

建設業許可に「リフォーム工事業」という業種はありません。建設業の許可は29の業種に分かれており、リフォームという呼び名ではなく、その工事で実際に何を施工したかで業種が決まります。壁紙や床を張り替えたのなら内装仕上工事業、外壁を塗ったのなら塗装工事業、浴室やキッチンの給排水設備を入れ替えたのなら管工事業——というように、ひとつの「リフォーム工事」が中身では複数の業種にまたがっているのが普通です。
そして、岡山県「建設業許可の手引」(令和7年9月1日改訂)は、「個別の専門工事として施工が可能な工事は、一式工事ではなく各専門工事に該当します」と明記しています(PDF p.162)。つまり「うちはリフォーム全般をやっているから建築一式を取ればいい」という発想は、多くの場合そのままでは通りません。リフォーム業者の業種選定は、「どの1業種を取るか」ではなく「自社の工事を分解したら何業種になるか」から始まります。
本記事は、岡山県で建設業に特化する行政書士事務所が、リフォーム工事の業種の当てはめ方だけに絞って整理したものです。許可が必要になる金額のライン(税込500万円・支給材料の加算・契約分割の合算)は軽微な工事(500万円未満)とは?建設業許可が不要になる範囲【岡山】に、許可を取るための要件そのものは建設業許可の6つの要件(取れるか診断)に、業種が決まってから許可を取るまでの進め方は500万円以上の工事を受注したい|建設業許可を取るまでのロードマップ【岡山】に分けて解説しています。
※ 個々の工事がどの業種に該当するかは、工事の内容・施工体制・契約の実態によって判断が分かれます。手引にも「業種の区分に疑義がある場合は、工事台帳、現場写真、施工体制台帳、施工体系図等……をお示しいただき、個別に監理課建設業班へ相談してください」と定められています(PDF p.162)。本記事は一般的な整理であり、最終判断は有資格者(行政書士)にご確認ください。
1. 大前提:許可は「工事の名前」ではなく「施工の中身」で決まる
建設業の許可は、業種ごとに与えられます。手引 PDF p.5 には29業種が掲げられており(土木一式、建築一式、大工、左官、とび・土工・コンクリート、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、機械器具設置、熱絶縁、電気通信、造園、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設、解体)、このリストの中に「リフォーム工事業」「住宅改修工事業」「リノベーション工事業」といった業種は存在しません。29業種それぞれの中身と、自社がどの業種を取るべきかの考え方は建設業許可29業種の一覧と選び方|自社はどの業種を取るべきか【岡山】に一覧で整理しています。
そして手引の資料編には、「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」という一覧表が置かれています(手引 PDF p.158〜161)。ここには業種ごとに、
- 建設工事の内容(告示に基づく定義)
- 建設工事の例示(建設業許可事務ガイドライン)
- 建設工事の区分の考え方(同ガイドライン)
の3列が並んでいます。業種選定とは、突き詰めればこの表に自社の工事を当てはめる作業です。「うちの工事は何と呼ばれているか」ではなく「この表のどの定義に当たるか」——出発点をここに置き換えることが、リフォーム業者の業種選定でもっとも重要です。
1-1. 「1件の工事=1業種」とは限らない
リフォームが業種選定を難しくする最大の理由は、1件の請負契約の中に複数の業種の工事が同居していることです。たとえば「マンション1室の全面リフォーム」を1本の契約で請け負ったとき、その中身は、
- 間仕切りの解体と造作 → 大工工事業・内装仕上工事業の領域
- 壁紙・床材の張り替え → 内装仕上工事業の領域
- 室内の塗装 → 塗装工事業の領域
- ユニットバス・キッチンの給排水 → 管工事業の領域
- 照明・コンセントの増設 → 電気工事業の領域
- サッシ・室内ドアの交換 → 建具工事業の領域
というように分かれます。契約書の件名が「〇〇邸リフォーム工事」1本であっても、建設業法上はこれらを施工内容ごとに見るのが原則です。
1-2. だから「どの業種で500万円を超えるか」を見る
金額のラインは業種の話とセットになって初めて意味を持ちます。手引 PDF p.5 は軽微な建設工事の側から、1件の請負代金が税込500万円に満たない工事(建築一式工事は税込1,500万円に満たない工事、又は延べ面積150㎡に満たない木造住宅工事)であれば許可がなくても請け負える、と定めています。その業種の工事についてこの範囲に収まっているかどうかが出発点です。
なお、建築一式工事のこの2条件(1,500万円・150㎡)の読み方は、手引の中でも書きぶりが揃っていません。当事務所の考え方は軽微な工事(500万円未満)とは?建設業許可が不要になる範囲【岡山】に整理していますので、建築一式が関係する案件はそちらをご確認ください。
したがって、リフォーム業者が最初にやるべきことは次の2つです。
- 自社の代表的な案件を、施工内容ごとに業種へ分解する
- 分解した結果、どの業種が金額ラインに届いているかを確認する
金額ラインの正確な読み方(税込で判定すること、注文者・元請が支給する材料費を含めること、契約を分けても合算されること)は本記事では扱いません。判定の正典として軽微な工事(500万円未満)とは?建設業許可が不要になる範囲【岡山】にまとめていますので、必ず併せてご確認ください。
