Column|建設業許可

建築一式工事の建設業許可|要件・一棟請けの範囲と実務経験【岡山】

建築一式工事の建設業許可|要件・一棟請けの範囲と実務経験【岡山】

建築一式工事(建築工事業)の建設業許可でつまずくポイントは、ほぼ2つに絞られます。①自社が請けている工事が本当に「建築一式工事」なのか ②営業所技術者(旧:専任技術者)を誰で満たすのか——この2点です。

そして建築一式工事には、他業種の感覚のまま進めると必ず行き違いが起きる、決定的な事実があります。建築一式工事は「指定建設業」です。岡山県「建設業許可の手引」(令和7年9月1日改訂)は、指定建設業を土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種と定めています(PDF p.11)。この一点から、次の3つが自動的に決まります。

  1. 特定建設業では、実務経験ルートが一切使えません。指定建設業の特定営業所技術者は、1級の国家資格者・技術士・大臣認定者に限られます(手引 PDF p.11)。岡山県の審査要領も、実務経験を加えた特定のコード(「8」「5」「2」)について「指定建設業(土、建、電、管、鋼、舗、園)を除く」と明記しています(審査要領 PDF p.7)。
  2. 施工管理技士補のルートも使えません。技士補による営業所技術者は「合格後3年(2級は5年)以上の建設工事(指定建設業及び電気通信工事業を除く)の施工に従事した経験」を要件としており(手引 PDF p.9 ③④)、建築一式はこの「除く」側に入ります。
  3. 技能検定(技能士)でも建築一式の営業所技術者にはなれません。資格一覧表で建築一式工事の欄に記号が付されているのは、建築施工管理技士と建築士の系統だけです(手引 PDF p.163)。

「1級建築施工管理技士がいるから大丈夫」は正解です。しかし「1級建築施工管理技士補がいるから大丈夫」「建築大工の技能士がいるから大丈夫」は誤りです。ここを取り違えたまま人員計画を立てると、申請の直前で組み直しになります。

本記事では、岡山で建設業に特化する行政書士が、建築一式工事の範囲・区分の誤認ポイント・営業所技術者になれる資格の現物一覧・実務経験の証明と通算ルール・岡山県での手続きまでを、一次資料に沿って整理します。許可要件そのものの全体像は建設業許可の6つの要件(自社が取れるか診断)をご覧ください。

※ 業種区分の該当・要件の充足は、個別の工事内容や事業者ごとの実態によって判断が分かれます。本記事に出てくる金額・年数・期間は執筆時点での目安にすぎず、制度の改正によって変わり得ます。最終判断は有資格者(行政書士)にご確認ください。

1. 建築一式工事とは——「建」の対象になる工事の範囲

建築一式工事は、建設業許可29業種のうちの1つで、許可業種の略号は「」です(岡山県「建設業許可の手引」PDF p.5)。

1-1. 建設工事の内容(告示に定められた定義)

手引の業種区分表では、建築一式工事の内容がこう定義されています。

総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事

(岡山県「建設業許可の手引」令和7年9月1日改訂 PDF p.158)

押さえるべきは、定義に工事の種類が1つも書かれていないという点です。他の28業種は「木材の加工又は取付けにより……」(大工)、「塗料、塗材等を工作物に吹付け……」(塗装)のように、材料と動作で定義されています。建築一式工事だけは、材料でも動作でもなく、「総合的な企画、指導、調整のもと」という立場で定義されているのです。

この構造が、建築一式工事のすべての論点の出発点になります。建築一式工事は「何をやるか」ではなく「どう関与するか」で決まる業種だ、と理解しておいてください。

1-2. 岡山県が示す「建築一式工事と判断される」2つの基準

抽象的な告示の定義だけでは実務が回らないため、手引は「業種分類における一式工事の考え方」という独立した項目を設けて、建築一式工事と判断されるものを具体的に2つ挙げています。

・次のいずれかに該当するものが建築一式工事と判断されます。

① 建物の躯体(柱、梁などの建物本体の構造を支える部分)に変更を加える場合(耐震補強を含む。)。

② 軽微ではない専門工事(500万円以上)を2つ以上有機的に組み合わせた1つの建築工事(例:内訳が電気工事700万円+内装仕上工事800万円=1,500万円の1件のリフォーム工事など)。

(手引 PDF p.162)

実務上、この2つは次のように読めます。

基準何が決め手か典型的な工事
① 躯体に変更を加える柱・梁など建物本体の構造を支える部分に手を入れるか。耐震補強も含まれると明記新築、増築、構造を伴う大規模改修、耐震補強
② 500万円以上の専門工事を2つ以上、有機的に組み合わせた1件の工事「500万円以上」の専門工事が2つ以上あり、それが1件の工事として有機的に組み合わされている手引の例=電気工事700万円+内装仕上工事800万円=1,500万円の1件のリフォーム工事

②は見落とされがちですが、実務ではきわめて重要です。躯体に手を付けない内装中心のリフォームであっても、500万円以上の専門工事が2つ以上組み合わさった1件の工事であれば、建築一式工事と判断され得ます。手引が挙げている例そのものが「リフォーム工事」であることに注意してください。「新築でなければ一式ではない」という理解は、この基準の前では成り立ちません。リフォームを主戦場とする事業者がどの業種を取るべきかは、リフォーム工事に必要な建設業許可はどの業種かで業種の選び方から整理しています。

なお、①②はいずれも判断の基準であって、これに当たれば直ちに許可が要るという意味ではありません。許可の要否は別途、請負代金の金額ラインで判定します(1-5)。

1-3. 「大規模又は施工内容が複雑な工事」——少額の工事は一式と認められない

手引は、一式工事について次の注意も置いています(土木一式工事・建築一式工事に共通する考え方として記載されています)。①一式工事は専門工事と違い、総合的な企画・指導・調整という立場のもとで土木工作物や建築物をつくる工事であること。②個別の専門工事として施工できるものは、一式工事ではなくその専門工事に区分されること。③一式工事には「大規模又は施工内容が複雑な工事」という定義もあるため、金額があまりに小さい工事は一式工事として扱えないこと——の3点です(手引 PDF p.162)。①②が意味する一式と専門の線引きそのものは、2-1でご案内する記事に委ねます。

つまり、建築一式工事には下方向の境界があります。金額が小さく施工内容も単純な工事を「うちは建築一式の許可だから建築一式で計上する」と扱うことはできません。これは許可取得時だけでなく、許可取得後に毎年提出する工事経歴書の記載でも問われ続ける論点です(6-4)。

1-4. 例外的に、下請工事でも建築一式工事となる場合

建築一式工事は「元請の業種」というイメージが強いのですが、手引は例外も明記しています。

・例外的に、民間工事における合法的な一括下請負工事等については、下請工事であっても、建築一式工事となる場合があります。

(手引 PDF p.162)

ここでいう「合法的な一括下請負」は、共同住宅を新築する建設工事以外の民間工事について、事前に発注者から書面による承諾を得た場合に限られます(手引 PDF p.185)。公共工事と、共同住宅を新築する建設工事については、一括下請負は全面的に禁止されています(同)。この点は7-2で詳しく扱いますが、「下請でも建築一式になり得る」という例外を、共同住宅の新築に持ち込むことはできないという順序で理解してください。

