

建設業許可に「設立から何年経っていること」という要件はありません。 岡山県の「建設業許可の手引」が掲げる一般建設業の許可要件は、経営業務の管理を適正に行うに足りる能力(常勤役員等+適切な社会保険)・営業所技術者等(旧:専任技術者)の配置・誠実性・財産的基礎・欠格要件に該当しないこと、です(手引 PDF p.7-10)。営業年数・売上・工事実績を求める条文はどこにもありません。
実際、手引には新設法人を前提とした記載要領がまとめて置かれています。「Ⅴ 申請のパターン別注意点/1 新規申請の注意点」では、工事実績がない場合の工事経歴書の作り方、決算を迎えていない会社の財務諸表の書き方(「創業時の状況を記載してください(通常は資本金に関する記載のみとなります)」)、課税されていない場合の納税証明書の取り方まで、具体的に指示されています(手引 PDF p.152)。制度の側が、決算未到来の会社が申請してくることを織り込んでいるということです。
では、新設法人は実際どこで詰まるのか。論点は次の3つに絞られます。
- 財産的基礎をどう示すか——決算がまだないので、確認は「創業時の財務諸表」で行われます(手引 PDF p.10)。資本金の設計で示すか、残高証明書で示すかの分岐がここで生まれます。
- 設立以前の経験を、誰が証明するか——法人は設立以前の内容を証明できません(手引 PDF p.59・p.82)。経営業務の管理責任者(経管)も営業所技術者も、経験は前職や個人事業時代のものを持ち込むことになるため、証明者は必ず社外になります。
- 社会保険をいつ整えるか——適切な社会保険への加入は許可要件そのものです(手引 PDF p.8)。設立直後は加入手続きの最中であることが多く、岡山県はこの状況についての取扱いを審査要領に明記しています(審査要領 PDF p.20)。
この3つは、いずれも設立の前後に手を打っておけば大きく前倒しできる論点です。逆に、設立を済ませてから相談すると、資本金の額や社会保険の加入時期が「もう動かせない前提」になってしまいます。本記事では、岡山県で建設業に特化する行政書士が、新設法人が実際に当たる関門と、設立から申請までの逆算の組み立て方を、手引・審査要領の記載に沿って整理します。
※ 建設業許可の要件充足は、会社ごとの経歴・組織・書類の残り方という個別の実態によって判断が分かれます。本記事は岡山県知事許可・一般建設業を前提とした一般的な整理であり、特定の会社について結論を保証するものではありません。最終判断は有資格者(行政書士)または岡山県の担当窓口にご確認ください。
1. 「決算がまだ来ていない」は不許可の理由にならない——要件は設立年数と無関係
1-1. 一般建設業の許可要件に「営業年数」は入っていない
まず前提を確認します。岡山県の手引が掲げる一般建設業の許可要件は次のとおりです(手引 PDF p.7-10)。
| # | 要件 | 手引の該当箇所 |
|---|---|---|
| ① | 建設業に関し経営業務の管理経験等を有する常勤役員等を置くこと | PDF p.7 |
| ② | 適切な社会保険に加入していること | PDF p.8 |
| ③ | 営業所ごとに営業所技術者等(旧:専任技術者)を専任で配置すること | PDF p.8-9 |
| ④ | 誠実性——請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと | PDF p.9 |
| ⑤ | 財産的基礎——請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有すること | PDF p.9-10 |
| ⑥ | 欠格要件に該当しないこと(建設業法第8条各号) | PDF p.10 |
このどこにも、設立からの経過年数・売上高・完成工事高の下限はありません。 6要件全体の読み方と自社診断は建設業許可の6つの要件|自社が取れるか診断にまとめていますので、そちらを起点にしてください。本記事はこの6要件のうち、新設法人だからこそ形が変わる部分だけを扱います。
1-2. 手引には「新規設立法人等」向けの記載要領が用意されている
制度が新設法人を想定していることは、手引の構成からも読み取れます。「Ⅴ 申請のパターン別注意点/1 新規申請の注意点」(手引 PDF p.152)には、次の指示が並んでいます。
- 様式第2号(工事経歴書)、様式第3号(直前3年の各事業年度における工事施工金額):「新規設立法人等で工事実績がない場合でも申請する業種ごとにその旨記載した帳票の添付が必ず必要です。実績のない工事については、1枚(1列)にまとめて作成しても構いません。」
- 財務諸表:「新規設立法人等で決算を迎えていない場合でも添付が必要です。創業時の状況を記載してください(通常は資本金に関する記載のみとなります)。」
- 納税証明書:「新設法人等で課税されていない場合は『決算未到来につき課税なし』等記載した証明書を(中略)添付してください。」
つまり、「実績がない」「決算が来ていない」「課税されていない」という状態そのものが、申請を止める事情としては扱われていません。それぞれに、その状態のまま書類を整える方法が指定されています。
1-3. それでも新設法人が詰まる場所は決まっている
一方で、新設法人が実際につまずく場所ははっきりしています。要件そのものではなく、「要件を満たしていることの示し方」がすべて社外に依存するという構造です。
| 詰まりどころ | なぜ新設法人だけ形が変わるのか |
|---|---|
| 財産的基礎 | 直近の決算がないため、創業時の財務諸表による確認になる(手引 PDF p.10) |
| 経管の経験 | 経験は必ず設立前のもの。法人は設立以前の内容を証明できない(手引 PDF p.59) |
| 営業所技術者の実務経験 | 同上。しかも実務経験証明書の場合、倒産等で当時の使用者から証明を受けられなければ同業他者2者の証明が必要(手引 PDF p.82) |
| 社会保険 | 会社としての加入手続きが申請直前に走っている。番号が未確定になりやすい(審査要領 PDF p.20) |
| 補佐者体制(ロ要件) | 補佐する者の業務経験は「申請事業者における経験に限られる」ため、自社に蓄積がない会社では成立しない(手引 PDF p.65) |
順に見ていきます。
先に言っておきたいこと:この5つのうち4つは、設立前に相談していれば設計できたものです。資本金をいくらにするか、誰を取締役として登記するか、社会保険の適用届をいつ出すか——これらは設立の意思決定と同時に決まってしまいます。すでに設立済みでも打つ手はありますが、選択肢の幅は設立前のほうが広いことは事実です。
2. 財産的基礎|新設法人は「創業時の財務諸表」で確認される
2-1. 一般建設業の財産的基礎は「2つのうちどちらか」
手引は、一般建設業の財産的基礎を次のように定めています(手引 PDF p.9-10)。倒産することが明白である場合を除き、次のいずれかを満たせばよいという構造です。
- ①500万円以上の資金調達能力があると認められること
取引金融機関の預金残高証明等を添付。受付日から1か月以内の時点の500万円以上の残高を証明したもの。 - ②自己資本の額が500万円以上あること
法人の場合は「貸借対照表における純資産合計の額」。 - ③許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績を有すること(=新設法人には該当しません)
そして、この確認方法について手引は明確な但し書きを置いています。
「※要件の確認については、原則として既存の企業については直近の事業年度終了報告の、新規設立の企業については創業時の財務諸表により行います。」(手引 PDF p.10)
