
役員が交代したとき、建設業許可の世界で起きることは1つではありません。
取締役が1人代わっただけでも、その人が常勤役員等(経営業務の管理責任者。以下「経管」)を兼ねていれば、変更届は2本立ちます。しかも、2本の提出期限は同じではありません。
岡山県の変更届の表紙には、右肩に〈変更届出事項/提出期限〉の対応表が刷り込まれています。そこでは「役員等の追加・交替・削除」は30日以内、「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」は2週間以内と、別の番号・別の期限として並んでいます(手引 PDF p.30。同じ対応は手引 PDF p.170「変更届出事項及び提出書類等一覧表」にもあります)。お客様がご自分で○を付ける、その1枚目の紙の上で、すでに期限が2つに割れているということです。
そして、実際に手を動かす段になると、次のような細かい分岐が一気に出てきます。
- 役員の重任(任期満了に伴う再任)では、変更届は不要(手引 PDF p.143)
- 一方で、取締役から代表取締役へ、代表取締役から取締役へという役名だけの変更では、変更届が必要(審査要領 PDF p.33)
- 株主等は、持株数が動いただけでメンバーが変わっていなければ届出は不要(手引 PDF p.142)
- 経管が代わるときは、様式第7号の項番17「申請又は届出の区分」に「2(変更)」を入れ、「変更年月日」欄の記載漏れが多いと県が名指しで注意している(手引 PDF p.58・p.60)
本記事は、この「様式をどう埋めるか」と「そもそも届出が要るのか」の2点に絞って、岡山県の手引・審査要領の現物に沿って整理します。
※ どの届出が必要か、どの様式を使うかは、登記の内容・社内の役職の実態・その方が許可要件を支えていたかどうかという個別の事情によって判断が分かれます。本記事は岡山県知事許可を前提とした一般的な整理であり、特定の事案について結論を保証するものではありません。最終判断は有資格者(行政書士)または岡山県の担当窓口にご確認ください。
1. この記事が扱う範囲——「空白なく引き継ぐ交代」の届出に絞ります
最初に、本記事が扱う場面をはっきりさせておきます。ここを取り違えると、読むべき記事が違ってきます。
1-1. 本記事は「後任が決まっていて、空白なくつながる交代」を前提にします
役員や経管が抜けるとき、事案は大きく2つに分かれます。
(a) 後任が決まっていて、前任者から空白なく引き継げる場合——これが本記事です。必要なのは変更届であり、論点は「どの様式を、どう埋めて、いつまでに出すか」になります。
(b) 後任がいない、あるいは前任者が抜けてから後任が就任するまでに空白が生じる場合——こちらは変更届ではなく、廃業届の話になります。審査要領は、経管・営業所技術者(旧:専任技術者)等が死亡・退職し、次の者が就任するまでに1日でも空白の期間が生じる場合には、建設業法第29条第1項第1号に該当するため廃業届の提出が必要である、としています(審査要領 PDF p.33)。また、「欠く」状態には退職・死亡だけでなく毎日出勤できなくなった場合も含まれるという定義があります(手引 PDF p.22)。
(b)の分岐、つまり「人が欠けた時点からの危機対応」については、経管・営業所技術者が退職したら|交替届か一部廃業かの判断にまとめています。 制度全体の見取り図は建設業許可を取った後の手続き全体像(更新・決算変更届・変更届カレンダー)をご覧ください。本記事は、(b)には立ち入らず、(a)の書類作成に集中します。
1-2. 期限は2つある——役員等は30日以内、経管は2週間以内
冒頭で触れたとおり、役員等の追加・交替・削除は30日以内、常勤役員等(経管)は2週間以内です。この対応は、岡山県の変更届の表紙(手引 PDF p.30)と、手引 PDF p.170 の「変更届出事項及び提出書類等一覧表」の両方で確認できます。
⚠️ ここで、書き方に1つ注意が要ります。手引の本文(地の文)に「役員等の変更届は30日以内」「経管の交替は2週間以内」と言い切った箇所はありません。 手引 PDF p.144 の「(4)常勤役員等(経営業務の管理責任者等)変更届の注意点」は5行しかなく、必要書類だけで期限には触れていません。地の文で「2週間以内」と書かれているのは手引 PDF p.22 で、そこは「常勤役員等・営業所技術者等を欠く場合」という条件が付いた文脈です。
つまり、交替(欠けずに引き継ぐ場合)一般の期限の根拠は、表紙と一覧表という2つの「表」にあります。 本記事が「岡山県の変更届の表紙および変更届出事項一覧表による」という出典の書き方をしているのは、この理由からです。
事由ごとの期限と様式の一覧(全19事由)そのものは建設業許可を取った後の手続き全体像が、「自社に起きた出来事がどの届出に分解されるか」の逆引きは建設業許可の変更届|出来事から逆引き・届出漏れの点検が扱っています。本記事では一覧を作らず、人の異動に関する2つの期限だけを押さえます。
1-3. 「どちらの期限に揃えるか」の定めは、資料にありません
役員が退任し、その方が経管でもあった——というよくあるケースでは、30日以内の届出と2週間以内の届出が同時に立ちます。ここで、「短い方の2週間に揃えなければならない」と定めた記述は、手引・審査要領のどちらにもありません。
したがって本記事でも、「県がそう定めている」とは書きません。書けるのは事実関係だけです。経管側の期限が2週間である以上、2本を同時に出すのであれば、実務上は2週間で動くことになります。 そのうえで、審査要領が「退任する役員が経管である場合には、必ず経管の変更届を併せて提出すること」と定めていることを踏まえると、2本を分けて出すより同時に出すほうが自然です(審査要領 PDF p.33)。この作業設計は §7-2 で扱います。
1-4. 本記事で扱わないこと(先に明示します)
読者が迷わないよう、扱わない論点と送り先を先に並べておきます。
| 扱わない論点 | 送り先 |
|---|---|
| 変更届の全19事由 × 提出期限 × 様式番号の一覧、一覧表の読み方 | 建設業許可を取った後の手続き全体像 |
| 「自社に起きた出来事」から必要な届出を逆引きする方法、届出漏れの点検 | 建設業許可の変更届|出来事から逆引き・届出漏れの点検 |
| 経管・営業所技術者を「欠く」状態の定義、空白が生じたときの廃業届、不在の緩和 | 経管・営業所技術者が退職したら |
| 「役員等」の範囲そのもの(誰が対象か)、執行役員の扱い、対象者の棚卸し | 建設業許可の欠格要件とは/建設業許可の誠実性の要件 |
| 登記されていないことの証明書・身分証明書の取得先、有効期限、不要な人 | 建設業許可の欠格要件とは |
| 後任が経管の要件(経験年数・常勤性・証明)を満たすかどうか | 経営業務の管理責任者とは|要件・経験年数・証明方法/経営業務の管理責任者がいない場合はどうする? |
| 商号・本店所在地・営業所の変更届 | 建設業許可の商号変更・屋号変更の届出 |
| 廃業届(様式第22号の4)の書き方、全部廃業と一部廃業 | 建設業許可の廃業届|様式第22号の4の書き方 |
| 後継者に経管を承継させるまでの年数設計 | 建設業許可の代替わり|経管交代は届出、会社ごと譲るなら認可 |
2. まず要否判定——出さなくてよいもの、出さなければならないもの
様式の話に入る前に、そもそも届出が要るのかを確定させます。ここは直感が効かない場所で、「登記が動いたから届出も要るはずだ」「登記が動いていないから不要だろう」という推測が両方向に外れます。
2-1. ★役員の重任では、変更届は不要
もっとも件数が多く、もっとも間違われるのがこれです。手引は次のように明記しています。
