

建設業許可は、取った時点で手続きが終わるわけではありません。許可日を起点に、性格の違う4種類の期限が同時に走り始めます。
- 5年ごと——許可の有効期間は許可日から5年間。更新申請は有効期間満了の日の30日前までに受付を済ませておく必要があります(手引 PDF p.21)
- 毎年——事業年度終了報告(いわゆる決算変更届)を、決算日から4か月以内に提出します(手引 PDF p.22)
- そのつど——許可申請書や添付書類の内容に変更が生じたら、事由ごとに定められた期限内に変更届を出します。2週間以内のものと30日以内のものがあり、事由によって違います(手引 PDF p.22・p.170)。経営業務の管理責任者(経管)や営業所技術者(旧:専任技術者)を欠く状態になった場合は2週間以内です
- 営業している間ずっと——標識(許可票)の掲示、帳簿の備付け、技術者の配置といった、期限ではなく状態として続く義務があります(手引 PDF p.21・p.194・p.203/審査要領 PDF p.5)
そして重要なのは、この4つが独立していないことです。手引は、期限内に出していない届出があると許可の更新・追加申請等はできない旨を明記しています(手引 PDF p.22)。つまり、②と③を落としたまま5年が過ぎると、①の更新申請そのものを受け付けてもらえません。 更新の準備を始めてから発覚しても、そこから何期分もの書類を作るには時間が要ります。
本記事は、岡山県知事許可を前提に「何を・いつまでに・どの様式で出すのか」を一覧できるようにした、取得後手続きの地図です。個々の手続きの進め方や書類の中身までは踏み込まず、建設業許可の更新手続き|流れ・必要書類・注意点、決算変更届(事業年度終了報告)とは|毎年の提出義務と流れといった各論の記事へ振り分けます。
※ 個々の届出の要否・期限の当てはめは、変更の中身や会社の実態によって判断が分かれます。本記事は岡山県知事許可を前提とした一般的な整理であり、特定のケースについて結論を保証するものではありません。期限の計算や様式の選択に迷われた場合は、有資格者(行政書士)または岡山県の担当窓口にご確認ください。
1. 取得後に動き出す4つの期限——全体像
まず、4つの層を1枚の表にします。この表が本記事の骨格で、以降の章はそれぞれの層の詳細です。
| 層 | 何をきっかけに発生するか | いつまでに | 主に使う様式 | 落としたときの帰結 |
|---|---|---|---|---|
| ①5年ごと|更新 | 許可日から5年の有効期間が満了する | 満了日の30日前までに受付(提出できるのは満了日の3か月前から)(手引 PDF p.21・p.13) | 許可申請書一式(様式第1号ほか) | 更新せずに満了すると、改めて新規に許可を取ることになる(手引 PDF p.21) |
| ②毎年|事業年度終了報告 | 事業年度(決算)が終了する | 決算日から4か月以内(手引 PDF p.22) | 表紙/変更届出書〔事業年度終了届用〕(岡山県独自様式)/工事経歴書(様式第2号)ほか | 期限内に出していないと更新・追加申請等の受付ができない(手引 PDF p.22・p.153・p.155) |
| ③そのつど|変更届 | 商号・所在地・役員・経管・営業所技術者・保険加入状況などが変わる | 事由ごとに2週間以内または30日以内(手引 PDF p.170) | 変更届出書(様式第22号の2)を軸に、事由ごとの添付様式 | 同上。加えて監督処分や罰則の対象にもなり得る(手引 PDF p.22) |
| ④ずっと|状態の義務 | 許可を受けて営業していること自体 | 期限ではなく継続して満たす | 標識(様式第28号・第29号)/帳簿(建設業法第40条の3) | 建設業法第40条・第40条の3違反は監督処分基準上指示処分の対象条文に挙げられている(手引 PDF p.203) |
①〜③は「期限を守る」義務、④は「状態を保つ」義務という違いがあります。前者はカレンダーで管理でき、後者は現場の運用で担保するしかありません。
1-1. 手引の並び順と、本記事の対応
岡山県の手引には「Ⅲ 許可取得後の注意事項」という独立した章があり、目次には11項目が並んでいます(手引 PDF p.2)。取得後に何を気にすべきかは、まずこの11項目が公式の答えです。本記事のどの章で扱うかを対応させておきます。
| 手引 Ⅲ章の項目 | 所在(PDF通しページ) | 本記事での扱い |
|---|---|---|
| 1 標識の掲示義務 | p.21・詳細 p.194-197 | §5 |
| 2 技術者の配置義務 | p.21・詳細 p.180-182 | §5(所在を示すに留める) |
| 3 一括下請負(丸投げ)の禁止 | p.21・詳細 p.185-191 | §5(所在を示すに留める) |
| 4 許可の有効期間 | p.21 | §2 |
| 5 変更届出書の提出 | p.22 | §3・§4 |
| 6 廃業届の提出 | p.22-23 | §4-6 |
| 7 建設業法違反(監督処分及び罰則) | p.23・基準 p.200-208 | §4-7(所在を示すに留める) |
| 8 建設業の許可証明書を取りたいとき | p.23-24 | §7 |
| 9 申請書、届出書の閲覧 | p.24 | §6 |
| 10 公共工事への入札参加を希望する場合 | p.24 | §7 |
| 11 事業承継等の認可制度 | p.24 | §7 |
ここで1つ、気づきにくい点があります。 帳簿の備付け(建設業法第40条の3)は、この11項目に入っていません。手引は帳簿について独立した解説を置いておらず、審査要領が営業所の要件を説明する箇所(審査要領 PDF p.5)と、監督処分基準の対象条文の列(手引 PDF p.203)に現れるだけです。「手引の目次に載っている項目だけを追う」と落ちる義務があるということです。この点は §5-2 で扱います。
1-2. 年間のリズムに直すと、こうなります
上の4層を、1年という時間軸に置き直します。
- 毎年必ず来るもの:決算日から4か月以内の事業年度終了報告(②)。これだけは、何も変更がなくても毎年発生します
- 5年に1度来るもの:更新(①)。ただし準備は満了の3か月前から始まるので、実際には「5年目の後半」が動く時期です
- 予測できないもの:変更届(③)。役員の交代、営業所の移転、経管や営業所技術者の退職——いつ起きるか分からないのに、起きたら2週間や30日という短い期限が走ります
- 常に:標識・帳簿・技術者配置(④)
最も事故が起きやすいのは③です。 ①と②はカレンダーに入れておけますが、③は事象が起きて初めて時計が動き出すうえ、社内で「これは届出が要る変更だ」と気づかないまま期限が過ぎることがあります。§4 に全19事由を掲げているのは、「うちの今回の変更は、どれに当たるのか」を先に照合できるようにするためです。
2. 5年ごと|許可の更新
2-1. 期限は二段構えになっている