新設法人の財産的基礎は、「創業時の財務諸表」を土俵にして判断される。 これが本記事の中心にある事実です。要件そのものの意味・500万円という数字の位置づけ・「軽微な建設工事の500万円」との違いは建設業許可の財産的要件|500万円・残高証明の準備に整理していますので、そちらをご覧ください。ここでは決算未到来の会社に固有の分岐だけを扱います。
2-2. 「創業時の財務諸表」とは、通常は資本金の記載だけ
では創業時の財務諸表に何を書くのか。手引は驚くほど端的です。
「④ 財務諸表 新規設立法人等で決算を迎えていない場合でも添付が必要です。創業時の状況を記載してください(通常は資本金に関する記載のみとなります)。」(手引 PDF p.152)
決算を迎えていない会社の貸借対照表は、事実上「資本金だけが載っている表」になるということです。ここから、新設法人の財産的基礎には次の2つのルートが生まれます。
| ルート | 何で示すか | 論点 |
|---|---|---|
| A:自己資本ルート | 創業時の財務諸表の純資産合計(=通常は資本金の額) | 資本金を500万円以上にして設立しているかどうかで決まる。設立後に動かすには増資が必要 |
| B:資金調達能力ルート | 残高証明書(受付日から1か月以内の時点の残高が500万円以上) | 資本金の額に関わらず使える。ただし証明日と申請日の同期という段取りが発生する |
ここで実務上の分岐になるのが、残高証明書が「必要ない場合」の定めです。
「③ 残高証明書【必要ない場合】直近の財務諸表により、500万円以上の自己資本を有することが確認できる場合には、改めて残高証明書を添付する必要はありません。」(手引 PDF p.149)
- ⚠️ 注意:この記述は「直近の財務諸表」という言葉を使っており、創業時の財務諸表がこれに当たるかどうかは手引に明文がありません。 したがって「資本金500万円以上で設立していれば残高証明書は必ず不要」と読み切ることはできません。実際の取扱いは個別にご確認ください。当事務所では、この点を含めて申請前に整理したうえで、必要なら残高証明書も準備する形をお勧めしています。
それでも、資本金の設計が意思決定として重いことは変わりません。資本金500万円以上で設立していれば、少なくとも創業時の財務諸表の純資産合計が500万円以上という状態を作れます。資本金が500万円未満であれば、ルートBの残高証明書を段取りすることになります。この判断は設立登記を出す前にしかできません。
2-3. 残高証明ルートを取る場合に効いてくる「1か月」
ルートBを選ぶ場合、時間の制約が一気に厳しくなります。押さえるべき点は1つで、「発行日」ではなく「証明日(残高の時点)」で1か月を数えるということです(手引 PDF p.150/審査要領 PDF p.28)。
残高証明書の取得手順・基準日の考え方・有効期限と申請日の合わせ方・複数金融機関のときの扱い・一時的な入金の注意点といった段取りの実務は、すべて建設業許可の残高証明書はいつ・いくら必要?基準日と有効期限に整理しています。ルートBを取る場合は、本記事とあわせて必ずそちらをご覧ください。
本記事で申し上げたいのは、新設法人に固有の事情のほうです。法人名義の預金口座は、通常、設立登記が完了してからでなければ開設できません。 つまりルートBは、設立登記の完了が起点になり、そこから口座開設 → 入金 → 残高証明の取得 → 申請書一式の完成、という一本道になります。経管や営業所技術者の証明書を前職から取り寄せている最中に、先に取った残高証明書のほうが期限切れになる、という順番の事故も起こり得ます。8章で、この時間の設計を扱います。
2-4. 特定建設業を最初から狙う場合
特定建設業には別途、より高い財務要件と技術者要件が定められています(手引 PDF p.11)。詳細は個別にご確認ください。
2-5. 1度目の決算を迎えないまま業種を追加する場合
新設法人で許可を取り、1度目の決算が来る前にもう1業種増やしたくなる——これも起こり得る話です。審査要領はこの場合の扱いも定めています。
「(5)新規設立法人が1度目の決算を迎えないままに追加申請(般特新規申請)をする場合、自己資本の額は設立時の財務諸表により確認する。」(審査要領 PDF p.28)
つまり、決算が来るまでの間は、追加申請でも創業時(設立時)の財務諸表が使われるということです。設立から最初の決算までの間に業種を増やす予定があるなら、この点も資本金の設計に織り込む価値があります。
3. 経営業務の管理責任者|会社は新しくても、人の経験は持ち込める
3-1. 経管の経験は「自社での経験」に限られない
新設法人にとって最大の心理的な壁がここです。「会社を作ったばかりなのだから、経営経験なんて社内にあるわけがない」という思い込みです。
しかし、手引の要件はこう書かれています(手引 PDF p.7)。
イ(1)建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者(※2)
※2 具体的には、建設業を営業していた法人の常勤の役員(取締役・理事等)、個人事業主、令3条の使用人(支店長等従たる営業所の代表者、個人事業主の支配人等)の経験が必要です。
「当社での」とは書かれていません。 前の勤め先の建設会社で取締役だった、以前は個人事業主として建設業を営んでいた、前職で支店長として営業所を任されていた——いずれも経験の入口です。設立したばかりの会社であっても、代表者本人(あるいは常勤役員として迎えた人)が過去に積んだ経験を持ち込めます。
なお、常勤役員等とは「法人の場合は常勤の役員」を指します(手引 PDF p.7・※1)。代表取締役である必要はありません。 常勤の取締役であれば代表者以外でも経管になり得るため、「社長には経営経験がないが、共同創業者の取締役にはある」というケースも成立し得ます。経管の要件・経験年数・証明方法そのものの解説は経営業務の管理責任者とは|要件・経験年数・証明方法を、社内外に候補が見当たらない場合の打ち手は経営業務の管理責任者がいない場合はどうする?をご覧ください。
3-2. ★新設法人の急所——「法人は設立以前の内容を証明できない」
ここが、新設法人に固有の、そして最も見落とされる関門です。様式第7号(常勤役員等証明書)の記載要領は、証明者について次のように定めています。
「【証明できる者】証明は経営業務の管理経験等を積んでいた時期の使用者(法人の代表者又は個人事業主)が行ってください。倒産・死亡等により当時の使用者からの証明が取れない場合には、その当時から営業を行っている同業他者からの証明を取得する必要があります(法人も設立以前の内容は証明できません。)。」(手引 PDF p.59)
カッコ書きの一文が急所です。 新設法人の代表者が「自分の会社」の代表者印を押して、自分の過去の経験を証明することはできません。経験を積んでいた時期の使用者、すなわち前職の建設会社(あるいは自分が個人事業主だった場合の扱い、後述)に証明してもらう必要があります。
さらに、自営期間を使う場合には別のハードルがあります。
「また、個人事業主は経営を補佐していた者に対してしか証明することができず、自分自身を証明することはできませんので、自営していた経験は同業他者による証明が必要です。 なお、この場合においても契約書等の書類確認ができなければ許可を取得することはできません。」(手引 PDF p.59)