・一部の役員等に就退任が発生しても、従来どおり役員等を継続する方については記載不要です。
・役員重任の場合、変更届を提出する必要はありません。
・特例有限会社で役員の減少により取締役が1名となる場合、役員の退任の届出の際に残り1名の役員の役職名変更を同時に届出してください(変更届に職名・氏名を記入し、役員等の調書も添付)。
(手引 PDF p.143)
任期満了に伴う再任(重任)は、登記簿の上では動きますが、建設業許可の変更届は不要です。 2年ごと・10年ごとに役員変更登記をしている会社では、そのたびに変更届を出す必要はない、ということになります。
同時に、この引用には実務で効く点があと2つ入っています。
① 継続する役員等は記載不要——1人が退任し、他の5人が続投する会社であれば、変更届に書くのは動いた1人だけです。「現在の役員全員を書き直す」書類ではありません(現在の顔ぶれを一覧にするのは、添付する役員等の一覧表=様式第1号 別紙1 のほうです)。
② 特例有限会社で取締役が1名になる場合は、届出が2つ乗る——取締役が2名以上いた特例有限会社で1名が退任し、残りが1名になった場合、退任の届出と同時に、残った1名の役職名変更も届け出ます。審査要領も「有限会社で取締役が1名のみになった場合は、『代表取締役』でなく単に『取締役』と記載する。なお、当該変更には役員の削除が伴うため、変更届の提出も必要である」としています(審査要領 PDF p.6)。登記の側では「代表取締役」の肩書きが自動的に外れるだけなので、届出が要る変更だと気づきにくい箇所です。
2-2. 逆に、登記の上で人が入れ替わらなくても届出が要る場合
重任が「不要」だからといって、「人が入れ替わらないなら不要」ではありません。方向が逆の規定があります。
審査要領は、次の3つの場面で変更届の提出を求めています(審査要領 PDF p.32-33。「(2)役員の変更 ① 代表権のみの異動及び役名等のみの変更について」の項は p.32 の末尾から p.33 に続きます)。
- 従来取締役であった者が代表権を持ち代表取締役となり、建設業における代表者にもなる場合
- 二人代表取締役間で、建設業法上の代表者を変更する場合
- 建設業法上の代表者は変更しないものの、取締役から代表取締役、または代表取締役から取締役へ役名が変わる者がいる場合
つまり、顔ぶれが同じでも、役名が変われば届出が要るということです。とくに3つ目は、社内では「昇格」「肩書きの整理」としか認識されていないことが多く、届出が漏れやすい類型です。
さらに、審査要領は様式第12号(許可申請者の住所、生年月日等に関する調書)についても「取締役が株主から非該当となり『取締役、株主等』が『取締役』となる場合など、役職名のみの変更であっても当様式の提出が必要である」と定めています(審査要領 PDF p.26)。役名だけが動いた場合でも、変更届と調書がセットで必要になるという理解でお考えください。
2-3. 株主等——持株が動いただけなら不要、メンバーが動けば必要
「役員等」には、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主、および出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている個人(岡山県の資料でいう「株主等」)が含まれます。ここは要否判定が独特です。
| 起きたこと | 変更届 | 根拠 |
|---|---|---|
| 既存の株主の持株数(出資額)が増減したが、株主等に該当するメンバーの顔ぶれは変わらない | 不要。直後の更新等の許可申請時に株主(出資者)調書(様式第14号)を添付する | 手引 PDF p.142・p.93 |
| 株主等に該当するメンバーが増えた/減った | 必要。様式第22号の2 に株主(出資者)調書等を添付して届け出る | 手引 PDF p.93 |
| 資本金の額を変更し、同時に株主等のメンバーにも増減があった | 資本金の変更届に加えて、役員等の変更届も併せて必要 | 手引 PDF p.141 |
| 株主(出資者)が死亡し、相続手続き中である | いったん株主非該当となった変更届を出し、該当の者を除いたメンバーを記載した様式第14号を提出。相続完了後に必要に応じて再度変更届 | 審査要領 PDF p.26 |
ここで見落とされやすいのが3行目です。 増資をすると「資本金の額の変更届を出せば終わり」と考えがちですが、増資の結果として100分の5以上を持つ個人が新たに現れたり、逆に持分が薄まって外れたりすれば、役員等の変更届がもう1本必要になります。
なお、株主等のメンバー増減については、起算点が他と違います。手引は「それを法人が覚知してから30日以内」としています(手引 PDF p.93)。ただし起算日と例外の整理そのものは建設業許可を取った後の手続き全体像の担当ですので、本記事では「株主等だけは起算点が違う」という事実を押さえるに留めます。
また、株主等の該当・非該当を判定するときは、自己株式を有している場合、その株数を除いた残数の5%を保有するかどうかで判断するという審査要領の定めがあります(審査要領 PDF p.26。株式会社は自己株式について議決権を有しないため)。自己株式を持っている会社では、発行済株式総数で数えると顔ぶれがずれます。
2-4. 監査役については、どう書くか
「監査役が交代したら変更届は要るのか」というご質問をいただくことがあります。
資料から言えるのは、監査役・執行役員・会計参与・監事・事務局長等は「役員」に含まれず、役員等の一覧表(様式第1号 別紙1)に記載の必要がないということです(手引 PDF p.142、審査要領 PDF p.5)。「監査役が交代しても変更届は不要である」という文言そのものは、手引・審査要領のどちらにもありませんので、本記事でもそこまでは断定しません。
ただし例外があります。手引は「業務を執行する社員、取締役または執行役に準ずる地位にあって、建設業の経営業務の執行に関し、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受けた執行役員等」は役員の対象になる、としています(手引 PDF p.142)。社内で「執行役員」と呼んでいるだけなのか、決議と規程に裏づけられた権限委譲があるのかで扱いが変わる、という構造です。誰が「役員等」に当たるかの判定そのものは建設業許可の欠格要件とはと建設業許可の誠実性の要件に整理していますので、判断に迷う場合はそちらをご覧ください。本記事は「その方が役員等かどうか」ではなく、「その異動に届出が要るか」だけを扱います。
2-5. 要否判定のまとめ
ここまでを1枚に畳むと、次のようになります。
| 起きたこと | 変更届 |
|---|---|
| 取締役の就任・退任・交替 | 必要 |
| 役員の重任(任期満了に伴う再任) | 不要(手引 PDF p.143) |
| 取締役 → 代表取締役、代表取締役 → 取締役(役名のみ) | 必要(審査要領 PDF p.33) |
| 二人代表取締役間で建設業法上の代表者を変更 | 必要(審査要領 PDF p.32-33) |
| 特例有限会社で取締役が1名になった | 必要。退任の届出+残り1名の役職名変更(手引 PDF p.143・審査要領 PDF p.6) |
| 顧問・相談役への就任、退任 | 必要(役員等に含まれるため/手引 PDF p.142) |
| 株主等のメンバーの増減 | 必要(手引 PDF p.93) |
| 株主の持株数だけが動いた(メンバー不変) | 不要(手引 PDF p.142) |
| 継続する役員等 | 記載不要(手引 PDF p.143) |
| 経管の交替 | 必要。役員の異動がなくても単独で立つ(手引 PDF p.140 の記載例) |
