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建設業許可の取得期間はどれくらい?標準処理期間【岡山】

建設業許可の取得期間はどれくらい?標準処理期間【岡山】

「建設業許可って、どれくらいで取れますか」——最初のご相談で、ほぼ必ず出る質問です。

先に結論を申し上げます。岡山県の「建設業許可の手引」に書かれている期間の記述は、2つしかありません。

  1. 申請が受け付けられてから許可になるまでは、特に問題がないケースで概ね2か月程度(手引 PDF p.16)
  2. 営業所調査の実施の連絡は、許可申請受付後半月程度で所轄の県民局から行われる(手引 PDF p.17)

これ以外に、岡山県知事許可の審査に「標準処理期間◯日」といった日数の定めは置かれていません。そして、この「概ね2か月」の起点は申請書を窓口に出した日ではなく、受け付けられた日です。岡山県は事前審査を一切行わず、書類を完全に整えた状態で提出することを求めており、しかも窓口閉鎖の時刻で審査は打ち切られます(手引 PDF p.16)。つまり、提出した日がそのまま受付日になるとは限らないという構造が、制度の側にあります。

したがって、実際に体感する「取得までの期間」は、次の4つの区間の合計です。

① 準備 + ② 提出から受付まで + ③ 受付から許可まで(概ね2か月)+ ④ 許可通知書が手元に届くまで

このうち手引に数字があるのは③だけで、しかも上限ではなく「概ね」の目安です。多くの案件で長くなるのは、実は数字が書かれていない①のほうです。

本記事では、この4区間の内訳と、どこで時間が延びるのかを、手引・審査要領に書かれている事実だけで整理します。なお、「いつ動き出すと決めるか」という意思決定——決算期との関係、経審・入札からの逆算、元請の要求への合わせ方——は建設業許可を取るタイミング|取得を判断する目安が扱っています。本記事は時間そのものの内訳に絞ります。

※ 実際にかかる期間は、要件の構成、証明書類の残り方、補正の有無といった個別の事情によって大きく変わります。本記事は岡山県知事許可・一般建設業を前提とした一般的な整理であり、特定の案件について取得の時期を保証するものではありません。期間・金額は時点や個別事情により変動します。最終判断は有資格者(行政書士)または岡山県の担当窓口にご確認ください。

1. 「取得期間」を4つの区間に分解する——数える区間がずれると答えもずれる

期間の話が噛み合わないのは、たいてい数えている区間が違うからです。「2か月です」という答えと「半年かかりました」という体験談は、どちらも間違っていないことがあります。前者は審査の期間、後者は相談してから許可通知書が届くまでの期間を指しているからです。

そこでまず、どこからどこまでを数えるのかを分けます。

1-1. 4つの区間と、資料に定めがあるかどうか

区間中身資料の定め出典
① 準備要件の構成を決める → 裏付け書類の現存確認と収集 → 申請書の作成 → 提出部数の作成定めなし—
② 提出から受付まで窓口での書面審査。記載事項に不備がなければ受け付けられる定めなし(不備がなければ受け付けられる、とのみ)手引 PDF p.16
③ 受付から許可まで県民局の営業所調査と本庁の調査が並行して進む特に問題がないケースで概ね2か月程度手引 PDF p.16
④ 許可から通知書の到達まで許可通知書及び申請書副本が郵送される定めなし(郵送する、とのみ)手引 PDF p.19

数字が置かれているのは③だけです。 ①②④について、手引にも審査要領にも所要日数の定めはありません。この非対称が、期間の相談を難しくしている理由の大半です。

1-2. 「2か月」だけを聞いて動くと、なぜずれるのか

「概ね2か月」という数字は正しいのですが、それは③の目安でしかありません。ご相談の場でお客様が知りたいのは、ほとんどの場合「今日から数えて、いつ許可が手元にあるか」です。この2つは別の問いです。

  • ③しか見ていないと、①の準備に必要な時間が計画から抜け落ちます
  • ②を見ていないと、「書類を持って行った日=受付日」だと思い込みます(§3 のとおり、そうならないことがあります)
  • ④を見ていないと、許可が出た当日から通知書を提示できると考えてしまいます

期間の相談では、まず「どの区間を知りたいのか」を確認する——これが実務上の出発点です。当事務所でも、初回のご相談ではこの4区間の図から入ります。

1-3. 手引が「概ね」と書いている理由は、手引自身の文の中にある

手引の一文を、条件まで含めて読み直してみます(手引 PDF p.16)。

「申請が受け付けられてから許可になるまでは、様々な調査やデータ処理を必要としますので、特に問題がないケースで概ね2か月程度かかります。」

この短い一文に、限定が3つ入っています。

  1. 「申請が受け付けられてから」——起点は受付。提出でも準備開始でもありません
  2. 「特に問題がないケースで」——問題がある場合を除いた話です
  3. 「概ね」「程度」——幅のある表現であり、日数の約束ではありません

この3つの限定を落として「2か月で取れる」と読むと、計画が崩れます。 逆に言えば、この3つを外さないように設計すれば、期間はかなりの程度まで見通せます。§3 以降で、その1つずつを見ていきます。

2. 「標準処理期間」という言葉の正体——岡山県知事許可に日数の定めはない

「標準処理期間」という言葉で検索してこられる方がいます。行政手続では、申請に対する処分までに通常要すべき標準的な期間を定めて公にする仕組みがあるため、建設業許可にも日数の定めがあるはずだ、と考えるのは自然です。

しかし、岡山県の「建設業許可の手引」に「標準処理期間」という語は登場しません。 期間について書かれているのは、§1-3 に引いた「概ね2か月程度」の一文と、営業所調査の「半月程度」(手引 PDF p.17)だけです。