手引は、有効期間と更新の期限を次のように定めています。まず、許可の有効期間は許可日から5年間です。そのうえで、更新許可申請は有効期間満了の日の30日前までに受付を済ませておく必要があるとされ、根拠として建設業法施行規則第5条が挙げられています。更新申請を提出できるのは有効期間満了の日の3か月前からです。そして、更新許可申請をすることなく有効期間が満了した場合には改めて新規に許可を取得することになるため、期限切れには十分に注意するよう促しています(いずれも手引 PDF p.21)。
ここから、更新に関して押さえるべき日付は3つです。
| 節目 | 日付 | 出典 |
|---|---|---|
| 更新申請を提出できるようになる日 | 有効期間満了の日の3か月前から | 手引 PDF p.21 |
| 更新申請を受付済みにしておく期限 | 有効期間満了の日の30日前まで | 手引 PDF p.21・p.13 |
| 書類が全て整って受け付けられなければ失効する日 | 既許可年月日から5年目の応当日の前日まで | 手引 PDF p.155 |
注意すべきは「受付」という語です。 手引は更新許可申請について「有効期間満了の日の 30 日前までに受付(書類上不備がなく、受付印が押印された状態)する必要があります」と定義しています(手引 PDF p.13)。窓口に持ち込んだ日ではなく、不備がなく受付印が押された日が基準です。岡山県は事前審査を一切行わない運用なので(手引 PDF p.16)、書類を完全に整えたうえで持ち込むことになります。
⚠️ なお、「更新申請さえ出しておけば、審査中に有効期間が過ぎても従前の許可が続く」という趣旨の記載は、手引にも審査要領にもありません。 本記事ではその前提を置かず、上表の日付をそのまま期限として扱います。
2-2. 更新には「前提条件」がある——ここが4層のつながり目
更新でつまずく原因の多くは、更新の書類そのものではなく、それ以前に出していなかった届出です。手引は同じ趣旨を2か所で書いています。手引は「変更届の提出漏れがある場合」という注意書きを立て、事業年度終了報告等の変更届が法定期限内に提出されていない場合、更新申請等の受付はできないとしています。加えて、変更届を提出しないまま変更前の情報で許可を受けた場合には監督処分を受けることになるとして、注意を促しています(いずれも手引 PDF p.155)。
追加申請・般特新規申請についても同じ制約がかかります(手引 PDF p.153)。つまり更新の実務は、「更新の書類を作る」より前に「②と③の抜けを埋める」ところから始まります。 未提出の事業年度終了報告が溜まっている場合の進め方は決算変更届を出していないとどうなる|未提出が溜まったときの対処に、更新そのものの流れと必要書類は建設業許可の更新手続き|流れ・必要書類・注意点に整理しています。
また、更新の際に経管や営業所技術者を交代させる場合は、更新許可申請書とは別に変更届を提出し、変更後の状況で更新申請書を作成するとされています(手引 PDF p.155)。更新申請書の中で変更を済ませる、という順序ではありません。
2-3. 更新に合わせてできること——許可日の一本化には別の期限がある
5年の間に業種追加をしていると、許可日が複数になります。これを更新に合わせて1つにそろえる(有効期間の調整をする)という選択肢がありますが、一本化には更新とは別の期限があります。手引は、追加申請・般特新規申請を更新申請と一冊で行う場合について、「既存の許可が失効する日の3か月前まで」に受け付けられる必要があるとしています(手引 PDF p.153)。
更新の受付期限が満了日の30日前までであるのに対し、一本化の締切はそれよりも手前に来ます。 カレンダー上は、更新の受付期限とは別に、もう1本の締切が先に立っているということです。一本化を選ぶかどうかを更新の直前に考え始めると、その回では選択肢自体が残っていない、ということが起こります。一本化の可否・制約・設計の考え方は本記事では扱いません。 建設業許可の業種追加とは|岡山で許可業種を増やす手続きと要件が本家です。
2-4. 落としたときは、原則どおり新規申請になる
更新をしないまま有効期間が満了すると、改めて新規に許可を取ることになります(手引 PDF p.21)。法定手数料も新規の額(90,000円)になり、更新の額(50,000円)ではありません(手引 PDF p.14)。切れている間は、許可が必要な規模の工事を請け負うことができません。
失効後の扱い、満了直後に新規申請を行う場合の取扱い、経審や入札への波及は建設業許可が失効するとどうなる|更新を忘れたときの影響が本家です。更新1回にいくらかかるかは建設業許可の更新費用|5年ごとの法定費用と報酬の目安をご覧ください。
なお、処分によって許可を「取り消された」場合は、更新を落として失効した場合とは別の話です。取消しには欠格要件との関係があり、経路が違います。許可取消のあと建設業許可を取り直せる?で切り分けています。
3. 毎年|事業年度終了報告(いわゆる決算変更届)
3-1. 呼び方が定まっていない——検索語と資料の語をつなぐ
実務では「決算変更届」「決算報告」などと呼ばれることが多い手続きですが、岡山県の手引・審査要領には「決算変更届」という語は登場しません。 岡山県の資料は次のように呼び分けています。
| 資料上の呼称 | 出所 |
|---|---|
| 事業年度終了報告 | 手引 PDF p.22(見出し) |
| 事業年度終了の変更届出書 | 手引 PDF p.22(本文) |
| 事業年度終了報告書 | 手引 PDF p.122・p.162 |
| 変更届出書〔事業年度終了届用〕 | 手引 PDF p.170(一覧表の列見出し) |
| 事業年度終了に係る変更届出書 | 審査要領 PDF p.8(中表紙) |
岡山県自身が複数の呼び方を使っているため、「正式名称はこれです」と言い切れる状況ではありません。 本記事では以降、手引の見出しに合わせて「事業年度終了報告」と書きます。
3-2. 期限は決算日から4か月以内、毎年
手引は事業年度終了報告を毎年の提出が必要なものと位置づけ、決算日から4か月以内に、事業年度終了の変更届出書を提出することを求めています(手引 PDF p.22)。事業年度終了報告用の中表紙にも「事業年度終了(決算後4か月以内に提出)」と印字されており、根拠条文として法第11条第2項・第3項が示されています(手引 PDF p.32)。変更届の一種として整理されている点は、様式の並びを見ると分かりやすいところです。
⚠️ この4か月という期限について、末日が土曜・日曜・祝日など閉庁日に当たる場合の取扱いは、手引にも審査要領にも定めが見当たりません。「翌開庁日まで延びる」と考えず、余裕を持って出す前提で組んでください。
3-3. 出すもの——様式番号で押さえる
一覧表(手引 PDF p.170)が挙げる提出書類は、法人と個人で次のように分かれます。様式番号まで押さえておくと、社内で「どれが揃っていないか」を照合できます。
| 区分 | 提出書類(様式番号) |
|---|---|
| 共通 | 表紙(変更届出用)/変更届出書〔事業年度終了届用〕(岡山県独自様式・様式番号なし)/工事経歴書(様式第2号)/直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)/使用人数(様式第4号)/健康保険等の加入状況(様式第7号の3・従業員数の変更があった場合のみ)/建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(様式第11号・変更があった場合のみ) |