この章の要点:届出の要否は「登記が動いたか」では決まりません。役名が動けば要る/重任なら要らない/株主はメンバーが動いたときだけ要る——この3つの向きを取り違えないことが、最初の関門です。
3. 変更届は表紙から始まる——○を付ける番号で期限が割れる
岡山県では、申請書だけでなく変更届にも県指定の表紙を付けることになっています(手引 PDF p.25)。この表紙が、本記事の内容と直結します。
3-1. 表紙の右肩に、届出事項と提出期限が刷り込まれている
表紙の書式名は「建設業許可申請書及び添付書類等の変更届」で、右肩に〈変更届出事項/提出期限〉の対応表が印字されています(手引 PDF p.30)。今回提出する内容の番号に○を付ける、という使い方です。手引は「【右肩の表】 今回提出する内容の番号に○を付けてください」と指示しています(手引 PDF p.31)。
人の異動で使う番号は、次の2つです。
| ○印番号 | 変更届出事項(表紙の記載) | 提出期限 |
|---|---|---|
| 3 | 資本金の額/役員等の追加・交替・削除/個人事業主の氏名変更/支配人の変更 | 30日以内 |
| 4 | 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)/健康保険等の加入状況 | 2週間以内 |
(手引 PDF p.30。ページが90度回転しているためテキスト抽出では列の対応が崩れますが、2026-08-12 に画像として直接読み取り、手引 PDF p.170 の一覧表と一致することを確認しています。)
⚠️ 上の表は、その番号のうち人の異動に関わる行だけを抜いたものです。○印の番号は1つの期限に対応しているとは限らず、たとえば番号3の枠の中では、建設業法施行令第3条の使用人の行だけが2週間以内になっています(手引 PDF p.30)。「番号3に○を付けたから30日」と番号単位で覚えないでください。
取締役が交代し、その方が経管でもあった場合、この表紙では番号3と番号4の両方に○が付きます。 そして、その2つの番号に印字された期限は30日以内と2週間以内で、倍以上違います。冒頭で「表紙の上ですでに期限が割れている」と書いたのは、この意味です。
⚠️ 表紙の一覧が、変更届出事項の全部ではありません。 表紙に掲げられているのは7グループ・17事項で、たとえば役員等の「氏名変更」「役職変更」や建設業法上の代表者変更は、表紙の一覧には独立して現れません(手引 PDF p.170 の一覧表には独立した行があり、いずれも30日以内です)。「表紙に書いていないから届出が要らない」と読まないでください。表紙の一覧の全体像と7グループの区切りは建設業許可の変更届|出来事から逆引き・届出漏れの点検で扱っています。
3-2. 表紙そのものの書き方——ここでつまずく5点
表紙は1枚ですが、注意書きの密度が高い書式です。手引 PDF p.31 の記載要領(および①〜⑤のうち④は審査要領)から、人の異動の届出で効くものを挙げます。
① 表紙も、令和7年2月1日以降の提出分から様式が変わっています(手引 PDF p.31)。次章の様式第22号の2 と同じ改定です(§4-5)。
② 許可番号・許可年月日の記載漏れに注意。 許可年月日の欄に、誤って作成日を書いてしまう例が挙げられています。
③ 許可日が複数ある場合は、現在有効なもののうち一番古いものを記載します。 業種追加を重ねてきた会社では許可日が複数ありますが、表紙に書くのは1つです。
④ 更新手続中の場合、許可番号・許可年月日は「更新前」のものを書きます(審査要領 PDF p.31)。更新申請を出した直後に役員が代わった、という場面で効きます(詳細は建設業許可の変更届|出来事から逆引き・届出漏れの点検)。
⑤ 表紙に限り、訂正に修正液・修正テープを使えます。 他の様式は二重線で抹消して訂正します(手引 PDF p.25・p.31)。審査要領も「この取り扱いは変更届においても同様である」としています(審査要領 PDF p.3)。逆に言えば、表紙以外の様式で修正液を使うと差し戻しになります。とくに、同業者による証明を受けた部分や法人の役員等の調書など、申請者が訂正できない部分があります(手引 PDF p.25)。
なお、行政書士が書類作成を代行した場合は、表紙の作成者氏名欄に行政書士氏名を記載します(手引 PDF p.31)。
4. 様式第22号の2 第一面の埋め方——記載の原則5つ
表紙の次に来るのが、変更届出書(様式第22号の2)です。手引の目次は、この様式を「商号・所在地・資本金・役員等・経管・営業所技術者等変更用」と説明しています(手引 PDF p.3)。人の異動の届出は、この1枚が主戦場です。
⚠️ 他県向けの解説記事でしばしば見かける「決算変更届は様式第22号の2 を使う」という説明は、岡山県では当てはまりません。事業年度終了報告に使うのは〔事業年度終了届用〕の岡山県独自様式(様式番号なし)です。この点は決算変更届(事業年度終了報告)とは|毎年の提出義務と流れに整理しています。
4-1. 原則①|「変更年月日」は登記年月日ではない
第一面の「変更年月日」欄について、手引は「実際の変更年月日を記載してください。登記年月日ではありません」と明記しています(手引 PDF p.141)。役員等については「役員の就退任日を商業登記事項証明書により確認します。変更年月日は実際に就退任した日を記載してください」とされています(手引 PDF p.142)。
審査要領も同じ趣旨で、「役員の異動、資本金の増額等、登記事項に係る変更の届出を行う場合には、変更年月日は登記年月日ではなく、役員の就任日等当該事項に関する変更の年月日を記載する」としています(審査要領 PDF p.31)。
実務上の意味は2つあります。
- 登記が完了するのを待ってから数え始めると、期限を過ぎていることがある。 就任日・退任日から時計が動きます。
- 登記の日付をそのまま書き写すと、記載が誤りになる。 株主総会の日と登記の日が離れているときほど、この誤りが起きます。
4-2. 原則②|備考欄に「役名等」と「異動事由」を書く
第一面でもっとも自由度が高く、もっとも書き方が問われるのが備考欄です。手引の指示はこうです。
・備考欄に役員等の役名等(取締役、代表取締役、 顧問、株主等など)及び異動事由(就任、退任、辞任、交替)を記載してください。
・役員等の追加の場合は、変更前の欄を空欄として備考欄に「取締役就任」等と記載し、役員等の減少の場合には、変更後を空欄として備考欄に「取締役退任」等と記載してください。同日付けで就退任がある場合には、変更前に退任する役員等の氏名を、変更後に就任する役員等の氏名を記載し、備考欄に「取締役交替」等と記載してください。
(手引 PDF p.142)
ここから、埋め方の型が3つ取り出せます。
| 起きたこと | 変更前の欄 | 変更後の欄 | 備考欄 |
|---|---|---|---|
| 役員等の追加(就任) | 空欄(「―」) | 就任する方の氏名 | 「取締役就任」等 |
| 役員等の減少(退任) | 退任する方の氏名 | 空欄(「―」) | 「取締役退任」等 |
| 同日付の就退任(交替) | 退任する方の氏名 | 就任する方の氏名 | 「取締役交替」等 |
「1行で1つの動きを表す」というのが、この様式の考え方です。手引は「【備考欄】記載例を参考にして、変更内容が具体的かつ平易に分かるように記載してください」ともしています(手引 PDF p.141)。
4-3. 原則③|第二面は、役員等・経管の変更では提出不要
意外に知られていないのがこれです。様式第22号の2 の記載要領は「届出の内容が、主たる営業所若しくは従たる営業所において営業しようとする建設業又は従たる営業所の名称若しくは所在地に係る変更、従たる営業所の新設若しくは廃止以外の場合には、第二面の提出を要しない」としています(手引 PDF p.138)。