2-1. 審査要領に1回だけ出てくるが、それは大臣許可の話

「標準処理期間」という語が現れるのは、岡山県「審査要領」の冒頭、審査の拠りどころを列挙している部分です(審査要領 PDF p.1)。

「岡山県における建設業の許可申請書等の審査に当たっては、概ね『建設業法に基づく許可事務の取扱いについて』(略)、『建設業許可事務ガイドライン』(略)、『国土交通大臣に係る建設業許可の基準及び標準処理期間について』(H.13.4.3国総建第 99 号)、『建設業許可の手引(岡山県土木部監理課)』及び『建設業認可申請の手引(事業承継・相続)(岡山県土木部監理課)』により行うが、申請書等の審査の詳細について、次のとおり定める。」

ご覧のとおり、これは国土交通省通知の「題名」の一部です。しかも「国土交通大臣に係る」——つまり大臣許可についての通知です。岡山県知事許可の処理に何日かかると定めた条項ではありません。

したがって、「岡山県知事許可の標準処理期間は◯日です」と書ける根拠は、手引にも審査要領にも存在しません。 他県の運用や一般論として日数が語られていることはありますが、少なくとも岡山県が公表しているこの2つの資料の中には、日数の定めはありません。

2-2. 「定めがない」ことは、読者にとって悪い情報ではない

日数の約束がないと聞くと不安になるかもしれませんが、実務上はむしろ扱いやすい事実です。理由は2つあります。

  • ③の期間は、こちらが働きかけて短縮できる部分ではないと最初から分かるからです。手引は、営業所調査が早く終わっても許可が早くなるわけではないと明記しています(§4-3)。「急いでもらう」余地がないなら、そこに労力を割く必要はありません。
  • 裏を返せば、期間を左右できるのは①の準備と、②で一発で受け付けられるかどうかだけだと分かります。手を入れる場所がはっきりします。

2-3. だから当事務所も「◯か月で取れます」とは申し上げません

期間の見立てをご説明するときも、当事務所は手引に書かれている数値以外の日数を断定しません。要件をどう構成するか、証明書類がどれだけ残っているかで、①の長さが大きく変わるためです。 ご相談の場では、「何が律速になっているか」(どの書類の入手が一番時間を要しそうか)を洗い出し、そこから逆算した見通しをお伝えします。

無料相談は初回30〜60分で方向性の見立てまでを行います。資料の精査、要件の設計、工程表の作成は受任後に行います。

3. 起算点は「提出日」ではなく「受付日」——ここがずれる構造がある

ここが本記事で最も重要な章です。「概ね2か月」の起点は受付日であり、提出日と受付日は別の概念です。そして岡山県の運用には、両者がずれる構造的な理由がいくつもあります。

3-1. 「提出」と「受付」は、手引の中で書き分けられている

手引は、許可になるまでの流れを次のように書き出しています(手引 PDF p.16)。

「許可申請書が提出されると、窓口で書面審査を行います。記載事項に不備がなければ申請は受け付けられます。」

提出 → 窓口での書面審査 → (不備がなければ)受付、という3段構えです。「持って行った」と「受け付けられた」の間に、審査が1つ挟まっています。

なお、手引はここで「不備があれば受け付けない」とは書いていません。書かれているのは「不備がなければ受け付けられます」という条件の側です。記事としても、手引の書き方どおりに読むのが安全です。ただ、条件が付いている以上、提出したその日に受付印が押されるとは限らないことは、スケジュールに織り込んでおく必要があります。

3-2. 事前審査は一切行われない——「窓口で仕上げる」進め方は制度上ない

提出日と受付日がずれる最大の理由がこれです(手引 PDF p.16)。

「事前審査は一切行いません。正本と副本を必要部数作成し、日付の記入、納付済証の貼付等の遺漏がないことを確認し、書類を完全に整えた上で提出(送付)してください。」

「途中まで作って、窓口で相談しながら直す」という進め方は想定されていません。 建設業許可の手続では、他の許認可で見られるような「まず一度見てもらう」段階が置かれていない、ということです。

これは期間の観点では、次のことを意味します。準備の質が、そのまま受付日に反映される。 完成度が低い状態で持ち込んでも受付日は前に倒れず、往復の回数だけが増えます。

3-3. 窓口には「審査が止まる時間帯」があり、閉鎖の時刻で打ち切られる

もう一つ、当日の時間そのものに関する運用です(手引 PDF p.16)。

「窓口受付時間 9:00~11:30、 13:00~16:30(閉庁日を除く。)」

「11 時 30 分から 13 時 00 分まで及び 16 時 30 分から翌開庁日の 9 時 00 分までの間は窓口を閉じるとともに、審査を休止します。特に、新規、更新、追加、般特新規申請の場合、更に十分な時間的余裕を持ってお越しください。原則として、審査の途中であっても窓口閉鎖の時刻をもって審査は終了します。」

時間帯窓口審査
9:00〜11:30受付実施
11:30〜13:00閉鎖休止
13:00〜16:30受付実施
16:30〜翌開庁日9:00閉鎖休止

「審査の途中であっても窓口閉鎖の時刻をもって審査は終了します」——この一文が、提出日と受付日がずれる典型的な原因です。新規・更新・追加・般特新規の申請は書類量が多く、窓口での書面審査にも相応の時間を要します。手引が「更に十分な時間的余裕を持ってお越しください」とわざわざ書いているのは、そのためです。

夕方に持ち込んで、その日のうちに受付印をもらう——という前提でスケジュールを組むと、受付日が翌開庁日に流れることがあります。 そして受付日が1日ずれれば、③の「概ね2か月」の起点も1日ずれます。加えて、添付する証明書類の有効期間は受付日を基準に判断されるため(手引 PDF p.26)、受付日のずれは書類の有効性にも波及します。

3-4. 同時に出した書類の片方に不備があると、両方が返される

見落とされやすい運用が、審査要領に置かれています(審査要領 PDF p.30)。審査要領は、許可申請書と役員等の変更届を同時に出すときや、更新申請と業種追加の申請を同時に行うときなど、同じ日にそれぞれを受理する場合には証明書の原本を1部出せば足りると定めたうえで、次のただし書きを置いています。

