岡山県で建設業許可を取るとき、最初にやることは書類集めではありません。確認する順番を決めることです。順番は5つ。①その工事に許可が要るか →②どの許可を取るのか →③6つの要件を満たせるか →④岡山県の窓口にどう出すか →⑤いくらかかるか。このページはその5つをつなぐ案内役で、各論は個別の記事に譲ります。
※ 許可の可否や要件の充足は、事業の実態・契約の形態・証明資料の揃い方によって判断が分かれます。本記事は岡山県「建設業許可の手引」(令和7年9月1日改訂)に基づく一般的な整理であり、最終判断は有資格者(行政書士)にご確認ください。金額・期間は記事作成時点の目安で、制度改正や案件内容によって変動します。
① その工事に許可が要るかを、先に確かめる
許可を受けていなくても請け負えるのは「軽微な建設工事」だけです。建築一式工事は「1,500万円に満たない工事」または「延べ面積が150㎡に満たない木造住宅工事」、その他の工事は「500万円に満たない工事」が該当します。いずれも税込で見て、注文者や元請業者から材料の支給を受けたときはその材料費も足します(手引 PDF p.5)。
迷いやすいのは、支給材料の評価、契約を分けた場合の合算、建築一式の2つの基準の読み方です。判定は軽微な工事(500万円未満)とは?、すでに超えて請け負ってしまった場合は無許可で500万円以上を受注してしまったら、元請から求められている場合は元請から建設業許可を求められたらへ。
② 何の許可を取るのかを整理する
②で決めることは3つあります。知事許可か大臣許可かは、営業所を置く都道府県の数で決まります。県内にのみ置くなら岡山県知事許可、複数の都道府県に設けるなら国土交通大臣許可です(手引 PDF p.6)。一般か特定かは、元請として受けた1件の工事で下請に出す額の総額で決まり、一般建設業で出せるのは税込で合計5,000万円未満(建築一式工事は8,000万円未満)までです(同 PDF p.6)。
業種は29種類あり、工事の種類ごとに受けます。「リフォーム工事」という業種は無く、施工する中身で選びます(同 PDF p.5)。3つは別々の軸で、1つ決まっても残りは決まりません。
③ 6つの要件を、どこから確認するか
要件は6つです。このうち①経営業務の管理責任者(以下「経管」)、②営業所技術者(旧:専任技術者)、④財産的基礎の3つは、過去の事実を資料でさかのぼって証明するため、確認に時間がかかります。まずこの3つで当たりを付けてください。
| 要件 | 最初に見るところ | 詳しく読む |
|---|---|---|
| ①経管 | 経営経験が通算5年以上あるか(手引 PDF p.7)。県民局調査で契約書等の現物を確認されるため、書類の残り方が要(審査要領 PDF p.10) | 経管とは/経管がいない場合 |
| ②営業所技術者 | 資格で通すか実務経験で通すか(手引 PDF p.9・p.164) | 実務経験10年の証明 |
| ③誠実性 | 不正・不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと(同 PDF p.9) | — |
| ④財産的基礎 | 500万円の資金調達能力・自己資本500万円・許可を受けて5年続けた営業実績のいずれかで立てる(同 PDF p.9・p.10) | 財産的要件と残高証明 |
| ⑤欠格要件 | 拘禁刑以上の刑、許可取消しから5年など。役員等・支配人まで確認(同 PDF p.10) | — |
| ⑥社会保険 | 健康保険・厚生年金保険・雇用保険の届出が済んでいるか(同 PDF p.8) | — |
6要件の全体像とセルフ診断は建設業許可の6つの要件、そろえる書類は建設業許可の必要書類一覧にあります。
④ 岡山県では、どこへどう出すか
岡山県知事許可は、申請書も変更届も岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)だけが受け付けます(手引 PDF p.16)。備前・備中・美作の県民局には出せません——受付は出先機関ではなく本庁で行うと手引が明記しています(同 PDF p.168)。窓口のほか、郵送でも電子申請でも提出できます(同 PDF p.16・p.20)。