1-5. 建築一式工事で「許可が必要になる」金額ライン

建設業許可が必要になるのは「軽微な建設工事」の範囲を超えたときですが、建築一式工事だけは基準が2本立てです。

・建築一式工事……1,500万円に満たない工事又は延べ面積が150㎡に満たない木造住宅工事

(手引 PDF p.5)

この2本立ての読み方には固有の難しさがあり、同じ手引の中でも書きぶりが揃っていません(監督処分の基準=PDF p.207、工事経歴書の記載要領=PDF p.51)。判定の実務は本記事では扱わず、軽微な工事(500万円未満)とは?建設業許可が不要になる範囲に一本化しています。税込か税抜か、注文者の支給材料を足すか、契約を分けた場合に合算するか——といった判定の作法はすべて keibi の記事に集約しました。「150㎡未満の木造住宅で請負代金が1,500万円以上」という最も判断の割れるパターンも含め、必ずそちらをご確認ください。

すでに無許可でラインを超えた受注をしてしまっている場合の対処は、無許可で500万円以上を受注してしまったら|今すぐ取るべき対処で扱います。

2. 区分の誤認ポイント——一棟請けでも建築一式にならない場合がある

建築一式工事は、「一式」という言葉から連想される意味と、法令上の意味がずれている業種です。ここが相談で最も時間を取る部分ですので、手引に何が書かれていて、何が書かれていないのかを切り分けて整理します。

2-1. 「いろいろやる工事」ではない——個別の専門工事として施工できるものは一式ではない

もっとも多い誤解が、「複数の工種が入っている=建築一式」という理解です。手引の記述はこれを明確に否定しています。

個別の専門工事として施工が可能な工事は、一式工事ではなく各専門工事に該当します。

(手引 PDF p.162)

さらに手引は、主たる工事として請けた専門工事に他の専門工事が附帯して発生しても、業種は主たる工事の側で判断されるため一式工事とは認められないと付け加えています(手引 PDF p.162)。附帯工事をどう考えるかは、1-2でご案内したリフォーム向けの記事でも業種の選び方として取り上げています。

たとえば、内装仕上工事を主たる工事として請け、その中で電気の移設や軽微な大工工事が附帯的に発生した——という工事は、主たる工事である内装仕上工事の部分で判断されるため、建築一式工事にはなりません。「工種が2つ以上入っているか」ではなく、「主たる工事が特定できるか」「個別の専門工事として施工可能か」が分かれ目です。

1-2の②(500万円以上の専門工事を2つ以上、有機的に組み合わせた1件の工事)と混同しないでください。②は500万円以上の専門工事が複数、組み合わさっているという構造を指していると読めます(この点について手引に明示の判断基準はなく、個別判断となります)。主たる工事が明確な工事と、②に当たる工事の切り分けは、工事台帳等の資料をもとに個別に判断されます(2-5)。

なお、一式工事と専門工事の一般的な違い・使い分けの全体像は、一式工事と専門工事の違い|一式を取れば全部できる誤解で整理しています。本記事は建築一式工事そのものの範囲に絞ります。

2-2. 建築一式の許可は「上位互換」ではない

これは手引に明記されています。建築一式工事(建築工事業)の許可を持っていても、建築系の専門工事を500万円以上で施工するには、その専門工事の許可が別に必要になる——手引はそう定めています(手引 PDF p.162)。

建築一式工事の許可を持っていても、内装仕上工事を単独で500万円以上請け負えば、内装仕上工事業の許可が別に必要になります。「建築一式は最上位の許可だから、下の専門工事は全部できる」という理解は誤りです。この「一式は上位互換ではない」という一点は、2-1でご案内した一式工事と専門工事の違いの記事が中心テーマに据えている論点でもあります。

工務店・総合建設業で業種追加のご相談が発生する原因の多くが、ここにあります。一棟請けは建築一式で受けられても、その後に単発で入ってくる専門工事の直請が積み上がった結果、専門工事の側で許可が必要になる、という流れです。大工工事業内装仕上工事業防水工事業とび・土工工事業電気工事業管工事業塗装工事業解体工事業の各記事もあわせてご覧ください。

2-3. 建築物の「解体」——総合的な企画・指導・調整のもとに行うなら建築一式

解体工事の扱いには、建築一式工事に関わる明示の記述があります。手引は、総合的な企画・指導・調整のもとで土木工作物や建築物を壊す工事は、その対象に応じて土木一式工事または建築一式工事に区分されるとしています(手引 PDF p.161)。

つまり、建物1棟の解体を総合的な企画・指導・調整のもとに請け負う場合は、解体工事業ではなく建築一式工事に該当し得るということです。ただし、解体工事には建設業法以外の法令に基づく登録制度も関わりますので、境界の判断は個別に行う必要があります。詳細は解体工事業の建設業許可|登録との違いをご覧ください。

2-4. 避難階段の設置——消防施設工事ではなく建築一式又は鋼構造物

手引の業種区分表には、建築一式工事の行に注記が1つだけ置かれています。

ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当する。

(手引 PDF p.158、p.161)

「避難」という言葉から消防施設工事を連想しがちですが、外壁に固定される避難階段は建物の躯体の一部として扱われます。1-2の①(躯体に変更を加える)の考え方が、具体例として現れている箇所です。なお手引は「建築一式工事又は鋼構造物工事」と書いており、どちらかに一義的に決まるとはしていません。実際の工事内容に応じた個別判断になります。

2-5. 区分の誤認ポイント・早見表

迷いやすいケース手引に書かれている事実手引に記載がない事項
複数工種が入る工事個別の専門工事として施工可能なものは一式ではない/附帯工事があっても主たる工事の部分で判断(PDF p.162)「有機的に組み合わせた」の具体的な判断基準
内装中心のリフォーム500万円以上の専門工事を2つ以上有機的に組み合わせた1件の工事は建築一式(例:電気700万円+内装仕上800万円)(PDF p.162)3工種以上の場合の扱い、金額構成の考え方
耐震補強躯体に変更を加える場合に含まれると明記(PDF p.162)補強の程度による線引き
少額の工事一式工事は「大規模又は施工内容が複雑な工事」とも定義され、余りにも少額な工事は認められない(PDF p.162)「余りにも少額」の金額基準
建物1棟の解体総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を解体する工事は建築一式に該当(PDF p.161)解体工事業との具体的な線引き
外壁の避難階段設置消防施設工事ではなく、躯体の一部として建築一式又は鋼構造物(PDF p.158・p.161)両者のどちらになるかの判断基準
専門工事の直請建築一式の許可があっても、500万円以上の専門工事には各専門工事の許可が必要(PDF p.162)

この表の右列(記載がない事項)が、まさに個別相談で判断すべき領域です。そして手引は、この領域について明確な相談ルートを用意しています。

手引は、業種の区分を誤ることが無許可営業・技術者配置義務違反・一括下請負といった法令違反にそのままつながるとして、関係法令にもとづいて適切に整理するよう求めています。そのうえで、工事は内容も関係者も一件ごとに異なるため、区分に疑義があるときは工事台帳・現場写真・施工体制台帳・施工体系図など、工事内容と施工体制の詳細が分かる資料を示して、岡山県土木部監理課建設業班に個別に相談してほしいと案内しています(手引 PDF p.162)。業種が決まらないときの相談ルートの使い方は、1の冒頭でご案内した建設業許可29業種の記事にまとめています。