「個人で建設業をやってきて、今回法人化した」というケースでは、その個人事業時代の経験は自分では証明できません。 当時の取引先で今も営業している同業者に証明を依頼することになります。なお、証明できる同業者について審査要領は「建設業許可の有無や申請者と同一の業種かどうかについて、特に制限は設けないが、申請日時点で営業中の者に限る」としています(審査要領 PDF p.12)。
加えて、証明書の作り方にも新設法人向けの注記があります。
「【証明者別にそれぞれ作成する】証明書は、原則として証明者ごとに別葉で作成してください。(中略)ただし、証明期間の中途で設立された法人などの場合には、証明期間の全ては証明できませんので別葉で作成してください。」(手引 PDF p.59)
「前職で3年、個人事業で2年、そして今の会社を設立」というように経歴をつなぎ合わせて5年を作る構成では、証明者の数だけ証明書の枚数が増えます。それぞれの相手方から署名・押印をもらう必要があるため、書類収集のリードタイムは証明者の数に比例して伸びます。
実務上の順番:新設法人の相談では、まず「経管候補は誰か」ではなく「その人の5年を、今も連絡が取れる誰が証明できるか」から確認します。経験の記憶ではなく、証明者の現存から逆算するほうが、結果として早く着地します。
3-3. 経験の裏付けは県民局調査で確認される——密度まで決まっている
証明書に署名をもらえば終わりではありません。岡山県は、経験年数の確認の密度を審査要領で明示しています。
「経験年数欄に記載された年数について、県民局調査において、1年当たり4件程度(四半期に1件以上で工期の終期と始期の間が4月以上空かないこと)の経験を契約書等に基づいて確認を行う。」(審査要領 PDF p.10)
さらに、「5年を超えた経験年数の記載がある場合も、原則として、経験年数として計上した全ての期間に係る経験の確認を行うので、県民局調査で契約書又は建設業の許可通知書等を提示できる年数のみを記載すること」「必須である5年の経験を確認の上、5年を超える期間については抽出的に確認する場合であっても、経験年数の『始期』については必ず経験の確認を行う」とされています(審査要領 PDF p.10)。
新設法人の場合、この契約書等は当然「前職・前の個人事業の書類」です。 自社には1件も存在しません。会社を設立する前に、自分が関わった工事の契約書・注文書・請書の写しをどこまで手元に確保しているか——ここが、そのまま経管ルートの成否を決めます。手引も、県民局調査で確認される書類として「工事請負契約書(原本)又は注文書(原本)及び請書(写し)又は建設業の許可通知書等」を挙げています(手引 PDF p.17)。
3-4. ★補佐者体制(ロ要件)は、新設法人では原則として使えない
手引は、「常勤役員等+その人を直接に補佐する者」という体制(ロ要件)でも経管相当を満たせるとしています(手引 PDF p.7・ロ)。補佐する者は、申請者において建設業の財務管理・労務管理・業務運営の業務経験をそれぞれ5年以上有する必要があり、「同一人でも3名別々でも可。ただし、常勤役員等とは別の者であること」とされています(手引 PDF p.7)。他業種で長く経営してきた人が建設業に参入する場合などに効くルートです。
ただし、新設法人にとっては強い制約があります。 手引は、補佐する者の業務経験について「ただし、これらの経験は、申請事業者における経験に限られます。」と明記しているからです(手引 PDF p.65)。
補佐する者の財務管理・労務管理・業務運営 各5年は、「よそでの経験」を持ち込めません。 設立したばかりの会社には、自社での5年の蓄積が物理的に存在しないため、このルートは原則として選べないということになります。
補佐者体制の中身(常勤役員等側の2パターン、「直接に補佐する」の意味、1人で3役を兼ねられること、補佐者も常勤が必要であること)は経管を補佐者体制で満たすには|常勤役員等を直接に補佐する者に整理しています。新設法人の方が読むべきポイントは1つだけ——「今は使えないが、5年後には使えるようになるルートがある」ということです。設立と同時に財務・労務・業務運営の担当を明確にしておけば、5年後には社内で経管相当を回せる体制が育ちます。
3-5. 常勤性が、設立の設計に直結する2点(事務所の場所と、役員報酬)
新設法人でよくある形が、「別の会社の役員をやりながら、建設部門を切り出して新会社を設立した」というものです。この場合、常勤性の判定が論点になります。ここでは、新設法人の設立設計に直結する2点だけを挙げます。
1点目は、場所に着目した推定規定です。同一建物内の別法人で健康保険に加入していると、その別法人での常勤と推定されます(審査要領 PDF p.11)。 他社役員を兼ねたまま設立した場合の常勤性の判定そのものは他社役員との兼務・遠隔地居住でも常勤と認められる?に整理していますので、詳しくはそちらをご覧ください。
親会社と同じフロアに新会社を置き、社会保険は親会社に残したまま——という設計は、原則として常勤性を認められません。 「基本的に…推定される」という書きぶりであり個別の事情で判断が分かれる余地はありますが、事務所をどこに置くか・社会保険をどちらの会社で掛けるかは設立と同時に決まってしまうため、設計段階で織り込んでおくべき制約です。なお、この常勤性の取扱いは審査要領上「★営業所技術者等についても同じ取扱い」と明記されており(審査要領 PDF p.11)、経管だけの問題ではありません。
2点目は、報酬です。経管となる方(新設法人では代表者本人が就任することが想定されます)について、岡山県の審査要領は次のように定めています。
「⑥ 無報酬又は低報酬の経管について 原則として、無報酬では、申請・届出は認めない。 ただし、経管本人との面談や出勤簿等で常勤性を信用するに足りる状況であれば、初回に限り申請又は届出を認める。」(審査要領 PDF p.12)
同じ箇所は続けて、名義貸しによる虚偽申請を防ぐため、報酬の額について毎月一定額以上の支払いを常勤性認定の条件とすると定めています(審査要領 PDF p.12。具体額は面談でご案内します)。
さらに、無報酬・低報酬の場合には「無報酬又は低報酬の理由及び今後は適正な報酬等を支払うことを誓約する旨が記載された顛末書を3部提出」し、「顛末書は申請書の非閲覧用の綴の表紙の次に綴り込む」ことが求められます(審査要領 PDF p.12)。
「設立当初は代表者の役員報酬を抑える」という、新設法人ではごく普通の判断が、そのまま経管の常勤性の論点になります。 外部から経営経験のある方を常勤役員として迎える場合も同じ規定が働き、許可を維持する限り続く固定費になります。いずれの場合も、役員報酬をいくらに設定するかは、設立時の事業計画と一緒に決めておくべき項目です。
4. 営業所技術者|設立直後に「専任」を置けるか
4-1. 「専任」の意味を先に押さえる
営業所技術者(旧:専任技術者)は、営業所ごとに置く必要があります。「専任」とは、その営業所に常勤して専らその職務に従事することをいい、著しく遠距離で通勤不可能/他の営業所で専任を要する職務に従事/他法令で専任を要する立場、のいずれかに当たると原則として専任とは認められません(手引 PDF p.8)。3類型それぞれの当てはめ(距離の基準の有無、他社役員との兼務、他法令の専任と兼ねられる条件)は他社役員との兼務・遠隔地居住でも常勤と認められる?に整理していますので、境界にあたる方はそちらをご覧ください。
新設法人で起こりやすいのが、3つ目の「他の法令による専任」との衝突です。設計事務所や不動産業を兼ねる形で会社を立ち上げた場合、同じ人を建築士事務所の管理建築士や専任の宅地建物取引士と兼ねさせられるかどうかは、営業所が同一かどうかで扱いが変わります。ここは個別確認が必要な領域です。