2. リフォームで登場しやすい業種の対照表
手引 PDF p.158〜161 の業種区分表から、リフォーム工事で登場頻度が高い業種の定義と例示を抜き出して整理します。自社の工事内容を照らし合わせてください。
| 業種 | 建設工事の内容(定義) | 例示に挙げられている工事 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 内装仕上工事業 | 木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事 | インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事 | 手引 PDF p.160 |
| 大工工事業 | 木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事 | 大工工事、型枠工事、造作工事 | 手引 PDF p.158 |
| 塗装工事業 | 塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事 | 塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事 | 手引 PDF p.160 |
| 防水工事業 | アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事 | アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事 | 手引 PDF p.160 |
| 管工事業 | 冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事 | 冷暖房設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事 ほか | 手引 PDF p.159 |
| 電気工事業 | 発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事 | 発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む。)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事 | 手引 PDF p.159 |
| 屋根工事業 | 瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事 | 屋根ふき工事 | 手引 PDF p.159 |
| 建具工事業 | 工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事 | 金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事 | 手引 PDF p.161 |
| 左官工事業 | 工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事 | 左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事 | 手引 PDF p.158 |
| タイル・れんが・ブロック工事業 | れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事 | コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事、サイディング工事 | 手引 PDF p.159 |
| ガラス工事業 | 工作物にガラスを加工して取付ける工事 | ガラス加工取付け工事、ガラスフィルム工事 | 手引 PDF p.160 |
| 解体工事業 | 工作物の解体を行う工事 | 工作物解体工事 | 手引 PDF p.161 |
この表を眺めていただくと、リフォームという1語が、少なくとも10前後の業種にまたがっていることが見えてくるはずです。
各業種の要件・対応資格については、内装仕上工事業の建設業許可、大工工事業の建設業許可|要件と実務経験の証明、塗装工事業の建設業許可、防水工事業の建設業許可|要件・対応資格と実務経験、管工事業の建設業許可|要件・対応資格、電気工事業の建設業許可、解体工事業の建設業許可|登録との違いの各記事をご覧ください(屋根工事業・建具工事業の解説記事は順次公開予定です)。
3. 「建築一式を取れば全部できる」が成り立たない理由
リフォーム業者の相談でよくある誤解が、これです。「複数の業種にまたがるのだから、まとめて建築一式を取ればいい」——手引は、この発想を明確に否定しています。
3-1. 一式工事は「総合的な企画、指導、調整」の工事
手引 PDF p.162 は、一式工事を他の専門工事とは別枠のものとして説明しています。一式工事とは、総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物または建築物を建設する工事のことです。さらに手引は、一式工事を「大規模又は施工内容が複雑な工事」とも位置づけており、余りにも少額な工事は一式工事として認められないとしています(手引 PDF p.162)。一式工事の定義そのものを正面から解説しているのは §3-3 で挙げる当サイトの正典記事ですので、定義を掘り下げたい方はそちらをご覧ください。