業種区分は、書類の書き方が上手いか下手かという話ではなく、会社の法令遵守そのものに関わる領域です。岡山県がそこまで踏み込んで書いている以上、判断に迷う工事は資料を揃えて確認すべきです。当事務所でも、必要に応じて岡山県土木部監理課建設業班へ照会したうえでご回答しています。

3. 建築一式工事の許可要件(全体像と、建築一式で詰まる2つの要件)

建築一式工事だからといって、許可要件そのものが特別になるわけではありません。要件は全業種共通の次の6つです。

要件概要建築一式工事での詰まりやすさ
経営業務の管理責任者(経管)建設業の経営について5年以上の経験を持つ常勤役員等を置くこと★★★ 個人の工務店から法人成りした直後に問題になりやすい
営業所技術者(旧:専任技術者)営業所ごとに、資格または実務経験を満たす技術者を専任で置くこと★★★ 建築一式は指定建設業。技士補・技能士・技術士が使えず、選択肢が資格の系統ごと限られる
誠実性請負契約に関して不正・不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと
財産的基礎500万円以上の資金調達能力、自己資本500万円以上、直前5年間の許可継続営業実績のいずれか★★
欠格要件に該当しないこと拘禁刑以上の刑・一定の法令違反による罰金刑等から5年を経過しない者等に該当しないこと
社会保険への適切な加入健康保険・厚生年金・雇用保険の加入★★

(要件の根拠:手引 PDF p.7〜10)

要件の詳細は建設業許可の6つの要件(自社が取れるか診断)に集約していますので、本記事では建築一式工事で相談が集中する2つの要件だけを取り上げます。

3-1. 経営業務の管理責任者——法人成り直後がいちばん危ない

経管は、建設業の経営について5年以上の経験を持つ常勤役員等を置く要件です(詳細は経営業務の管理責任者とは|要件・経験年数・証明方法)。

工務店で多いのは、「個人の大工・工務店として20年やってきて、数年前に法人化した」というケースです。個人事業主としての経営経験も期間に算入できますが、それを証明する書類が必要です。岡山県の営業所調査では、確定申告書の控え(税務署の収受印があるもの等)や所得証明で確認されます(手引 PDF p.17)。「確定申告は税理士任せで手元に控えがない」というパターンは頻繁に発生しますので、書類の棚卸しは申請準備で最初にやるべき作業です。

経管を確保できない場合の打開策は経営業務の管理責任者がいない場合はどうする?に、法人成りとの関係は法人成りで建設業許可は引き継げる?個人事業主の建設業許可|個人で取る?法人化してから取る?にまとめています。

3-2. 営業所技術者——建築一式では選択肢が「資格の系統ごと」限られる

営業所技術者を満たすルートは、①資格ルート(建築一式工事に対応する資格を持つ人を置く→4章)と②実務経験ルート(建築一式工事の実務経験を書類で証明する→5章)の2つです。

そして冒頭でお伝えしたとおり、建築一式工事では技士補・技能士・技術士が使えません。これは「特定の資格が1つ2つ落ちている」という話ではなく、資格の系統ごと使えないという話です。他業種向けの一般的な解説をそのまま当てはめると、人員計画の前提が崩れます。

なお、必要書類の全体像は建設業許可の必要書類一覧|新規・一般、財産的基礎の500万円と残高証明の実務は建設業許可の財産的要件|500万円・残高証明の準備をご覧ください(財産的基礎の500万円は、1-5で触れた請負金額のラインとはまったく別の話ですので混同しないでください)。

4. 営業所技術者になれる資格——建築一式工事の対応資格一覧

ここが本記事の中核です。以下は岡山県「建設業許可の手引」(令和7年9月1日改訂)の資格一覧表(PDF p.163〜164)の、建築一式工事の列にもとづく整理です。

4-0. 表の読み方(手引の凡例)と、建築一式が「網掛け」である意味

手引の凡例は次のように整理されています(PDF p.164)。は、網掛け(=指定建設業)の業種であっても特定建設業の許可まで取得できる資格。は、特定建設業の許可も取得できる資格。は、一般建設業の許可を取得できる資格で、指定建設業以外の業種であれば指導監督的実務経験を積むことで特定も狙えます。

凡例でいう網掛け部分=指定建設業です。指定建設業は土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種であり、建築一式工事はこれに当たります(手引 PDF p.11)。

凡例の括弧書きに注目してください。「○」の資格でも指定建設業以外なら指導監督的実務経験で特定建設業を狙えますが、建築一式は指定建設業なのでこの道がありません。この一点が、建築一式工事の資格戦略のすべてを規定します(4-4)。

4-1. 建築一式工事の営業所技術者になれる資格

根拠法令資格建築一式の記号意味
建設業法(技術検定)1級 建築施工管理技士一般・特定のいずれの営業所技術者にもなれる
建設業法(技術検定)2級 建築施工管理技士(建築)一般建設業の営業所技術者になれる(建築一式の列に追加の実務経験を求める注記記号は付されていない)
建築士法1級 建築士一般・特定のいずれの営業所技術者にもなれる
建築士法2級 建築士一般建設業の営業所技術者になれる

出典:岡山県「建設業許可の手引」(令和7年9月1日改訂)PDF p.163〜164

2級建築施工管理技士は種別の確認が必須です。手引の資格一覧表では、2級建築施工管理技士は「建築」「躯体」「仕上げ」の種別ごとに行が分かれており、種別と業種の組み合わせによっては「合格後5年間の実務経験が必要」という注記(*13)が付されています(PDF p.163〜164)。「2級建築施工管理技士を持っている」だけでは判断できず、合格証明書に記載された種別と合格年度まで確認しなければ結論が出ません。現物をお持ちのうえでご相談ください。

4-2. ★建築一式工事で「使えない資格」——技士補・技能士・技術士

ここが本記事で最も強調したい点です。

(1)施工管理技士補は使えません

手引は、技士補(第一次検定合格者)による営業所技術者について、次のように定めています。

1級の第1次検定又は第2次検定に合格した者で、その合格後3年以上の建設工事(指定建設業及び電気通信工事業を除く。)の施工に従事した経験を有すること。

2級の第1次検定又は第2次検定に合格した者で、その合格後5年以上の建設工事(指定建設業及び電気通信工事業を除く。)の施工に従事した経験を有すること。

(手引 PDF p.9)

建築一式工事は指定建設業ですから、この「除く」側に入ります。つまり、1級建築施工管理技士補が社内にいても、その資格で建築一式工事の営業所技術者を満たすことはできません。塗装工事業や防水工事業では技士補+実務経験のルートが有効に働きますが、建築一式では使えない——業種を横断して人員を配置している会社ほど、ここを取り違えます。

(2)技能検定(技能士)は使えません

建築大工、型枠施工、内装仕上施工といった技能検定は、それぞれ対応する専門工事業の営業所技術者になれる資格ですが、資格一覧表で建築一式工事の欄に記号は付されていません(手引 PDF p.163〜164)。現場の技能を証明する資格と、総合的な企画・指導・調整を行う立場を証明する資格は別物だ、という制度設計になっています。

