

「建設業許可を取ったあと、毎年いくらかかるのですか」——取得費用の見積りをご覧になった方から、次に必ず出てくるご質問です。
結論から申し上げます。建設業許可の維持費は、①毎年出るもの ②数年ごとに出るもの ③変更が起きたときだけ出るもの の3種類でできています。そして、この3つをすべて「1年あたり」に割り直したとき、年額を決定的に左右するのは「公共工事に進むかどうか」の一点です。
民間工事だけで、役員も技術者も動かない会社であれば、毎年出ていくのは事業年度終了報告(いわゆる決算変更届)の費用と、5年に1度の更新費用を年割りした分だけです。ところが公共工事に進むと、経営事項審査(経審)と入札参加資格が加わり、費用の構造そのものが「毎年発生するもの」に変わります。ここが分岐点です。
もう1つ、金額以上に効く事実があります。岡山県に納める法定手数料は、変更届については不要です(岡山県「建設業許可の手引」令和7年9月1日改訂 PDF p.22・p.14)。つまり毎年の維持費の大半は「県に払うお金」ではなく「作成する手間」に対するコストであり、お金がかからない届出ほど後回しにされ、落としたときに一番高くつくという構造になっています。
本記事では、この3種類を1年あたりの金額に揃えたうえで、年額が動く4つの変数(業種数・営業所数・役員や技術者の異動頻度・経審の有無)と、顧問契約とスポット依頼のどちらが自社に合うかの分岐条件を整理します。
※ 本記事の金額はいずれも記事作成時点の税込の目安です。法定手数料は制度改正で変わることがあり、証明書の取得実費や経営事項審査に伴う費用は交付する機関・時点・案件の内容によって異なります。どの費用がいつ・いくら発生するかは事業者ごとの実態で判断が分かれますので、最終判断は有資格者(行政書士)または岡山県の担当窓口にご確認ください。なお本記事は、岡山県知事許可・書面(窓口へのご持参・郵送)による申請を前提に整理しています。
1. 維持費は3種類しかない——「毎年」「数年ごと」「起きたとき」を年額に揃える
維持費の話がかみ合わなくなる原因は、発生する周期がバラバラな支出を、そのまま並べてしまうことにあります。「更新は5年に1度で11万円台」「決算の届出は毎年」「役員が変わったときだけ」——周期が違うものを並べても、1年あたりいくら見ておけばよいのかは出てきません。
そこで本記事では、最初に発生周期で3つに分類し、すべてを「1年あたり」に割り直します。
| 分類 | 何が発生するか | 岡山県に納める法定手数料 | 年額への効き方 |
|---|---|---|---|
| ① 毎年 | 事業年度終了報告(いわゆる決算変更届)。決算日から4か月以内(手引 PDF p.22) | 不要(手引 PDF p.22・p.14) | そのまま年額になる。固定費 |
| ② 数年ごと | 更新(許可日から5年ごと・法定手数料50,000円)/公共工事に進む場合は入札参加資格の更新 | 更新は50,000円(手引 PDF p.14) | 周期で割って年額に換算する。5年に1度なら÷5 |
| ③ 起きたとき | 商号・所在地・資本金・役員等・経管・営業所技術者(旧:専任技術者)等の変更届 | 不要(手引 PDF p.22・p.14) | 発生件数×単価。年ごとに大きく振れる |
そのうえで、公共工事に進む会社にはこの3種類の上に経営事項審査(経審)と入札参加資格が乗ります。これは①に近い「毎年」の性質を持つため、年額を一段押し上げます(§5-1)。
1-1. 「5年でいくら」ではなく「1年でいくら」で見る理由
取得から最初の更新までを積み上げた5年間の総保有コストは、建設業許可の費用はいくら?に積み上げ表として整理しています。本記事はそれを繰り返しません。本記事が扱うのは、そこから先の「1年あたり」です。
なぜ年額で見るのかというと、理由は2つあります。
- 事業計画・資金繰りは年単位で組むから。5年分の総額を見せられても、今期いくら見ておけばよいかは分かりません。
- 年額に揃えて初めて、条件による差が比べられるから。「公共工事に進むかどうか」「役員がどれくらい入れ替わるか」で維持費は何倍にも変わりますが、周期の違う支出を混ぜたままでは比較できません。
1-2. 本記事が扱う範囲・扱わない範囲
はじめに範囲を明確にしておきます。
- 扱う:許可を取得した後に、その許可を維持し続けるために発生する費用(行政書士報酬・法定手数料・実費の構造)。
- 扱わない:新規取得時の費用(→建設業許可の費用はいくら?)、更新1回分の費用設計(→建設業許可の更新費用|5年ごとの法定費用と報酬の目安)、業種を増やすときの費用(→建設業許可の業種追加にかかる費用|追加申請の法定費用と期間【岡山】)、報酬の内訳と見積書の読み方(→建設業許可を行政書士に依頼する費用相場)。
- 取得後に何を・いつまでに出すのかという期限の一覧そのものは、建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)にまとめています。本記事は期限の一覧ではなく、その期限に紐づくお金を扱います。
2. 毎年出るもの|事業年度終了報告(いわゆる決算変更届)
維持費のうち、唯一「毎年、例外なく」発生するのがこれです。
2-1. 資料の中で呼び名が揺れている届出