そのうえで手引は、専門工事との切り分けを次のように定めています(附帯工事の項は§4で扱います)。
・個別の専門工事として施工が可能な工事は、一式工事ではなく各専門工事に該当します。
(手引 PDF p.162)
「いろいろな工事をやる」=一式ではありません。個別の専門工事として施工が可能なら、それは各専門工事に当たります。内装の張り替えも、外壁の塗装も、給排水の入れ替えも、いずれも個別の専門工事として施工が可能ですから、一式ではなくそれぞれの業種の工事として扱われます。
3-2. 建築一式と判断されるのは「躯体変更」か「500万円以上の専門工事2つ以上の有機的な組合せ」
手引 PDF p.162 は、建築一式工事と判断されるものを次の2つに絞っています。1つ目は次のとおりです。
① 建物の躯体(柱、梁などの建物本体の構造を支える部分)に変更を加える場合(耐震補強を含む。)。
(手引 PDF p.162)
そして2つ目(②)が、軽微ではない専門工事(500万円以上)を2つ以上、有機的に組み合わせた1つの建築工事です(手引 PDF p.162)。注目していただきたいのは、この②に手引が添えた例示そのものが「リフォーム工事」で書かれていることです。岡山県の手引は、建築一式工事に当たるリフォームの姿を、次のように具体的に示しています。
- 電気工事 700万円(=それ単体で500万円以上=軽微ではない専門工事)
- 内装仕上工事 800万円(=同じく500万円以上)
- これらを有機的に組み合わせた1件の建築工事として合計 1,500万円
つまり、建築一式に該当するリフォームとは「たまたま工種が多い工事」ではなく、「500万円以上の専門工事が2つ以上、有機的に組み合わさっている工事」です。ここを取り違えて「工種が3つあるから一式だろう」と考えると、業種選定の入口から誤ります。
そして裏を返せば、②に当たるということは、電気工事業と内装仕上工事業の許可がそれぞれ問題になる規模でもあるということです。この点について手引は、建築一式工事(建築工事業)の許可を有していても、建築系の各専門工事を500万円以上で施工するのであれば、その専門工事ごとの許可が別に必要になると続けて明記しています(手引 PDF p.162)。
3-3. 一式の許可は「上位互換」ではない
この記述が意味するところは明快です。建築一式工事業の許可を持っていても、建築系の専門工事を500万円以上で施工するなら、その専門工事の許可が別途必要です。同じことは土木一式工事業についても書かれています(手引 PDF p.162)。
一式の許可を「29業種の上位資格」のように理解している事業者は少なくありませんが、そうではありません。一式は横並びの1業種であり、専門工事をカバーする力を持っていません。「建築一式を取ったのでリフォームは何でも500万円以上で請けられる」という理解のまま受注を続けると、無許可営業に該当し得ます。すでにその状態に心当たりがある場合の対処は、無許可で500万円以上を受注してしまったら|今すぐ取るべき対処【岡山】にまとめています。
なお、一式工事と専門工事の関係そのものを正面から扱った一式工事と専門工事の違い|一式を取れば全部できる誤解【岡山】が当サイトの正典です。本記事ではリフォームの業種選定に必要な範囲にとどめますので、一式の考え方そのものを確認したい方はそちらをご覧ください。建築一式工事の要件や一棟請けの範囲については建築一式工事の建設業許可|要件・一棟請けの範囲と実務経験【岡山】で扱っています。
4. 附帯工事は「主たる工事の部分」で判断される
「では、内装工事のついでに少しだけ発生する塗装や電気も、全部別の許可が要るのか」——ここで効いてくるのが、附帯工事の考え方です。手引 PDF p.162 は次のように書いています。
・主たる工事として施工する専門工事において、附帯工事(附帯的に発生する他の専門工事)が含まれたとしても、主たる工事の部分で判断されるので、一式工事とは認められません。
この一文は「一式工事に当たるかどうか」の説明として置かれていますが、「主たる工事の部分で判断される」という考え方が示されている点が重要です。ひとつの工事の中に他の専門工事が附帯的に含まれていても、それによって一式工事になるわけではなく、主たる工事が何かを特定して見る、という順序になります。
ただし、附帯工事として扱える範囲や、附帯工事を施工する際の技術者の取扱いについては、岡山県の手引・審査要領に判断基準が書き下されていません。「どこまでが附帯か」を自己判断で広げるのは危険です。主たる工事が何かを特定できない、あるいは附帯部分の比重が大きいという案件は、業種選定の相談の中で個別に整理してください。
5. 工事タイプ別・業種の当てはめ
ここからは、リフォームの典型的な工事タイプごとに、手引の区分の考え方を当てはめていきます。
5-1. 水まわり(浴室・キッチン・トイレ・洗面)
給排水・給湯・衛生設備の設置は管工事業の領域です。手引 PDF p.159 の管工事の例示には「給排水・給湯設備工事」「厨房設備工事」「衛生設備工事」「水洗便所設備工事」「浄化槽工事」が挙げられています。
一方、ユニットバス設置に伴う床・壁の下地や造作は大工工事業・内装仕上工事業の領域に、洗面所の内装仕上げは内装仕上工事業の領域に、電源やスイッチの増設は電気工事業の領域に、それぞれかかってきます。水まわりリフォームは、1件で3〜4業種にまたがる代表格です。なお、給排水・給湯設備工事そのものを主題とする記事は別途公開予定です。