| 個人に固有 | 貸借対照表 個人用(様式第18号)/損益計算書 個人用(様式第19号) |
| 法人に固有 | 貸借対照表 法人用(様式第15号)/損益計算書・完成工事原価報告書(様式第16号)/株主資本等変動計算書(様式第17号)/注記表(様式第17号の2)/附属明細書(様式第17号の3・資本金の額が1億円超、又は負債の部の合計額が200億円以上の法人のみ)/事業報告書(株式会社のみ)/定款(変更があった場合のみ) |
このほか、事業年度終了報告の中表紙は添付書類として「法人(個人)事業税納付済額証明書」を挙げています(手引 PDF p.32)。中表紙では(1)〜(11)の該当番号を○で囲む形式です。
⛔ 他県の記事でよく見る「決算変更届=様式第22号の2」は、岡山県では誤りです。 事業年度終了報告に使うのは〔事業年度終了届用〕の岡山県独自様式(様式番号なし)であり、様式第22号の2は商号・所在地・資本金・役員等・経管・営業所技術者等の変更に使う様式です(手引 PDF p.170)。
法定手数料は不要です(手引 PDF p.22・p.14)。県に納める費用は発生しません。書類の作成負担だけが毎年発生する、という構造です。
3-4. 取得直後に最も落としやすいケース
審査要領には、新規許可の直後に見落とされやすい取扱いが明記されています。新規の許可申請を出したあと、審査中に新しい決算期を迎えた場合、その決算期の分の事業年度終了報告は、許可が下りてから提出しなければならない、という取扱いです(審査要領 PDF p.32)。同項には「10 月末決算の会社が令和3年 11 月に新規許可申請を行った場合」という具体例まで置かれています。申請時点ではまだ許可を持っていなかった期についても、許可が出たら報告が要るということです。「許可が下りた翌年から」ではありません。取得直後にご相談が多い論点です。
3-5. 溜めるとどうなるか——更新が止まる
前掲のとおり、期限内に出していないと更新・追加申請等の受付ができません(手引 PDF p.22・p.153・p.155)。一方で、遅れた届出そのものの受付については岡山県に別の運用があり、「遅れた届出は所定の手順を踏めば受け付けてもらえる」ことと「遅れたままでは更新申請に進めない」ことは両立します。この二段構えは変更届にも共通するので、§4-7 でまとめて整理します。
なお、業種追加の審査で確認される「許可を受けて継続して営業した実績」は、許可取得後の事業年度終了報告で確認するとされています(審査要領 PDF p.28)。毎年きちんと出しておくことが、将来の業種追加の前提にもなります。
書類の中身と作り方は決算変更届(事業年度終了報告)とは|毎年の提出義務と流れ、何期分も溜まってしまった場合の復旧手順は決算変更届を出していないとどうなる|未提出が溜まったときの対処が本家です。
4. そのつど|変更届——全19事由の提出期限と様式
ここが本記事の中核です。
4-1. 原則——「指定された期限内に」出す
「(1)変更届が必要 許可取得後、許可申請書及び添付書類等の内容に変更が生じた場合は、指定された期限内に変更届出書の提出が必要です(p.166「変更届出事項及び提出書類等一覧表」参照)。」(手引 PDF p.22)
手引はこれに続けて、期限内に出していない届出があると、許可の更新や追加の申請などが受け付けられなくなること、さらに監督処分や罰則の対象にもなることを注意しています(手引 PDF p.22)。
手引の本文が指している「p.166 変更届出事項及び提出書類等一覧表」は紙面ページの表記で、PDFでは p.170 にあたります。この一覧表が、事由ごとの期限と様式を定めた岡山県の一次資料です。
変更届に法定手数料は不要です(手引 PDF p.22・p.14)。提出方法・提出部数・提出場所は許可申請の場合と同じです(手引 PDF p.22)。
4-2. 全19事由の一覧(手引 PDF p.170 より)
一覧表は事由を1〜19に区分し、提出期限を「二週間以内」「三十日以内」「四か月以内」の3列で示しています。下表は、その対応関係と、閲覧用として○が付く主な様式を整理したものです。
| No | 変更届出事項 | 提出期限 | 主な提出書類(閲覧用・様式番号) |
|---|---|---|---|
| 1 | 商号(法人) | 30日以内 | 表紙/変更届出書 一面二面(様式第22号の2) |
| 2 | 名称(個人) | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2 |
| 3 | 営業所の所在地 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2 |
| 4 | 従たる営業所の名称 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2 |
| 5① | 従たる営業所の新設 | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/営業所技術者等一覧表(様式第1号 別紙4)/誓約書(様式第6号)/健康保険等の加入状況(様式第7号の3)/令3条使用人一覧表(様式第11号) |
| 5② | 従たる営業所の廃止 | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙4/様式第7号の3/様式第11号 |
| 6① | 従たる営業所の業種追加 | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙4 |
| 6② | 従たる営業所の業種廃止 | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙4 |
| 7 | 資本金の額 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2 |
| 8① | 役員等の追加・交替 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2/役員等の一覧表(様式第1号 別紙1)/誓約書(様式第6号) |
| 8② | 役員等の削除 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙1 |
| 8③ | 役員等の氏名変更 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙1 |
| 8④ | 役員等の役職変更 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙1 |
| 9 | 建設業法上の代表者変更 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙1(△*13) |
| 10 | 個人事業主の氏名変更 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2 |