まず名称の整理からです。世の中ではいわゆる決算変更届(岡山県の資料上は「事業年度終了報告」)と呼ばれますが、岡山県の手引は「事業年度終了報告」(手引 PDF p.22 見出し)、「事業年度終了の変更届出書」(同 本文)、「事業年度終了報告書」(手引 PDF p.122・p.162)といった書き方を併用しており、「決算変更届」という語は手引・審査要領のどちらにも出てきません。検索でたどり着きやすいのは「決算変更届」ですが、県の資料に当たるときは「事業年度終了報告」で探すほうが見つけやすくなります。本記事でも、一次資料を引く文では「事業年度終了報告」に統一します。
2-2. 期限は決算日から4か月以内・法定手数料は不要
手引は、毎年提出が必要な届出として「(2)事業年度終了報告」の項目を設け、決算日から4か月以内に、事業年度終了の変更届出書を提出することが必要であると定めています(手引 PDF p.22)。
そして同じページに、
(5)手数料 変更届には手数料は必要ありません。(手引 PDF p.22)
とあり、手数料一覧のページにも「【変更届出書を提出する場合】手数料は不要です。」と重ねて書かれています(手引 PDF p.14)。
つまり、毎年出ていく現金は「岡山県への手数料」ではありません。発生するのは、作成にかかる手間(自社で行う場合は担当者の工数、ご依頼いただく場合は行政書士報酬)と、添付書類の取得実費だけです。当事務所にご依頼いただく場合の事業年度終了報告の報酬は44,000円(税込目安)で、これが年額の土台になります。
提出書類の中身(工事経歴書・直前3年の工事施工金額・財務諸表・事業報告書・納税証明書など)と作成上のつまずきどころは、決算変更届(事業年度終了報告)とは|毎年の提出義務と流れで扱います。すでに何年分か出していない状態の方は、決算変更届を出していないとどうなる|未提出が溜まったときの対処をご覧ください。
2-3. 毎年出しておくことが、将来の実費を下げる
ここが「費用」の記事として押さえておく価値のある論点です。事業年度終了報告は、単に義務だから出すものではなく、将来の申請コストを下げる資産でもあります。
岡山県の審査要領は、業種追加申請の審査において「許可を受けて継続して営業した実績」を許可取得後の事業年度終了報告で確認を行うと定めています(審査要領 PDF p.28)。そして手引は、更新・追加・般特新規申請の場合、許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績を有する者については残高証明書の添付が不要としています(手引 PDF p.149)。つまり毎年の報告が積み上がっていれば、残高証明書を取り直す実費と、複数の金融機関で証明日を揃える手間が、まるごと発生しないということです。
逆に、報告を溜め込んだ会社は、業種追加や更新のたびに追加の資料を求められる側に回ります。年44,000円を出し渋ることが、数年後に何倍もの費用として返ってくる——これが維持費の実像です。この届出が後の申請の土台になる仕組みそのものは決算変更届(事業年度終了報告)とは|毎年の提出義務と流れの担当です。
2-4. 毎年の報告は「自社点検」の機会でもある
もう1つ、費用の観点から見落とせない側面があります。事業年度終了報告は、県が施工体制の実態を確認する場でもあるということです。手引は技術者の専任義務違反について「事業年度終了報告時に、大きな工事と掛け持ちしていることが分かる例が散見されます」と書いており(手引 PDF p.181)、審査側の運用も同じ方向を向いています(審査要領 PDF p.7)。
つまり工事経歴書は「書けばよい書類」ではなく、書いた内容が施工体制の点検にかかる書類です。ここを軽く扱うと、費用の話を超えて監督処分のリスクに触れます(§8-3)。毎年の作成に相応の手間がかかること自体には、理由があるとご理解ください。
3. 数年ごとに出るものを1年あたりに割る|更新と入札参加資格
次に、周期の長い支出を年額に換算します。
3-1. 更新は5年に1度——年割りするといくらか
許可の有効期間は許可日から5年間です(手引 PDF p.21)。更新の法定手数料は50,000円(手引 PDF p.14)、当事務所の更新報酬は66,000円(税込目安)ですので、1回あたり合計116,000円。これを5年で割ると——
116,000円 ÷ 5年 = 1年あたり 23,200円
これが、更新という「5年に1度のイベント」を年額に均した数字です。毎年の事業年度終了報告44,000円と足せば、変更事項が何もない民間工事専業の会社で、1年あたりおよそ67,200円という土台が出ます(税込目安・証明書の取得実費を除く)。
更新のときに何にいくら要るのか、どういう条件で費用が膨らむのかという1回分の費用設計は、建設業許可の更新費用|5年ごとの法定費用と報酬の目安の担当です。本記事では年割りの数字だけを使います。
なお、更新の提出は有効期間満了の日の3か月前から可能で、満了の日の30日前までに受付を済ませておく必要があります(手引 PDF p.21)。年額としては5年に1度ですが、現金が動くのはこの窓の中という点だけ押さえておいてください。手続きの進め方は建設業許可の更新手続き|流れ・必要書類・注意点、落としてしまった場合に何が起きるかは建設業許可が失効するとどうなる|更新を忘れたときの影響をご覧ください。
3-2. 更新のたびに発生する、見落とされがちな費用——許可票の記載更新
5年ごとの支出には、もう1つ、小さいながら必ず発生するものがあります。標識(いわゆる建設業の許可票)の記載更新です。