5-2. 内装(クロス・床・間仕切り・畳・造作)
壁紙や床材の張り替え、天井仕上げ、内装間仕切りは内装仕上工事業です(手引 PDF p.160)。手引は、内装仕上工事の例示に挙げた用語について、さらに定義を補足しています。
「家具工事」とは、建築物に家具を据付け又は家具の材料を現場にて加工若しくは組み立てて据付ける工事をいう。
「防音工事」とは、建築物における通常の防音工事であり、ホール等の構造的に音響効果を目的とするような工事は含まれない。
「たたみ工事」とは、採寸、割付け、たたみの製造・加工から敷きこみまでを一貫して請け負う工事をいう。
(手引 PDF p.160)
「たたみ工事」の定義には「一貫して請け負う」という条件が付いている点に注意してください。畳の納入だけ、敷きこみだけといった部分的な請負が同じ扱いになるとは限りません。
他方、木材の加工・取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取り付ける工事は大工工事業であり、例示には「造作工事」が挙げられています(手引 PDF p.158)。造作をどこまで大工工事、どこから内装仕上工事とみるかは、リフォーム業者の業種選定でもっとも線引きが難しい部分のひとつです。実際に施工している内容を工事台帳レベルで棚卸ししてから判断してください。
5-3. 外壁・屋根(塗装・防水・板金・サイディング)
- 外壁塗装・屋根塗装 → 塗装工事業(手引 PDF p.160)。手引は「下地調整工事及びブラスト工事については、通常、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものである」と明記しており、下地調整を別業種として切り出す必要はないとされています。
- シーリング・防水 → 防水工事業(手引 PDF p.160)。例示に「シーリング工事」「塗膜防水工事」「シート防水工事」が挙げられています。ただし手引は「『防水工事』に含まれるものは、いわゆる建築系の防水工事のみであり、トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当する」としています。
- モルタル防水 → 左官工事業でも防水工事業でも可。手引は「防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施工可能である」と明記しています(手引 PDF p.158・p.160の両方に同趣旨の記載)。どちらでもよい、と書かれている数少ない例です。
- 屋根ふき替え → 屋根工事業。手引は「『瓦』、『スレート』及び『金属薄板』については、屋根をふく材料の別を示したものにすぎず……したがって板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当する」としています(手引 PDF p.159・p.160)。
- 外壁のサイディング・スレート張り → タイル・れんが・ブロック工事業。手引は「「スレート張り工事」とは、スレートを外壁等にはる工事を内容としており、スレートにより屋根をふく工事は「屋根ふき工事」として『屋根工事』に該当する」と、外壁と屋根で業種が分かれることを明示しています(手引 PDF p.159)。
5-4. サッシ・ドア・シャッター
金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事は建具工事業の例示です(手引 PDF p.161)。窓ガラスそのものの加工・取付けやガラスフィルム工事はガラス工事業です(手引 PDF p.160)。内窓(二重サッシ)の設置は建具、ガラス交換はガラス——というように、同じ「窓まわり」でも施工内容で分かれます。
5-5. 耐震補強・解体
耐震補強は、建築一式工事の判断基準①に明示的に含まれています。手引 PDF p.162 は建築一式工事と判断されるものとして「建物の躯体(柱、梁などの建物本体の構造を支える部分)に変更を加える場合(耐震補強を含む。)」を挙げています。躯体に手を入れるリフォームは、他のリフォームと性格が異なると押さえてください。
解体については、手引 PDF p.161 が2つの場合に分けて整理しています。ある専門工事でつくられる目的物について、それだけを解体する工事は、その専門工事に当たります。これに対して、総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ土木一式工事・建築一式工事に当たるとされています(手引 PDF p.161)。この切り分け自体を掘り下げているのは、§3-3 で挙げた一式工事と専門工事の違いの記事です。
内装解体は「内装仕上工事の目的物をそれのみ解体する工事」として整理し得る一方、建物まるごとの解体は解体工事業(または一式)という組み立てになります。リフォームに伴う内装解体を「解体工事業が要る」と早合点して、必要のない業種を申請してしまうケースもあります。なお、解体工事は建設業許可とは別に法令上の登録が関わる場合がありますので、解体工事業の建設業許可|登録との違いを併せてご確認ください。
6. リフォーム業者が特につまずく業種区分7つ
手引の「区分の考え方」欄には、実務で判断が割れやすい論点が名指しで書かれています。リフォームに関係が深いものを7つ抜き出します。表の「手引の整理」欄は、すべて手引の記載です(#6の括弧書きのみ、本記事の補足であることを明示しています)。