(3)技術士も使えません

技術士法にもとづく資格は、土木一式工事をはじめ多くの業種で有効ですが、建築一式工事の欄には記号が付されていません(手引 PDF p.163)。

(4)木造建築士も使えません

木造建築士は大工工事業の欄に記号が付されている資格であり、建築一式工事の営業所技術者にはなれません(手引 PDF p.163)。木造住宅を一棟請けしている工務店で、社内の建築士資格が木造建築士だけという場合は、この時点で資格ルートが成立しません。実務経験ルート(5章)か、2級建築士以上の確保を検討することになります。

したがって、建築一式工事で営業所技術者を確保するルートは、実質的に次の3つに絞られます。

  1. 1級・2級建築施工管理技士(種別・合格年度の確認が必要)
  2. 1級・2級建築士(木造建築士は不可)
  3. 建築一式工事の実務経験指定学科卒業なら卒業後5年/3年、学歴によらない場合は10年)(→4-3・5章)

4-3. 学歴による実務経験の短縮

学歴があると、実務経験の必要年数を短縮できます(手引 PDF p.9 ②)。

学歴必要な実務経験
高等学校・中等教育学校・専修学校の専門課程で指定学科を修了して卒業卒業後5年以上
大学(短期大学を含む)・高等専門学校・専修学校の専門課程(専門士・高度専門士に限る)で指定学科を修了して卒業卒業後3年以上
指定学科なし10年以上(→5章)

(手引 PDF p.9・p.165)

建築一式工事の指定学科は2学科です(手引 PDF p.166 の表)。建築系の学科(建築学)はこれに含まれます。手引は、指定学科について「ここに掲げる学科と同一名称でなくとも、その内容又は実態がここに掲げる学科と同程度のものであれば構いません」とも補足しています(PDF p.166)。ご自身や社員の卒業学科が該当するかどうかは、卒業証明書に記載された学科名をもとに個別に確認する必要があります。

実務上の意味工業高校の建築科の卒業者なら、10年ではなく5年で足りる可能性があるということです。卒業証明書1通で必要年数が半分になり得るわけですから、「10年は難しい」と諦める前に、まず学歴を確認してください。なお、学歴+実務経験のルートを使う場合は、卒業証明書(原本)の添付が必要です(卒業証書の写しは原則不可/手引 PDF p.83)。

4-4. ★特定建設業を取る場合——建築一式は実務経験ルートが使えない

元請として、発注者から直接請け負う工事について下請代金の総額が8,000万円以上(建築工事業の場合。その他の業種は5,000万円以上)となる下請契約を締結して施工する場合は、特定建設業の許可が必要です(手引 PDF p.10。金額はいずれも税込で、元請負人が提供する材料等の価格は含めません)。

そして、特定建設業の特定営業所技術者の要件はこうです。

指定建設業(土、建、電、管、鋼、舗、園)の場合

 1級の国家資格者又は技術士、1級相当と大臣が認定した者

② 指定建設業以外の業種の場合

 ア 1級の国家資格者、技術士

 イ 一般建設業の営業所技術者等となる資格要件を満たす者で、……2年以上指導監督的な実務の経験を有する者

(手引 PDF p.11)

建築一式工事は①に入ります。したがって「イ」の指導監督的実務経験2年のルートは使えません。岡山県の審査要領も、実務経験を含む特定のコード(「8」「5」「2」)について「指定建設業(土、建、電、管、鋼、舗、園)を除く」と明記しています(審査要領 PDF p.7)。

この差は、建築一式工事の事業計画に直結します。

建築一式工事(指定建設業)塗装・内装仕上など(指定建設業以外)
一般建設業の営業所技術者資格または実務経験(指定学科卒業なら5年/3年、学歴によらない場合10年)資格または実務経験(同左)
特定建設業の特定営業所技術者1級の国家資格者・技術士・大臣認定に限る(実務経験では代替できない)1級国家資格者・技術士のほか、一般の要件+指導監督的実務経験2年でも可
根拠手引 PDF p.11/審査要領 PDF p.7手引 PDF p.11

建築一式工事で特定建設業まで視野に入れるなら、1級建築施工管理技士または1級建築士が社内に必要だということです。しかも特定建設業には、資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上・欠損の額が資本金の20%以下・流動比率75%以上というより高度な財産的基礎も課されます(手引 PDF p.11)。

一般建設業で許可を取り、事業の拡大に合わせて特定へ——という道筋を描く場合、建築一式では「1級の有資格者の確保」が前提条件として先に立ちます。この逆算は、許可を取る段階で済ませておくべき検討です。

5. 実務経験ルートの証明と通算ルール

資格がない場合、建築一式工事について10年以上の実務経験で営業所技術者の要件を満たします(手引 PDF p.9 ⑤)。

証明の考え方そのものは業種共通ですので、より詳しい全体像は営業所技術者(旧:専任技術者)の実務経験10年を証明する方法をご覧ください。本章では、建築一式工事の申請で実際に問題になるルールに絞って整理します。

5-1. 何で証明するのか——「経験があった」では通らない

実務経験は、様式第9号(実務経験証明書)を作成して証明します(監理技術者資格者証で確認できる場合は、その写しで代えられます/手引 PDF p.82)。重要なのは、様式第9号を出して終わりではないという点です。手引によれば、実務経験証明書に書いた工事は申請書・届出書の受付後に別途行われる調査の対象になり、その場で契約書の原本、または注文書の原本と請書の写しなどを提示して工事内容を確認されます。この裏付けが出てこなければ実務を経験したことを証明できたことにならず、営業所技術者になることはできません(手引 PDF p.165/※手引の原文は旧称の「専任技術者」表記)。

建築一式工事の実務経験証明には、他業種にはない難しさがあります。契約書が揃っていたとしても、その工事が「建築一式工事」だったことを示さなければならないからです。工事名が「◯◯邸新築工事」であれば分かりやすいのですが、「◯◯ビル改修工事」のような工事名では、それが建築一式に当たるのか、内装仕上や大工などの専門工事なのかが書類から読み取れません。契約書に加えて、工事の内容が分かる資料が必要になるのはこのためです(6-4)。

5-2. 期間の通算ルール——空白が「3か月」か「4か月」かで結果が変わる

実務経験期間の通算について、手引は明確な基準を置いています。ある工事の工期と次の工期の間が空いたとしても、その空白が3か月以内であれば実務経験は途切れずに続いているものとして扱われます。反対に、空白が4か月以上あるときは、その分を差し引いて必要年数を計算するという定めです(手引 PDF p.83「期間計算方法」・記載例あり)。

つまり、単純に「最初の工事から最後の工事まで10年」ではなく、4か月以上の空白を控除した実質の期間で10年を満たす必要があります。

建築一式工事では、この点が独特の効き方をします。1件あたりの工期が長いため、工事が連続していれば空白は生まれにくい一方、受注が途切れた期間はそのまま大きな空白として現れるからです。工事記録を時系列に並べたとき、4か月以上の空白がどこにいくつあるか——ここを最初に確認すると、必要な年数の見通しが立ちます。

5-3. 誰が証明するのか——自分で自分を証明することはできない

証明は原則として実務経験を積んでいた時期の使用者が行いますが、手引は次の2点も明記しています(PDF p.82)。1つは、個人事業主が自分で自分の実務経験を証明することはできず、法人成りした場合も法人設立より前の期間については会社側に証明能力がないため、同業他者2者による証明が必要になること。もう1つは、その同業他社に求められるのは継続的に建設業を営んでいることだけで、建設業許可を持っているかどうかも、営業している業種が何かも問われないことです。