| 11 | 支配人の変更 | 30日以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第6号/様式第11号 |
| 12 | 建設業法施行令3条の使用人 | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第6号/様式第11号 |
| 13 | 常勤役員等(経営業務管理責任者等) | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2(+非閲覧用の様式第7号系) |
| 14 | 健康保険等の加入状況 | 2週間以内 | 表紙/様式第7号の3(様式第22号の2 は付きません) |
| 15① | 営業所技術者等(一般) | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙4 |
| 15② | 営業所技術者等(特定) | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙4 |
| 16① | 事業年度終了報告(個人) | 4か月以内 | 表紙/変更届出書〔事業年度終了届用〕(岡山県独自様式)/様式第2号/様式第3号/様式第4号/様式第7号の3(△*12)/様式第11号(△*3)/様式第18号/様式第19号 |
| 16② | 事業年度終了報告(法人) | 4か月以内 | 表紙/〔事業年度終了届用〕/様式第2号/様式第3号/様式第4号/様式第7号の3(△*12)/様式第11号(△*3)/様式第15号/様式第16号/様式第17号/様式第17号の2/様式第17号の3(△*4)/事業報告書(株式会社のみ)/定款(△*3) |
| 17 | 一部の許可業種について営業所技術者等を欠いたとき | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/廃業届(様式第22号の4)/様式第1号 別紙4 |
| 18 | 許可業種の全部廃業 | 30日以内 | 廃業届(様式第22号の4)のみ ※表紙なし・提出は1部だけでよい |
| 19 | 許可業種の一部廃業 | 2週間以内 | 表紙/様式第22号の2/様式第22号の4/様式第1号 別紙4 |
欄外の注(手引 PDF p.170。上表の△印に対応するもののほか、非閲覧用の様式に付く条件も含みます)
- △*1:特定建設業許可業者において、1級の資格者等ではなく、指導監督的実務経験を有する者が特定営業所技術者になる場合に必要
- △*2:営業所技術者等を削除する場合で交替する者がいる場合は様式第8号・資格証明書・社会保険が、交替する者がいない場合は様式第22号の3が必要
- △*3:変更があった場合のみ必要
- △*4:資本金の額が1億円超、又は負債の部の合計額が200億円以上の法人についてのみ必要
- △*5:婚姻等により氏名変更された場合に必要
- △*6:登記事項となっている場合のみ必要
- △*9:株主、出資者に変更があった場合のみ必要
- △*10:追加になる役員(取締役、理事等)分のみ必要。株主、出資者、相談役、顧問のみに該当する場合は不要
- △*12:従業員数の変更があった場合のみ必要
- △*13:2人代表の場合など、いずれの役員も役職名に変更がない場合は添付不要
- △*14:本人が経営業務管理責任者の場合は様式第7号別紙、支配人を置いている場合は様式第12号を提出
- *8(資本金の額):総株主の議決権の100分の5以上を有する株主又は出資の総額の100分の5以上を有する出資者のメンバーにも増減があった場合には、役員等の変更届の提出も併せて必要
提出部数は、一覧表の冒頭注記に次のとおり書かれています。
「提出書類は、①の閲覧用と②の非閲覧用を分けてつづり、それぞれ3部(通常、合計6部)を提出してください。 ③の確認資料はつづらず1部だけ提示してください(確認のみで提出不要)。」(手引 PDF p.170)
4-3. 一覧表を読むときの注意——ここを外すと事故になる
注意①|「30日以内」と「2週間以内」の境目に、直感が効かない
同じ「役員」でも、役員等の追加・交替・削除・氏名変更・役職変更(No.8)は30日以内、建設業法上の代表者変更(No.9)も30日以内です。一方で、令3条の使用人(No.12)、常勤役員等=経管(No.13)、営業所技術者等(No.15)は2週間以内です。許可要件に直結する人(経管・営業所技術者・令3条の使用人)が短い、と覚えるのが実務的です。従たる営業所まわり(No.5・No.6)も2週間以内です。
注意②|No.14「健康保険等の加入状況」だけ、様式第22号の2が付かない
社会保険の加入状況の変更は、表紙と様式第7号の3で行います。変更届出書(様式第22号の2)は付きません。審査要領も「保険の加入状況(事業所整理記号等を含む。)に変更が生じた場合、変更が生じた日から2週間以内に届出が必要である」と定めています(審査要領 PDF p.19)。ただし前回提出済みの様式に記載されている従業員数のみの変更であれば、直後の事業年度終了報告に添付して提出すれば足ります(同)。
注意③|No.18「全部廃業」だけ、表紙が要らず1部でよい
変更届の表紙(手引 PDF p.30)に並んでいる事項は17項目で、そこに「許可業種の全部廃業」はありません。全部廃業は表紙を添付せず、廃業届(様式第22号の4)を1部提出すればよいためです(手引 PDF p.147・p.148。控えが必要な場合は2部提出も可)。「表紙の一覧=変更届出事項の全部」と読むと、この1事由を落とします。
注意④|No.17 と No.19 は別の行、別の事由
「一部の許可業種について営業所技術者等を欠いたとき」(No.17)と「許可業種の一部廃業」(No.19)は、一覧表では別の行です。実務では同時に提出することが多くなりますが(手引 PDF p.146・p.148)、様式の組み合わせも行も別です。1つの手続きとして扱うと様式が足りなくなります。
注意⑤|従たる営業所の「名称変更」は、新設+廃止で処理する
様式第22号の2の記載要領は「従たる営業所の名称を変更する場合には、『3.従たる営業所の新設』により変更後の名称で当該営業所を追加するとともに、『4.従たる営業所の廃止』により変更前の名称の当該営業所を廃止すること」としています(手引 PDF p.138)。一覧表のNo.4(従たる営業所の名称・30日以内)とNo.5(新設・廃止・2週間以内)の関係は、ここで確認しておく必要があります。複数営業所の体制そのものは令3条の使用人とは|複数営業所の建設業許可要件をご覧ください。
4-4. 期限の起算日は「登記した日」ではない
期限を計算するときの起点を間違えると、そもそも遅延しているかどうかの判定が変わります。 審査要領は次のように定めています。
「(2)変更年月日 役員の異動、資本金の増額等、登記事項に係る変更の届出を行う場合には、変更年月日は登記年月日ではなく、役員の就任日等当該事項に関する変更の年月日を記載する。 なお、所在地変更についても原則として同様とするが、登記上の変更日と建設業の営業所機能の移転日が異なる場合は、実際に営業所機能を移転した日を記入する。」(審査要領 PDF p.31)