| # | 誤りやすい理解 | 手引の整理 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 1 | 板金で葺く屋根は板金工事業 | 板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当する | 手引 PDF p.159・p.160 |
| 2 | 屋根も外壁もスレートなら同じ業種 | スレート張り(外壁)はタイル・れんが・ブロック工事、スレートによる屋根ふきは屋根工事 | 手引 PDF p.159 |
| 3 | 防水はすべて防水工事業 | 防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの許可でも施工可能。土木系防水(トンネル防水等)はとび・土工・コンクリート工事 | 手引 PDF p.158・p.160 |
| 4 | 室内のエアコン設置は機械器具設置工事 | 建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は『機械器具設置工事』ではなく『管工事』に該当する | 手引 PDF p.160 |
| 5 | 太陽光パネルの設置は一律で電気工事 | 屋根一体型の太陽光パネル設置工事は『屋根工事』に該当する。太陽光発電設備の設置工事は『電気工事』に該当し、太陽光発電パネルを屋根に設置する場合は屋根等の止水処理を行う工事が含まれる | 手引 PDF p.159 |
| 6 | ふすま工事は内装仕上だけ | 「ふすま工事」は内装仕上工事の例示にも建具工事の例示にも掲げられている(※両方に掲げられている点の整理は手引に書き下されていないため、施工の実態に即して個別に確認が必要です/本記事の整理) | 手引 PDF p.160・p.161 |
| 7 | 塗装前の下地調整は別業種 | 下地調整工事及びブラスト工事は、通常、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれている | 手引 PDF p.160 |
このうち #4(室内エアコンは管工事) と #5(屋根一体型太陽光は屋根工事) は、住宅設備リフォームを手がける事業者が実際に取り違えやすい代表格です。省エネ改修や太陽光を扱うリフォーム業者は、想定していた業種と手引の整理が食い違っていないか、受注の前に確認してください。なお、空調・エアコン工事および太陽光発電設備の業種区分を正面から扱う記事は別途公開予定です。本記事ではリフォームの業種選定に必要な範囲にとどめます。
また、業種区分の誤りは単なる書類上のミスでは終わりません。手引 PDF p.162 は、業種の区分が無許可営業・技術者配置義務違反・一括下請負といった法令違反にそのままつながるため、関係法令等に基づいて適切に整理しておく必要があると明記しています(手引 PDF p.162)。業種選定は、コンプライアンスの入口そのものです。
7. ★複数業種を取るときの最大の壁——実務経験は業種ごとに重複計上できない
ここが、リフォーム業者の許可取得でもっとも見落とされ、もっとも計画を狂わせる論点です。
7-1. 「大工も内装も塗装も20年やってきた」では、3業種は取れないことがある
建設業許可を取るには、業種ごとに営業所技術者(旧:専任技術者)を営業所に置く必要があります。この営業所技術者を実務経験で証明する場合、岡山県の審査要領は、2業種以上について実務経験で営業所技術者になるときに、それぞれの実務経験期間が重なることを認めていません(審査要領 PDF p.24(4))。同じ期間を2つの業種で数えられない、という趣旨です。重複計上の禁止そのものの整理は建設業許可の29業種一覧|自社の工事はどれに当たるかにまとめています。
そのうえで、審査要領はさらに踏み込んで、一度使った期間の「振替」まで封じています。
(5)一度ある業種について証明した実務経験の期間については、別の業種に振り替えることはできない。
(審査要領 PDF p.24)
つまり、同じ期間を2つの業種の実務経験として二重にカウントすることはできません。リフォーム業者の技術者は、実態としては同じ現場で大工工事も内装仕上工事も塗装工事も手がけてきたことが多いのですが、実務経験ルートで営業所技術者を立てる場合、その期間はどれか1つの業種にしか使えないということになります。
具体的に何が起きるか、整理します。
| 状況 | 実務経験ルートでの帰結 |
|---|---|
| 技術者1名・実務経験10年 | 1業種のみ(10年の期間をどの業種に使うかを選ぶことになる) |
| 技術者1名・実務経験20年 | 期間を分割して充てられれば複数業種の可能性があるが、分割した各期間について、その業種の工事の実績を個別に証明する必要がある |
| 技術者2名・それぞれ別業種の経験 | 業種ごとに営業所技術者を立てられるため、複数業種が現実的になる |
「うちは何でもやってきたから、まとめて3業種取れるはず」という前提は、実務経験ルートでは成り立ちません。ここを知らないまま業種を決め打ちして書類の準備を進め、途中で立ち行かなくなる——というのは、リフォーム業者の許可申請でよくある手戻りです。
なお、審査要領 PDF p.24 は、平成28年5月31日までの「解体工事」と「とび・土工工事業」の実務経験について、経過措置的に期間の重複を認める例外を定めています。ただしこれは解体工事ととび・土工工事に限られた例外であり、大工・内装仕上・塗装・防水といった業種の間で一般化できるものではありません。