工務店は個人の大工から独立・法人成りという経路が非常に多い業種です。そのため「個人事業として建物を建ててきて、法人化してから許可を取りたい」という頻出パターンが、そのまま同業他者2者証明が必要なケースに当たります。組み立て方は次のとおりです。

  1. 証明を頼む相手は「実態を知っている人」に限られる。手引は許可の有無・営業業種を問わないとしていますが、証明後も工事請負契約書等による裏付け確認が別途行われます。当時の取引や工事の実態を実際に把握している同業者でなければ成り立ちません(実務経験証明書は虚偽記載が許可の取消し・罰則につながり得る書類です)。
  2. 証明書だけでは足りない。2者の証明をもらっても、工事請負契約書等の書類確認ができなければ許可は取得できません
  3. 早い段階で相手を洗い出す。廃業・代替わりで連絡が付かなくなる前に、該当しそうな相手をリストアップしておくと進めやすくなります。

5-4. 実務経験に含まれる範囲と、年数の確認方法

実務経験の範囲と年数の確認方法についても、手引に定めがあります(いずれも PDF p.82)。建築一式工事で効いてくる3点を挙げます。

  • 見習い期間も算入できる:手引は「これらの技術を習得するためにした見習中の技術的経験も含まれます」と明記しています(雑務のみの経験は含まれません)。
  • 設計に従事した経験も含まれる:手引は「建設工事の発注に当たって設計技術者として設計に従事した経験も含みます」としています。設計と施工の両方を手がける工務店にとっては見落とせない一文です。
  • 年数は原則として社会保険加入期間で確認される:手引は「原則として社会保険加入期間の年月を記入してください」とし、未加入期間については出勤簿・賃金台帳・源泉徴収票・所得証明書の写しの提示を求めています。年数が経つほど揃えにくくなるため、思い立った時点で着手するのが最も安全です。

5-5. ★建築一式の実務経験は「専門工事へ振り替えられる」——業種追加を見据えた資産になる

実務経験の通算には、まず押さえるべき制限があります。手引は実務経験証明書の作成枚数について、申請する業種ごとに分けて作ること、そして一人が複数の業種をいずれも実務経験で担当する場合は、担当期間の重複を認めないことを定めています。資格を持たない人が2業種を担当するなら、業種ごとに10年ずつ、合わせて20年分の経験を証明しなければならない、という意味です(手引 PDF p.82・p.165)。

ところが建築一式工事には、この原則を緩和する規定が用意されています。手引は、技術的な共通性がある業種間での実務経験の振替えを認めており、建築一式工事はその「振替え元」として明記されています。

① 一式工事から専門工事への実務経験の振替えを認める場合

 土木一式 → とび・土工、しゅんせつ、水道施設、解体

 建築一式 → 大工、屋根、内装仕上、ガラス、防水、熱絶縁、解体

 注) 矢印の方向にのみ振り替え可となります。右側の業種間での振替えはできません。

(手引 PDF p.167)

そして緩和の年数はこう定められています。手引の「実務経験要件の緩和年数」(3)によれば、営業所技術者等になろうとする業種での実務経験と、それ以外の業種での実務経験を合わせて12年以上持っていれば、その業種の営業所技術者等になる資格を得られます。ただし最低条件として、営業所技術者等になろうとする業種について、それぞれ8年を超える実務経験があることが必要です(手引 PDF p.167)。

手引は短縮効果の例も示しており、一式工事から専門工事への振替えの場合は最大2年の期間短縮(通常20年必要なところ18年)とされています(PDF p.167)。

この規定の実務上の意味は大きく2つあります。

  • 建築一式工事で積んだ実務経験は、大工・屋根・内装仕上・ガラス・防水・熱絶縁・解体の7業種の営業所技術者要件にも活かせます。一棟請けをしてきた工務店が、後から専門工事の業種追加を検討する際、ゼロから10年を積み直す必要がない場合があります。
  • 逆向きはできません。「大工工事の実務経験10年を建築一式に振り替える」ことは認められていません(矢印の方向にのみ可)。建築一式工事の営業所技術者を実務経験で満たすには、建築一式工事として積んだ期間が必要です。ここは誤解が生じやすいところです。

なお、この緩和の対象は建設業法第7条第2号ロ該当(10年以上の実務経験)に限られ、同条第2号イ該当(学歴+実務経験)では認められません(手引 PDF p.167)。学歴で年数を短縮したうえで、さらに振替えも使う、という重ね方はできないということです。

5-6. 実務経験の証明で、最初にやるべき3つの確認

10年ルートを検討する場合、次の3点を先に確認すると見通しが立ちます。

  1. 資格:建築施工管理技士(種別・合格年度)、建築士(。木造建築士では不可)の現物を確認します。技士補・技能士は建築一式では使えませんので、ここで代替できません(4-2)。
  2. 学歴:工業高校の建築科などの卒業なら、10年ではなく5年で足りる可能性があります(4-3)。卒業証明書が取得できるかを確認してください。
  3. 工事書類の棚卸し:契約書・注文書・請書の原本がどの年のぶんまで残っているか。その工事が建築一式工事だったことを示す資料(設計図・工事台帳等)が残っているか。4か月以上の空白がどこにあるか(5-2)。

まず資格と学歴、次に書類——この順番で確認すると、「10年分の書類を集める」という最も重い作業を回避できる場合があります。

6. 岡山県での手続き——提出先・営業所調査・費用と期間

ここからは、岡山県で実際に申請する場合の手続きです。建築一式工事に限らず全業種に共通しますが、岡山県特有の運用が複数あります。

6-1. 申請書の提出先は「県庁6階」の一元窓口

まず、最も誤解されている点です。建設業許可の申請書・変更届は、県民局では受け付けていません。

岡山県土木部監理課建設業班(県庁6階)

〒700-8570 岡山市北区内山下2-4-6/直通 086-226-7463

窓口受付時間 9:00〜11:30、13:00〜16:30(閉庁日を除く)

郵送での提出も受付(送付先は同じ)

手引には「建設業許可申請及び変更届の受付については出先機関ではなく、本庁の土木部監理課建設業班で行っています」と明記されています(PDF p.168)。倉敷市・津山市など県庁から距離のある地域の事業者にとっては、郵送または電子申請が現実的な選択肢になります(電子申請については PDF p.20)。

そして、岡山県の運用で最も重要なのが次の一文です。

事前審査は一切行いません。正本と副本を必要部数作成し、日付の記入、納付済証の貼付等の遺漏がないことを確認し、書類を完全に整えた上で提出(送付)してください。

(手引 PDF p.16)

つまり、「窓口で相談しながら少しずつ整えていく」ことができません(加えて11:30〜13:00と16:30以降は窓口閉鎖で、審査の途中であっても窓口閉鎖の時刻で審査は終了します)。建築一式工事のように業種区分の判断と実務経験の証明という2つの論点を同時に抱える申請では、この運用が実際の負担として効いてきます。

6-2. 県民局が担うのは「営業所調査」

申請そのものは本庁一元ですが、営業所調査は所轄の県民局が担当します。手引は「営業所調査については、許可申請受付後、半月程度で所轄の県民局から実施の連絡を行います」としています(PDF p.17)。岡山県は所在地に応じて備前・備中・美作の3つの県民局建設部ごとに担当区域を設けており(PDF p.168)、市町村ごとの担当区域と地域別の進め方は岡山市で建設業許可を取るには倉敷市で建設業許可を取るにはをご覧ください。