また、営業所技術者等が退職して後任者がいない場合は、要件の欠如として許可が取り消されます(手引 PDF p.8)。1人しかいない体制の脆さは、新設法人ほど深刻です(不在時の打ち手は営業所技術者がいないと建設業許可は取れない?)。
4-2. 資格ルートなら、設立直後でも負担が軽い
営業所技術者になる方法は、手引が挙げる5つのルートに整理されます(手引 PDF p.9)。新設法人にとって決定的なのは、その5つが①一定の国家資格を持っていることと、②〜⑤ 実務経験の年数で満たすことの2群に分かれる、という点です。
| 群 | 中身 | 新設法人にとっての意味 |
|---|---|---|
| ①資格ルート | 土木施工管理技士、建築士、技能士等の一定の国家資格 | 証明は資格者証・合格証明書の原本提示で完結。書類が本人の手元にある |
| ②〜⑤経験ルート | 学歴+実務経験/1級・2級検定の合格後年数/実務経験10年 | 県民局調査で「契約書の原本又は注文書の原本及び請書の写し等」による立証が必要(手引 PDF p.9)。その書類は例外なく前職側にある |
設立直後の会社にとって、①の資格ルートが圧倒的に軽いのは、この違いによります。5ルートそれぞれの中身と、業種ごとにどの資格が使えるかは営業所技術者になれる資格一覧|業種別の対応国家資格に整理していますので、そちらをご覧ください。
なお、「合格しただけでは足りず、合格後に一定の実務経験年数が必要な資格」がある点(上表の1級・2級の検定合格ルートのほか、第2種電気工事士・給水装置工事主任技術者・職業能力開発促進法による2級資格など)には特に注意してください。審査要領も、資格取得後(=免許等の交付後)一定期間の実務経験が必要な資格については要件を満たしているか十分に注意するよう促しています(審査要領 PDF p.23)。
4-3. ★実務経験ルートは、経管と同じ「設立以前の壁」に当たる——しかも2者
実務経験ルートを取る場合、様式第9号(実務経験証明書)を作成します。証明は実務経験を積んでいた時期の使用者が行うのが原則ですが、倒産・死亡等で当時の使用者から証明を受けられない場合、および法人成りで設立以前の期間を証明する場合は、同業他者2者の証明が必要です(手引 PDF p.82)。 同業他者に求められる条件や、その2者すら見つからない場合の打ち手は実務経験の証明書類が揃わないときをご覧ください。
新設法人にとっての含意は、経管とまったく同じです。 設立したばかりの自社は、設立以前の期間について証明能力を持ちません。技術者本人が個人事業主だった期間も、本人が自分で証明することはできません。営業所技術者の実務経験も、証明の相手方は必ず社外になるということです。
そのうえで、経管の様式第7号は同業他者「1者」、営業所技術者の様式第9号は同業他者「2者」。 経管側の「1者」は審査要領に明記されており、「個人事業主としての経験で経管になる場合は、その経営経験があることを知っている同業他者(1者)の証明」「当該法人が倒産している場合(中略)当該者の経営経験を知っている同業他者1者の証明でも可とする」とされています(審査要領 PDF p.12)。ここを取り違えると、集める証明書の枚数が変わります。営業所技術者側については、倒産した前職法人は当該法人・当時の代表者による証明が認められず、同業他者2者の証明が必要とされています(審査要領 PDF p.24)。
4-4. 実務経験の年数は、前職の記録に依存する
新設法人の技術者は、経験を必ず前職で積んでいます。年数の測り方には注意点があり、実務経験の年数は原則として社会保険の加入期間で測られ、未加入だった期間は出勤簿・賃金台帳等の別の書類で補う必要があります(手引 PDF p.82/審査要領 PDF p.24)。また、1人が複数の業種をいずれも実務経験で担当する場合、担当する期間の重複は認められません(手引 PDF p.82)。
始期の考え方、未加入期間を埋める書類、工期と工期の間の空白期間の扱いといった年数の通算ルールと、証明書類が揃わない場合の代替立証は実務経験の証明書類が揃わないとき|廃業・紛失時の代替立証に整理していますので、実務経験ルートを取る場合はそちらをご覧ください。
新設法人にとっての含意は1つです。これらの記録は、いずれも自社ではなく前職側にあります。 在職中に手元に確保しておけるものを確保したかどうかで、設立後の証明の難易度が変わります。10年ルートの証明の組み立て方そのものは営業所技術者(旧:専任技術者)の実務経験10年を証明する方法にまとめています。新設法人は「前職が既に廃業している」「注文書が手元にない」という状況に当たりやすいため、前掲の代替立証の記事は特に目を通しておく価値があります。
4-5. 有資格者が社内にいないと分かったら
設立したばかりの会社では、「代表者が経管、営業所技術者は誰?」という形で止まることがあります。打ち手は、①有資格者の常勤採用 ②既存メンバーの資格取得 ③実務経験ルートの再点検——の3択で、それぞれ時間軸とコストが違います。判断の順序は営業所技術者がいないと建設業許可は取れない?確保の方法に整理しています。
新設法人にとっての含意は1つです。「採用で解決する」を選ぶと、その人の常勤性(社会保険の加入・出勤の実態)を作る時間が申請までに乗ってきます。 資格取得で解決する場合は試験日程が制約になります。どちらにせよ、設立から申請までのスケジュールに直結します。
5. 社会保険|新設法人がいちばん時間を食う関門
5-1. 社会保険への加入は「許可要件そのもの」
見落としが多いのがここです。適切な社会保険への加入は、添付書類の1つではなく、許可要件そのものです(手引 PDF p.8)。審査要領は、令和2年10月からこれが許可の要件となり、更新申請でも適切な社会保険に加入していない場合は許可することができないと明記しています(審査要領 PDF p.19)。
要件の中身(法人/個人、従業員数による適用の判断、適用が除外される場合の扱い、未加入のまま申請するとどうなるか)は建設業許可に社会保険の加入は必須?未加入だと取れない理由に整理しています。ここでは新設法人に固有の時間の問題だけを扱います。
5-2. 加入番号が確定していなくても、申請は止まらない
「会社を作って社会保険の適用届は出したが、番号がまだ返ってきていない」という状態については、その旨を審査の際に申し出たうえで様式の記入欄は空欄で提出するという取扱いが審査要領に定められています(審査要領 PDF p.20)。番号が届いていないことを理由に、申請そのものを待つ必要はありません。空欄で出したあとの差し替え手順、確認資料として何を出すか、領収書が無い・出ないときの代替まで含めた社会保険まわりの段取りは建設業許可に社会保険の加入は必須?未加入だと取れない理由に整理していますので、そちらをご覧ください。
5-3. ★新設法人の日程は、社会保険から逆算する
新設法人にとって社会保険が「いちばん時間を食う関門」なのは、手続きが直列に並ぶからです。
設立登記の完了 → 社会保険の適用届 → 保険料の納付 → 領収書等の確認資料の入手 → 申請
この5段は一本道で、しかも先頭の設立登記が完了するまで、2段目に着手できません。商業登記事項証明書が設立登記の完了後にしか取れないのと同じ構造です(手引 PDF p.150)。既存企業なら「すでに持っているものを取りに行くだけ」の工程が、新設法人ではゼロから作る工程になる、という違いです。
しかも、様式第7号の3(健康保険等の加入状況)に添える確認資料には、書類ごとに有効期間の定めがあります(手引 PDF p.72)。何を出すのか、どれがいつまで有効なのかは建設業許可に社会保険の加入は必須?に一覧がありますので、申請日を決める前に確認してください。