手引は許可番号の表示について、カッコ内に一般許可であれば「般」、特定許可であれば「特」と表示され、ハイフンの後には許可を受けた年度が表示されていると説明しています。そのうえで、許可の有効期間は5年間であるため更新のたびにこの年度の数字は切り替わり、この数字が5年以上前の数字になることはないとしています(手引 PDF p.194)。
つまり、更新すれば許可番号の年度部分と許可年月日が変わるため、掲示している許可票の記載も合わせる必要があります。手引は「許可の有効期間が満了した後や、廃業の届出を行った後には、従前から掲示していた許可票の掲示をやめたり、記載事項を速やかに修正しなければなりません」とも明記しています(手引 PDF p.195)。
金額の目安は示せません。手引が「表示事項及びサイズは規定されていますが、材質等については特に規定はありません」「許可を受けた者が自身で作成するもので、特に県から交付しているものではなく、特定の業者を斡旋することもありません」としており(手引 PDF p.194)、一次資料に単価の定めがないためです。年額として押さえておきたいのは金額ではなく、5年ごとに「掲示物を作り替える」支出が必ず発生するという一点です。
掲示義務そのものの内容(掲示場所・様式)は建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)、取得時にはじめて作るときの費用の考え方は建設業許可の費用はいくら?に整理しています。
3-3. 入札参加資格の更新——公共工事に進む場合の「数年ごと」
公共工事に参加する会社では、入札参加資格の更新も「数年ごと」の支出になります。当事務所では入札参加資格更新を2年に1回の業務として設定しており、報酬は33,000円(税込目安)です。年割りすると1年あたり16,500円です。
ただし注意点があります。この「2年に1回」は当事務所の料金表上の設定であって、制度上の周期ではありません。 手引は入札参加資格について「詳しくは、県ホームページ及び入札参加を希望する自治体のホームページ等を確認してください」とするにとどめており(手引 PDF p.24)、岡山県の建設業許可の手引には更新の周期や時期の定めがありません。実際の周期・時期・提出方法は、参加を希望する自治体の案内でご確認いただく必要があります。複数の自治体に登録している会社では、その分だけ手続きが増えます。手続面の全体像は入札参加資格をご覧ください。
4. 起きたときだけ出るもの|変更届は「頻度」が年額を決める
3種類目が変更届です。発生しない年はゼロ、発生する年は積み上がる——年額を最も大きく振らせるのがここです。
4-1. 法定手数料は不要。だからこそ後回しになる
くり返しになりますが、変更届に岡山県への法定手数料はかかりません(手引 PDF p.22・p.14)。「お金がかからないなら急がなくてよい」と受け取られやすいのですが、手引は同じページで釘を刺しています。期限内に届出を出していないと、許可の更新や追加の申請などができなくなるうえ、監督処分や罰則の対象にもなる、という趣旨です(手引 PDF p.22)。
手数料がゼロであることと、放置してよいことは別です。この帰結は §8 で扱います。
4-2. 期限は事由ごとに違う——一覧は全体像の記事へ
変更届の提出期限は、事由によって30日以内・2週間以内・4か月以内の3区分に分かれており、手引の資料編「8 変更届出事項及び提出書類等一覧表」(手引 PDF p.170)にまとめられています。全19事由の一覧と様式番号は建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)の担当ですので、本記事では費用に効く2点だけを挙げます。
① 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)・営業所技術者等が欠けた場合=変更後2週間以内(手引 PDF p.22)。手引は「欠く」状態を広く取っており、退職・死亡だけでなく毎日出勤することができなくなった場合も含むとしています。しかもこの類型は、後任の就任までに空白ができるのか、一時的な不在なのかによって、変更届で済むのか廃業届になるのかまで変わります(審査要領 PDF p.11-12・p.33)。費用の問題ではなく、許可そのものを失うかどうかの問題です。分岐の全体像は建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)をご覧ください。
② 株主(出資者)のメンバー変更=法人が覚知してから30日以内(手引 PDF p.93)。総株主の議決権の100分の5以上を有する株主等として届け出た方に増減等の変更が生じた場合が対象で、保有株式数が動いてもメンバーに変更がなければ届出は不要とされています。起算点が「覚知してから」である点が他と異なります。
4-3. 起算点は登記日ではない——遅延判定に直結する
費用の観点でとくに効くのが、期限の起算点です。審査要領は、登記事項に係る変更の届出について「変更年月日は登記年月日ではなく、役員の就任日等当該事項に関する変更の年月日を記載する」と定めています(審査要領 PDF p.31)。
「登記が終わってから数えればよい」と考えていると、実際にはすでに期限を過ぎているということが起こります。これは後述する「法定の提出期限の2倍」の判定にも直結します(§8-2)。事由ごとの起算点と例外までを整理した一覧は建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)の担当です。
4-4. 変更届の頻度が年額をどう動かすか