なお、営業所調査が早く終わったからといって許可が早く出るわけではありません。本庁の調査は別途進行しているためです(PDF p.17)。

6-3. 営業所調査で確認されるもの

確認項目は経管の経験・常勤性・財務内容まで多岐にわたりますが(手引 PDF p.17〜19)、建築一式工事の申請で実際に詰まるのは次の2点です。

確認項目確認されるもの建築一式で詰まる理由
営業所の所在看板(容易に確認できるもの)、机、電話及びファクシミリ、営業所の賃貸借契約書(原本)自宅兼事務所・作業場併設の形態が多く、看板とFAXが未整備のことがある
営業所技術者の実務経験様式第9号に記入した工事の請負契約書(原本)又は注文書(原本)+請書(写し)記載した工事が建築一式工事であったことまで示せる資料が必要になる

そして手引は、はっきりこう書いています。

※いずれも確認できるものがなければ、許可を受けることができません。

(手引 PDF p.17)

注意していただきたいのが、営業所そのものの要件です。手引は「営業所は居住部分と共用することはできません」「賃貸借契約を締結している場合には、契約書上で営業活動に利用することが認められていることが必要です」と定めています(PDF p.17)。自宅の一室を事務所にしている形態では、ここで引っかかることがあります。看板・机・電話・FAXという物理的な備えも、調査当日までに整えてください。

6-4. ★岡山県固有の運用——建築一式は工事経歴書で資料の提示を求められる

これは、建築一式工事を扱う事業者にとって岡山県で最も実務に効く一文です。手引は、工事経歴書(様式第2号)の記載要領で次のように定めています。

※それぞれの業種の工事経歴書に記載した根拠について、工事名だけでは分かりにくい場合には、上記のとおり( )書きで工事内容を具体的に補記しますが、それでもいずれの許可業種に当たるかが分かりにくいとき(特に、土木一式工事及び建築一式工事)は、当該工事について、現場写真、設計図、工事台帳、施工体制台帳、施工体系図等の資料を提示してください(鮮明であれば写しで構いません。郵送の場合は各1部を同封してください。)。

(手引 PDF p.50)

岡山県は、業種の判別が難しい代表例として「特に、土木一式工事及び建築一式工事」を名指ししています。手引はさらに、工事名について「契約書・注文書と異なる工事名で記載することはできません」とも定めています(PDF p.50)。もう一方の一式工事である土木一式工事の建設業許可についても、同じ運用が及びます。

これが意味するのは、次のことです。

  • 契約書の工事名の付け方が、後の申請の負担を左右する。「一式工事」「◯◯工事」といった漠然とした工事名が並んでいると、毎年の事業年度終了報告のたびに補記と資料提示が発生します。
  • 建築一式として計上する工事は、設計図・工事台帳・現場写真を残しておく。実務経験の証明(5-1)でも同じ資料が効きます。同じ資料が、許可の取得時と取得後の毎年の報告で二度効くわけです。

岡山県の審査要領も、工事経歴書の業種区分について「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方」および「業種分類における一式工事の考え方、兼業事業との区別」を踏まえて記載するものとしています(審査要領 PDF p.7)。建築一式工事は、書類の作り方の段階から業種区分を問われ続ける業種だと考えてください。

6-5. 費用と期間

項目金額・期間
岡山県知事許可・新規(許可換え新規・般特新規を含む)の法定手数料90,000円
岡山県知事許可・更新/業種追加法定手数料50,000円
当事務所の報酬(法人・新規)132,000円(税込目安)/合計 222,000円
当事務所の報酬(業種追加=既存許可に建築一式工事を足す)55,000円(税込目安)/合計 105,000円
申請受付から許可まで特に問題がないケースで概ね2か月程度

(法定手数料の出典:手引 PDF p.14/期間の出典:手引 PDF p.16)

※ 当事務所の報酬額はいずれも税込の目安です。業種数・営業所数・実務経験証明の分量など案件内容により変動します。正確な金額は事前にお見積りをお出ししたうえで着手しますので、まずは無料相談でご確認ください。証明書等の取得実費は別途必要です。

法定手数料について、実務で誤解されやすい点を2つ補足します。

  • 法定手数料は、申請する業種の数と関係ありません。建築一式工事1業種でも、建築一式+大工+内装仕上の3業種でも、新規なら90,000円です(手引 PDF p.14)。
  • 納付は「岡山県手数料等(POS)納付連絡票」を印刷して収納専用窓口で支払い、納付済証を様式第1号 別紙三に貼付する方式です(手引 PDF p.14)。納付方法は令和5年10月以降に変更されていますので、必ず岡山県の最新の手引でご確認ください(本記事は令和7年9月1日改訂版にもとづいています)。

費用の詳しい内訳(証明書の取得実費・条件別の総額)は建設業許可の費用はいくら?、行政書士報酬の考え方は建設業許可を行政書士に依頼する費用相場にまとめています。

なお、「標準処理期間◯日」と断定できる記載は手引にありません。手引にあるのは「特に問題がないケースで概ね2か月程度かかります」という記述です(PDF p.16)。そしてこの2か月は申請を受け付けてもらってからの期間ですので、実際にはここに書類収集の期間が加わります。

建築一式工事では、この「書類収集の期間」が読みにくいという固有の事情があります。実務経験ルートで申請する場合、契約書・注文書の原本に加えて、その工事が建築一式工事であったことを示す資料(設計図・工事台帳・現場写真等)まで揃える必要があるためです(5-1・6-4)。資格ルートで進められるのか、実務経験ルートになるのかによって、準備期間は大きく変わります。「着工予定の物件があり、◯月までに許可を」という場合は、逆算のためにも早い段階でご相談ください。

7. 許可のその先——技術者の配置・一括下請負・公共工事・維持管理

建築一式工事は、許可を取った後の規制がもっとも重い業種のひとつです。ここを知らずに取得すると、取得後に体制の組み直しが発生します。

7-1. 現場に置く技術者——建築一式は「9,000万円」「8,000万円」の2つの基準

許可を受けた業種については、元請・下請の別や請負金額の多寡を問わず、工事現場に主任技術者を配置する義務があります(手引 PDF p.180)。そのうえで、建築一式工事には他業種と異なる金額基準が2つあります。

論点一般の業種建築一式工事出典
現場ごとの専任が必要になる工事税込4,500万円以上の公共性のある工作物の工事税込9,000万円以上手引 PDF p.21・p.180〜181
特定建設業者が元請として下請に出す総額(監理技術者の別途配置が必要になる)税込5,000万円以上税込8,000万円以上手引 PDF p.180
特定建設業の許可が必要になる下請代金の総額5,000万円以上8,000万円以上手引 PDF p.10

「公共性のある工作物の工事」とは、手引によれば個人住宅を除くほとんどの工事であり、国・地方公共団体発注の施設、道路・上下水道等、学校、図書館、寺院、工場、病院、デパート、事務所、ホテル、共同住宅などが挙げられています(PDF p.181)。アパート・マンションの新築は、この「公共性のある工作物」に含まれます。