手引 PDF p.141 の注意点でも「【第二面】従たる営業者がない場合又は、主たる営業所で営業しようとする建設業の業種や第二面に記載すべき従たる営業所の情報に変更がない場合は添付不要です」とされています。
役員が代わった、経管が代わった——という届出では、第二面は要りません。 様式をダウンロードすると第二面まで付いてくるため、律儀に白紙で綴じてしまう例がありますが、不要です。
4-4. 原則④|入力事項欄は、変更があった部分のみ
手引は「【入力事項欄(項番 37~44、81~88)】変更があった部分のみ記入してください」としています(手引 PDF p.141)。現状のすべてを転記する欄ではありません。
同じ考え方が、前述の「継続する役員等については記載不要」(手引 PDF p.143)ともつながっています。変更届は「差分を書く書類」だ、と理解しておくと迷いません。一方、添付する役員等の一覧表(様式第1号 別紙1)は「変更後の状況を記載した一覧表」を付けるものなので(手引 PDF p.143)、こちらは現状の全員を書きます。差分を書く紙と、現状を書く紙が同じ束の中に同居している、という点は押さえておいてください。
4-5. 原則⑤|令和7年2月1日以降の提出分から様式が変わっている
表紙と同様、変更届出書そのものも様式が改まっています。手引は「【注意!】令和7年2月1日以降の提出分から様式が変更されています。新様式で提出してください」としています(手引 PDF p.141)。
表紙と様式第22号の2 は、いずれも令和7年2月1日以降の提出分から新様式です。前回の変更届のファイルを開いて日付だけ書き換える、という進め方が通用しなくなっているのは、この改定のためです。
なお、法人番号の欄については「法人番号通知書の写し又は国税庁の法人番号公表サイトで確認してください」との案内があります(手引 PDF p.141)。日付欄には届出日を必ず記載します(同)。
5. ケース別の書き分け——岡山県の記載例に沿った型
手引 PDF p.140 には「<変更届出書(様式第22号の2) 第一面の記載例>」として、届出事項/変更前/変更後/変更年月日/備考の5列で、多数の記載例が並んでいます。冒頭には「※変更内容欄は、どう変更したのかが分かりやすく記載されていれば結構です。以下はあくまで記載の一例です」との断りがあります。
この記載例は、そのまま作業の設計図になります。 ここでは、役員等・経管に関わる型を、実務で出会う順に並べます。
5-1. 型A|取締役の就任・退任・交替
もっとも基本の型です。届出事項欄は「役員等の氏名」です。
| 型 | 変更前 | 変更後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 取締役交替 | 前任者の氏名 | 後任者の氏名 | 取締役交替 |
| 取締役就任 | ― | 就任する方の氏名 | 取締役就任 |
| 取締役退任 | 退任する方の氏名 | ― | 取締役退任 |
(手引 PDF p.140 の記載例より)
5-2. 型B|代表取締役の交替(2パターンある)
代表取締役が代わる場合は、前任者が会社に残るかどうかで書き方が変わります。手引の記載例も2パターンに分けています。
パターン1|従来の代表取締役が、取締役からも退任する場合
| 届出事項 | 変更前 | 変更後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 役員等の氏名 | 代表取締役 ○○ | ― | 代表取締役退任 |
| 〃 | 取締役 △△ | 代表取締役 △△ | 〃 就任 |
パターン2|代表取締役Aが取締役になり、取締役Bが代表取締役に就任する場合
| 届出事項 | 変更前 | 変更後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 役員等の氏名 | 代表取締役 ○○ | 取締役 ○○ | 代表取締役退任 |
| 〃 | 取締役 △△ | 代表取締役 △△ | 〃 就任 |
(いずれも手引 PDF p.140)
違いは1行目です。 前任者が会社を去るなら変更後は空欄、取締役として残るなら「取締役 ○○」と書きます。変更前・変更後の欄には、氏名だけでなく役職名も併記する——これが代表取締役がらみの型の共通点です。
5-3. 型C|代表取締役が2人になり、同時に建設業法上の代表者を交替する場合
ここから独特の型に入ります。手引の記載例には、「建設業法上の代表者」という独立した届出事項の行が用意されています。
| 届出事項 | 変更前 | 変更後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 役員等の氏名 | 取締役 ○○ | 代表取締役 ○○ | 代表取締役就任 |
| 建設業法上の代表者 | △△ | ○○ | 代表者の交替 |
(手引 PDF p.140)
「会社の代表取締役」と「建設業法上の代表者」は、同じではありません。 代表取締役が複数いる会社では、建設業許可の上で誰を代表者とするかを選んでおり、その付け替えは独立した届出事項になります。手引 PDF p.170 の一覧表にも「建設業法上の代表者変更」の独立した行があり、期限は30日以内です。
代表取締役が1人しかいない会社が2人体制に移行するとき、この行を書き忘れると、届出の上では前任者が建設業法上の代表者のままになります。以後の申請書・届出書の代表者欄と食い違うため、後々まで尾を引きます。
5-4. 型D|特例有限会社で、代表取締役を除く取締役が全て退任した場合
§2-1 で触れた場面の記載例です。
| 届出事項 | 変更前 | 変更後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 役員等の氏名 | 取締役 ○○ | ― | 取締役退任 |
| 〃 | 代表取締役 △△ | 取締役 △△ | 役職名の変更 |
(手引 PDF p.140)
2行目が肝です。 退任した人の行だけを書いて出すと、残った1名の役職名変更が落ちます。審査要領も「有限会社で取締役が1名のみになった場合は、『代表取締役』でなく単に『取締役』と記載する」としています(審査要領 PDF p.6)。
5-5. 型E|顧問・相談役への就任、株主等の該当・非該当
役員でない「役員等」の型です。届出事項欄はいずれも「役員等の氏名」で、備考欄の文言が変わります。
| 起きたこと | 変更前 | 変更後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 顧問(相談役)への就任 | ― | 就任する方の氏名 | 顧問(相談役)就任 |
| 100分の5以上の株式を保有(出資)するに至った | ― | 該当する方の氏名 | 100分の5以上の株主(出資者)に該当 |
| 100分の5以上を保有(出資)しなくなった | 該当していた方の氏名 | ― | 100分の5以上の株主(出資者)に非該当 |
| 取締役が100分の5以上を保有(出資)しなくなった | 取締役・株主等 ○○ | 取締役 ○○ | 100分の5以上の株主(出資者)に非該当 |
(手引 PDF p.140)
4行目に注目してください。 人は辞めておらず、取締役のままです。動いたのは「株主等」という属性だけです。それでも1行を書いて届け出る、というのが岡山県の運用で、前述のとおり様式第12号の提出も必要になります(審査要領 PDF p.26)。
5-6. 型F|経営業務管理責任者のみ交替し、役員の就退任がない場合