手引側も、様式第22号の2の注意点として「【『変更年月日』欄】実際の変更年月日を記載してください。登記年月日ではありません」と繰り返しています(手引 PDF p.141)。資本金変更についても「変更年月日は実際に資本金の変更を行った日(登記簿上の変更日)を記載します。登記年月日ではありません」とされています(手引 PDF p.141)。
登記が終わってから数え始めると、すでに期限を過ぎていることがあります。
さらに、起算点が例外的なものが2つあります。
- 株主等(総株主の議決権の100分の5以上を有する株主/出資総額の100分の5以上を出資する者)のメンバーの増減:法人が覚知してから30日以内(手引 PDF p.93)。「変更が生じた日」ではありません。なお、保有株式数(出資額)が動いただけでメンバーに変更がなければ変更届は不要です(同)
- 経管・営業所技術者等でない役員が、高齢・病気の理由により被保佐人に該当した場合:該当した日から2か月以内に役員から退任させて変更届を出せば特段の指導は行わない、2か月を超過した場合は業務改善報告書を徴したうえで受理する(審査要領 PDF p.30)。「2週間・30日・4か月」の3種類だけを見ていると、この期限を取りこぼします
⚠️ 変更届の期限については、末日が閉庁日に当たる場合の取扱い、起算日を初日不算入とするかどうか、郵送の場合に消印日を提出日とみなすかどうか——いずれも手引・審査要領に定めが見当たりません。 期限ぎりぎりで組み立てない、というのが現実的な対応になります。
また、所在地変更に伴って電話番号が変わる場合は、電話番号の変更まで済んでから変更届を提出することとされています(審査要領 PDF p.31)。電話は営業所調査での確認事項だからです。
4-5. 経管・営業所技術者等が欠けたとき——「2週間以内の変更届」か「廃業届」か
一覧表ではNo.13・No.15として2週間以内に並んでいますが、この2つだけは、後任がいるかどうかで手続きそのものが変わります。 手引と審査要領を両方読まないと結論を誤る、本記事で最も注意が要る箇所です。
(a) 後任がいる場合——変更後2週間以内に変更届を提出します。手引は「欠く」状態の範囲を広く取っている点に注意が必要です。退職や死亡だけでなく、毎日出勤できなくなった時点で「欠く」状態に当たるとされ、病気や事故で長期入院するようなケースは、社会保険等の資格がそのまま続いていても「欠く」状態として扱われます(手引 PDF p.22)。
(b) 後任の就任までに空白ができる場合——変更届ではなく廃業届になります。審査要領は、経管・営業所技術者等が死亡や退職で抜けたあと、次の経管・営業所技術者等が就くまでに1日でも空白の期間があれば、経管・営業所技術者等に係る基準を満たさなくなった場合として建設業法第29条第1項第1号に該当し、廃業届を提出しなければならないとしています(審査要領 PDF p.33)。
(c) 経管が入院等で一時的に不在だったことが後から分かった場合——審査要領には緩和の運用があります。交替できる者がいれば業務改善報告書を添えて変更届を提出し、いなければ原則として自主廃業を求められますが、「ただし、不在の期間が2か月未満であれば業務改善報告書を徴した上で営業の継続を認める」とされています(審査要領 PDF p.11-12)。この取扱いは営業所技術者等についても同じです(審査要領 PDF p.11)。
(a)だけを読むと軽く、(b)だけを読むと過度に厳しく見えます。 実際には「後任を用意できているか」「空白ができるか」で分岐する、というのが正確な理解です。人が確保できないときの選択肢は経営業務の管理責任者とは|要件・経験年数・証明方法と営業所技術者がいないと建設業許可は取れない?に整理しています。
なお、退任する役員が経管である場合は必ず経管の変更届も併せて提出すること、営業所技術者等である場合は当該者が会社に常勤の職員として残る必要があること(退職・非常勤化する場合は営業所技術者等の変更届と同時に役員の変更届を受付する)も定められています(審査要領 PDF p.33)。役員変更の届出だけを出して、経管や営業所技術者の届出を忘れる——これが実務で最も多い漏れ方です。手引も「就退任などのあった役員等が経営業務の管理責任者や営業所技術者等でもある場合、忘れずに経営業務の管理責任者又は営業所技術者等の変更届も提出してください」と注意しています(手引 PDF p.143)。
4-6. 廃業届(様式第22号の4)——期限が2種類ある
一覧表のNo.18・No.19に対応するのが廃業届です。手引は次の5つの場合に、30日以内(一部の業種のみを廃業する場合は営業所技術者等の変更届が必要なため2週間以内)の提出を求めています(手引 PDF p.22)。
- 個人で許可を受けていた場合で、当該事業主が死亡したとき
- 法人が合併により消滅したとき
- 法人が破産手続開始の決定により解散したとき
- 法人が合併又は破産手続開始の決定以外の事由により解散したとき
- 許可を受けた建設業を廃止したとき(一部廃業を含む)
⚠️ これを「廃業届が要るのはこの5つだけ」と読むのは誤りです。 手引 PDF p.148 は「許可の要件を満たさなくなったとき」にも30日以内の提出を求めており、手引 PDF p.23 は経管・営業所技術者等を欠いた場合、適切な社会保険への加入を怠った場合、欠格要件に該当した場合について「速やかに廃業届を提出する必要があります」としています。前掲のとおり、審査要領 PDF p.33 は後任就任までに1日でも空白が生じる場合を挙げています。
全部廃業について、提出義務がある者も定められています(手引 PDF p.148)。①事業主の死亡=その相続人/②合併による消滅=その役員であった者/③破産手続開始の決定による解散=その破産管財人/④その他の解散=その清算人/⑤建設業の廃止=建設業者であった個人又は法人の役員です。
そして、廃業届には他の届出にない性質が2つあります。
- 受付後の取下げができません(手引 PDF p.148/審査要領 PDF p.33)。押印が不要になったことに伴い、窓口持参なら持参者の役職名・氏名、郵送なら電話で代表者等に事実確認が行われます(審査要領 PDF p.33)
- 廃業届を出しても、建設業をまったく営めなくなるわけではありません。 手引は「この届を出した後には、建設業を一切営むことができなくなるわけではなく、許可を要しない範囲であれば建設業の営業は可能です」と説明しています(手引 PDF p.148)
4-7. 期限を過ぎてしまったとき——県の運用は二段構え
期限を過ぎた場合の扱いは、手引だけを読むと過度に厳しく見えます。手引には「業務改善報告書」という語が一度も出てこないためです。実際の運用は審査要領にあります。審査要領は、技術者の配置義務違反・変更届の提出遅延・施工金額が5,000万円(建築一式工事の場合は1億円)(税込)未満の無許可営業について、初回の違反であれば業務改善報告書を徴取し、業務の改善を求めるものとすると定めています。ただし、これらに該当するものであっても、特に悪質であると考えられる違反については初回から監督処分の対象とするとしています(いずれも審査要領 PDF p.36)。