岡山県は事前審査を一切行いませんので、書類を完全に整えてから出します(同 PDF p.16)。
受付から半月程度で所轄の県民局から営業所調査の実施連絡が入り(同 PDF p.17)、許可までは、特に問題がないケースで受付から概ね2か月程度が目安です(同 PDF p.16)。起点は提出日ではなく受け付けられた日で、その手前の資料集めと書類作成の期間は含みません。
営業所調査で何を見られるのかは岡山市の建設業許可・倉敷市の建設業許可にまとめています。
⑤ 費用——法定手数料は先に納める
岡山県知事許可の法定手数料は、新規(許可換えを含む)・般特新規が90,000円、更新・追加が50,000円で、額は申請する業種の数とは関係ありません(手引 PDF p.14)。額は記事作成時点の目安です。窓口・郵送の場合、納付は申請前に済ませ、受け取った納付済証を申請書に貼って提出します(同 PDF p.14)。
これに、証明書の実費と、行政書士に依頼するなら報酬が乗ります。内訳と総額の目安は建設業許可の費用と期間、見積書のどこで金額が動くのかは建設業許可の行政書士報酬にまとめています。
当事務所の行政書士報酬は、岡山県知事許可の新規で法人132,000円、個人110,000円(いずれも税込の目安)。業務範囲と報酬額は着手前に書面でお見積りし、金額が動きうる条件と加算額も同時にお示しします。
許可を取ったあとに続くこと
事業年度終了報告(決算変更届)は決算日から4か月以内に毎年出します。期限内の提出を怠ると更新・追加の申請ができず、監督処分や罰則の対象にもなります(手引 PDF p.22)。許可の有効期間は5年間で、更新は満了日の30日前までに受付を済ませておく必要があり、更新しないまま満了すると改めて新規で取り直しになります(同 PDF p.21・p.13)。
許可を取っただけで公共工事の入札に参加できるわけではありません。経営事項審査と、発注する自治体ごとの入札参加資格が別に要ります(同 PDF p.24)。→ 公共工事に入りたい/経審申請を岡山で依頼するなら
ご依頼いただいた場合にお引き受けする範囲
当事務所は建設業を専門にしています(行政書士登録番号 第20300974号)。お引き受けする範囲は次のとおりです。
- 要件をどの資料で立証するかの設計と、集める順番の組み立て
- 申請書一式の作成、法定手数料の納付手順のご案内、県庁6階への提出、受付後の連絡対応と営業所調査の準備
- 許可後の事業年度終了報告・更新・変更届(別契約)
資料が揃っていない場合も、契約書・注文書の原本や通帳の入金記録など、代替となり得るものが残っていないか一緒に洗い出します。ただし営業所調査は原本での確認が前提のため(手引 PDF p.17)、原本が出てこない限り許可には至らず、取得をお約束するものではありません。
よくある質問
Q1. ①〜⑤のうち、どれから手を付ければよいですか。
①要否と②区分はその日のうちに判断できますが、③の経管・営業所技術者・財産的基礎は過去の資料をさかのぼるため最も時間がかかります。まずこの3つで当たりを付けてください。
Q2. ①〜⑤を全部そろえてから相談したほうがよいですか。
いいえ。③の3つ(経管・営業所技術者・財産的基礎)に当たりが付いた段階が、いちばん手戻りが少ない相談のタイミングです。ここが立たなければ、④以降の準備は動かせません。
まとめ
- 出す前に整えきる。岡山県は事前審査を行いません。
- ④の出し方と⑤の費用は、書類を作り始める前に決めておく。
- 要件は①経管・②営業所技術者・④財産的基礎の3つが律速。
- 迷ったら要件の見立てだけでもご相談ください。
ご相談はこちらから
- 無料相談(30秒入力のフォーム):要件の見立てだけでも承ります → お問い合わせ
- LINEで質問:手元の資料を写真で送っていただけます → LINEでどうぞ
- お電話でのご相談:070-8567-3197
- サービスのご案内:建設業許可サービス/維持は顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)