当事務所の場合、変更届の報酬は事由によって異なります。役員・その他の変更が22,000円、常勤役員等(経営業務の管理責任者)の変更が33,000円、営業所技術者の変更は資格で証明する場合と実務経験で証明する場合とで金額が変わります(いずれも税込目安)。業務ごとの報酬体系と、なぜ証明方法で金額が変わるのかは建設業許可を行政書士に依頼する費用相場にまとめていますので、本記事では年額への効き方だけを見ます。
- 役員の交替が年1件ある会社:年額に +22,000円
- 経管の交替が発生した年:年額に +33,000円
- 営業所技術者を実務経験で立て直した年:証明する年数に応じて、上記より大きく積み上がる
変更届は「起きるかどうか」ではなく「何件起きるか」で年額が決まります。 役員構成が安定している会社と、毎年のように人の出入りがある会社とでは、同じ許可を持っていても年額が数万円単位で変わります。これが §6 で扱う「変数」の1つです。
5. 公共工事に進むと、維持費は「毎年発生する構造」に変わる
ここからが本記事の中心です。維持費の年額を決定づける最大の分岐は、公共工事に進むかどうかです。
5-1. 許可だけでは公共工事に入れない——2つが上乗せされる
手引は「10 公共工事への入札参加を希望する場合」という項目を設け、許可業者が公共工事の入札に加わるには、経営事項審査を受けていることと、発注者となる自治体の入札参加資格を持っていることの2つが要るとしています(手引 PDF p.24)。許可だけでは足りない、ということです。
つまり、公共工事に進む会社の維持費は、「許可の維持(更新+事業年度終了報告)」+「経営事項審査」+「入札参加資格」の3階建てになります。そして経審に関する業務は、当事務所の料金表でも毎年発生する業務として設定しています。それまで「5年に1度」だった数年周期の支出構造が、毎年発生する構造に置き換わるということです。
公共工事に入るまでの流れそのものは公共工事に入りたい、経審の手続きは経審申請を岡山で依頼するならをご覧ください。
5-2. 経審は「2段構え」——支払先が2か所に分かれる
費用の構造を理解するうえで最も重要なのが、経営事項審査が1つの手続きではなく2段階でできているという点です。
| 段階 | 何をするか | 申請先 | 行政書士報酬とは別に発生するもの |
|---|---|---|---|
| ① 経営状況分析 | 財務内容の分析を申請する | 登録経営状況分析機関 | 分析機関に支払う分析料金 |
| ② 経営規模等評価・総合評定値請求 | ①の結果を添えて経営規模等の評価と総合評定値を請求する | 岡山県 | 県に納める審査手数料 |
支払先が2か所に分かれるのがポイントです。①と②をまとめて「経審の費用」と1本で見積もると、必ずどちらかが抜けます。なお当事務所の報酬は①が33,000円、②が55,000円(いずれも税込目安)で、§6-5 の年額計算にはこの2つを使います。
⚠️ ただし、この分析料金と審査手数料の金額は、岡山県「建設業許可の手引」には一切記載がありません。 手引 PDF p.24 は「詳しくは、県ホームページ…を確認してください」という案内にとどめており、額を示していません(経審の申請そのものは、手引が別のところで「経営事項審査申請の手引」を参照するよう案内している別冊の領域です/手引 PDF p.51)。したがって本記事では金額を断定しません。 具体的な金額は経審申請を岡山で依頼するならおよび無料相談でご案内します。
同じ理由で、経営事項審査の結果通知書の有効期間についても、本記事では断定しません(岡山県の建設業許可の手引・審査要領のいずれにも定めがありません)。受審の周期と、入札に参加できる期間との関係は、参加を希望する自治体の案内でご確認いただく必要があります。
5-3. 事業年度終了報告が、経審のスケジュールを決めている
公共工事に進む会社にとって、事業年度終了報告は「経審の前工程」です。審査要領が「財務諸表が事業年度終了報告の添付資料として提出される」と述べているとおり(審査要領 PDF p.28)、経審で使う財務諸表は事業年度終了報告として提出したものだからです。
ここから、1年のスケジュールの順序が決まります(経営事項審査そのものの手続きは、手引が別に「経営事項審査申請の手引」を参照するよう案内している領域です/手引 PDF p.51)。
- 決算を確定させる
- 決算日から4か月以内に事業年度終了報告を提出する(手引 PDF p.22)
- 経営状況分析を申請する
- 分析結果を添えて経営規模等評価・総合評定値請求を行う
- その結果をもって、各自治体の入札参加資格審査に臨む
この連鎖のどこか1つが遅れると、後ろがすべて遅れます。 そして遅れて困るのは費用ではなく、入札に参加できない期間が生じることです。維持費を「安く抑える」以前に、この連鎖を毎年決まった時期に回せる体制があるかが、公共工事を続ける会社にとっての本当の論点になります。
5-4. 許可を落とすと、経審まで無効になる
公共工事に進む会社が最も重く受け止めるべき記述が、手引にあります。許可がいったん失効すると、その業種については許可を何も持っていないのと同じ状態になり、受けていた経営事項審査まで効力を失うため、長い期間にわたって入札に加われなくなるおそれがあるなど、影響が大きいと手引は注意を促しています(手引 PDF p.12)。
※ この記述は手引の「7 特定建設業許可取得後の留意事項」の中に置かれており、特定建設業の要件(技術力・財務要件)を確保できなくなった場合の話として書かれています。読むときはこの文脈を落とさないでください。