⚠️ ここが新設法人の実務上の分岐です。 番号未確定の場合の取扱い(審査要領 PDF p.20)と、確認資料の有効期間(手引 PDF p.72)をどう組み合わせるかは事案によって変わり得るため、「加入手続きをいつ出し、いつ申請するか」は個別にご確認ください。少なくとも言えるのは、社会保険の適用手続きは、設立登記が終わった時点で速やかに動かすべき項目だということです。ここが遅れると、他の書類がすべて揃っていても申請時期が後ろにずれます。
5-4. ★社会保険が欠けると、要件が3つ同時に欠ける——新設法人特有の三重リスク
社会保険は、要件そのものであると同時に、経管と営業所技術者の常勤性を裏付ける材料でもあります。営業所調査では、経管・営業所技術者の現在の常勤性が社会保険関係の書類(法人の場合は健康保険証、被保険者標準報酬決定通知書又は被保険者資格取得確認通知書の原本ほか、賃金台帳・出勤簿等)で確認され(手引 PDF p.18)、審査要領も「別紙四(営業所技術者等一覧表)に記載されている営業所技術者等については厚生年金標準報酬決定通知書等で常勤性を確認する」としています(審査要領 PDF p.6)。
つまり、社会保険が整っていないと、要件②が満たせないだけでなく、要件①(経管の常勤性)と要件③(営業所技術者の常勤性)の裏付けも同時に欠けます。 既存企業なら社会保険は「もう入っているもの」ですが、新設法人ではこの3つが1本の手続きにぶら下がったまま申請日を迎えます。社会保険を後回しにすると、書類が1枚足りないのではなく要件が3つ同時に崩れる——ここが新設法人特有のリスクです。
6. 新設法人だけが引っかかる添付書類——「実績なし」「決算未到来」の埋め方
新規申請の必要書類そのものは建設業許可の必要書類一覧|新規・一般にまとめています。この章では、新設法人だからこそ書き方が変わる書類だけを扱います。
6-1. 工事経歴書(様式第2号)・直前3年の工事施工金額(様式第3号)
実績がゼロでも、提出は省略できません。
「新規設立法人等で工事実績がない場合でも申請する業種ごとにその旨記載した帳票の添付が必ず必要です。実績のない工事については、1枚(1列)にまとめて作成しても構いません。」(手引 PDF p.152)
審査要領も、様式第3号について「許可の申請をしている業種全てについて、記載する(当該業種の完成工事高が『0』でも、その旨記載すること。『0』の場合は、業種の略称を記載し、まとめて『0』と記載しても差し支えない。)」としています(審査要領 PDF p.9)。
「白紙で出す」でも「省略する」でもなく、「実績なし」と書いて出す——ここが新設法人の書式の第一歩です。
6-2. 財務諸表
前掲のとおり、決算未到来でも添付が必要で、創業時の状況を記載します(通常は資本金に関する記載のみ)(手引 PDF p.152)。この1行が、2章で見た財産的基礎の判断材料そのものになります。
6-3. 事業税納税証明書
課税されていなくても、省略できません。
- 手引:「最初の決算を終了していない場合でも省略はできませんので、新設法人等の場合は『決算未到来につき課税なし』等記載した証明書を(中略)添付してください。」(手引 PDF p.149)/同旨 手引 PDF p.152
- 審査要領:「新規許可申請の場合であって、設立後、1回目の決算を終了していない場合についても、『納期限未到来』として、証明書の提出が必要である。」(審査要領 PDF p.29)
証明書は「所轄の県民局税務部又は地域事務所地域総務課で取得できる」とされています(審査要領 PDF p.29)。また、「課税額及び納付済額が明記されている必要があります(『***』のみの表示は不可)」(手引 PDF p.149)。課税されていないことを理由に省略すると、書類が揃わないことになります。 手引・審査要領のいずれも「省略できない」「提出が必要である」と明記している以上、課税の有無にかかわらず取得するという前提で段取りしてください。
6-4. 定款
「① 定款 設立後変更がない場合は原始定款の写し(公証人の認証部分を含む。)を、設立以降に変更があった場合には原始定款と株主総会の議事録の写しを添付する必要がありますが、何度も変更があった場合には現在定款を改めてまとめた上で代表者による原本証明(3部全てに証明日と『当社の現行定款に相違ない』旨と所在地、名称、代表者役職及び代表者名を記載)を行ったものを提出してください。」(手引 PDF p.149)
設立直後の会社は、ほぼ例外なく「原始定款の写し(公証人の認証部分を含む)」です。設立時に受け取った定款一式を、認証ページごと保管しておいてください。
なお、手引・審査要領には「定款の事業目的に建設業に関する記載が必要」という明文はありません。 手引のなかで法人の目的欄に触れているのは、更新申請の注意点にある一節だけです。更新申請の際、定款と商業登記事項証明書は「変更があるときのみ添付します」とされており、その「変更の例)商業登記事項証明書の法人の目的欄、発行済株式数が変更された場合など」という書きぶりで登場します(手引 PDF p.155)。つまり、目的欄は「変わったかどうか」を見られる欄ではありますが、設立時にどう書くべきかについて手引が基準を示しているわけではありません。 目的欄の書きぶりについては、設立登記を出す前の段階で個別にご確認いただくのが安全です。
6-5. 商業登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
「④ 商業登記事項証明書 ・原則として履歴事項全部証明書の添付が必要です。当該証明書は、法務局で発行され、登記官が認証したものに限ります。また、必要に応じて閉鎖事項証明書についても、窓口で提出する場合や営業所調査等で確認することがあります。」(手引 PDF p.150)
設立登記が完了していなければ、この書類は存在しません。 逆に言えば、設立登記の完了日が、申請準備の起点になります。
6-6. その他、新設法人で漏れやすい様式
| 様式 | 新設法人での注意点 | 出典 |
|---|---|---|
| 様式第11号(建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表) | 該当がない場合も「該当なし」等記載して必ず添付。省略できない | 手引 PDF p.152/審査要領 PDF p.25 |
| 様式第14号(株主(出資者)調書) | 総株主の議決権の5%以上を有する株主、又は出資総額の5%以上を出資している者を記載(法人も含む)。自己株式を有している場合はその株数を除いた残数の5%で判断 | 手引 PDF p.93/審査要領 PDF p.26 |
| 様式第20号(営業の沿革) | 「創業以後の沿革」欄に創業年月日、組織変更、商号の変更、合併・分割、資本金の変更、営業の休止・再開等を記載。役員等の就退任は記載しない | 手引 PDF p.132/審査要領 PDF p.27 |
| 様式第1号(許可申請書) | 新規申請では「02項番の4 許可の有効期間の調整」欄に「2」を必ず記載。05項番は記入不要 | 手引 PDF p.152 |
| 登記されていないことの証明書/身分証明書 | 個人事業主(代表者)・法人の役員について両方必要。ただし顧問・相談役・5%以上の株主等は不要 | 手引 PDF p.150 |
6-7. すべての証明書に共通する「3か月」
最後に、新設法人が踏みやすい落とし穴です。証明書類は、受付日時点で発行から3か月以内のものが必要です(手引 PDF p.149。数え方と取得の段取りは建設業許可の欠格要件とは|破産・前科があっても取れる?に整理しています)。そして、残高証明書だけは基準が違います。