さらに、届出の遅延については徴取の基準が示されています。商号・名称、営業所の所在地・業種、資本金額、役員等の氏名(株主等に係るもの及び婚姻等に伴う氏名の変更は除く)、支配人の氏名、令3条の使用人、経管・営業所技術者等の変更、事業年度終了報告について、提出日が法定の提出期限の2倍を超えて遅延した場合に、業務改善報告書の提出を受けたうえで届出を受付する、というものです(審査要領 PDF p.36-37)。
なお、事業年度終了報告の遅延で提出する業務改善報告書には、中身の要求があります。「今後は、建設業法を遵守し、提出遅延を含め二度と同法に違反しない」旨の確約と、実施可能かつ具体的な今後の改善策の記載が求められ、「単に提出遅延に至った理由の報告にとどまるような内容では受け付けない」とされています(審査要領 PDF p.37)。
徴さないことになっている例外も2つあります。
- 株主又は出資者の変更届の提出遅延——株主等に該当した日付の特定が困難であることから、徴さない(審査要領 PDF p.37)
- 健康保険等の加入状況の変更届——変更事由の発生日の把握が困難であること、届出から正式な事業所整理記号が決定するまでに2週間以上要することなどから、徴さない(審査要領 PDF p.37。同旨が p.20 にもあります)
なお、業務改善報告書は正副2部を窓口に提出することとされ、行政書士又はその補助者が持参する場合は委任状の提出が求められます(審査要領 PDF p.37)。
ここで混同してはいけないのが、2つの「受付」が別物だということです。
| どちらの受付か | 遅れているとどうなるか | 出典 |
|---|---|---|
| 遅れた変更届そのものの受付 | 法定期限の2倍を超える遅延なら、業務改善報告書の提出を受けたうえで受付する | 審査要領 PDF p.36-37 |
| 許可申請(更新・追加・般特新規)の受付 | 変更届が法定期限内に出ていない場合は受付できない | 手引 PDF p.153・p.155 |
矛盾ではなく、場面が違います。 「遅れても出せば受け付けてもらえる」とだけ理解しても、「一度でも遅れたら更新できない」とだけ理解しても、どちらも誤りです。正しくは、遅れた届出は所定の手順を踏んで受け付けてもらったうえで、そのあとに許可申請へ進むという順序になります。この二段構えを、未提出が溜まった状態からどう片づけるかという順序の問題として整理したのが決算変更届を出していないとどうなる|未提出が溜まったときの対処です。
なお、監督処分基準上、建設業法第11条・第19条・第40条・第40条の3違反等は指示処分に該当するものとされています(手引 PDF p.203)。同じ基準書に並ぶ営業停止の日数は、談合・贈賄、専任義務違反、一括下請負など別類型の量定です。また、この基準は法律ではなく岡山県が定めた内部基準(平成19年9月11日 監第595号制定・令和5年3月8日一部改正)である点にも留意が必要です。罰則については、手引は「建設業法第 47 条等の罰則の適用により拘禁刑又は罰金刑に処せられる可能性があります」と書くのみで(手引 PDF p.23)、具体的な刑期や罰金額は手引・審査要領のいずれにも記載がありません。本記事でも数値は書きません。
5. 営業している間ずっと|標識・帳簿・配置という状態の義務
①〜③が「期限を守る」義務だったのに対し、ここからは「状態を保つ」義務です。期限がないぶん忘れられやすく、しかも外から見えます。
5-1. 標識(許可票)の掲示
建設業法第40条により、許可を受けたときは店舗および建設工事の現場(元請工事のみ)ごとに標識(許可票)を作成し、公衆の見やすい場所に掲示しておかなければなりません(手引 PDF p.21・p.194)。工事現場への掲示義務を負うのは、発注者から当該建設工事を直接請け負った者に限られます(手引 PDF p.194)。
本記事で押さえておきたいのは、どの様式で、どの大きさのものを掲げるのかです。
| 掲示場所 | 様式 | 寸法 |
|---|---|---|
| 店舗 | 建設業法施行規則 様式第28号(第25条関係) | 35cm以上 × 40cm以上(手引 PDF p.196) |
| 建設工事の現場 | 建設業法施行規則 様式第29号(第25条関係) | 25cm以上 × 35cm以上(手引 PDF p.197) |
取得後の運用で効くのは、次の2点です。
- 許可番号のカッコ内は一般なら「般」、特定なら「特」、ハイフンの後は許可を受けた年度です。更新のたびに切り替わるため「この数字が5年以上前の数字になることはありません」(手引 PDF p.194)。掲示中の許可票から、更新漏れが外から読み取れるということです
- 有効期間が満了した後や廃業の届出を行った後は、従前の許可票の掲示をやめるか、記載事項を速やかに修正しなければなりません(手引 PDF p.195)
また、許可を受けていない者が許可を受けていると誤認されるおそれのある表示をすることは禁止されています(建設業法第40条の2/手引 PDF p.194)。許可を持っている業者が、許可を受けていない業種についても許可があるように表示することも、この禁止の対象に含まれています(同③)。自社サイトの業種表記が該当し得る論点です。なお、「公衆の見やすい場所」の解釈、材質の扱い、デジタルサイネージ等ICT機器による掲示といった掲示そのものの実務は本記事では扱いません。自宅を営業所にして建設業許可は取れる?に整理しています。
5-2. 帳簿の備付け
帳簿の備付け・保存は建設業法第40条の3の義務で、審査要領は営業所の実体的要件を説明するなかで次のように触れています。
「エ 常時契約を締結する場所であること、建設業法第 40 条の3で定める帳簿(契約書を含む。)を保存していること及び営業所技術者等が常駐すること等を踏まえ、そのために必要な程度の什器、備品を備えていること。」(審査要領 PDF p.5)
ただし、岡山県の手引には帳簿についての独立した解説がありません。 手引で第40条の3が現れるのは、監督処分基準の指示処分の対象条文としてのみです(手引 PDF p.203)。したがって記載事項・添付書類・保存期間については、本記事では書きません(手引・審査要領のいずれにも定めがないためです)。実際の運用にあたっては建設業法の条文および国土交通省の資料をご確認ください。
5-3. 技術者の配置義務・一括下請負の禁止(所在の案内に留めます)
この2つは取得後ずっと続く義務ですが、内容が大きいためここでは所在だけ示します。
- 技術者の配置義務:主任技術者又は監理技術者を工事現場に配置します。税込4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上の公共性のある工作物の工事については、着工から竣工まで工事現場ごとに専任でなければなりません(手引 PDF p.21・詳細は p.180-182)。許可を受けた業種については、元請・下請の別や請負金額の多寡を問わず技術者配置の義務があります(手引 PDF p.180)