いずれにせよ、公共工事に進んだ会社にとって、更新を落とすことの損害は「新規申請との手数料の差額」では収まりません。経審の積み上げと入札参加資格という、数年かけて作った土台まで巻き添えになります。維持費の年額を判断するとき、この非対称性——年に数万円を惜しんだ結果、入札に参加できない期間が生じるという構造——を必ず織り込んでください。 失効した場合に何が起きるかは建設業許可が失効するとどうなる|更新を忘れたときの影響で詳しく扱います。
5-5. 許可証明書750円——「慣例で取る」をやめるだけで減る支出
公共工事まわりで、支出を減らせる余地がはっきりしている項目が1つあります。許可証明書です。岡山県知事許可業者の許可証明書は1通につき手数料750円(納付済証を様式に貼付)で交付されますが(手引 PDF p.23)、手引自身が、県内ほとんどの自治体で許可証明書が入札参加資格審査申請の添付書類から除かれているため、真に必要かどうかを申請先の自治体のホームページ等で確認するよう注意喚起しています(手引 PDF p.23)。
役所自身が「取る前に必要か確認してください」と書いているわけです。年額に効くのは、入札参加資格の更新のたびに慣例で複数通取得しているケースです。登録している自治体の数だけ通数が増え、それが数年おきに繰り返されます。添付書類として本当に求められているかを確認するだけで、その分の支出はなくなります。交付場所・申請方法・様式の詳細は建設業許可の費用はいくら?に整理しています。
6. 年額が動く4つの変数と、条件別の年額イメージ
ここまでの費目を、自社の条件に当てはめて年額に落とす段階に進みます。年額を動かす変数は4つです。
6-1. 変数①|業種数——法定手数料は増えないが、作成負担と更新回数は動く
まず朗報から。法定手数料の額は、申請する業種の数とは関係ありません(手引 PDF p.14)。1業種でも5業種でも、更新の法定手数料は50,000円です。業種を増やしても、更新の法定手数料の年割りは1円も増えません。
一方で、年額に効く要素が2つあります。
- 事業年度終了報告の作成負担:工事経歴書は許可を受けた業種ごとに作成するため、業種が増えれば毎年の作成量が増えます。
- 許可日が分かれると、更新の回数が増える:許可を取った後で業種追加を行うと許可年月日が複数になり、そのままでは許可日ごとに更新が訪れます。追加申請を更新申請と一冊で行うことで許可日を一本化できますが、これには「既存の許可が失効する日の3か月前まで」という提出期限があります(手引 PDF p.153)。一本化の設計と手順は建設業許可の業種追加とは|岡山で許可業種を増やす手続きと要件の担当ですが、維持費の観点では「許可日がいくつあるか」が更新回数=年額を決めるという点だけ押さえてください。
6-2. 変数②|営業所数——変更届の発生源が増える
手引は、建設業を営む全ての営業所に、許可を受けようとする建設業に関する一定の資格又は経験を持つ技術者を専任で配置することが必要としています(手引 PDF p.8)。従たる営業所を増やすということは、常勤で置き続ける人が増えるということであり、そのまま変更届の発生源が増えるということでもあります。従たる営業所の新設・廃止、そこに置く営業所技術者等や建設業法施行令第3条に規定する使用人(支配人・支店長等)の変更は、いずれも変更届の対象です(手引 PDF p.170)。
さらに、営業所を移転したときには手続きだけでなく調査もあります。手引は営業所調査の項で、賃貸借契約書上で営業活動に利用することが認められている必要があるとしたうえで、「(営業所変更の場合も確認は必要となります。)」と明記しています(手引 PDF p.17)。移転は、変更届の報酬だけでなく、看板・電話・ファクシミリといった営業所の実体を整え直す費用も伴うということです。営業所として認められる条件は自宅を営業所にして建設業許可は取れる?で扱っています。
6-3. 変数③|役員・技術者の異動頻度——最も振れる要素
§4-4 のとおり、変更届は件数がそのまま年額になります。役員の入替えが多い会社、技術者の在籍が流動的な会社は、年によって年額が数万円単位で上下します。
そして異動には、金額以上の論点が伴います。§4-2 のとおり、経管・営業所技術者等の交替は後任の手当ての仕方しだいで手続きそのものが変わります。人の入替えは「事後に届け出る手続き」ではなく「事前に設計する手続き」であり、ここを事後処理でしのごうとすると、費用の話ではなく許可の存続の話になります。
6-4. 変数④|経審の有無——構造そのものを変える
これが最大の変数です。①〜③が数万円のレンジで年額を動かすのに対し、経審の有無は費用の構造そのものを変えます(§5-1)。民間工事専業のままでいるか、公共工事に進むかは、維持費の観点では「別の料金体系に移る」判断だと考えてください。取るか取らないかの判断材料は建設業許可のメリット・デメリットにも整理しています。
6-5. 条件別・1年あたりの年額イメージ
以上を、3つの典型ケースで年額に落とします。すべて当事務所にご依頼いただいた場合の行政書士報酬と法定手数料を合算し、1年あたりに換算した税込の目安です。
| ケース | 内訳(1年あたり) | 年額の目安 |
|---|---|---|
| A:民間工事専業・変更事項なし | 事業年度終了報告 44,000円 + 更新の年割り 23,200円 | およそ 67,200円/年 |
| B:民間工事専業・年1件の役員変更 | A + 変更届(役員・その他)22,000円 | およそ 89,200円/年 |