ここから経管の型です。届出事項欄の文言が変わります。
| 届出事項 | 変更前 | 変更後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 常勤役員等の氏名(経営業務管理責任者) | 前任者の氏名 | 後任者の氏名 | 経営業務管理責任者の交替 |
(手引 PDF p.140)
役員の顔ぶれは動かず、社内で経管の役割だけを引き継ぐ場合の型です。このケースでは役員等の変更届は立たず、経管の変更届だけが立ちます。 したがって表紙の○も番号4だけ、期限も2週間以内だけになります。
5-7. 型G|代表取締役の交替と同時に、経営業務管理責任者も交替する場合
本記事でもっとも重要な型です。 手引の記載例は3行構成で、しかも届出事項欄の文言に注意が要ります。
| 届出事項 | 変更前 | 変更後 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 常勤役員等の氏名 | 代表取締役 ○○ | 取締役 ○○ | 代表取締役退任 |
| 〃 | 取締役 △△ | 代表取締役 △△ | 〃 就任 |
| 常勤役員等の氏名(経営業務管理責任者) | ○○ | △△ | 経営業務管理責任者の交替 |
(手引 PDF p.140。届出事項欄の文言は原本の印字どおりです。)
この型を、型Bと見比べてください。 役職の動き方はパターン2とまったく同じですが、届出事項欄が「役員等の氏名」ではなく「常勤役員等の氏名」になっています。 経管が絡む交替は、岡山県の記載例では常勤役員等のグループとして書かれる、ということです。ここを「役員等の氏名」と書き換えてしまうのは、記載例の読み違いです。
そして3行目で、経管の交替そのものが独立の行として立ちます。1枚の紙の上に、役員の動き2行と経管の動き1行が同居する——これが「1つの交代で2本立つ」ことの、様式の上での姿です(作業設計は §7-2)。
5-8. 型を選ぶときのチェック
ここまでの7型を、選び方の順に畳みます。
- 経管が動くか? → 動くなら、届出事項欄は「常勤役員等の氏名」系(型F・型G)
- 役員も同時に動くか? → 動くなら型G(3行)、動かないなら型F(1行)
- 代表取締役が動くか? → 前任者が会社を去るなら型Bパターン1、取締役として残るなら型Bパターン2
- 代表取締役の人数が変わり、建設業法上の代表者を付け替えるか? → 型C(「建設業法上の代表者」の行を追加)
- 特例有限会社で取締役が1名になるか? → 型D(残った1名の役職名変更の行を追加)
- 株主等の該当・非該当だけが動いたか? → 型E
⚠️ 手引 PDF p.140 の記載例は、営業所技術者や営業所に関する型も含めて多数並んでいます。本記事で扱ったのは役員等・常勤役員等に関わる型です。営業所技術者の交替や担当業種の変更は、様式第8号や様式第22号の3 が絡むため書き方が変わります。人が抜けた場面での様式の分岐は経管・営業所技術者が退職したらをご覧ください。
6. 経管が代わるとき——様式第7号と略歴書の実務
経管の交替は、変更届出書1枚では終わりません。ここが役員の変更との最大の違いです。
6-1. 必要になる書類——手引はこれだけしか書いていない
手引の該当箇所は、次の5行です。
(4)常勤役員等(経営業務の管理責任者等)変更届の注意点
交替の場合、表紙、様式第 22 号の2(変更届出書)、様式第7号(常勤役員等(経営業務の管理責任者)証明書)、様式第7号別紙(常勤役員等の略歴書)等の提出及び社会保険(p.56)等の提示が必要です。
(手引 PDF p.144)
つまり、表紙/様式第22号の2/様式第7号/様式第7号別紙+社会保険等の提示という構成です。
⚠️ 引用中の「(p.56)」は手引の紙面ページの相互参照で、PDFでは p.60 にあたります。手引の本文中に出てくる「p.○○」は紙面ページですので、PDFのページ番号として読まないでください。
⚠️ また、この節には期限が1文字も書かれていません。前述のとおり、経管の変更届が2週間以内であることの根拠は表紙(手引 PDF p.30)と一覧表(手引 PDF p.170)です。
なお、常勤役員等+直接に補佐する者の体制(建設業法施行規則第7条第1号ロ)で経管の要件を満たしている会社は、様式第7号ではなく様式第7号の2の側になります。この体制の変更届については経管を補佐者体制で満たすには|常勤役員等を直接に補佐する者をご覧ください。
6-2. ★様式第7号の項番17——「2(変更)」を入れ、両方の欄に書く
様式第7号は、新規許可申請でも使う書式です。変更届で使うときは、書き方が変わります。
記載要領によると、項番17の「申請又は届出の区分」は次の3分類で、該当する数字をカラムに記入します(手引 PDF p.58)。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 1.新規 | 許可を受けようとする行政庁に対し、初めて常勤役員等としての証明を行う場合 |
| 2.変更 | 現在証明されている常勤役員等に変更があった場合 |
| 3.常勤役員等の更新等 | 常勤役員等について、現在証明されている者のままとする場合 |
そして、記入する欄が区分によって変わります。
- 「1.新規」または「3.常勤役員等の更新等」に該当する場合 → ◎【新規・変更後・常勤役員等の更新等】の欄に記入
- 「2.変更」に該当する場合 → ◎【新規・変更後・常勤役員等の更新等】の欄と、◎【変更前】の欄の両方に記入
(手引 PDF p.58)
経管の交替では、1枚の様式第7号の中に、後任者と前任者の両方を書くということです。ここを片側だけで出すと不備になります。
さらに、「変更の年月日」の欄は、項番17に「2」を記入した場合に、変更をした年月日を記載します(手引 PDF p.58)。
6-3. ★「変更年月日」の記載漏れが多いと、県が名指しで注意している
同じ様式第7号について、手引の注意点にはこう書かれています(手引 PDF p.60)。「【変更年月日の記載漏れ】経管が交替する場合に記載が必要ですが、記載漏れが多いので注意してください。新規、更新、追加等の許可申請の場合は空欄とします」。
新規申請では空欄にする欄なので、申請書の書式に慣れている方ほど落とします。 変更届のときだけ埋める欄がある、と覚えておいてください。
6-4. 常勤性の確認は「提示」で行われる
様式第7号の記載要領には、常勤性の確認方法が書かれています(手引 PDF p.60)。
- 社会保険適用事業所については、経管の健康保険証(有効期限内のもの)又は直近の厚生年金標準報酬決定通知書の写しを提示する
- ただし、個人事業主本人が経管となる場合は不要
- 建設国保に加入している場合は、直近の厚生年金標準報酬決定通知書、又は確認する経営業務管理責任者が記載された建設国保の加入証明書を提示する
これらは「提示」であって「提出」ではありません。手引は、常勤性の確認資料について「確認のみのため、つづらず一部だけ提示してください」としています(手引 PDF p.151)。綴じ込むべきものと、綴じずに1部だけ見せるものが混在するのが、この届出の綴じ方の難しさです。
常勤性そのものの判定(兼務している場合、遠隔地に居住している場合など)は他社役員との兼務・遠隔地居住でも常勤と認められる?にまとめています。
6-5. 様式第7号別紙(常勤役員等の略歴書)——本人が書く欄がある
経管の交替では、後任者の略歴書(様式第7号 別紙)も必要です。この書式には、実務で効く制約があります(手引 PDF p.62)。
- 現住所、氏名、生年月日、賞罰、誓約日及び署名欄は、本人以外による訂正が認められません