「なお、いずれかの書類に不備があって返却する場合にはいずれの書類も返却し、後日同時に受け付けるものとする。」

前段の「証明書の原本は1部でよい」という便宜の規定については建設業許可の更新費用|5年ごとの法定費用と報酬の目安に譲ります。期間に直結するのは、後段のただし書きのほうです。 2つの書類を同時に出すとき、片方の不備が、もう片方の受付日まで後ろに動かすということです。

これは、更新申請と業種追加を一冊で行う場合や、許可申請と役員等の変更届を同時に出す場合に効いてきます。期限のある手続(たとえば更新の受付期限)が絡むときは、同時提出の相手方の完成度も、自分の期限に影響すると理解しておく必要があります。

3-5. 郵送のときの「受付日」は、資料に定めがない

手引は、郵送での提出も受け付けています(手引 PDF p.16)。

「なお、時間的な余裕がある申請等については郵送による提出も受け付けていますので、上記宛に郵送してください。」

注目していただきたいのは、「時間的な余裕がある申請等については」という条件が付いている点です。手引自身が、郵送を「急ぐ案件向けではない」という位置づけで案内しています。

そして、郵送の場合にいつの時点が受付日になるのか(到達した日か、審査が済んだ日か)について、手引にも審査要領にも定めはありません。 したがって本記事でも断定しません。期限が迫っている案件では、受付日が読めないこと自体がリスクになる、という理解にとどめてください。

3-6. 電子申請と処理期間の関係も、資料には書かれていない

手引には「9 電子申請」という独立した節があり、許可申請や変更届出を電子申請で行うことができる旨が記載されています(手引 PDF p.20)。本記事は書面(窓口へのご持参・郵送)による申請を前提に整理していますが、制度としてその定めがあることは事実です。

ただし——電子申請にすると審査期間が短くなる、といった記述は、手引にも審査要領にも一切ありません。 「電子申請なら早いのでは」という期待の根拠は、少なくともこの2つの資料の中には見当たりません。書いていないことは、本記事でも書きません。

4. 受付から許可までの2か月に、何が起きているのか

③の区間は「待つだけの時間」に見えますが、手引を読むと2系統の調査が並行して動いている期間であることが分かります。ここを理解しておくと、「調査が終わったのになぜ許可が来ないのか」という疑問が解けます。

4-1. 県民局の営業所調査と、本庁の調査は別々に進む

手引は次のように書いています(手引 PDF p.16)。

「また、申請受付後、許可要件の確認のため県民局による営業所調査があります。それとは別に本庁の土木部監理課でも所要の調査を行い、全ての許可要件を充足していると認められると許可されます。」

許可が出るのは「全ての許可要件を充足していると認められた」ときです。 片方の調査が終わっただけでは、そこに到達しません。

系統担当何を見るか
営業所調査所轄の県民局営業所の所在確認(看板・机・電話及びファクシミリ・賃貸借契約書の原本等)、経営を管理した経験、営業所技術者(旧:専任技術者)等の資格、現在の常勤性、財務内容の確認書類(手引 PDF p.17-18)
本庁の調査土木部監理課所要の調査(手引 PDF p.16。内容の内訳は手引に記載がありません)

営業所そのものの要件は自宅を営業所にして建設業許可は取れる?にまとめています。

4-2. ★「半月程度」なのは調査ではなく「実施の連絡」

ここは、多くの記事が言葉を丸めてしまうところです。手引の原文はこうです(手引 PDF p.17)。

「営業所調査については、許可申請受付後、半月程度で所轄の県民局から実施の連絡を行います。」

「半月程度」なのは、実施の連絡までです。 調査が実施されるまででも、調査が完了するまででもありません。連絡を受けたあと、日程を調整して調査が行われることになります。

したがって、「受付から半月で調査が来る」という言い方は、手引の記述より一歩踏み込んでいます。 本記事では、手引が書いているとおり「受付後半月程度で、実施の連絡が来る」とだけ整理します。調査の実施日から許可までに何日かかるかも、手引には書かれていません。

4-3. 営業所調査が早く終わっても、許可は早くならない

手引は、この点を明示的に否定しています(手引 PDF p.16)。

「営業所調査が終わったからといって本庁における調査が終わっているとは限りませんので、仮に営業所調査が申請受付後から間もなく実施されたとしても、許可が早く取得できるということはありません。」

「調査に早く対応すれば早く許可が出る」という期待は、あらかじめ捨てておいたほうが計画を誤りません。 営業所調査への準備を丁寧に行う意味は、時間の短縮ではなく、要件を確認してもらうことにあります。手引は営業所調査について「いずれも確認できるものがなければ、許可を受けることができません」とも書いています(手引 PDF p.17)。早さではなく確認の通過が目的だ、ということです。

なお、当事務所にご依頼いただいた場合、営業所調査の準備確認と同席まで報酬に含めて対応しています。

4-4. 「受付された」=「書類作業が終わった」ではない

もう一点、③の途中で連絡が来ることがあります。手引は、窓口での書面審査は時間が限られているため、受付が済んだ後になってから書類の直しなどを求める連絡を県が改めて入れることがある、と断っています(手引 PDF p.16)。

受付印が押された後にも、訂正の連絡が来る余地が残されているということです。窓口の書面審査は「限られた時間で行う」ものだ、と手引自身が説明しています。

これは期間の観点では、「受付=ゴールではなく、③の途中で往復が発生し得る」ことを意味します。連絡への対応が遅れれば、その分だけ後ろにずれます。申請後も、県からの連絡を受けられる体制(連絡先・担当者)を維持しておく必要があります。

