はゼネコンの協力会社になるには|取引口座開設と建設業許可、必要書類の全体像は建設業許可の必要書類一覧|新規・一般もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q同じ「新規一式」なのに、事務所によって見積金額が違うのはなぜですか?
A報酬に含まれる業務の範囲が事務所ごとに異なるためです。岡山県知事許可の場合、岡山県に納める法定手数料は新規90,000円・更新/業種追加50,000円で、どの事務所に依頼しても同額です(手引 PDF p.14)。したがって差額はほぼ報酬の範囲の差で、要件診断、証明書類の取得の段取り、実務経験による営業所技術者の証明の組み立て、県民局による営業所調査への対応、代理申請、許可取得後の期限管理——このどこまでを含むかで金額が変わります。金額欄ではなく、業務名の欄と但し書きを比べてください。なお、複数の県に営業所を置く国土交通大臣許可の場合は、県に納める手数料とは種類・金額が異なります。
Q実務経験で営業所技術者を証明すると、なぜ報酬が上がるのですか?
A裏取りの工数が年数に比例して増えるためです。岡山県の手引では、工事の工期と次の工期の間の空白期間が3か月以内なら継続とみなし、4か月以上なら当該期間を控除して年数を計算すると定められています(手引 PDF p.83)。また記載した工事は後日の県民局調査で契約書原本等により確認されます(同)。さらに業種ごとに作成が必要で、資格を持たない方が2業種を担当する場合は合計20年分の証明が必要とされています(手引 PDF p.82)。当事務所では変更届の報酬を実務経験3年44,000円・5年55,000円・10年77,000円と段階設定しています(税込の目安)。
Q見積書のどこを見れば、後から金額が増えないと分かりますか?
A「加算が発生する条件」が書面に書かれているかを見てください。具体的には、①実務経験による証明が必要になった場合の年数区分ごとの金額、②2業種以上を実務経験で立てる場合の業種ごとの加算の有無、③当時の使用者が倒産等で証明できず同業他者2者の証明が必要になった場合の扱い、④加算額をいつ確定して書面化するのか、の4点です。あわせて、(A)報酬と(B)法定手数料・実費が金額として分離されているか、実費の概算が示されているかも確認してください。
Q契約後に追加料金が発生するのは、どんなときですか?
A典型的には、受任後に資料を精査した結果実務経験による証明が必要と判明した場合、役員の追加や本籍地が県外であることが後から分かり証明書の取得範囲が広がった場合、納税証明書を過去3年分より前までさかのぼる必要が生じた場合(請求先・請求方法・手数料が異なります/手引 PDF p.149)などです。いずれも着手前のヒアリングで条件を確定させておけば、金額が動く余地を減らせます。当事務所では、これらの条件を確認したうえで事前にお見積りします。
Q他の事務所で見積を取った後や、途中まで進んでいる案件でも相談できますか?
Aはい。現時点の書類一式と、県から連絡があればその内容をお見せいただければ、引き継いだ場合の作業範囲と報酬をお見積りします。ただし、他者が作成した書類であっても、記載した工事は後日の県民局調査で原本確認を受けるため(手引 PDF p.83)、裏付けの確認は一から行う必要があります。また、すでに申請済みで補正の指示を受けている場合は、補正書で直せる誤りか、補正不可一覧表に該当して取下げが必要かの見極めが先になります(手引 PDF p.20)。なお、前の事務所との契約関係(支払済み報酬の扱い等)はお客様と当該事務所の間の問題となります。

まとめ

建設業許可を行政書士に依頼する際の報酬は、「相場はいくら」という一つの数字では比較できません。岡山県知事許可の法定手数料は新規90,000円・更新/業種追加50,000円で、どの事務所に依頼しても同額(手引 PDF p.14)である以上、見積書に現れる差はほぼすべて報酬に含まれる業務範囲の差です。

比べるべきは、①要件診断・証明書取得の段取り・実務経験証明の組み立て・営業所調査の準備・代理申請・期限管理のどこまでが含まれるか、②法定手数料と証明書実費が報酬とどう区分され、概算が提示されているか、③追加料金が発生する条件が書面に明示されているか、の3点です。とくに実務経験で営業所技術者を立てる場合は、工期の空白期間3か月ルール、記載工事の原本確認、業種ごとの年数、証明者が不在なら同業他者2者の証明(手引 PDF p.82-83)といった要求水準が金額を押し上げます。当事務所が実務経験3年44,000円・5年55,000円・10年77,000円と段階を設けているのも、この裏取り工数を反映したものです。

そして岡山県では事前審査が一切行われず(手引 PDF p.16)、誤りの内容によっては補正ができず取下げ願による取下げとなる運用があり(手引 PDF p.20)、申請から許可まで概ね2か月かかります。やり直しのコストを構造的に下げること、そして再発行されない副本を前提に5年後の更新まで管理を継続すること——ここに報酬の実体があります。見積書をお持ちの方は、金額欄より先に業務範囲の欄をご覧ください。そのうえで判断に迷われる場合は、無料相談でご遠慮なくお尋ねください。

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