実務経験による証明の進め方そのものは、営業所技術者(旧:専任技術者)の実務経験10年証明で詳しく解説しています。
7-2. 資格ルートなら、期間の取り合いを避けられる場合がある
実務経験ではなく資格で営業所技術者の要件を満たせる場合、この「期間の重複禁止」の制約を受けません。手引には「建設業許可取得のために必要な資格一覧」が掲載されており(PDF p.163〜167)、職業能力開発促進法による技能検定として、リフォームに関係が深いものでは次のような資格名が挙がっています(手引 PDF p.164)。
- 建築大工
- 内装仕上施工・カーテン施工・天井仕上施工・床仕上施工・表装・表具(工)
- 塗装・木工塗装(工)・建築塗装(工)・金属塗装(工)・噴霧塗装
- 防水施工
- 畳製作・畳工
- ガラス施工
- タイル張り(工)
- 建具製作・建具工・木工(建具製作作業)・カーテンウォール施工・サッシ施工
ただし、どの資格がどの業種の営業所技術者として認められるかは、手引の資格一覧表のマトリクスで確認する必要があります。また、手引には次の注記が置かれています。
職業能力開発促進法による技能検定のうち「2級」資格取得後3年間(平成15年度以前の合格の場合には1年)の実務経験が必要です(実務経験証明書の添付が必要)。
(手引 PDF p.164 の注記5)
2級の技能検定を持っているだけでは足りず、取得後の実務経験期間が必要という点は、実務で見落とされがちです。社内の技術者がどの資格を何級で持っているかを一覧にしたうえで、どの業種を資格ルート・どの業種を実務経験ルートで立てるかを設計する——これが、複数業種を狙うリフォーム業者にとっての実務の核心です。
※ 資格と業種の対応は手引の資格一覧表(PDF p.163〜167)で個別に確認が必要です。本記事では、資格名と注記の存在をお示しするにとどめます。自社の技術者の資格が特定の業種の要件を満たすかどうかは、証書の原本を確認したうえで個別にご相談ください。
7-3. 「後から業種追加」には、あらためて法定手数料がかかる
業種の絞り込みで「とりあえず1業種で取って、あとで足す」という選択をされる方がいます。これ自体が誤りというわけではありませんし、後から足す手続き(建設業許可の業種追加とは|岡山で許可業種を増やす手続きと要件)も用意されています。ただし、コストの観点は先に知っておくべきです。
岡山県知事許可の法定手数料は、新規(許可換え含む)・般特新規が90,000円、更新・追加が50,000円です。そして手引は、「手数料の額は申請する業種の数とは関係ありません」と明記しています(手引 PDF p.14)。
つまり、
- 新規申請の時点で3業種をまとめて申請 → 法定手数料は 90,000円
- 1業種で新規申請し、後から2回に分けて追加 → 90,000円+50,000円+50,000円=190,000円
という差が生じます(いずれも法定手数料のみ。行政書士報酬は別途)。申請できる業種は、最初の申請時にまとめて申請したほうが法定手数料の面では有利です。もっとも、要件(特に営業所技術者)が整っていない業種を無理に含めることはできませんので、「今の体制で立てられる業種はどこまでか」を先に確定させることが順序になります。
なお、当事務所の報酬を含めた総額の目安は建設業許可の費用はいくら?岡山県知事許可の総額目安と法定費用の内訳に一本化して掲載しています。本記事では法定手数料の制度面のみに触れます。
8. 岡山県で進めるときの実務
8-1. 業種区分に疑義があるときの相談ルートは、手引に明記されている
業種選定に迷ったとき、岡山県には公式の相談ルートが用意されています。手引 PDF p.162 は、工事ごとに内容が様々で関係者も多数に上ることを理由に、業種の区分に疑義がある場合は、工事台帳・現場写真・施工体制台帳・施工体系図など、工事内容や施工体制の詳細が分かる資料を示したうえで、個別に監理課建設業班へ相談するよう求めています(手引 PDF p.162)。§6でみたとおり、業種の区分が法令違反に直結する論点だからです。
ここで重要なのは、「資料を示して相談する」という前提です。「うちはリフォーム屋なんですが何を取ればいいですか」という抽象的な問いでは、判断材料がありません。工事台帳・現場写真・施工体制台帳・施工体系図——手引が名指ししているこれらの資料を揃えられるかどうかが、業種選定を前に進められるかどうかの分かれ目になります。
当事務所にご相談いただく場合も、まずは直近の代表的な案件について、契約書・見積内訳・工事台帳をお持ちください。内訳が分かる資料があれば、業種の当てはめは一気に具体化します。必要に応じて、当事務所から岡山県土木部監理課建設業班へ照会したうえでご回答します。
8-2. 申請の受付は本庁一元。事前審査はない
岡山県では、建設業許可申請及び変更届の受付は出先機関ではなく、本庁の土木部監理課建設業班で行われています(手引 PDF p.168)。提出先は岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階、〒700-8570 岡山市北区内山下2-4-6/直通 086-226-7463)で、窓口受付時間は9:00〜11:30、13:00〜16:30(閉庁日を除く)。郵送での提出も受け付けています(手引 PDF p.16)。
そして手引は、「事前審査は一切行いません。正本と副本を必要部数作成し、日付の記入、納付済証の貼付等の遺漏がないことを確認し、書類を完全に整えた上で提出(送付)してください。」と明記しています(手引 PDF p.16)。