4-5. 審査中は、申請書の控えが手元に残らない

見落とされがちですが、③の期間中の「手元の状態」も決まっています。手引の「申請書類等の返却」の項では、許可申請の場合は提出した6部を県がすべて預かり、許可が出た時点で許可通知書に副本2部を添えて返す、とされています(手引 PDF p.26)。

つまり、許可申請では6部とも預けたままになり、副本2部が返ってくるのは許可の後です。 そのため、申請が受け付けられ審査中であることを示す書類として「受領票」という様式が用意されています(手引 PDF p.15。提出は当日限りなど扱いに条件があります)。受領票の使いどころは建設業許可を取るタイミング|取得を判断する目安で扱っていますので、そちらをご覧ください。

また、受け付けられた書類のうち法令で閲覧対象となっているものは、受付後一定期間、県庁土木部監理課及び所轄県民局で一般の方に無料で閲覧に供されることになっています(手引 PDF p.24)。③は「静かに待つ期間」ではなく、書類が外に開かれている期間でもある、ということです。

5. 期間が延びるのはどこか——時間を失う5つの型

ここからが、期間を左右する実際の話です。③の2か月は縮められませんが、延びることはあります。 手引・審査要領から読み取れる「延び方」を、5つの型に整理します。

なお、どんな不備で止まるのか(不受理・不許可の類型、補正で直せるものと直せないものの線引き)は建設業許可が不許可・不受理になる主な理由が担当しています。本記事では、それぞれが時間にどう効くかだけを扱います。

5-1. 型①|補正——補正が終わるまで、審査は前に進まない

受付後に誤りが見つかった場合、「補正書による補正」を行うことになります(手引 PDF p.20)。補正書と、誤りの部分を補正した正しい書類を各3部提出する運用です(審査要領 PDF p.31)。

時間の観点で押さえるべきは、補正のやり取りに要した日数は、そのまま許可の後ろ倒しになるという単純な事実です。手引の「概ね2か月」は「特に問題がないケース」の目安ですから、補正が発生した時点でその前提から外れます。

5-2. 型②|取下げと再申請——受付日そのものがリセットされる

補正で処理できない場合は、「取下げ願による取下げ」を行い、改めて申請することになります(手引 PDF p.20)。審査要領も、補正箇所が多岐にわたる場合や審査の根幹に関わる事項の修正については、取下げて再度申請するものとしています(審査要領 PDF p.31)。

これは「遅れる」ではなく「やり直す」です。 受付日がリセットされるため、③の2か月もそこから数え直しになります。§5-5 のとおり、書類の有効期間も受付日を基準に判断されるため、取り直しが連鎖することがあります。

5つの型のうち、失う時間が最も大きいのがこの型です。 そして、取下げに至る事由の多くは申請前に潰せるものです。だからこそ、準備段階の精度が期間に直結します。

5-3. 型③|審査の保留——会社側の変更で、時計が止まる

意外に知られていないのが、審査が公式に「保留」になるケースです(審査要領 PDF p.31-32)。

「許可申請を行った際に、申請の受付日から許可を受けるまでの間に役員等や所在地を変更するなど申請内容に変更があった場合は、速やかに県担当者に連絡の上、変更届を提出すること。許可申請の審査については、変更届の審査が完了するまでの間は保留とし、変更届の審査完了後に県担当者が許可申請に当該変更を反映する職権訂正を行った上で審査する。」

役員の交代や事務所の移転を審査期間中に予定していると、その分だけ許可が後ろにずれます。 変更届の審査に何日かかるかは書かれていません。申請書の受領票の様式にも「申請の受付後、許可までの間に役員等の変更があった場合は速やかに監理課まで連絡してください」という注記が入っています(手引 PDF p.29)。

さらに、受付日より前の日付で発生していた変更が審査中に判明した場合は、変更届と業務改善報告書を提出したうえで、許可申請書についても補正書及び訂正書類の提出により修正する、という扱いになります(審査要領 PDF p.32)。手続が3本立てになる分、時間もかかります。

したがって、役員変更や本店・営業所の移転の予定があるなら、申請の前に済ませるか、許可の後に回すかを先に決めておくのが、期間の面では合理的です。

5-4. 型④|本人でなければ訂正できない欄がある——代理人が動けない時間

これは、行政書士に依頼している場合ほど効いてくる論点です。審査要領は、許可申請書などの修正について委任を受け、委任状を出している代理人であれば書類の訂正ができるとする一方で、一定の記載事項については本人以外が訂正することを認めていません(審査要領 PDF p.3)。

対象として挙げられているのは、誓約書の誓約日及び署名、略歴書や調書に記載する現住所(住所)・氏名・生年月日・賞罰・誓約日及び署名といった、本人が自ら記すことに意味がある欄です(審査要領 PDF p.3)。どの様式のどの欄が対象になるかの一覧は建設業許可が不許可・不受理になる主な理由に整理していますので、本記事では時間への影響に絞ります。

これらの欄に補正が必要になると、代理人がその場で直すことができず、本人の対応を待つ時間が発生します。 対象者が複数いる場合や、遠方にいる役員が含まれる場合は、この待ち時間が案外長くなります。しかも §3-3 のとおり窓口の審査は閉鎖の時刻で打ち切られますから、窓口で判明した場合は、その日のうちに受付まで到達できないことがあります。

期間を短くするうえでの含意ははっきりしています。本人でなければ直せない欄こそ、作成の段階で本人に確認しておく。 当事務所でも、これらの様式は最終確認の順序を分けて扱っています。

5-5. 型⑤|証明書の有効期間切れ——「早く集めた」ほうが取り直しになる

期間の話で最も逆説的なのがこれです。添付する証明書類には有効期間があり、その基準日は受付日です(手引 PDF p.26)。

手引の「証明書類の有効期間」の項は、添付する証明書類を、特に指定のない書類であっても受付日の時点で発行後3か月以内のものに限っています。残高証明書はさらに短く、1か月以内の時点の残高を証明したものでなければならず、複数の金融機関の残高証明書を合わせて使う場合には証明日を同じ日付にそろえることまで求められています(いずれも手引 PDF p.26)。