| C:公共工事あり(経審+入札参加資格) | A + 経営状況分析 33,000円 + 経営規模等評価・総合評定値請求 55,000円 + 入札参加資格更新の年割り 16,500円 | およそ 171,700円/年 |
※ 更新の年割り23,200円=(更新報酬66,000円+法定手数料50,000円)÷5年。入札参加資格更新の年割り16,500円=33,000円÷2年。
※ 新規取得時の費用は含みません(→建設業許可の費用はいくら?)。
※ 証明書の取得実費、経営状況分析機関に支払う分析料金、経営規模等評価・総合評定値請求の審査手数料、許可票の作成費用は含みません。 これらは交付機関・時点・案件により異なります。
※ 表示はすべて税込の目安です。案件の内容(業種数・営業所数・役員数・証明の難易度)により変動します。正確な金額は事前にお見積りします。
この3行を並べると、本記事の結論がそのまま見えてきます。 AとBの差は変更届1件分ですが、AとCの差はおよそ2.5倍です。維持費を見積もるときに最初に決めるべきは「公共工事に進むか」であり、細かい費目の比較はその後ということです。
7. 岡山県での手続き|年額を無駄に増やさないための県固有の運用
同じ許可を維持していても、岡山県の運用を知っているかどうかで年額は変わります。ここは実利のある部分です。
7-1. 提出先は本庁一元——変更届も同じ
建設業許可の申請書・変更届の提出先は、岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)です。窓口受付時間は9:00〜11:30、13:00〜16:30(閉庁日を除く)で、郵送での提出も受け付けられています(手引 PDF p.16)。手引は「建設業許可申請及び変更届の受付については出先機関ではなく、本庁の土木部監理課建設業班で行っています」と明記しています(手引 PDF p.168)。
変更届の提出方法・提出部数・提出場所も、許可申請の場合と同じです(手引 PDF p.22)。「近くの県民局で出せるだろう」という理解は誤りで、往復の交通費と日数を無駄にすることになります。県民局が担うのは、受付後の営業所調査と許可証明書の交付です。
なお、許可申請や変更届出は電子申請でも行うことができるとされています(手引 PDF p.20)。ただし手引には電子申請の具体的な手順やシステムの記載はなく、本記事は書面(窓口へのご持参・郵送)による申請を前提に整理しています。
7-2. 事前審査は一切行わない——「出し直し」が費用になる
手引は次のように明記しています。
事前審査は一切行いません。 正本と副本を必要部数作成し、日付の記入、納付済証の貼付等の遺漏がないことを確認し、書類を完全に整えた上で提出(送付)してください。(手引 PDF p.16)
さらに、11時30分から13時00分まで及び16時30分から翌開庁日の9時00分までの間は窓口を閉じて審査を休止し、原則として、審査の途中であっても窓口閉鎖の時刻をもって審査は終了するとされています(手引 PDF p.16)。
毎年の届出であっても、書類が不完全なら日を改めることになります。 その往復にかかる時間と交通費は、金額表には現れないものの、実際には発生しているコストです。維持費を抑えるとは、単価を下げることではなくやり直しを発生させないことだ、というのが岡山県の運用から導かれる結論です。
7-3. 実費を二重に払わないための3つのルール
変更届や更新に添付する証明書には、実費が発生します。次の3点を知っているかどうかで、取り直しの回数が変わります。
- 有効期限:添付する証明書類は、特に指定がない場合でも受付日において発行から3か月以内のものでなければなりません(手引 PDF p.149)。書類全体の完成が見えてから取るのが、実費を二重に払わないための鉄則です。
- 手続きをまとめると通数が減る:審査要領は、許可申請書と役員等の変更届が同時に提出された場合など、同日にそれぞれを受理する場合においては証明書の原本が1部提出されていれば足りるとしています(審査要領 PDF p.30)。届出を出すタイミングを揃えるだけで、取得通数が減る場面があります。
- 納税証明書は取得先と手数料が年数で変わる:手引は「過去3年分は、各県民局税務部又は各地域事務所で取得可能ですが、それ以前のものについては、各県民局税務部でしか取得することができず、請求方法や手数料も異なります」としています(手引 PDF p.149)。古い年度分が必要になるケースでは、実費が読みにくくなるため、早めの確認が必要です。
なお、各種証明書の1通あたりの交付手数料は、岡山県の手引・審査要領のいずれにも金額の定めがありません。正確な単価は、各交付窓口でご確認ください。
8. 手数料が不要な届出こそ、落とすと一番高くつく
維持費の記事として、最後にお伝えしなければならないのがここです。年額の中で最も大きいのは、実は「落としたときのコスト」です。
8-1. 変更届を出していないと、更新も業種追加もできない
手引は3か所で同じことを述べています。まず、期限内に届出を出していない状態では、許可の更新や追加の申請などができないこと(手引 PDF p.22)。次に、変更届に提出漏れがあると、追加・般特新規・更新のいずれの申請も受付の対象にならないこと(手引 PDF p.153)。そして、事業年度終了報告をはじめとする変更届が法定の期限内に出ていない場合には、更新申請などは受け付けられないこと(手引 PDF p.155)です。