- 「職名」欄は、個人の場合は「事業主」、法人の場合は「取締役」「代表取締役」等と記載し、別紙一「役員等の一覧表」に記載の役名等と記載内容を合わせます
- 「職歴」欄には、経営を管理した経験等を記載し、常勤・非常勤の別を明記します
- 「賞罰」欄には、建設業の行政処分・行政罰はもちろん、刑罰その他の賞罰の有無を明記し、該当がない場合は「特記事項なし」等と記載します
- 誓約欄の日付欄には誓約日を記載し、常勤役員等本人が記載事項を確認したうえで記載します
「行政書士に頼めば全部やってもらえる」と思われがちですが、この書式については後任者ご本人の関与が必須です。 届出の日程を組むときは、後任者の在席日を先に押さえてください。
賞罰欄の書き方そのもの(何を書き、何を書かないか)は建設業許可の誠実性の要件|不正・不誠実な行為とはに整理しています。
6-6. ★略歴書を出す人は、様式第12号を作らなくてよい
書類の枚数に直結する、非対称なルールです。手引は様式第12号(許可申請者の住所、生年月日等に関する調書)について、こう定めています(手引 PDF p.89)。「【常勤役員等(経営業務の管理責任者等)】申請や変更届において、『常勤役員等の略歴書』及び『常勤役員等を直接に補佐する者の略歴書』の提出がある場合、当該略歴書に記載された者についてのみ、この様式は作成不要です」。
経管の後任者については、略歴書を出すので調書は要りません。 一方、同じ届出で新たに取締役になる別の方については、調書が必要です。1つの束の中で、人によって必要な紙が違うということになります。
もう1点、様式第12号については変更届だけの範囲ルールがあります。手引は「許可申請の場合、許可申請書 別紙1 (役員等の一覧表)に記載した方全員について、作成が必要ですが、変更届の場合には、削除される方以外で変更のあった方(肩書の変更を含む。)のみ必要です」としています(手引 PDF p.37)。様式第12号の説明でも「変更届の場合には、削除された方を除き、変更のあった方について作成します」「【役名などの変更があった場合】この場合であっても記載内容の変更となりますので、本様式を作成してください」と重ねて書かれています(手引 PDF p.89)。
| 場面 | 様式第12号の作成範囲 |
|---|---|
| 許可申請(新規・更新・追加・般特新規) | 役員等の一覧表に記載した役員等(監査役を含まない)全員 |
| 変更届 | 削除される方以外で、変更のあった方(肩書の変更を含む)のみ |
| 経管の後任者(略歴書を提出する方) | 作成不要(手引 PDF p.89) |
6-7. ★過去に経管だった人が戻る場合——確認申立書で調査が省ける
受任の判断材料としても、費用の見積りとしても効く運用がこれです。審査要領は「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)又は営業所技術者等であったことの確認申立書」について、次のように定めています(審査要領 PDF p.16)。
- 現に岡山県知事許可を有する建設業者において、過去に経管又は営業所技術者等であった者が、新規許可申請又は変更届に係る経管又は営業所技術者等に就任しようとする場合、この申立書の提出により、その経験に係る調査を省略する
- 過去に提出された申請書等により経験が確認できる場合、県民局調査においては経験期間の確認を省略し、常勤性の確認のみを行う
- 「過去に提出された申請書等」については、書類のいずれかに対象者の名前があり、その当時に経管又は営業所技術者等であったことが確認できれば経験として認める
- 現に経管又は営業所技術者等である必要はなく、申請書等で「変更前の者」として確認ができる場合も可
社内で経管を交代させ、しばらくして元の方に戻す、という場面や、一度経管を務めた方が再び就任する場面で、経験の証明作業が大きく軽くなります。 経験年数の証明は、経管まわりでもっとも工数を食う部分です。「以前この会社で経管をやっていた」という事実に心当たりがある場合は、届出の設計の前に確認する価値があります。
もう1つ、登記の実務から生じる特殊なケースにも定めがあります。役員の重任手続を懈怠していたため、登記上「退任・就任」と記載されてしまった場合です。審査要領は、様式第7号別紙(略歴書)に「退任と就任年月日及びその旨を明記し、その間に1行設けて、その空白の期間も経管として会社の運営を行っていた等、3行にわたって記載すること」としています(審査要領 PDF p.16)。§2-1 のとおり重任そのものでは変更届は不要ですが、懈怠して登記が動いてしまった場合の略歴書の書き方は別に定められている、という関係です。
なお、後任者が経管の要件(建設業に関する経営経験の年数、常勤性、証明できる者)を満たすかどうかは、本記事の範囲外です。経営業務の管理責任者とは|要件・経験年数・証明方法と経営業務の管理責任者がいない場合はどうする?をご覧ください。
7. 1つの交代で2本立つ——同時に出すときの作業設計
ここまでの型と様式を、実際の交代に当てはめます。この章が、本記事の実務上の結論です。
7-1. 県が最も落とさせたくない1点
手引の「役員等変更届の注意点」は、⑤として次の1点だけを掲げています。
⑤ 役員等変更届のその他の留意点
就退任などのあった役員等が経営業務の管理責任者や営業所技術者等でもある場合、忘れずに経営業務の管理責任者又は営業所技術者等の変更届も提出してください。
(手引 PDF p.143)
「その他の留意点」という章が、この1点だけで構成されている——県がどこを心配しているかが分かる書きぶりです。
審査要領は、この場面を「② 退任する役員が経管・営業所技術者等である場合」という項として立て、経管については「必ず経管の変更届を併せて提出すること」と定めています(審査要領 PDF p.33)。「忘れずに」ではなく「必ず」という言い方に変わっている点に、県の姿勢が表れています。
役員を降りるだけで会社には残るのか、会社を去るのかで、営業所技術者側の扱いが変わる点にも注意してください。同じ項は、退任する役員が営業所技術者である場合について、その方が会社に常勤の職員として残ることが必要であるとしたうえで、退職または非常勤職員等となる場合には営業所技術者の変更届と役員の変更届を同時に受け付ける、としています(同)。役員を退任しても、常勤の職員として残って営業所技術者を続けるのであれば、営業所技術者側の届出は立ちません。
7-2. 3つの型で作業を設計する
同時提出のパターンは、実務上3つに整理できます。
型(i)|経管のみ交替し、役員の就退任がない
- 立つ届出:経管の変更届のみ
- 表紙の○:番号4
- 期限:2週間以内
- 様式:表紙/様式第22号の2(記載例の型F・1行)/様式第7号/様式第7号別紙+社会保険等の提示
- 注意:後任者が新たに役員になるわけではないので、役員等の一覧表(別紙1)の内容は変わりません
型(ii)|役員が交替し、その役員が経管を兼ねていた
- 立つ届出:役員等の変更届(30日以内)+経管の変更届(2週間以内)
- 表紙の○:番号3と番号4の両方
- 期限:短い方が2週間以内。同時に出すなら実務上は2週間で動くことになります
- 様式:表紙/様式第22号の2/様式第1号 別紙1(役員等の一覧表・変更後の状況)/様式第7号/様式第7号別紙/新たに役員を追加するなら誓約書(様式第6号)と証明書2種
- 注意:経管の変更届だけを出して役員の変更届を落とす、あるいは役員の変更届だけを出して経管の変更届を落とす——どちらの落とし方も起きます
型(iii)|代表取締役が交替し、前任者が経管でもあった
- 立つ届出:型(ii)と同じ2本。ただし記載例は型G(3行)