残高証明書の「1か月以内の時点」についても、起算は受付日です。手引は資料編で「残高証明書は、受付日から1か月以内の時点の残高……を証明したものでなければなりません」と定めています(手引 PDF p.150)。

準備が長引くと、先に集めた書類のほうが先に切れます。 そして切れれば取り直しになり、その取得にまた日数がかかります。「早めに全部そろえておこう」という善意の段取りが、かえって期間を延ばすことがあるのはこのためです。

補正との組み合わせも定められています。新規申請について、申請書を持参した際には証明日が1か月以内の時点のものであったが、補正の間に1か月を経過した場合には、その残高の時点が申請時から2か月以内のものに限り認めるとされています(審査要領 PDF p.28)。裏を返せば、補正が長引いて2か月を超えると、残高証明は取り直しです。なお、この取扱いは条文上「新規申請について」「申請書を持参した際には」と限定されているため、他の場面に一般化して読むことはできません。

書類ごとの有効期間と取得の順序は建設業許可を取るタイミング|取得を判断する目安に、残高証明書の段取りは建設業許可の残高証明書はいつ・いくら必要?に整理しています。本記事では、「有効期間があるせいで前倒しできない工程がある」という時間の側面だけを押さえてください。

5-6. 5つの型のまとめ

型何が起きるか時間への影響根拠
① 補正補正書+補正した書類を各3部提出補正が終わるまで審査が進まない手引 PDF p.20/審査要領 PDF p.31
② 取下げ・再申請取下げ願を出し、改めて申請受付日がリセット。③の2か月も数え直し手引 PDF p.20/審査要領 PDF p.31
③ 審査の保留審査中の役員等・所在地の変更で、変更届の審査完了まで保留変更届の審査期間だけ後ろにずれる審査要領 PDF p.31-32
④ 本人待ち誓約日・署名・賞罰等は代理人が訂正できない本人の対応が済むまで補正が完了しない審査要領 PDF p.3
⑤ 有効期間切れ受付日を基準に証明書が切れ、取り直しになる再取得の日数+受付日の後ろ倒し手引 PDF p.26/審査要領 PDF p.28

この表を眺めて分かることは1つです。 ①〜⑤のいずれも、申請してから対処する話ではなく、申請前に潰しておく話だということです。③の2か月に手は入れられませんが、①②④⑤は準備段階の精度でほとんど回避できます。

6. 準備段階のほうが長い——資料に定めがないのは、ここ

§1-1 のとおり、①の準備について手引にも審査要領にも定めはありません。定めがないのは「短いから」ではなく、事案によって幅が大きすぎるからです。実務では、この①が全体の大半を占めることが珍しくありません。

6-1. 準備は3つの工程に分かれる

工程内容時間を決める要素
(1) 要件の構成を決める誰を常勤役員等(経営業務の管理責任者等)にし、誰を営業所技術者にするか。どの業種で申請するか。一般か特定か候補者がいるか。複数の組み方を比較する必要があるか
(2) 裏付け書類の現存確認と収集経験を示す契約書・注文書及び請書、登記事項証明書、社会保険関係書類、資格者証など相手方の協力が必要なものがどれだけあるか。ここが最も読みにくい
(3) 申請書の作成と提出部数の作成各様式の作成、整合性の確認、閲覧用3部+非閲覧用3部=計6部の作成(手引 PDF p.15)作成量と、確認の往復回数

この3工程のうち、(2) が期間を支配します。 (1) と (3) は自社(または依頼先)の作業量の問題ですが、(2) は他人の都合が入るからです。

6-2. 準備が伸びる代表的な要因

  • 前職・取引先からの書類の取り寄せ。 経験の裏付けとなる契約書等を過去の勤務先や取引先から取得する場合、相手方の対応を待つことになります。相手が廃業していれば、代替の立証を組み立てる必要が生じます
  • 事前相談が求められるルートを選ぶ場合。 常勤役員等の経験を「準ずる地位」で組む場合や、常勤役員等+直接に補佐する者の体制で満たす場合は、手引が事前に建設業班に相談することを求めています(手引 PDF p.7・p.65)。この相談を織り込むと、準備工程が1段増えます。詳しくは経営業務の管理責任者がいない場合はどうする?をご覧ください
  • 許可申請の外側にある手続を伴う場合。 役員を新たに迎えるなら役員変更登記、営業所の実体を整えるなら看板の作成や回線の手配、社会保険が未適用なら適用手続——いずれも建設業許可とは別のリードタイムです
  • 財産的基礎を残高証明で満たす場合の資金の手当て。 資金そのものの準備が先行タスクになります

6-3. 「早く動く」と「早く集める」は違う

準備を早く始めることには意味がありますが、書類を早く集めることには意味がない場合があります(§5-5)。整理すると、次のようになります。

前倒ししてよいもの前倒しできないもの
要件の構成を決めること発行から3か月という期限のある証明書の取得
経験の裏付け書類(契約書・注文書等)の現存確認と収集残高証明書(受付日から1か月以内の時点の残高)
営業所の実体を整えること—
社会保険の適用手続—
事前相談が要るルートの相談—

「準備は先、期限のある証明書は後」——これが、①に無駄な往復を作らないための順序です。取得の順序をより細かく設計する方法は建設業許可を取るタイミング|取得を判断する目安に譲ります。

6-4. 行政書士に依頼した場合、①のどこが変わるのか

ご依頼いただいた場合に短くなり得るのは、主に (1) と (3)、そして (2) の「何を集めればよいかを決める時間」です。相手方の返答を待つ時間そのものは、誰が進めても変わりません。