この運用が業種選定に持つ意味は大きなものがあります。「業種はこれでいいか窓口で相談しながら書類を仕上げる」という進め方はできないということです。業種の当てはめは、申請書を作り始める前に決着させておく必要があります。
8-3. 県民局が担うのは営業所調査
一方で、県民局にも役割があります。岡山県は所在地に応じて備前県民局・備中県民局・美作県民局の3つの県民局建設部ごとに担当区域を設けており、建設業に関わる事務の一部を行っています(手引 PDF p.168)。
具体的には、許可申請受付後、半月程度で所轄の県民局から営業所調査実施の連絡があります(手引 PDF p.17)。調査では、営業所の所在確認のために看板(容易に確認できるもの)、机、電話及びファクシミリ、営業所の賃貸借契約書(原本)等が確認され、営業所は居住部分と共用することはできません。賃貸借契約を締結している場合は、契約書上で営業活動に利用することが認められていることが必要です。手引は「※いずれも確認できるものがなければ、許可を受けることができません。」と明記しています(手引 PDF p.17)。
リフォーム業者は、自宅の一室を事務所として使っているケースが少なくありません。この形のままでは営業所調査を通過できない可能性がありますので、業種選定と並行して営業所の体制も確認してください。また、営業所調査では営業所技術者等の資格等を確認するための書類(国家資格等の場合は免状、合格証明書等の原本)も確認されます(手引 PDF p.17)。§7で設計した「どの業種を誰で立てるか」が、ここで実地に確認されるという関係です。
なお、申請受付から許可までは、特に問題がないケースで概ね2か月程度かかります(手引 PDF p.16)。営業所調査が早く終わっても、本庁の調査は別途進行するため許可が早くなるわけではありません(手引 PDF p.16)。元請から「いつまでに許可を」と言われている場合は、この2か月を逆算に入れてください。
岡山市内・倉敷市内の事業者向けの手続きの流れは、岡山市で建設業許可を取るには/倉敷市で建設業許可を取るにはの各記事でも整理しています。
9. 許可を取った後も、同じ判定が毎年続く
業種の当てはめは、許可を取るときだけの作業ではありません。許可取得後、毎年提出する事業年度終了報告(決算変更届)の工事経歴書で、同じ判定を使い続けます。
興味深いことに、岡山県の手引に掲載されている工事経歴書(様式第二号)の記載例は、まさにリフォーム業者の帳簿になっています(手引 PDF p.47)。工事名の欄には、たとえば次のような記載が並んでいます。
- 「岡山市立美術館改修工事(内装工事)」
- 「個人2邸リフォーム工事(内装工事)」
- 「個人4邸新築工事(うち内装工事)」
- 「個人5邸耐震化工事(うち内装工事)」
- 「和気商店テナントスペース間仕切り工事」
- 「新庄地区第1コーポ内装工事」
工事現場のある市町村として岡山市・笠岡市・真庭市・早島町・新庄村・高梁市・和気町・井原市・赤磐市・美作市が並ぶ、岡山県内の事業者を想定した記載例です。
ここから読み取れることが2つあります。
- 工事名が「リフォーム工事」「新築工事」「耐震化工事」であっても、工事経歴書には施工した業種の工事として記載する。「(内装工事)」「(うち内装工事)」という括弧書きが、まさにその作業を表しています。
- 「うち」という書き方が使われている。新築工事や耐震化工事という大きな工事のうち、自社が施工した内装部分だけを当該業種の実績として計上する、という考え方です。
つまり、§1で説明した「工事名ではなく施工の中身で見る」という原則が、そのまま毎年の書類作成に現れるわけです。業種選定の考え方を社内で共有しておく価値は、ここにもあります。
あわせて押さえておきたい実務ルールを挙げます。
- 工事経歴書には、報告対象年度内に完成した当該業種の工事請負額の概ね7割を超えるところまで、請負代金の大きい順に記載します。ただし軽微な工事については10件を超えて記載することを要しません(審査要領 PDF p.8)。
- 土木一式工事・建築一式工事については、軽微な工事の有無にかかわらず当該業種の完成工事高の総額の少なくとも7割を超えるところまで記載することとされ、小口工事として記載することはできません(審査要領 PDF p.8)。
- その他工事の施工金額の合計が税込500万円を超える場合は、その他工事についても工事経歴書を作成し、請負金額の大きいものから順に10件以上記載するか、合計金額の7割以上を記載します(審査要領 PDF p.9)。
- 工事経歴書に記載されている工事について、その業種の許可を有していないのに許可が必要な軽微でない工事を受注していた場合には、業務改善報告書を徴した上で申請等を受け付けるとされています(審査要領 PDF p.8)。
最後の1点は特に重要です。業種の当てはめを誤ったまま受注を続けていると、その事実は毎年提出する工事経歴書から表に出てきます。「取り急ぎ1業種だけ取っておいて、実際には他の業種の工事も500万円以上で請けている」という状態は、書類の側から見えるようになっている、ということです。是正の手順は無許可で500万円以上を受注してしまったら|今すぐ取るべき対処【岡山】で扱っています。
将来的に経営事項審査(経審)まで進む予定があるなら、業種ごとの完成工事高を正確に区分できる体制を今のうちから整えておいてください(→経審申請を岡山で依頼するなら)。