- 追加で効く定め:審査要領は「速やかに後任の代表取締役を選任し、新代表者名で変更届を提出する必要がある」「変更前の代表者が、経営業務管理責任者や営業所技術者等であった場合は、経営業務管理責任者や営業所技術者等の変更届も同時に提出する必要がある」としています(審査要領 PDF p.33)
- 注意:変更届の届出者名義が、新代表者になります。前任者の名前で作った書類のまま出すことはできません
7-3. ★登記が間に合わないときの救済——ただし「14日以内」を届出期限と読まない
代表取締役の交替では、登記の完了を待っていると書類が揃わないことがあります。審査要領には、この場面の取扱いがあります。
③ 法人の代表取締役が退任した場合
速やかに後任の代表取締役を選任し、新代表者名で変更届を提出する必要がある。
変更前の代表者が、経営業務管理責任者や営業所技術者等であった場合は、経営業務管理責任者や営業所技術者等の変更届も同時に提出する必要がある。この際、登記手続き等に時間を要し変更日から14日以内に代表者変更後の履歴事項全部証明書が提出できない場合は、代表者を選任した株主総会の議事録(登記申請手続きで法務局に提出する資料)により、事実確認のうえ変更届を受付し、登記完了後、速やかに代表者変更を反映した履歴事項全部証明書の提出を求める。
(審査要領 PDF p.33)
この救済は、実務でかなり効きます。 商業登記の完了までには相応の日数がかかりますが、それを待っていると経管側の2週間に間に合いません。岡山県は、株主総会の議事録で事実確認をしたうえで変更届を受け付け、登記完了後に履歴事項全部証明書を提出させるという段取りを用意している、ということです。
⚠️ ただし、この「14日以内」を届出期限だと読まないでください。 これは「履歴事項全部証明書が間に合わないときに、代替の方法で受け付ける」という文脈で出てくる日数です。「代表者の変更届は14日以内」という決まりではありません。
なお、通常の役員変更で株主総会議事録や取締役会議事録の添付を求める定めは、手引・審査要領のどちらにもありません。上記は登記が間に合わない場合の代替であり、常に必要な添付書類ではありません。ただし例外として、協同組合等で、登記簿から取締役等に相当する理事の氏名が確認できない場合は、役員一覧表等に加えて「理事の氏名を確認するため、別途資料として当該変更に係る『議事録』を提出すること」とされています(審査要領 PDF p.6)。法人格のある組合の役員(理事)変更では、議事録が要ると理解してください。
7-4. 添付が重くなるのは「新たに役員を追加するとき」だけ
書類の重さを見積もるときの目安です。
新たに役員を追加する場合は、誓約書(様式第6号)と、その方についての登記されていないことの証明書・身分証明書が必要になります。逆に、役職や氏名の変更だけ、あるいは削除だけであれば、これらは不要です(手引 PDF p.143)。
したがって、「誰かが辞めるだけ」の届出は書類が軽く、「誰かが新しく入る」届出は書類が重い、という非対称になります。証明書の取得先・有効期限・不要な人の整理は建設業許可の欠格要件とは|破産・前科があっても取れる?にまとめていますので、そちらをご覧ください。
7-5. 綴じ方——複数の届をまとめて出すときは「届出ごとに」並べる
2本立つ届出を同時に出す場合、綴じ方の指示が効いてきます。手引はこう書いています(手引 PDF p.25)。「【書類のつづり方】 様式番号の順に黒ひも等でつづってから提出してください。なお、複数の届をまとめて提出する際には届出ごとに並べてください。」
「様式番号の順」と「届出ごと」の2階層です。 役員等の変更届と経管の変更届を同時に出すなら、様式番号順に一気に並べるのではなく、届出ごとの束を作り、その中で様式番号順に並べることになります。同じ様式第22号の2 が2枚ある構成になるため、混ぜて綴じると審査側で追えなくなります。
なお、提出書類は閲覧用と非閲覧用に分けて綴じます(手引 PDF p.25)。手引 PDF p.170 の一覧表で「①提出書類(閲覧用)」として様式が並んでいる列を見て「ここに載っていない様式は不要だ」と読むのは誤りで、様式第7号や略歴書、証明書類は非閲覧用の側にあります。
8. 岡山県での手続きと、依頼するかどうかの判断材料
8-1. 提出先は本庁一元——県民局の窓口では受け付けていません
変更届の提出方法・提出部数・提出場所は、許可申請の場合と同じです(手引 PDF p.22)。
- 岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)
- 窓口受付時間 9:00〜11:30、13:00〜16:30(閉庁日を除く)(手引 PDF p.16)
- 郵送での提出も受け付けられています。ただし手引の書きぶりは「時間的な余裕がある申請等については郵送による提出も受け付けています」であり、無条件ではありません(送付先は上記と同じ/手引 PDF p.16)
手引は「建設業許可申請及び変更届の受付については出先機関ではなく、本庁の土木部監理課建設業班で行っています」と明記しています(手引 PDF p.168)。県民局は、変更届の窓口ではありません。
なお、本記事は書面(窓口へのご持参・郵送)による届出を前提に、様式の埋め方を整理しています。手引には「9 電子申請」という独立した節が置かれており、変更届出も電子申請で行える旨が案内されています(手引 PDF p.20)。ただし手引に手順の記載はありません。
⚠️ また、岡山県は事前審査を一切行いません(手引 PDF p.16)。「とりあえず持って行って見てもらう」という進め方ができないため、様式を完全に整えてから提出することになります。本記事が様式の埋め方にこだわっているのは、この運用が前提にあるためです。
8-2. 変更届に法定手数料は不要
変更届には手数料は必要ありません(手引 PDF p.22・p.14)。役員が代わっても、経管が代わっても、県に納める法定手数料はゼロです。
ただし、実費はゼロではありません。 新たに役員を追加する場合は、その方の登記されていないことの証明書・身分証明書の取得費用がかかります(§7-4)。また、商業登記事項証明書が必要になる場合もあります。役員変更登記そのものは司法書士の領域で、建設業許可の資料の範囲外です。
8-3. 届出の前後で効く、岡山県固有の運用3点
① 許可申請の受付日から許可を受けるまでの間に役員等が変わったら、まず連絡する
審査要領は「許可申請を行った際に、申請の受付日から許可を受けるまでの間に役員等や所在地を変更するなど申請内容に変更があった場合は、速やかに県担当者に連絡の上、変更届を提出すること」としています(審査要領 PDF p.31-32)。許可申請の審査は、変更届の審査が完了するまでの間は保留となり、変更届の審査完了後に県担当者が職権訂正を行ったうえで審査されます(同)。
同じ趣旨が、申請書の受領書の様式にも注記されています(手引 PDF p.29)。新規申請・更新申請を出した後、許可が出るまでの間の役員異動は、届出だけを黙って出すのではなく、連絡が先です。
② 旧姓での届出を受け付けている
審査要領は「建設業法に基づく経管、営業所技術者等及び役員等の氏名の届出について、次の条件で旧姓での申請及び届出を受け付けする」としています(審査要領 PDF p.32)。条件は、旧姓使用する方の戸籍上の氏名と旧姓が公的書類で確認でき、届出に当たってその確認書類の提示があることです。確認書類の例として、戸籍抄本、マイナンバーカード、住民票、運転免許証、パスポート(戸籍抄本以外は戸籍上の氏名と旧姓が併記されたものに限る)、各種資格者証が挙げられています。
なお、届出受付後に経営事項審査の受審や県発注工事の契約手続等で技術者等の確認が行われる際には、改めて同じ確認資料を準備し提示することとされています(同)。