当事務所では、要件の整理から書類の作成、代理申請、営業所調査の準備確認と同席までを承っています。受任後の工程の詳細と、お客様にお願いする作業は建設業許可の申請を行政書士に依頼したら|依頼後の流れにまとめました。費用の全体像は建設業許可の費用はいくら?をご覧ください。金額・期間は案件の内容により変動しますので、事前にお見積りします。

7. 許可日・許可通知書・許可証明書——「いつから許可があるのか」の時間関係

③が終わったあとにも、少しだけ時間の論点があります。「許可が出た」と一口に言っても、許可日・通知書の到達・証明書の取得は別々の出来事だからです。

7-1. 許可年月日は、申請の時点では決まっていない

許可申請書の表紙について、手引はこう書いています(手引 PDF p.28)。

「【左肩の※部分の許可番号及び許可年月日】許可後に岡山県土木部監理課で記載しますので、申請者は何も記載しないでください。」

許可番号と許可年月日は、許可後に県が記載する欄です。 申請の段階では空欄であり、「いつ付けの許可になるか」を申請者側が指定することはできません。手引にも審査要領にも、許可日の決め方(たとえば毎月決まった日に付けられるのか)についての定めは見当たりません。

7-2. 許可通知書は郵送——手元に届くまでにタイムラグがある

許可が出ると、次のようになります(手引 PDF p.19)。

「許可されると、許可通知書及び申請書副本を郵送します。再発行はできませんので、大切に保存してください。」

郵送である以上、許可日と手元に届く日は一致しません。 何日で届くか、どのような発送方法かについては、手引に記載がありません。

また、行政書士が代理申請を正式に行った場合には、県から書類を代理人宛てに発送することができます。この場合の返送は「簡易書留など、追跡できる郵送方法(レターパック等)に限ります」とされており、普通郵便分の切手のみを貼付した封筒では代理人宛てに返送できないと明記されています(手引 PDF p.19)。受け取りの段取りまで含めて決めておくのが、④を短くする方法です。

7-3. 有効期間は「許可日」から5年——取得が遅れれば、次の更新も後ろにずれる

手引は次のとおり定めています(手引 PDF p.21)。

「許可の有効期間は、許可日から5年間です。」

起算日は許可日であり、申請日でも受付日でもありません。 これは期間の記事として重要な含意を持ちます。取得が後ろにずれれば、次の更新の期限も同じだけ後ろにずれるということです。取得が遅れたからといって、次の更新が前倒しでやってくるわけではありません。

一方で、更新には「期間」とは別に「期限」の問題があります。§8 で扱います。

7-4. 許可証明書は、許可通知書とは別に取る書類

許可を受けたことを対外的に示す書類として、許可証明書があります。手引は次のとおり案内しています(手引 PDF p.23-24)。

  • 証明書1通につき手数料 750円(納付済証を様式に貼付)
  • 交付場所は県庁土木部監理課(持参又は郵送)、または主たる営業所所在地を所管する県民局建設部管理課(持参のみ)

ここで注目していただきたいのは、手引自身が取得を抑制している点です。手引は、県内ほとんどの自治体で、許可証明書が入札参加資格審査申請の添付書類から除かれているとして、真に必要かどうかを申請先の自治体のホームページ等で確認するよう求めています(手引 PDF p.23)。

「念のため取っておく」という運用は、手引の側が勧めていません。 提出先が本当に求めているかを先に確認する——これも、無駄な時間を使わないための1つの判断です。許可証明書の1通750円を含む法定費用の内訳は建設業許可の費用はいくら?にまとめています。

8. 新規以外はどう考えるか——更新・追加・般特新規・変更届の時間

「概ね2か月」は新規申請だけの話なのか、というご質問をいただくことがあります。ここも、資料に書いてあることと書いていないことを分けて整理します。

8-1. 手引は「概ね2か月」を申請の種類で書き分けていない

§1-3 に引いた一文は、手引の「(9)許可になるまでの流れ(岡山県知事許可の場合)」という節に置かれています(手引 PDF p.16)。この節は許可申請一般についての記述であり、新規・更新・追加・般特新規で処理期間を書き分けてはいません。 同じページの窓口運用の説明でも「特に、新規、更新、追加、般特新規申請の場合、更に十分な時間的余裕を持ってお越しください」と4種類を並べて扱っています。

したがって本記事では、「手引は申請の種類ごとに異なる期間を定めてはいない」という事実の形で押さえます。「更新は新規より早い」「追加は短い」といった書き分けは、手引にも審査要領にも根拠がありません。

8-2. 更新で問われるのは「期間」ではなく「期限」

更新申請には、新規申請にはない制約が加わります(手引 PDF p.13)。

「(有効期間満了の日の 30 日前までに受付(書類上不備がなく、受付印が押印された状態)する必要があります(建設業法施行規則第5条))。申請は有効期間満了の日の3か月前から可能です。」

「提出できる期間」と「受付を済ませておく期限」は別の概念です。

節目内容
提出できるようになる日有効期間満了の日の3か月前から(手引 PDF p.13・p.21)
受付を済ませておく期限有効期間満了の日の30日前まで(書類上不備がなく、受付印が押印された状態・手引 PDF p.13)
さらに定められている失効ライン既許可年月日から5年目の応当日の前日までに、更新申請に必要となる書類が全て整って受け付けられなければ、許可が失効します(手引 PDF p.155)

ここで §3 の話が効いてきます。「30日前までに受付」の受付とは、書類上不備がなく受付印が押印された状態です。期限の直前に持ち込んで不備で返されれば、受付にはなりません。しかも §3-4 のとおり、同時提出の相手方に不備があっても両方が返されます。

新規申請なら「遅れる」で済むことが、更新では「間に合わない」に変わる——これが更新の時間の特徴です。更新手続そのものの流れと必要書類は建設業許可の更新手続き|流れ・必要書類・注意点、間に合わなかった場合に何が起きるかは建設業許可が失効するとどうなる|更新を忘れたときの影響をご覧ください。