10. 業種選定の実務ステップ
リフォーム業者が業種を決めるときの手順を、上から順に整理します。
- 直近1〜3年の案件を一覧にする。契約書・見積内訳・工事台帳を揃えます(手引 PDF p.162 が相談時に求めている資料と同じものです)。
- 各案件を施工内容ごとに業種へ分解する。手引 PDF p.158〜161 の業種区分表の定義・例示に当てはめます。§6の誤認しやすい7項目を必ずチェックしてください。
- 業種ごとに、1件あたりの請負代金がラインに届いているかを確認する。判定方法は軽微な工事(500万円未満)とは?のとおり、税込・支給材料込み・分割は合算で見ます。
- 躯体変更(耐震補強を含む)または500万円以上の専門工事2つ以上の有機的な組合せに該当する案件があるかを確認する。該当すれば建築一式工事の検討対象です(手引 PDF p.162)。
- 必要な業種の候補が出そろったら、業種ごとに営業所技術者を立てられるかを設計する。資格ルートか実務経験ルートか、実務経験なら期間の重複禁止(審査要領 PDF p.24)に抵触しないかを確認します。
- 経営業務の管理責任者・財産的基礎など、業種横断の要件を確認する。→建設業許可の6つの要件(取れるか診断)/経営業務の管理責任者とは|要件・経験年数・証明方法/建設業許可の財産的要件|500万円・残高証明の準備【岡山】
- 申請する業種を確定させ、書類を揃える。→建設業許可の必要書類一覧|新規・一般
このステップの1〜2を自社だけで完了させるのは、実はかなり難しい作業です。手引の業種区分表は、定義・例示・区分の考え方の3列を横断して読む必要があり、リフォームのように複数業種が混在する工事では、どの列のどの記述が効くのかの判断が求められます。「工事台帳を持って相談する」ところから始めていただくのが、結果としてもっとも早い道です。
よくある質問(FAQ)
まとめ
- 建設業許可に「リフォーム工事業」という業種はありません。リフォームという呼び名ではなく、実際に施工した中身で29業種のどれに当たるかが決まります(手引 PDF p.5、p.158〜161)。
- 1件のリフォーム工事は、中身では複数業種にまたがるのが普通です。内装仕上・大工・塗装・防水・管・電気・建具・屋根などに分解し、業種ごとに金額ラインを当てます。
- 「建築一式を取れば全部できる」は成り立ちません。手引は「個別の専門工事として施工が可能な工事は、一式工事ではなく各専門工事に該当します」「建築一式工事の許可を有していても、建築系の各専門工事(500万円以上)の施工に当たっては、各専門工事の許可が必要です」と明記しています(PDF p.162)。
- 建築一式に当たるのは、①躯体変更(耐震補強を含む)か、②500万円以上の専門工事を2つ以上有機的に組み合わせた1件の建築工事です。手引はその例として「電気工事700万円+内装仕上工事800万円=1,500万円の1件のリフォーム工事」を挙げています(PDF p.162)。
- 手引が名指しする誤認ポイントを確認してください。板金屋根は屋根工事、室内エアコンは管工事、屋根一体型太陽光は屋根工事、下地調整は塗装に含まれる、防水モルタルは左官でも防水でも可——いずれも手引 PDF p.158〜p.160 に明記されています。
- ★複数業種を狙うときの最大の壁は、実務経験の重複計上ができないことです。審査要領 PDF p.24 は「実務経験で2業種以上の営業所技術者等になる場合、それぞれの実務経験期間が重複することは認めていない」「一度ある業種について証明した実務経験の期間については、別の業種に振り替えることはできない」と定めています。実務経験ルートだけでは、「何でもやってきた10年」で3業種は取れません。
- 岡山県では、業種の区分に疑義がある場合の相談ルートが手引に明記されています(工事台帳・現場写真・施工体制台帳・施工体系図等を示して監理課建設業班へ/PDF p.162)。一方で申請の受付は本庁一元・事前審査は一切なし(PDF p.16、p.168)。業種の当てはめは申請前に決着させる必要があります。
- 業種の判定は、許可を取った後も工事経歴書で毎年続きます。手引の記載例(PDF p.47)そのものが「個人2邸リフォーム工事(内装工事)」「個人4邸新築工事(うち内装工事)」という書き方で、工事名ではなく施工業種で計上する考え方を示しています。
自社の工事が何業種にまたがるのか、そのうちどの業種でラインを超えているのか——ここが決まらないと、要件も書類も費用も決まりません。業種選定は、リフォーム業者の建設業許可における最初の分岐点です。
リフォーム工事の業種選定は無料相談から(30秒入力のフォーム)
「うちのリフォーム工事はどの業種になるのか」「1業種で足りるのか」「技術者1人で複数業種を取れるのか」——業種の棚卸しだけのご相談も歓迎です。直近の代表的な案件の契約書・見積内訳・工事台帳をお手元にご用意いただけると、その場で具体化します。岡山県の建設業に特化した行政書士が個別に確認します。LINEでは、見積内訳の写真をお送りいただければ、業種の当たりをつけてご返信します。お電話は070-8567-3197。
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※顧問契約の金額は税込の目安です。ご契約内容・業務範囲により変動しますので、正確な金額は事前にお見積りいたします。
※このほか、「屋根工事業」「建具工事業」の各業種記事は順次公開予定です(公開後にリンクを追加します)。