そして、営業所技術者との関係が重要です。許可上の営業所技術者等は営業所に常勤していなければならないため、専任配置が求められるこうした工事に充てることは原則としてできないと手引に定められています(手引 PDF p.181)。つまり、共同住宅の新築を受注しても、営業所技術者をその現場の専任技術者に据えることはできない——別の技術者を確保しなければ工事が回りません。この配置ルールの全体像は土木一式工事の建設業許可|要件・対応資格と実務経験で扱っています。

岡山県の審査要領は、工事経歴書の提出時に次の違反があった場合、業務改善報告書を徴したうえで申請等を受け付けるという運用を定めています。

① 技術者の専任が必要な工事(法第26条第3項)に、営業所技術者等を配置していた場合

② 専任が必要な工事に配置している技術者を、その工事の工期内に、他の工事にも技術者として配置していた場合

営業所技術者等を隣接県を超える遠方の工事に技術者として配置していた場合

(岡山県「審査要領」令和7年9月1日 PDF p.7)

建築一式工事の会社では、この問題が最も先鋭に出ます。建築一式の営業所技術者になれる資格が1級・2級建築施工管理技士と建築士に限られている以上(4章)、その資格者は現場の主戦力でもあるからです。「社長が1級建築施工管理技士で、営業所技術者も現場代理人も兼ねている」という体制は、専任性を求められる工事を受注した瞬間に成立しなくなります。

実務上の意味:許可を取る段階で、①誰を営業所技術者に据えるか ②専任が必要な規模の工事を受けるときに誰を現場に置くかを分けて設計しておく必要があります。答えは会社の人員構成によって変わりますので、無料相談で実情をお聞かせください。

7-2. ★共同住宅の新築は、一括下請負が全面的に禁止されている

建築一式工事の事業者にとって、絶対に外せない規制です。

③ このため、建設業法第22条は、いかなる方法をもってするかを問わず、建設業者が受注した建設工事を一括して他人に請け負わせること(同条第1項)、及び建設業を営む者が他の建設業者が請け負った建設工事を一括して請け負うこと(同条第2項)を禁止しています。

また、共同住宅を新築する建設工事以外の民間工事については、事前に発注者の書面による承諾を得た場合は適用除外となりますが(同条第3項)、……公共工事(以下単に「公共工事」といいます。)や共同住宅を新築する建設工事については建設業法第22条第3項は適用されず、全面的に禁止されています。

(手引 PDF p.185)

整理すると、次のとおりです。

工事の種類一括下請負
公共工事全面禁止(発注者の承諾があっても不可)
共同住宅を新築する建設工事全面禁止(発注者の承諾があっても不可)
上記以外の民間工事事前に発注者から書面による承諾を得た場合は適用除外

アパート・マンションの新築を一棟請けする事業者は、ここを外すと監督処分に直結します。しかも手引は、「いかなる方法をもってするかを問わず」の意味について、「契約を分割したり、あるいは他人の名義を用いるなどのことが行われていても、その実態が一括下請負に該当するものは一切禁止する」と明記しています(PDF p.185)。契約の形をどう整えても、実態で判断されるということです。

では、何をしていれば一括下請負にならないのか。手引は「実質的な関与」の中身を具体的に列挙しています。元請となった建設業者は、次の事項をすべて行うことが必要とされています(PDF p.186)。

  • 施工計画の作成:工事全体の施工計画等の作成、下請負人の作成した施工要領書等の確認、設計変更等に応じた施工計画書等の修正
  • 工程管理:工事全体の進捗管理、下請負人間の工程調整
  • 品質管理:下請負人からの施工報告の確認、必要に応じた立会確認
  • 安全管理:協議組織の設置・運営、作業場所の巡視等
  • 技術的指導:主任技術者の配置等の法令遵守や職務遂行の確認、現場作業に係る実地の総括的技術指導
  • その他:発注者等との協議・調整、下請負人からの協議事項への判断・対応、工事全体のコスト管理、近隣住民への説明

これは、1-1で見た建築一式工事の定義——「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」——とほぼ重なります。建築一式工事の許可を持つということは、この実質的関与を果たす立場に立つということであり、それを果たしていなければ一括下請負の問題になる、という構造です。

7-3. 公共工事への参入

建築一式工事は、学校・庁舎・公営住宅の建設や改修など、公共建築の分野が大きな市場を占めます。岡山県内でも、公共施設の改修・長寿命化は継続的に発生する分野です。

ただし許可を取っただけでは入札には参加できず、経営事項審査(経審)と入札参加資格申請という段階が続きます。その順番と逆算は公共工事に入りたい|建設業許可が入札参加への第一歩、経審そのものについては経審申請を岡山で依頼するならをご覧ください。

なお、公共工事では一括下請負が全面禁止であること(7-2)に加え、手引は「公共工事については、一括下請負と疑うに足りる事実があった場合、発注者は……」として、発注者側の対応にも触れています(PDF p.188)。公共工事に入るなら、施工体制の作り込みは避けて通れません。

7-4. 取引先要求がきっかけの場合

一棟請けをしていなくても、元請やハウスメーカーから許可を求められるケースがあります。「協力会社として登録するには建設業許可が必要」「取引口座の開設条件になっている」という文脈です。この場合の進め方は元請から建設業許可を求められたら|下請が取る手順ゼネコンの協力会社になるには|取引口座開設と建設業許可をご覧ください。

7-5. 建築一式こそ「更新切れ」の代償が大きい

建設業許可は取って終わりではありません。有効期間は許可日から5年間で、毎年の事業年度終了報告(決算変更届)と5年ごとの更新が続きます(手引 PDF p.21〜23)。更新申請は有効期間満了の日の30日前までに受付を済ませておく必要があり、更新をせずに有効期間が満了した場合は改めて新規に許可を取り直すことになります(手引 PDF p.21)。

建築一式工事で特に強調しておきたいのは、実務経験10年ルートで取った許可ほど、更新切れの代償が大きいという点です。取り直しとなれば法定手数料が50,000円から90,000円に上がるだけでなく、10年分の実務経験の証明を最初からやり直すことになります。しかも建築一式では、契約書の原本に加えてその工事が建築一式であったことを示す資料まで必要になります(5-1・6-4)。5年前に残っていた設計図や工事台帳が、5年後にも残っているとは限りません。

当事務所では、毎年の決算変更届・5年ごとの更新・経審・入札参加資格の更新までをまとめて管理する顧問契約(月額5,500円(税込)〜の3プラン)をご用意しています。とくに建築一式工事は、6-4で見たとおり毎年の工事経歴書で業種区分を問われ続ける業種ですので、期限管理と併せて定額でお任せいただくほうが、結果的に負担が軽くなるケースが多くあります。

よくある質問(FAQ)