「なお、残高証明書については1か月以内の時点の残高を証明したものに限ります。」(手引 PDF p.149)
設立登記が完了した勢いで履歴事項全部証明書や身分証明書を取り、その後で経管・技術者の証明書集めに時間がかかると、申請するころには3か月を過ぎていて取り直しということが起こり得ます。次章で、この時間の設計を扱います。
7. 設立の仕方で止まる2点|営業所の電話回線と、欠格要件
7-1. 連絡先の電話回線は、法人名義の「専用」でなければならない
営業所の物的要件(常設の事務所であること・独立性・使用権原・看板・机・電話)と、岡山県の営業所調査で実際に確認されるものは、自宅を営業所にして建設業許可は取れる?営業所の要件と写真に整理しています。 自宅を営業所にする場合の判断や写真の準備も含め、営業所そのものの要件はそちらをご覧ください。
そのうえで、新設法人が設立の日程に入れておくべき点が1つあります。連絡先とする電話回線は法人名義の専用回線でなければならず、複数の業者での共有・他者名義の回線の借用・電話代行や秘書サービスの利用は認められません(審査要領 PDF p.5)。「親会社の番号を共用する」「代表者個人名義の携帯をそのまま連絡先にする」という立ち上げコストを抑える設計はここで止まるため、法人名義で契約するという工程を、設立直後のタスクとして日程に入れてください(回線の要件の詳細は前掲の自宅を営業所にして建設業許可は取れる?をご覧ください)。
なお、主たる営業所以外の営業所を置く場合には別途要件がありますが、本記事では扱いません。
7-2. 欠格要件は、役員全員に及ぶ
もう1点、設立の仕方によっては入口で止まるのが欠格要件です。手引は「建設業法第8条各号のいずれかに該当するときは、許可できません」としたうえで、対象範囲を次のように広げています(手引 PDF p.10)。
「・役員等、支配人、従たる営業所の代表者のうちに上記事項に該当する者がいるもの」
共同創業者や出資者を取締役に入れた場合、その1人の事情で会社全体の許可が下りなくなることがあります。 また、手引は「許可申請書及びその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、又は重要な事実の記載が欠けている場合も許可できません」とも定めています(手引 PDF p.10)。
欠格事由の列挙と読み方(誰が対象か、破産と復権の扱い、刑の種類による違い、期間の起算)は建設業許可の欠格要件とは|破産・前科があっても取れる?に整理しています。新設法人の方に申し上げたいのは、「役員構成を決める前に確認する」という順序です。登記した後で判明すると、役員変更登記からやり直すことになります。
なお、法人の役員については、登記されていないことの証明書(成年被後見人・被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書)と身分証明書の両方が必要です(手引 PDF p.150)。取得先が法務局と本籍地の市区町村役場に分かれ、役員の人数分必要になるため、地味に時間を食います。
7-3. 個人事業から法人化した場合の扱い(本記事の範囲外の論点)
「個人事業で建設業をやってきて、今回法人化した」というケースのうち、すでに個人で許可を取得している場合は、その許可を法人へ引き継ぐ手続が別途必要になります(手引 PDF p.23)。この承継の選択は、本記事の範囲外です。 詳しくは法人成りで建設業許可は引き継げる?をご覧ください。また、そもそも個人と法人のどちらで取るべきかという手前の判断は個人事業主の建設業許可|個人で取る?法人化してから取る?に整理しています。
本記事が扱っているのは、「個人での許可を持たないまま法人を設立し、その法人で初めて許可を取る」というケースです。
8. 設立から申請までの逆算|有効期間の同期がすべて
8-1. 起点は「設立登記の完了」、終点は「申請書の受付日」
新設法人の準備は、設立登記が完了しないと始まらないものと、設立前から動かせるものに分かれます。
| 設立前から動かせるもの | 設立登記の完了後にしか動かせないもの |
|---|---|
| 経管候補・営業所技術者候補の特定と、証明者(前職・同業他者)の当たり付け | 商業登記事項証明書(履歴事項全部証明書)の取得(手引 PDF p.150) |
| 前職の契約書・注文書・請書の写しの確保(手引 PDF p.17) | 社会保険の適用届出(手引 PDF p.8、審査要領 PDF p.19-20) |
| 資本金の額の決定(=2章のルートA/Bの選択) | 法人名義の電話回線の契約(審査要領 PDF p.5) |
| 定款の事業目的の書きぶりの確認 | 法人名義の口座開設と残高証明書の取得(ルートBの場合) |
| 役員構成と欠格要件の確認(手引 PDF p.10) | 営業所の賃貸借契約(法人名義・営業利用の許諾/手引 PDF p.17) |
左列を設立前に済ませているかどうかで、許可までの体感時間はまったく変わります。 経管の証明書を前職からもらう交渉は、設立の有無に関係なく今日から始められます。
8-2. ★有効期間の同期表——ここを外すと取り直しになる
新設法人の申請では、書類の有効期間が書類ごとに違う点に注意が必要です。設立登記の完了後にまとめて書類を取りに行くと、この違いに正面からぶつかります。一覧にします。
| 書類 | 期限の定め | 何を基準に数えるか | 出典 |
|---|---|---|---|
| 各種証明書全般(履歴事項全部証明書・身分証明書・登記されていないことの証明書・卒業証明書 等) | 受付日において発行から3か月以内 | 発行日 | 手引 PDF p.149 |
| 健康保険・厚生年金の保険料領収書 | 発行日が2か月以内 | 発行日 | 手引 PDF p.72 |
| 納入証明書(領収書を紛失した場合の代替) | 発行日が3か月以内 | 発行日 | 手引 PDF p.72 |
| 建設国保の加入証明書 | 発行から3か月以内 | 発行日 | 手引 PDF p.72 |
| その他の確認資料 | 直近のもの | ― | 手引 PDF p.72 |
| 住民票等の写し(外国籍の役員等がいる場合に身分証明書に代えて提示) | 3か月以内に発行されたもの(生年月日及び国籍が記載されたものに限る) | 発行日 | 手引 PDF p.150 |
| 残高証明書(ルートBを取る場合) | 別の基準(受付日から1か月以内の時点の残高。発行日ではない) | → 建設業許可の残高証明書はいつ・いくら必要?の基準に従う | 手引 PDF p.149-150 |
この表の意味は1つです。「早く取れる書類から順に取る」は間違いで、「有効期間が短い書類ほど、申請日の直前に取る」が正解だということです。
新設法人にとって、この順序は特に効きます。設立登記が完了した勢いで履歴事項全部証明書・身分証明書・登記されていないことの証明書を先に取り、そのあとで経管・営業所技術者の証明書集めに時間がかかるという進み方をすると、先に取った証明書のほうが3か月を過ぎます。社外に依頼して待つ書類(経管・技術者の証明書)に先に着手し、自分で取れる書類は後に回す——これが新設法人の順序です。
なかでも期間が短いのが健康保険・厚生年金の保険料領収書(発行日が2か月以内)です(手引 PDF p.72)。5章で見たとおり社会保険の適用手続きは設立登記の直後に動かすべき項目ですが、その領収書の有効期間は2か月しかないという点まで含めて申請日から逆算してください。
8-3. 申請してからの流れ
受付後の流れは、新設法人でも既存企業でも同じです(手引 PDF p.16-17)。