- 一括下請負(丸投げ)の禁止:契約を分割したり他人の名義を用いたりしても、実態が一括下請負に該当するものは一切禁止です(手引 PDF p.21・詳細は p.185-191)。共同住宅を新築する建設工事は、民間工事であっても全面的に禁止されており、元請と1次下請の契約だけでなく全ての下請契約に及びます(手引 PDF p.185・p.191)
取得後の実務で押さえておきたいのは、この2つが「毎年の書類」から発覚するという点です。 手引は専任義務違反について「事業年度終了報告時に、大きな工事と掛け持ちしていることが分かる例が散見されます」と明記しています(手引 PDF p.181)。審査要領も、工事経歴書の提出時に配置技術者の違反が判明した場合は業務改善報告書を徴したうえで受け付ける、と定めています(審査要領 PDF p.7)。②の毎年の報告と④の日常の運用は、こうしてつながっています。
6. 岡山県での手続き|提出先・部数・手数料
6-1. 提出先は本庁一元——県民局の窓口では受け付けていません
岡山県には所在地ごとに3つの県民局建設部があり、それぞれの担当区域で建設業に関わる事務の一部を担っていますが、許可申請と変更届の受付だけは県民局などの出先機関では行わず、本庁の土木部監理課建設業班に一本化されています(手引 PDF p.168)。県民局の区分けと申請先の関係は異業種から建設業に参入して許可を取るにはでも整理しています。
更新も、事業年度終了報告も、変更届も、提出先は本庁です。 変更届の提出方法・提出部数・提出場所は許可申請の場合と同じ、と手引が定めています(手引 PDF p.22)。
- 岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)
- 窓口受付時間 9:00〜11:30、13:00〜16:30(閉庁日を除く)(手引 PDF p.16)
- 郵送での提出も受け付けられています(送付先は同じ/手引 PDF p.16)
本記事は書面(窓口へのご持参・郵送)による届出を前提に整理していますが、手引には「9 電子申請」の節があり、許可申請や変更届出を電子申請で行うことができるとされています(手引 PDF p.20。ただし事業承継等の認可申請は電子申請では行えません)。
⚠️ 岡山県は事前審査を一切行いません(手引 PDF p.16)。「とりあえず持って行って見てもらう」という進め方ができないため、書類を完全に整えてから提出することになります。
6-2. 部数は6部、表紙が要る
変更届も許可申請と同じく、閲覧用3部(正1・副2)+非閲覧用3部(正1・副2)=計6部を提出します(手引 PDF p.25)。届出内容によっては閲覧用のみ、非閲覧用のみとなる場合があり、その場合は該当する方を3部だけ提出します。岡山県では書類整理のため、申請書および変更届に別途指定する表紙を添付することとされています(同)。
表紙については、次の運用も押さえておくと迷いません。
- 令和7年2月1日以降の提出分から様式が変更されています(手引 PDF p.31)
- 許可日が複数ある場合、表紙に書く許可年月日は「現在有効なもののうち、一番古いもの」(手引 PDF p.31)
- 表紙に限り、訂正に修正液・修正テープを使えます(他の様式は二重線のみ/手引 PDF p.31・p.25)
- 行政書士が書類作成を代行した場合は、作成者氏名欄に行政書士氏名を記載します(手引 PDF p.31)
前掲のとおり、全部廃業だけは表紙が不要で1部の提出です(手引 PDF p.147・p.148)。部数を一律に覚えないでください。
副本が戻ってくるタイミングも、許可申請と変更届で違います。「変更届の場合、営業所調査が必要な変更事項があれば、6部とも預かり、調査完了後に副本2部を返却しますが、営業所調査が不要な変更事項であれば、受付後直ちに副本2部を返却します」(手引 PDF p.26)。営業所の所在地変更のように調査が伴う届出では、副本が手元に戻るまで時間がかかるということです。営業所の変更の場合も確認は必要とされています(手引 PDF p.17)。
6-3. 手数料——変更届は不要、許可申請は業種数と無関係
| 手続き | 法定手数料 |
|---|---|
| 変更届出書(事業年度終了報告を含む) | 不要(手引 PDF p.22・p.14) |
| 新規(許可換え含む)・般特新規 | 90,000円(手引 PDF p.14) |
| 更新・追加 | 50,000円(手引 PDF p.14) |
手数料の額は申請する業種の数とは関係ありません。複数の申請を同時に行う場合は合算で、手引は「一般許可更新5万円+一般許可追加5万円=10 万円」「一般許可追加5万円+特定許可新規9万円=14 万円」といった例を挙げています(手引 PDF p.14)。
納付方法は、岡山県手数料等(POS)納付連絡票をホームページから印刷し、収納専用窓口に持参して支払い、納付済証を許可申請書の正本非閲覧用の「(様式第1号の)別紙三」に貼り付けたうえで提出する、という流れです(手引 PDF p.14)。費用の全体像は建設業許可の費用はいくら?、年額に均した維持費は建設業許可の維持にかかる年間費用をご覧ください。
6-4. 出した後に誤りが見つかったら
既に提出した許可申請や変更届出の内容に誤りがあった場合は「補正書による補正」を行います。誤りの内容が県ホームページで公開されている「補正不可一覧表」に該当する場合は補正ができず、「取下げ願による取下げ」を行うことになります(手引 PDF p.20)。審査要領は、補正書と補正した正しい書類を各3部提出することと、補正書による補正を不可とする主な案件(役員等に欠格要件該当者がある場合など4類型)を定めています(審査要領 PDF p.31)。
6-5. 出した書類は閲覧される
見落とされがちですが、届出書類は公開の対象です。受け付けられた書類のうち法令で閲覧対象とされているものは、受付後の一定期間、県庁の土木部監理課と所轄の県民局で、誰でも無料で閲覧できる状態に置かれます。手引はそのうえで、閲覧用の申請書類等は顧客・取引先・同業者・調査会社など多くの人の目に触れることを前提に作成するよう注意を促しています(手引 PDF p.24)。
閲覧用と非閲覧用に分ける実務は、この閲覧制度があるからです。 元請や金融機関が閲覧して確認することもあり得る、という前提で作成することになります。
7. 許可のその先|経審・入札・事業承継と、期限を落とさない仕組み
7-1. 公共工事に進むなら、許可は3段階の1段目
手引は取得後の注意事項の一つとして、公共工事の入札に参加したい許可業者には、経営事項審査を受けることと、発注する自治体ごとの入札参加資格を得ることの両方が必要になると説明しています(手引 PDF p.24)。許可 → 経営事項審査(経審) → 入札参加資格という順序が決まっているため、上流が遅れると全部が遅れます。そして経審の材料になるのが、②の事業年度終了報告です。毎年の報告を溜めていると、経審の入口で止まります。
また、手引は特定建設業許可取得後の留意事項のなかで、「許可が失効した場合は、その業種については何ら許可を有しない状態となり、経営事項審査も無効となりますので、長期間にわたり入札に参加できなくなる可能性があるなど、大きな影響が想定されます」と述べています(手引 PDF p.12)。①の更新を落とすことは、公共工事の側から見ると経審からやり直しになるということです。