つまり、未提出は「後で出せばよい」ではなく「更新の入口を塞ぐ」という性質を持ちます。しかも更新には「満了の30日前までに受付」という締切があります(手引 PDF p.21)。更新の直前になって未提出が判明すると、限られた期間の中で未提出分をまとめて作ることになり、費用も時間も一度に集中します。
年額で平準化されていたはずの支出が、更新の年に一気に立ち上がる——これが、維持費の見積りが崩れる典型パターンです。溜まってしまった場合の進め方は決算変更届を出していないとどうなる|未提出が溜まったときの対処で扱います。
8-2. 岡山県には「業務改善報告書」という監督処分の手前の運用がある
ここは、手引だけを読んでいると分からない岡山県固有の情報です。手引には「業務改善報告書」という語が一度も出てこないため、手引だけを根拠にすると「期限を落とせばいきなり監督処分」という過大な理解になります。実際には審査要領に、技術者の配置義務違反・変更届の提出遅延・施工金額が5,000万円(建築一式工事の場合は1億円)(税込)未満の無許可営業について、初回の違反については業務改善報告書を徴取し、業務の改善を求める(ただし特に悪質であると考えられる違反は初回から監督処分の対象とする)という定めがあります(審査要領 PDF p.36)。届出については、提出日が法定の提出期限の2倍を超えて遅延した場合に、業務改善報告書の提出を受けた上で届出を受付するとされています(審査要領 PDF p.36-37)。
★ここで、§8-1 の手引の記述と混同しないでください。 手引が「受付はできません」と言っているのは許可申請(更新・追加・般特新規)の受付であり、審査要領が「業務改善報告書の提出を受けた上で受付する」と言っているのは遅れた変更届そのものの受付です。場面が違う規定であって、矛盾ではありません。 片方だけを読むと「出せば受け付けてもらえる」か「絶対に受け付けてもらえない」かのどちらかに偏った理解になります。
費用の観点で押さえておくべきは、遅れると提出物が1点増え、手続きが1段重くなるという一点です。とくに事業年度終了報告の遅延では、業務改善報告書に記載すべき内容についても要求があります(審査要領 PDF p.37)。遅延の類型ごとの扱い(徴取しない例外を含みます)は建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)と決算変更届を出していないとどうなる|未提出が溜まったときの対処に整理しています。
※ 業務改善報告書は岡山県の運用として存在する制度であり、本記事では制度のご紹介にとどめます。
8-3. 監督処分と公表——金額に表れないコスト
変更届の未提出に紐づく監督処分は、指示処分です。監督処分の基準は、建設業法第11条・第19条・第40条・第40条の3違反等について指示処分を行うこととしています(手引 PDF p.203)。
ここで2点、正確に理解しておくべきことがあります。
- この基準は法律ではなく、岡山県の内部基準です(「岡山県建設業者等の不正行為等に対する監督処分の基準」/手引 PDF p.200以降)。全国一律の法定量刑ではありません。同じ基準書に並んでいる営業停止の日数は、虚偽申請や一括下請負など別の類型に対する量定ですので、変更届の遅延に結び付けて読まないでください。
- 処分の内容は公表されます。 手引は「監督処分の内容については、岡山県ホームページで速やかに公表することとする」と定めています(手引 PDF p.208)。
なお、事案によっては監督処分とともに建設業法第47条等の罰則の適用を受ける可能性があるとされています(手引 PDF p.23)。具体的な法定刑(年数・金額)は手引・審査要領のいずれにも記載がないため、本記事では条文の所在を示すにとどめます。
維持費の年額を判断するとき、ここは金額で表せません。 ただ、元請やゼネコンとの取引において公表された処分がどう受け止められるかを考えれば、年に数万円の維持費と天秤にかけられるものではないという判断にはなるはずです。
9. 顧問契約とスポット依頼、どちらが年額として合うか
最後に、同じ年額をどう払うかの設計です。当事務所には、その都度ご依頼いただくスポットのかたちと、顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)があります。
9-1. 3プランの位置づけ
| プラン | 月額(税込) | 位置づけ |
|---|---|---|
| ライト | 5,500円 | 月次相談と期限管理(事業年度終了報告・更新・変更届の期日管理)が中心。申請そのものはご依頼のつどスポットでお引き受けします |
| スタンダード | 11,000円 | ライトの範囲に加え、関与の幅を広げたプラン。含まれる範囲は御社の維持業務の内容に合わせて個別にご案内します |
| フル | 15,000円 | 事業年度終了報告・経審(経営状況分析/経営規模等評価・総合評定値請求)・入札参加資格の更新(2年に1回)・月次相談・期限管理まで、主要な維持業務を定額に含みます |
切り分けの原則は1つです。期限管理(いつ・何を出すべきかのご案内)は顧問契約の範囲、申請の代理実行はスポット報酬。 ただしフルプランだけは、上表のとおり主要な維持業務の実行まで定額に含みます。
※ いずれも行政書士報酬(税込)です。経営状況分析機関に支払う分析料金、経営規模等評価・総合評定値請求の審査手数料、証明書の取得実費、更新の法定手数料は顧問料に含まれず、別途ご負担いただきます。 プランの詳細は顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)をご覧ください。