8-3. 更新と業種追加を一冊にするなら、期限がさらに前倒しになる

追加申請または般特新規申請を更新申請と一冊で行う(複数の許可日を一本化する)場合、手引は提出期限として、既存の許可が失効する日の3か月前までに受け付けられる必要があると定めています。3か月を切っている場合には、更新とは別冊で申請書を作成することとされており、この場合、許可日は一本化できません(手引 PDF p.153)。

§8-2 の「3か月前から提出できる」と、この「3か月前までに受付」は方向が逆です。 前者は開始日、後者は締切です。一本化を選ぶなら、実質的に3か月前のその日が勝負になります。許可日を一本化するかどうかの設計そのものは建設業許可の業種追加とは|岡山で許可業種を増やす手続きと要件が扱っています。

8-4. 変更届は「許可」ではないので、2か月の対象ではない

変更届は、許可という処分を求める申請ではありません。したがって「概ね2か月」の対象にもなりません。手引は、書類の返却について次のように書き分けています(手引 PDF p.26)。

「変更届の場合、営業所調査が必要な変更事項があれば、6部とも預かり、調査完了後に副本2部を返却しますが、営業所調査が不要な変更事項であれば、受付後直ちに副本2部を返却します。」

営業所調査が不要な変更事項であれば、その場で副本が戻ってきます。 許可申請(許可が出るまで副本が返らない)とは、手元に残るものが違います。なお、変更届出書を提出する場合、法定手数料は不要です(手引 PDF p.14)。

取得後にどの届出をいつまでに出すのかは建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)に一覧があります。

8-5. ★時間の前に「そもそも受け付けられない」がある

更新・追加を考えるときに、期間よりも先に確認すべきことがあります。手引は、追加・般特新規・更新の各申請について、変更届に提出漏れがあるうちは受付そのものができないと明記しています(手引 PDF p.153)。

同旨は更新申請の注意点にも置かれており、事業年度終了報告等の変更届が法定期限内に提出されていない場合は、更新申請等の受付はできないと定められています(手引 PDF p.155)。

未提出の届出があると、更新や追加の申請はそもそも受け付けられません。 期間の話以前の問題です。しかも、未提出が何年分も溜まっている場合、それを先に片付ける時間が更新の期限の内側で必要になります。

いわゆる決算変更届(岡山県の資料上は「事業年度終了報告」)の中身と毎年の期限は決算変更届(事業年度終了報告)とは|毎年の提出義務と流れ、溜まってしまった場合の対処は決算変更届を出していないとどうなる|未提出が溜まったときの対処にまとめています。

9. 岡山県での手続きと、時間に効く運用

最後に、当日の段取りのうち時間に直接効くものを確認します。

9-1. 提出先は本庁一元——県民局は受付をしない

手引は次のとおり明記しています(手引 PDF p.168)。

「なお、建設業許可申請及び変更届の受付については出先機関ではなく、本庁の土木部監理課建設業班で行っています。」

申請書・変更届の提出先は、岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)です。 「近くの県民局に持って行けばよい」という理解は誤りで、受付は本庁のみです。県民局が担うのは、§4-1 のとおり営業所調査です。申請=本庁、営業所調査=所轄の県民局という役割分担になっています。

移動時間を含めて考えると、県内のどこから提出に向かうかも、当日の窓口時間(§3-3)に影響します。

9-2. 郵送は「時間的な余裕がある申請等」向け

§3-5 で見たとおり、郵送での提出も受け付けられていますが、手引の文言には「時間的な余裕がある申請等については」という条件が付いています(手引 PDF p.16)。急ぐ案件で郵送を選ぶ場合、到達から受付までの日数が読みにくいという不安定さを抱えることになります。

9-3. 法定手数料の納付は、申請の「前工程」

これは当日の動線に直結します。手引は次の順序を定めています(手引 PDF p.14)。

  1. 岡山県手数料等(POS)納付連絡票をホームページから印刷する
  2. 収納専用窓口に持参して支払う
  3. 納付済証を受け取る
  4. 許可申請書の正本非閲覧用の「(様式第1号の)別紙三」に納付済証を貼り付けて提出する

窓口で書類を出しながら支払うのではなく、先に支払ってから提出するという順序です。しかも手引は、提出前の確認事項として「日付の記入、納付済証の貼付等の遺漏がないことを確認し」と書いています(手引 PDF p.16)。納付済証の貼り忘れは、受付が翌日以降に流れる原因になり得ます。

許可申請の種類岡山県知事許可の法定手数料
新規(許可換え含む)・般特新規90,000円
更新・追加50,000円
変更届出書の提出不要
  • 手数料の額は、申請する業種の数とは関係ありません
  • 複数の申請を同時に行う場合は、それぞれの額の合計額になります(例:一般許可更新5万円+一般許可追加5万円=10万円/一般許可追加5万円+特定許可新規9万円=14万円)

(いずれも手引 PDF p.14)

当事務所にご依頼いただく場合、法定手数料は依頼者のご負担ですが、納付は当事務所が代行します。証明書等の実費は当事務所が立て替え、後日精算する扱いです。

9-4. 提出部数は6部——作成そのものが工程になる

申請書は、閲覧用3部(正1、副2)+非閲覧用3部(正1、副2)=計6部を提出します(手引 PDF p.15)。この作成は、申請日の前日までに終わらせておく作業です。「当日に印刷して製本する」という段取りにすると、§3-3 の窓口時間に間に合わなくなります。

9-5. 取得したあとは、期限の管理が時間の問題になる

許可を取得すると、今度はこちらが期限を守る側になります。5年ごとの更新、毎年の事業年度終了報告、都度の変更届——このそれぞれに期限があり、落とすと §8-5 のように次の手続が止まります。