経審の進め方は経審申請を岡山で依頼するなら、公共工事への入り方は公共工事に入りたい|建設業許可が入札参加への第一歩、資格審査そのものは入札参加資格をご覧ください。
7-2. 許可証明書は、取る前に本当に必要か確認する
許可証明書は1通750円で、県庁土木部監理課(持参又は郵送)と主たる営業所所在地を所管する県民局建設部管理課(持参のみ)で交付を受けられます(手引 PDF p.23-24)。ただし手引自身が取得を抑制しています。 手引は、県内ほとんどの自治体で許可証明書が入札参加資格審査申請の添付書類から除かれているとして、真に必要かどうかを申請先の自治体のホームページ等で確認するよう求めています(手引 PDF p.23)。取得にかかる費用の位置づけは建設業許可の費用はいくら?でも扱っています。
なお、許可通知書は再発行できません(手引 PDF p.19)。許可時に許可通知書と申請書副本が郵送されるので、大切に保管してください。
7-3. 事業承継・相続には、更新とは別の時計がある
許可を受けている建設業の事業承継や相続を行う場合、事前の認可を受けることで許可を承継できます(手引 PDF p.24)。認可申請には固有の期限があります。
- 承継の効力が発生する日(譲渡・分割・合併が行われる日)の2か月前までに認可申請書が受付される必要がある(審査要領 PDF p.34)
- 相続は被相続人の死亡後30日以内に申請する(審査要領 PDF p.34)
- 認可申請の日から2か月以内に更新期限が到来する場合は、先に更新許可申請を行い、更新許可が出てから認可申請を行う(認可申請後に更新許可申請を行うことは認めない/審査要領 PDF p.35)
①の更新と、承継の認可がぶつかると順序が決まる——ここは事業承継を検討し始めた段階で確認しておく必要があります。手続きの詳細は別冊「建設業認可申請の手引」に委ねられているため、本記事では期限だけ示します。
なお、個人で許可を取得した後に法人化する場合、法人として改めて新規申請を行う(法人の新規申請と同時に個人許可の廃業届を提出する)方法もありますが、その場合は法人としての建設業許可を受けるまでの間は無許可になります(手引 PDF p.23)。審査要領も、法人成りに伴う個人の廃業届は「法人の新規許可を待たず、廃業届の受理日で許可の取消し処理を行う」としています(審査要領 PDF p.34)。
7-4. 「取ったまま動かさない」ことにもリスクがある
手引は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合等は取消処分の対象になると注意しています(手引 PDF p.23)。ただし「売上が計上されていない=直ちに取消し」ではなく、県は営業の実態を確認したうえで判断する運用を審査要領に置いています(審査要領 PDF p.37)。期限を落としたわけでもないのに許可を失い得る経路という点で他の3層とは性格が異なるため、詳しい取扱いは許可取消のあと建設業許可を取り直せる?に譲ります。取得の時期そのものの判断は建設業許可を取るタイミング|取得を判断する目安、取得の効果と義務の両面は建設業許可のメリット・デメリットをご覧ください。
7-5. 期限を落とさない仕組みをどう作るか
ここまで見てきたとおり、取得後の期限は種類が多く、しかも起算日がばらばらです。決算日から4か月、変更が生じてから2週間または30日、許可日から5年、覚知してから30日——これを社内の記憶だけで管理するのは現実的ではありません。仕組みにする方法は大きく3つです。
| 方法 | 向いているケース | 留意点 |
|---|---|---|
| 社内でカレンダー管理する | 変更が少なく、担当者が固定されている | ③の変更届は事象が起きて初めて時計が動くため、「これは届出が要る変更か」の判断が社内でできる必要がある |
| そのつど専門家に依頼する(スポット) | 変更の頻度が低い | 「届出が必要だと気づく」ところは自社の責任になる |
| 顧問契約で期限ごと預ける | 毎年の報告に加え、役員変更・経審・入札参加資格の更新が発生する | 期限管理(いつ何を出すかのご案内)は顧問の範囲、申請の代理実行はスポットの報酬という切り分けです |
当事務所では顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)をご用意しています。どのプランが合うかは、変更の発生頻度と公共工事に進むかどうかで変わります。年額に換算した比較は建設業許可の維持にかかる年間費用をご覧ください。金額はいずれも税込の目安で、案件の内容により変動します。正確な金額は事前にお見積りします。
よくある質問(FAQ)
まとめ
建設業許可を取った後に走り出す期限は、次の4層に整理できます。
- ①5年ごと|更新——有効期間は許可日から5年。提出できるのは満了日の3か月前から、受付は30日前まで(手引 PDF p.21・p.13)。許可日の一本化を選ぶなら、さらに手前の失効日の3か月前まで(手引 PDF p.153)
- ②毎年|事業年度終了報告——決算日から4か月以内(手引 PDF p.22)。法定手数料は不要ですが、溜めると更新が止まります
- ③そのつど|変更届——事由ごとに2週間以内か30日以内。全19事由の対応は §4-2 の表のとおりです。起算日は登記日ではなく実際の変更年月日(審査要領 PDF p.31)、株主等メンバーの増減だけは覚知から30日(手引 PDF p.93)
- ④ずっと|状態の義務——標識の掲示(店舗=様式第28号/現場=様式第29号)、帳簿の備付け、技術者の配置
そして、この4層は一本につながっています。 ②と③を落としたまま5年目を迎えると、①の更新申請が受け付けられません(手引 PDF p.155)。逆に言えば、毎年の②と、起きたときの③を落とさないことが、5年後の①を守る唯一の方法です。
岡山県固有の運用として押さえておきたいのは、提出先が本庁一元であること(手引 PDF p.168)、事前審査を一切行わないこと(手引 PDF p.16)、提出は原則6部で表紙が要ること(手引 PDF p.25)、そして遅れた届出には業務改善報告書という運用があるが、それは許可申請の受付ができるという意味ではないこと(審査要領 PDF p.36-37/手引 PDF p.153・p.155)の4点です。
「うちは何が抜けているか分からない」という状態でしたら、まず許可通知書と直近の届出控えを手元に集めて、§4-2 の一覧と照らし合わせてみてください。 そのうえで、どこから手を付けるべきかの整理は無料相談でお受けしています。許可の要件そのものを確認したい場合は建設業許可の6つの要件(取れるか診断)からどうぞ。
取得後の手続きの棚卸しは無料相談から
「変更届を出していないかもしれない」「決算変更届が何期分溜まっているか分からない」——現状の棚卸しから、建設業特化の行政書士がご一緒します。初回30〜60分で方向性の見立てまでお伝えします(資料の精査・要件設計・工程表の作成は受任後です)。「役員が代わったが届出が要るか」「決算から5か月経ってしまった」など、まず1問だけ聞きたい方はLINEでどうぞ。無料相談は30秒入力のフォームから。お電話は070-8567-3197。