9-2. どの条件で入れ替わるか——金額ではなく条件で判断する
「顧問とスポット、どちらが安いか」を月額と報酬の単純比較で決めると、判断を誤ります。比べるべきは、御社の条件がどちら側にあるかです。金額そのものの比較は建設業許可の費用はいくら?と建設業許可を行政書士に依頼する費用相場に整理していますので、ここでは入れ替わりの条件だけを示します。
| 御社の条件 | 傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| 民間工事専業・役員も技術者も動かない・毎年の届出だけ | スポットのほうが支出は小さい | 発生する業務が事業年度終了報告と5年に1度の更新だけ。顧問の価値は「期限を落とさないこと」に絞られる |
| 公共工事に進む(経審・入札参加資格あり) | 定額プランが合いやすい | 毎年の業務が3〜4本になり、しかも§5-3 の連鎖でスケジュールが噛み合う必要がある。年額の見通しを固定できる意味が大きい |
| 役員・技術者の入替えが読めない | 定額プランが合いやすい | 変更届の件数が年ごとに振れる。振れ幅を平準化できる |
| 過去に届出を落としたことがある/担当者が不在 | 期限管理を外に出す価値が大きい | §8-1 のとおり、未提出は更新の入口を塞ぐ。落としたときの損失が、月額の差を大きく上回る |
| 複数の許可日がある/複数の営業所がある | 期限管理を外に出す価値が大きい | 管理すべき期日が増え、社内カレンダーだけでは追いきれなくなる |
要するに、判断軸は「単価」ではなく「発生本数」と「落とすリスク」です。 発生本数が少なく、社内で期限をきちんと追える会社であればスポットで足ります。発生本数が増える会社、あるいは期限を追う担当者を置けない会社では、定額にして期限管理ごと預けるほうが、年額の予測可能性という意味で合理的になります。
どちらが御社に合うかは、業種数・営業所数・役員構成・公共工事の有無をお伺いすれば整理できます。取得のタイミングから維持まで通して設計したい方は建設業許可を取るタイミングもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
まとめ
建設業許可の維持費は、①毎年 ②数年ごと ③起きたときの3種類に分けて、すべて1年あたりに換算すると見通しが立ちます。
- ①毎年=事業年度終了報告(いわゆる決算変更届)。決算日から4か月以内(手引 PDF p.22)。岡山県への法定手数料は不要(手引 PDF p.22・p.14)。当事務所の報酬は44,000円(税込目安)。
- ②数年ごと=更新(許可日から5年・法定手数料50,000円+報酬66,000円)。年割りすると1年あたり23,200円。加えて、更新のたびに許可票の記載を修正する必要があります(手引 PDF p.194・p.195)。
- ③起きたとき=変更届。手数料は不要ですが、件数がそのまま年額になります。期限の起算点は登記日ではなく実際の変更年月日(審査要領 PDF p.31)。
そして、年額を決定づけるのは「公共工事に進むかどうか」です。手引は、公共工事の入札参加には経営事項審査の受審と発注自治体の入札参加資格が必要としており(手引 PDF p.24)、これが加わると費用は毎年発生する構造に変わります。経審は経営状況分析と経営規模等評価・総合評定値請求の2段構えで、支払先も2か所に分かれます(分析料金・審査手数料の額は手引に記載がないため、本記事では断定していません)。しかも許可が失効すれば経営事項審査も無効になります(手引 PDF p.12)。
条件別の年額イメージは、民間工事専業・変更なしでおよそ67,200円/年、年1件の役員変更が加わって89,200円/年、公共工事に進むと171,700円/年(いずれも税込目安・新規取得費用と実費を除く)。細かい費目を比べる前に、まず「公共工事に進むか」を決めることが、維持費の設計そのものです。
最後に、年額の中で最も大きいのは、落としたときのコストです。変更届や事業年度終了報告を期限内に出していないと更新・追加申請等の受付ができず(手引 PDF p.22・p.153・p.155)、更新期に費用と作業が集中します。岡山県には法定期限の2倍を超えた遅延について業務改善報告書を徴して届出を受け付ける運用があり(審査要領 PDF p.36-37)、監督処分の内容は県ホームページで公表されます(手引 PDF p.208)。手数料が不要な届出こそ、落としたときに最も高くつく——これが維持費の本質です。
御社の年額がいくらになるかは、業種数・営業所数・役員構成・公共工事の有無で決まります。まずは現状を棚卸しするところからご相談ください。許可の要件そのものは建設業許可の6つの要件(取れるか診断)から確認できます。
「うちは1年あたりいくらか」のご相談は無料相談から
「うちは1年あたりいくら見ておけばよいか」を、業種数・営業所数・役員構成・公共工事の有無から、建設業特化の行政書士がその場で整理します(初回30〜60分で方向性の見立てまで。資料の精査・要件設計・工程表の作成は受任後に行います)。「決算変更届を何年か出していないかもしれない」「経審まで進むといくら増えるのか」など、まず1問だけ聞きたい方はLINEでどうぞ。無料相談は30秒入力のフォームから。お電話は070-8567-3197。