- 窓口で書面審査——記載事項に不備がなければ受付。ただし「窓口での書面審査は、限られた時間で行うことから、受付後にも書類の訂正等について追加で連絡することがあります」
- 申請受付後、半月程度で所轄の県民局から営業所調査実施の連絡
- 本庁の土木部監理課でも所要の調査を行い、全ての許可要件を充足していると認められると許可
- 受付から許可までは、特に問題がないケースで概ね2か月程度
- 許可されると、許可通知書及び申請書副本が郵送される。「再発行はできませんので、大切に保存してください」(手引 PDF p.19)
そして、新設法人の日程に効いてくるのが、岡山県は事前審査を一切行わないという運用です(手引 PDF p.16)。手引は、日付の記入や納付済証の貼付まで済ませた完成品での提出(送付)を求めています(同)。
「とりあえず出してみて、足りなければ言ってもらう」という進め方はできません。 決算未到来・実績なしという状態で書式を埋める作業は判断に迷う箇所が多いのですが、書類が完成した日が、そのまま申請日になるという前提で日程を引いてください。
8-4. 元請から期限を切られている場合
新設法人が許可を急ぐ動機は、多くの場合「取引先から求められた」ことです。この場合、許可が下りるまでの間の受注をどう扱うかを先に決める必要があります。
金額の線引き(建築一式工事は1,500万円に満たない工事又は延べ面積150㎡に満たない木造住宅工事、その他の工事は500万円に満たない工事。いずれも消費税及び地方消費税を含む額。注文者や元請業者が材料を支給する場合は材料費も含めて判断する/手引 PDF p.5)は軽微な工事(500万円未満)とはに整理しています。「許可を申請中だから」は、許可が必要な工事を受けてよい理由にはなりません。 元請から求められている場合の進め方は元請から建設業許可を求められたらもあわせてご覧ください。
9. 岡山県での手続きと費用|提出先・部数・法定手数料・営業所調査
9-1. 提出先は本庁一元——県民局は申請の窓口ではない
岡山県は所在地に応じて3つの県民局建設部に担当区域を設けていますが、申請書・変更届の受付だけは出先機関では行わず、本庁の土木部監理課建設業班に一元化されています(手引 PDF p.168)。新設法人が県民局と関わるのは、事業税納税証明書の取得(6-3)と申請受付後の営業所調査(9-4)の場面で、書類を提出する先はあくまで県庁です。
提出先は次のとおりです(手引 PDF p.16)。
岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)
〒700-8570 岡山市北区内山下2-4-6/直通電話 086-226-7463
窓口受付時間 9:00〜11:30、13:00〜16:30(閉庁日を除く)
郵送での提出も受け付けています(送付先は同じ)
本記事は書面(窓口へのご持参・郵送)による申請を前提に整理しています。 なお、「11時30分から13時00分まで及び16時30分から翌開庁日の9時00分までの間は窓口を閉じるとともに、審査を休止します。特に、新規、更新、追加、般特新規申請の場合、更に十分な時間的余裕を持ってお越しください。原則として、審査の途中であっても窓口閉鎖の時刻をもって審査は終了します」(手引 PDF p.16)。新規申請は書類量が多いため、時間帯の選び方が実際に効いてきます。
9-2. 提出部数は計6部
「黒ひも等でつづり、提出書類を閲覧用と非閲覧用に分け、閲覧用3部(正1、副2)+非閲覧用3部(正1、副2)=計6部を提出してください。」(手引 PDF p.15)
そのほか、「申請書はペン又はボールペン(鉛筆及び消せるボールペンは不可)で提出部数分全て同じものを作成」「訂正箇所に二重線を引いて訂正(ホワイト(修正液・修正テープ等)は使用できません)」といった作成上の注意も定められています(手引 PDF p.15)。
なお、常勤性の確認資料はつづらずに1部だけ提示します(手引 PDF p.151)。何を「提出」し、何を「提示」するのかの区別が、新規申請では特に混乱しやすい部分です。
9-3. 法定手数料は90,000円
| 許可申請の種類 | 岡山県知事許可 |
|---|---|
| 新規(許可換え含む)・般特新規 | 90,000円 |
| 更新・追加 | 50,000円 |
(手引 PDF p.14)
- 手数料の額は申請する業種の数とは関係ありません(何業種でも同額)
- 変更届出書の提出には手数料は不要です
- 支払方法は、岡山県手数料等(POS)納付連絡票をホームページから印刷し、収納専用窓口に持参して支払います。支払い後、納付済証を受け取り、許可申請書の正本非閲覧用の「(様式第1号の)別紙三」に貼り付けた上で提出します(手引 PDF p.14)
9-4. 営業所調査の準備は、新設法人ほど手当てが要る
手引は、営業所調査について「許可申請受付後、半月程度で所轄の県民局から実施の連絡を行います」としています(手引 PDF p.17)。新設法人の場合、看板も机も電話も「これから用意するもの」です。 受付から半月で連絡が来る以上、これらは申請前に整えておく必要があります(調査で確認される項目そのものは自宅を営業所にして建設業許可は取れる?をご覧ください)。とくに法人名義の電話回線の契約は、7-1で見たとおり共有も代行も認められないため、設立直後のタスクとしてスケジュールに入れておいてください。
また、営業所調査が早く終わっても、本庁の審査は別に進むため許可が早くなるわけではありません(手引 PDF p.16)。
当事務所では、営業所調査の事前準備の確認と、調査当日の同席まで報酬に含めてお受けしています。 初めて許可を取る会社にとって、何を出せばよいかが分からないまま調査日を迎えることが一番の不安要素だからです。
9-5. 費用の目安(新設法人・法人新規のケース)
| 項目 | 金額(税込目安) |
|---|---|
| 建設業許可申請(法人・新規)行政書士報酬 | 132,000円 |
| 法定手数料(新規) | 90,000円 |
| 合計 | 222,000円 |
新規申請時に実務経験による証明が必要な場合は、次の加算があります(いずれも税込)。
| 実務経験の証明年数 | 加算額 |
|---|---|
| 3年 | 44,000円 |
| 5年 | 55,000円 |
| 10年 | 77,000円 |
- 法定手数料90,000円は依頼者のご負担ですが、納付は当事務所が代行します。
- 履歴事項全部証明書・身分証明書・登記されていないことの証明書などの実費は、当事務所が立て替えて後日精算します。
- 書類作成の代行だけでなく、代理申請までお受けします。 手引も「行政書士には申請書類の作成を委託するほか、申請手続きそのものを委託し、行政書士の責任において代理申請をすることもできます」としています(手引 PDF p.19)。
- 会社設立の登記そのもの(登録免許税・司法書士報酬等)は、建設業許可の資料の範囲外のため本記事では扱いません。
- 金額・期間は案件内容により変動します。正確な金額は事前にお見積りします。
許可取得にかかる費用の全体像は建設業許可の費用はいくら?岡山県知事許可の総額目安に整理しています。
10. 許可のその先|取ってから1年が最初の関門
10-1. ★「1年以内に営業を開始しない」と取消処分の対象になる
新設法人にとって、ここは他社の記事ではまず触れられない論点です。手引は、許可取得後の注意点として次のように定めています。
「②許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合等 取消処分の対象となるので、注意してください。」(手引 PDF p.23)