Q1級建築施工管理技士補がいれば、建築一式工事の営業所技術者になれますか?
Aなれません。岡山県「建設業許可の手引」(令和7年9月1日改訂)は、技士補(第1次検定合格者)による営業所技術者の要件を「合格後3年以上(2級は5年以上)の建設工事(指定建設業及び電気通信工事業を除く)の施工に従事した経験を有すること」と定めています(PDF p.9 ③④)。建築一式工事は指定建設業(土、建、電、管、鋼、舗、園)に含まれますので(PDF p.11)、この「除く」側に当たります。建築一式工事で使えるのは、1級・2級建築施工管理技士、1級・2級建築士、または建築一式工事の実務経験(指定学科を修了して卒業していれば卒業後5年/3年、学歴によらない場合は10年)です(PDF p.9 ②⑤)。
Q建築大工の技能士がいます。建築一式工事の営業所技術者になれますか?
Aなれません。技能検定(技能士)は、対応する専門工事業の営業所技術者になれる資格として資格一覧表に掲げられていますが、建築一式工事の欄には記号が付されていません(手引 PDF p.163〜164)。同様に、技術士法の資格および木造建築士も建築一式工事では使えません。建築一式工事は「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」と定義されており(PDF p.158)、現場の技能を証明する資格とは別の系統の資格が求められる構造になっています。
Q躯体には手を付けない内装中心のリフォームでも、建築一式工事になりますか?
Aなる場合があります。手引は、建築一式工事と判断されるものとして「①建物の躯体に変更を加える場合(耐震補強を含む)」に加えて、「②軽微ではない専門工事(500万円以上)を2つ以上有機的に組み合わせた1つの建築工事」を挙げ、その例として「内訳が電気工事700万円+内装仕上工事800万円=1,500万円の1件のリフォーム工事など」を示しています(PDF p.162)。一方で、主たる工事が特定でき、そこに附帯工事が含まれるにすぎない場合は、主たる工事の部分で判断されるため一式工事とは認められません(同)。判断が分かれる領域ですので、工事台帳・現場写真・施工体制台帳等の資料をもとに個別にご確認ください。
Q建築一式工事の許可があれば、内装仕上工事や電気工事も請け負えますか?
A請け負えません。手引は「建築一式工事(建築工事業)の許可を有していても、建築系の各専門工事(500万円以上)の施工に当たっては、各専門工事の許可が必要です」と明記しています(PDF p.162)。建築一式の許可は上位互換ではありません。ただし、建築一式工事で積んだ実務経験は、大工・屋根・内装仕上・ガラス・防水・熱絶縁・解体の7業種へ振り替えることが認められており(PDF p.167)、業種追加の際に有利に働く場合があります(逆向きの振替えはできません)。
Q建築一式工事で特定建設業の許可を取りたいのですが、実務経験でも可能ですか?
Aできません。手引は、指定建設業(土、建、電、管、鋼、舗、園)の特定営業所技術者を「1級の国家資格者又は技術士、1級相当と大臣が認定した者」に限定しています(PDF p.11)。岡山県の審査要領も、実務経験を加えた特定建設業のコード(「8」「5」「2」)について「指定建設業(土、建、電、管、鋼、舗、園)を除く」と明記しています(審査要領 PDF p.7)。建築一式工事で特定を取るには、1級建築施工管理技士または1級建築士が必要です。あわせて、資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上・欠損の額が資本金の20%以下・流動比率75%以上という財産的基礎も求められます(PDF p.11)。

まとめ

建築一式工事の建設業許可で、他業種と違う対応が必要になるポイントを改めて整理します。

  1. 建築一式工事は「立場」で定義される業種です。告示の定義は「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事」であり、材料でも動作でもありません(手引 PDF p.158)。
  2. 岡山県は建築一式と判断される基準を2つ示しています。①躯体(柱・梁など)に変更を加える場合(耐震補強を含む)②500万円以上の専門工事を2つ以上有機的に組み合わせた1件の建築工事(例:電気700万円+内装仕上800万円)(手引 PDF p.162)。新築でなくても、リフォームが建築一式と判断され得ます。
  3. 「いろいろやる工事=一式」ではありません。個別の専門工事として施工可能なものは各専門工事であり、附帯工事が含まれても主たる工事の部分で判断されます。また「余りにも少額な工事」は一式と認められません(手引 PDF p.162)。
  4. 建築一式の許可は上位互換ではありません。500万円以上の専門工事を請け負うなら、その業種の許可が別に必要です(手引 PDF p.162)。
  5. ★建築一式は指定建設業です。営業所技術者になれる資格は1級・2級建築施工管理技士と1級・2級建築士に限られ(このほか建築一式工事の実務経験=指定学科卒業なら卒業後5年/3年、学歴によらない場合は10年のルートがあります)、施工管理技士補は使えず(手引 PDF p.9 ③④=指定建設業を除く)、技能検定(技能士)・技術士・木造建築士も使えません(手引 PDF p.163〜164)。
  6. ★特定建設業では実務経験ルートが一切使えません。指定建設業の特定営業所技術者は1級の国家資格者・技術士・大臣認定に限られます(手引 PDF p.11/審査要領 PDF p.7)。下請総額8,000万円以上を視野に入れるなら、1級の有資格者の確保が前提です。
  7. 建築一式の実務経験は、7業種へ振り替えられます。建築一式 → 大工・屋根・内装仕上・ガラス・防水・熱絶縁・解体(矢印の方向にのみ可)。振替先の業種は、その業種で8年を超える実務経験+建築一式と合わせて合計12年以上で営業所技術者になれます(手引 PDF p.167(3))。建築一式と専門工事の2業種を実務経験で満たす場合は、通常20年のところ最大2年短縮の18年です(同(4))。逆向きの振替えはできません。
  8. ★岡山県は、業種の判別が難しい代表例として「特に、土木一式工事及び建築一式工事」を名指ししています。工事名だけで業種が分かりにくいときは、現場写真・設計図・工事台帳・施工体制台帳・施工体系図等の提示を求められます(手引 PDF p.50)。契約書の工事名の付け方と資料の保存が、毎年の負担を左右します。
  9. 共同住宅の新築と公共工事は、一括下請負が全面禁止です(発注者の承諾があっても不可/手引 PDF p.185)。契約を分割しても実態で判断されます。
  10. 現場技術者の基準も建築一式だけ別建てです。専任が必要になるのは税込9,000万円以上、監理技術者の配置が必要になる下請総額は8,000万円以上(手引 PDF p.21・p.180)。営業所技術者を専任が必要な工事に配置することは原則できません(手引 PDF p.181/審査要領 PDF p.7)。

そして最も申し上げたいのは、建築一式工事は「資格の系統」から先に確認してくださいということです。他業種の記事や一般的な解説をそのまま当てはめると、技士補・技能士で足りると誤解したまま人員計画を立ててしまいます。建築一式は、そこが通用しない業種です。

「自社が請けている工事は建築一式で合っているのか」「社内の資格で営業所技術者を満たせるのか」「将来的に特定建設業まで取るなら何を準備すべきか」——こうしたご相談は、無料相談で個別に整理できます。

建築一式工事の許可のご相談は無料相談から(30秒入力のフォーム)

自社の工事が建築一式工事に該当するか、営業所技術者を資格で満たせるか実務経験が必要かを、建設業特化の行政書士が診断します。LINEでは、合格証明書や卒業証明書に記載された等級・種別・合格年度などをお知らせいただければ、要件を満たすかどうかの当たりを付けられます(お預かりした資格・学歴に関する情報はご相談対応の目的にのみ使用し、行政書士の守秘義務に基づいて管理します)。お電話は070-8567-3197。

Contact

お困りごとは、まず無料相談から

070-8567-3197

岡山県全域対応(岡山市・倉敷市ほか)/オンライン相談は全国対応。
電話受付:平日 9:00〜18:00(土日祝を除く)(土日祝を除く)
LINE・お問い合わせフォームは24時間受付(返信は営業時間内に順次)。
ご相談無料・秘密厳守。