期限の全体像は建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)に整理しました。期限の管理を仕組みにしておきたい場合は、変更届・事業年度終了報告・更新の期限をまとめて管理する顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)をご用意しています。期限管理(いつ何を出すかのご案内)は顧問の範囲、申請の代理実行はスポットの報酬という切り分けです。

よくある質問(FAQ)

Q建設業許可(岡山県知事許可)は、申請してからどれくらいで取得できますか?
A岡山県の手引は「申請が受け付けられてから許可になるまでは、様々な調査やデータ処理を必要としますので、特に問題がないケースで概ね2か月程度かかります」としています(手引 PDF p.16)。ただし、この2か月の起点は申請書が受け付けられた日であり、窓口に持ち込んだ日でも準備を始めた日でもありません。また、許可が出た後に許可通知書が郵送されるため、手元に届くまでにはさらに時間があります(手引 PDF p.19)。準備にどれくらいかかるかについては、手引にも審査要領にも定めがなく、要件の構成や書類の残り方によって大きく変わります。
Q岡山県知事許可の「標準処理期間」は何日と決まっていますか?
A岡山県の「建設業許可の手引」に「標準処理期間」という語は登場せず、日数の定めもありません。期間について書かれているのは「概ね2か月程度」(手引 PDF p.16)と、営業所調査の実施の連絡までの「半月程度」(手引 PDF p.17)の2つだけです。なお「標準処理期間」という語は岡山県の審査要領 PDF p.1 に1回現れますが、それは「国土交通大臣に係る建設業許可の基準及び標準処理期間について」という国土交通省通知の題名の一部であり、大臣許可に関するものです。知事許可の処理日数を定めた規定ではありません。
Q申請書を窓口に持って行けば、その日が「受付日」になりますか?
Aそうなるとは限りません。手引は「許可申請書が提出されると、窓口で書面審査を行います。記載事項に不備がなければ申請は受け付けられます」としており、提出と受付を書き分けています(手引 PDF p.16)。岡山県は事前審査を一切行わず、書類を完全に整えて提出することを求めています。また、11時30分から13時まで、および16時30分から翌開庁日9時までは窓口を閉じるとともに審査を休止し、「原則として、審査の途中であっても窓口閉鎖の時刻をもって審査は終了します」とされています(手引 PDF p.16)。さらに、許可申請と役員等の変更届を同時に出した場合などで、いずれかの書類に不備があって返却するときは、いずれの書類も返却して後日同時に受け付けるものとされています(審査要領 PDF p.30)。時間に余裕を持って臨む必要があります。
Q営業所調査に早く対応すれば、許可も早く出ますか?
A早くはなりません。手引は「営業所調査が終わったからといって本庁における調査が終わっているとは限りませんので、仮に営業所調査が申請受付後から間もなく実施されたとしても、許可が早く取得できるということはありません」と明記しています(手引 PDF p.16)。県民局による営業所調査と、本庁の土木部監理課による調査は別に進み、全ての許可要件を充足していると認められて許可されるという流れだからです。なお「半月程度」とされているのは調査の実施の連絡までであって(手引 PDF p.17)、調査の実施や完了までの期間ではありません。
Q期間が延びるのは、どういうときですか?
A手引・審査要領から読み取れるものとしては、①受付後の補正(補正書と補正した書類を各3部提出・審査要領 PDF p.31)、②補正では処理できず取下げて再申請する場合(受付日がリセットされます・手引 PDF p.20)、③審査中に役員等や所在地の変更があり、変更届の審査完了まで許可申請の審査が保留になる場合(審査要領 PDF p.31-32)、④誓約日・署名・賞罰などの欄は代理人が訂正できず本人の対応を待つ場合(審査要領 PDF p.3)、⑤証明書類の有効期間が受付日を基準に切れ、取り直しになる場合(手引 PDF p.26)——の5つに整理できます。いずれも申請してから対処するものではなく、申請前の準備で回避できる性質のものです。

まとめ

「建設業許可の取得までどれくらいかかるか」は、区間を分けて考えると答えが定まります。

  • 手引に数字があるのは「受付から許可まで、特に問題がないケースで概ね2か月程度」だけ(手引 PDF p.16)。準備・提出から受付まで・許可から通知書の到達までについて、手引にも審査要領にも定めはありません。
  • 「標準処理期間◯日」という日数の定めは、岡山県知事許可について存在しません。 この語は審査要領 PDF p.1 に1回だけ現れますが、それは国土交通省通知の題名の一部で、大臣許可に係るものです。
  • 「概ね2か月」の起算は、提出日ではなく受付日です。岡山県は事前審査を一切行わず、窓口閉鎖の時刻で審査を打ち切ります(手引 PDF p.16)。同時提出の片方に不備があれば両方が返されます(審査要領 PDF p.30)。提出日=受付日にならないことがある、という前提でスケジュールを組んでください。
  • 「半月程度」なのは営業所調査の「実施の連絡」までです(手引 PDF p.17)。調査でも完了でもありません。そして営業所調査が早く終わっても、許可が早くなることはありません(手引 PDF p.16)。
  • 期間が延びるのは5つの型——①補正 ②取下げ・再申請(受付日リセット)③審査の保留 ④本人でなければ訂正できない欄の待ち時間 ⑤証明書の有効期間切れ。いずれも申請後ではなく申請前に手を打つ性質のものです。
  • 実際には、数字が書かれていない準備段階のほうが長くなります。 とりわけ、相手方の協力が要る書類の収集が期間を支配します。一方で、有効期間のある証明書は前倒しできません。準備は先、期限のある証明書は後が原則です。

「うちの場合、どこが一番時間を食いそうか」——この一点は、経歴と手元の書類を一度うかがえば、かなりの精度で見立てが立ちます。要件そのものを満たせるかどうかは建設業許可の6つの要件(取れるか診断)から確認できます。

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