③ 婚姻等による氏名変更は、確認資料を1部提示するだけで済むことがある
手引は「婚姻等により、役員等、経営業務管理責任者又は営業所技術者等の氏名変更があった場合は、戸籍謄本(写し可)など、当人の氏名に変更があったことが分かる資料をつづらず一部提示してください。なお、役員等の氏名変更があった場合は、登記事項証明書等の記載で変更内容が確認できれば、戸籍謄本等は提示不要です」としています(手引 PDF p.151)。
登記事項証明書を取る予定があるなら、戸籍謄本は要らないかもしれない——ここは実費と手間に直結する分岐です。
8-4. 期限を過ぎてしまった場合(結論だけ)
期限を過ぎた場合、岡山県の運用は二段構えになっています。遅れた変更届そのものは、所定の手順を踏めば受け付けられます(法定の提出期限の2倍を超える遅延であれば、業務改善報告書の提出を受けたうえで受付する/審査要領 PDF p.36-37)。一方で、変更届が法定期限内に出ていない状態では、更新・追加・般特新規といった許可申請の受付ができません(手引 PDF p.153・p.155)。
「遅れたらもう更新できない」でも「遅れても何も起きない」でもありません。 遅れた分をどの順で片づけるかについては決算変更届を出していないとどうなる|未提出が溜まったときの対処、更新申請との前後関係は建設業許可の更新手続き|流れ・必要書類・注意点にまとめていますので、そちらをご覧ください。
なお、更新のタイミングで経管や営業所技術者を交代させる場合は、更新許可申請書とは別に変更届を提出し、変更後の状況で更新申請書を作成します(手引 PDF p.155)。「更新のついでに人を入れ替える」ことはできない、という順序です。
8-5. 費用の目安——変更届は事由ごとに報酬が違います
当事務所の報酬(税込の目安)は次のとおりです。変更届に法定手数料はかかりませんので、下記が総額の目安になります。
| 手続き | 行政書士報酬(税込目安) | 法定手数料 |
|---|---|---|
| 変更届(経営業務の管理責任者) | 33,000円 | ― |
| 変更届(役員・その他) | 22,000円 | ― |
| 変更届(営業所技術者)資格要件 | 22,000円 | ― |
| 変更届(営業所技術者)実務経験3年 | 44,000円 | ― |
| 変更届(営業所技術者)実務経験5年 | 55,000円 | ― |
| 変更届(営業所技術者)実務経験10年 | 77,000円 | ― |
経管の変更届が役員の変更届より高いのは、様式第7号・略歴書・常勤性の確認資料という別建ての作業が乗るためです。 §6-1〜§6-5 で見たとおり、経管側は「1枚追加する」ではなく「証明の束を作る」作業になります。
金額はいずれも税込の目安で、案件の内容により変動します。正確な金額は事前にお見積りします。
8-6. 顧問で預けるか、そのつど依頼するか
変更届は、「必要だと気づくこと」と「様式を埋めること」が別々の仕事です。ここが、依頼の形を選ぶときの分かれ目になります。
| 形 | 向いているケース | 中身 |
|---|---|---|
| そのつど依頼(スポット) | 役員の異動が数年に一度 | 届出が必要だと気づくところは自社で行い、書類作成と代理提出をご依頼いただく形 |
| 顧問契約 | 役員構成が動く、経審・入札参加資格の更新もある、期限の管理者を社内に置きにくい | 期限管理(いつ何を出すかのご案内)は顧問の範囲、申請・届出の代理実行はスポットの報酬という切り分けです |
当事務所では顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)をご用意しています。ライト5,500円/スタンダード11,000円/フル15,000円(いずれも月額・税込)の3プランで、フルには事業年度終了報告・経営事項審査・入札参加資格更新と月次相談・期限管理が含まれます。変更届は事象が起きて初めて時計が動く届出なので、社内で「これは届出が要る変更か」を判断できる体制があるかどうかが、選び方の基準になります。
なお、当事務所は書類作成の代行にとどまらず、代理申請まで行います。他の事務所からの引き継ぎ受任にも応じています。初回のご相談は、方向性の見立てまで(初回30〜60分)を無料でお受けし、資料の精査・要件設計・工程表の作成は受任後に進めます。
よくある質問(FAQ)
まとめ
役員や経管が代わったときの変更届は、「何を書くか」ではなく「どの紙に、どの行を、どう立てるか」で決まります。本記事の要点は5つです。
- 期限は2つある。 役員等の追加・交替・削除は30日以内、常勤役員等(経管)は2週間以内です。この対応は、お客様がご自分で○を付ける変更届の表紙(手引 PDF p.30)に刷り込まれており、手引 PDF p.170 の一覧表とも一致します。どちらに揃えるかを定めた記述は資料になく、経管側が2週間である以上、同時に出すなら実務上は2週間で動くことになります。
- 要否の向きを取り違えない。 役員の重任では変更届は不要(手引 PDF p.143)。一方、取締役から代表取締役へという役名だけの変更では必要(審査要領 PDF p.33)。株主等はメンバーが動いたときだけ必要(手引 PDF p.142・p.93)。特例有限会社で取締役が1名になる場合は、退任の届出と残り1名の役職名変更が同時に立ちます(手引 PDF p.143・審査要領 PDF p.6)。
- 様式第22号の2 は「差分を書く紙」。 追加は変更前を空欄、減少は変更後を空欄、同日付の就退任は両方書いて備考欄に「取締役交替」(手引 PDF p.142)。変更年月日は登記年月日ではなく実際の変更日。継続する役員等は書かず、第二面も要りません。表紙も様式第22号の2 も、令和7年2月1日以降の提出分から新様式です。
- 経管が絡むと、届出事項欄の文言が変わる。 手引 PDF p.140 の記載例では、経管の交替に関わる型の届出事項欄は「役員等の氏名」ではなく「常勤役員等の氏名」です。加えて、様式第7号の項番17に「2(変更)」を入れ、【新規・変更後・常勤役員等の更新等】欄と【変更前】欄の両方に記入し、「変更年月日」の記載漏れに注意する必要があります(手引 PDF p.58・p.60)。
- 1つの交代で2本立つ。 就退任のあった役員等が経管や営業所技術者を兼ねていれば、その変更届も必ず併せて提出します(手引 PDF p.143・審査要領 PDF p.33)。代表取締役の交替で登記が間に合わない場合は、株主総会の議事録で事実確認のうえ受付するという運用があります(審査要領 PDF p.33)。
そして、この届出に法定手数料はかかりません(手引 PDF p.22)。かかるのは、様式を正しく組み立てる手間と、間違えたときの手戻りです。岡山県は事前審査を行わないため(手引 PDF p.16)、窓口で直しながら仕上げる進め方ができません。
「取締役が1人代わっただけなのに、何を出せばいいのか分からない」という段階でしたら、まず登記事項証明書と、前回提出した変更届(または許可申請書)の控えを手元に集めてください。その2つを突き合わせれば、動いた行が見えます。そのうえで、どの届出が立つかの整理は無料相談でお受けしています。許可の要件そのものを確認したい場合は建設業許可の6つの要件(取れるか診断)からどうぞ。
役員が代わったときの届出は無料相談から
「役員が代わったが、何の届出が要るのか」「経管も一緒に代わるが、様式はどう書くのか」——建設業に特化する行政書士が、必要な届出と様式の組み立てを個別に整理します。「重任だけなら届出は要らない?」「代表取締役の交替で登記が間に合わない」など、まず1問だけ聞きたい方はLINEでどうぞ。無料相談は30秒入力のフォームから。お電話は070-8567-3197。