「元請から求められたので、とりあえず取っておく」という取り方は、この一文と正面から向き合う必要があります。 許可は取った瞬間から維持義務が発生し、営業の実態を伴わない状態が続けば取消処分の対象になり得ます。設立と許可取得のタイミングは、事業を実際に動かす時期から逆算するのが本筋です。
10-2. 標識の掲示義務は、許可を受けたその日から
許可後は店舗と元請工事の現場に標識の掲示が必要です(手引 PDF p.21)。掲示場所や様式まわりの実務は自宅を営業所にして建設業許可は取れる?に整理していますので、許可通知書が届いたらすぐに用意してください。
10-3. 毎年の事業年度終了報告と、5年ごとの更新
新設法人は、最初の決算が来た時点で事業年度終了報告の義務が発生します。
- 決算日から4か月以内に、事業年度終了の変更届出書の提出が必要(手引 PDF p.22)
- 期限内の提出を怠っている場合には許可の更新・追加申請等はできません。また、監督処分や罰則の対象にもなります(手引 PDF p.22)
- 許可の有効期間は許可日から5年間。更新許可申請は有効期間満了の日の30日前までに受付を済ませる必要があり、申請は満了の日の3か月前から可能(手引 PDF p.21)
「1期目の決算が来る前に許可を取る」という進め方をした会社は、許可取得の数か月後に、いきなり最初の事業年度終了報告が来ます。 ここを落とすと、次の更新や業種追加の入口で止まります。
10-4. 経管・営業所技術者を欠いたときの怖さは、新設法人ほど大きい
「欠く」状態とは、退職・死亡だけでなく、毎日出勤することができなくなった場合も含みます(手引 PDF p.22)。欠けたときに何が起きるか、後任をどう確保するかは営業所技術者がいないと建設業許可は取れない?確保の方法に整理しています。
新設法人は、経管も営業所技術者も代表者1人が兼ねているケースが多いため、この構造の脆さが最も強く出ます。3-4で触れたとおり、補佐者体制(ロ要件)は自社での5年の経験が要るルートです(手引 PDF p.65)。逆に言えば、設立の時点から財務管理・労務管理・業務運営の担当を明確にしておけば、5年後に選択肢が1つ増えます。 「経験は遡って作れない」という一点だけは、設立直後の今から効いてきます。
なお、社会保険の加入状況に変更が生じた場合の変更届は、変更が生じた日から2週間以内です(審査要領 PDF p.19)。
10-5. 公共工事を視野に入れるなら、決算の作り方から
許可を取った先に公共工事を考えている場合、経営事項審査(経審)と入札参加資格審査が待っています。経審は決算を基礎に評価されるため、1期目の決算をどう作るかが、その後の評点に効いてきます。 経審の流れと準備は経審申請を岡山で依頼するならにまとめています。
10-6. 期限管理を仕組みにする
新設法人が抱えることになる期限は、少なくとも次のとおりです。
| 何を | いつまでに | 出典 |
|---|---|---|
| 事業年度終了報告 | 決算日から4か月以内(毎年) | 手引 PDF p.22 |
| 経管・営業所技術者の変更届 | 変更後2週間以内 | 手引 PDF p.22 |
| 社会保険の加入状況の変更届 | 変更が生じた日から2週間以内 | 審査要領 PDF p.19 |
| 更新許可申請 | 有効期間満了の日の30日前までに受付(3か月前から申請可) | 手引 PDF p.21 |
| 廃業届(一部廃業を含む) | 30日以内(一部の業種のみの廃業は営業所技術者等の変更届が必要なため2週間以内) | 手引 PDF p.22 |
当事務所では、これらの期限をまとめて管理する顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)をご用意しています。
| プラン | 月額(税込) | 主な内容 |
|---|---|---|
| ライト | 5,500円 | 必要な業務の範囲に合わせてご案内します |
| スタンダード | 11,000円 | 必要な業務の範囲に合わせてご案内します |
| フル | 15,000円 | 事業年度終了報告(44,000円相当)+経審 経営状況分析(33,000円相当)+経審 経営規模等評価・総合評定値請求(55,000円相当)+入札参加資格更新(33,000円相当・2年に1回)+月次相談・期限管理 |
期限管理(いつ何を出すかのご案内)は顧問契約の範囲、申請の代理実行はスポット報酬という切り分けです。設立したばかりで管理部門がまだない会社ほど、この部分を外に出しておく価値があります。
よくある質問(FAQ)
まとめ
「設立したばかりだから建設業許可はまだ無理だろう」——この思い込みは、制度の側からは支持されていません。一般建設業の許可要件に、営業年数・売上高・完成工事高の下限はありません(手引 PDF p.7-10)。手引には、決算を迎えていない会社が書類を整えるための記載要領がまとめて用意されています(手引 PDF p.152)。
新設法人が実際に詰まるのは、次の3点です。
- 財産的基礎:確認は「創業時の財務諸表」で行われます(手引 PDF p.10)。創業時の財務諸表は通常、資本金に関する記載のみになるため(手引 PDF p.152)、資本金の設計で示すか、残高証明書(受付日から1か月以内の時点で500万円以上)で示すかの分岐が生まれます。この判断は設立登記の前にしかできません。
- 経験の証明:法人は設立以前の内容を証明できません(手引 PDF p.59・p.82)。経管も営業所技術者も、証明者は必ず社外——前職の会社、あるいは同業他者(経管は1者=審査要領 PDF p.12、実務経験証明書は2者=手引 PDF p.82・審査要領 PDF p.24)になります。証明者が今も連絡が取れるかどうかから逆算するのが実務です。
- 社会保険:許可要件そのものであり(手引 PDF p.8)、同時に経管・営業所技術者の常勤性の裏付けでもあります(手引 PDF p.18)。岡山県は、設立後すぐに申請して加入番号が未確定の場合の取扱いを審査要領に明記しています(審査要領 PDF p.20)。ただし確認資料(保険料領収書等)には別途有効期間の定めがあるため(手引 PDF p.72)、加入手続きと申請時期の組み立ては個別確認が要ります。
そして、書類の有効期間の同期が最後の関門です。各種証明書は受付日において発行から3か月以内、残高証明書は受付日から1か月以内の時点の残高、健康保険・厚生年金の保険料領収書は発行日が2か月以内(手引 PDF p.72・p.149-150)。有効期間が短い書類ほど申請日の直前に取る——この順序を外すと、揃えたはずの書類が使えなくなります。
許可を取った後にも、1年以内に営業を開始しなければ取消処分の対象(手引 PDF p.23)、決算日から4か月以内の事業年度終了報告(手引 PDF p.22)という関門が続きます。設立・許可取得・事業開始のタイミングは、セットで設計するものだとお考えください。
要件の全体像は建設業許可の6つの要件(自社が取れるか診断)から確認できます。「うちの資本金と経歴で、いつ申請できるか」を知りたい方は、設立の前後どちらの段階でも構いませんので、まずはご相談ください。
設立したばかりの会社の建設業許可のご相談は無料相談から
「設立したばかりだが、いつ申請できるか」「資本金の額で要件を満たせるか、残高証明が要るか」——建設業に特化した行政書士が、方向性の見立てまで(初回30〜60分)を無料でご案内します。資料の精査・要件設計・工程表の作成は受任後に進めます。無料相談は30秒入力のフォームから。お電話は070-8567-3197。
